森のかけら | 大五木材


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モクコレに出展することになるずっと前から、東京に出張した際の晩飯は必ずそこに行くと固く心に決めていた『怪獣酒場』。店の場所が川崎市の川崎駅前にあるため都内に泊まった場合には結構な移動距離ではありますがそんな事は問題ではありません。スターウォーズにはあれほど覚めている男が、なにを子どものようにウルトラマンにはしゃいでいるのかと思われるかもしれませんが、ものごころついた頃からテレビをつければ当たり前のようにウルトラマンがそこにいた世代としては、もはやこれは脊髄反応なのです!

この『怪獣酒場』が開店したのは結構古くて、2014年に期間限定で1年ほど営業をして、その後『帰ってきた怪獣酒場』としてリニューアルオープンしました。私がその存在を知ったのは、2015年に大阪のなんばグランド花月に『元祖怪獣酒場』がオープンした頃。これは絶対に行かねばと思っていたのですがなかなか大阪に行く機会がなかったのと、誰かと一緒に夕食をする時にはさすがにちょっと私だけ怪獣酒場に行くとは言い出せず、なかなかタイミングが掴めませんでした。そしたらなんと、大阪店は2016年の春に閉店してしまったのです(涙)。

もうこうなったら何が何でも川崎の本店に行くしかないと思っていたところに今回のモクコレ出展。しかも搬入・搬出を合わせれば東京に3日も宿泊する。さすがに3日もあれば1日ぐらいは抜け出せるだろうと、怪獣酒場に行くことを楽しみしていました。しかしモコクレの異常なほどの手応えと仲間との連帯感、そして心地よい疲労が、私の脳内から『怪獣酒場』というキーワードを完全に消し去ってしまっていたのです。ようやくその事を思い出したのは3日目に皆で食事に向かって移動している電車の中・・。嗚呼、しまった!

まあしかしさすがに今回は単独行動というわけにもいかなかったから仕方あるまいと自分に言い聞かせ皆で打ち上げがてら楽しく酒を酌み交わしました。その後店を出て新橋の駅に向かっていると、不意に「怪獣酒場」の看板が!しまった~、2017年の春からここに『怪獣酒場・新橋蒸留所』が出来ていたのを忘れていた~!時すでに遅し、店は閉店しており灯りは消えていました。折角の大チャンスを・・・涙。しかしこれでまた来年、モクコレに出展する理由が出来ました(笑)。来年こそは本物のレッドキングに会うぞ!!

高層ビル群の隙間から見える東京タワーの灯はなんだかとても抒情的でした。今その風景が作り物のようにも感じて、その先から怪獣が現れて東京の街を破壊してしまっても不思議ではないような気分。長々とモクコレのイベントについて書いてきましたが、東京物語もこれで最後です。久しぶりの3泊4日の出張でいろいろと考えることありました。いつもSNSでやり取りしている人とも直接顔を合わせて話すと一気に距離が縮まっていくのが分ります。日頃パソコンのキーを叩きながら「会話」していると現実と虚構の境が分らなくなってしまいそうになります。やっぱり時々は顔を見ながら話をして、本当に相手が実在しているのか確認しないと「かけらの王国」のカーツ大佐になってしまいそうで怖い(笑)。さあ、気合を入れ直して400種類を目指す旅に出発~!




東京の夜は田舎者には明るすぎて騒々しい。泊まっていた3日とも飲みに出ましたが、師走の夜の街はひとでごった返していました。その人の波がいつもに比べて多いのか少ないのすらも分りませんが、数日程度ならまだしも人混みの得意ではない私にはとても住めそうにはありません。若い頃からなぜか外へ出てみたいという願望は薄くて、学生時代はほとんど旅行もしたことが無くて、仕事で県外へ仕入れに行かなくてはならなくなってからしぶしぶ外に出るようになったぐらいで、東京に遊びに行きたいなんて考えたこともありませんでした。

その反動からか、働き始めてからは全国組織の日本木材青壮年連合会(木青連)に所属していた事もあり、会議などでちょくちょく東京にも行っていましたが、それも同世代の材木仲間がいたからこそで、独りだったら行ったかどうか・・・。その木青連の全国大会が年に1回、各地区持ち回りで開催されるのですが、それにかこつけて前泊して各地の製材工場や材木店を訪問させていただくようになってからは、自分とは違う考え方の材木屋の先輩方の話を聴くのが面白くなって積極的に出歩くようになりました。そしていろいろな産地の特徴豊かな木に出会ったいきました。

それが、【森のかけら】を集める下地になったのだと思います。その地に行けば、そこに泊まり、当然のように夜はお酒を飲むことになるわけですが、だいたい訪ねる先が材木店や製材所なので、繁華街からは縁遠いところに会社があるケースがほとんどで、ホテルの傍の赤ちょうちんでひっそりという事もしばしば。私としてはそんな店の方が落ち着くし、そもそもグルメでもなければ食べ物目的で来ているわけでもないので、美味しい地酒が少し飲めれば充分。こっちが気を遣わないといけないようなお姉ちゃんの店は苦手・・・。

それよりも東京に来る機会があったら行ってみたいと思っていたのは、『怪獣酒場』!説明が難しいので、円谷プロの公式サイトの解説を引用すると、『ヒーローたちに時に健闘し、時にこてんぱんにされるウルトラ怪獣たちが、夜な夜な憂さを晴らし、気力を養って、明日への新たな悪巧みをするところ。今まで世を忍んで営業してきましたが、一部の時間帯を、地球人にむけて開店することになりました。怪獣たちが主役のエンターテイメント居酒屋。怪獣たちが贈る「永遠の少年たち」のオアシスです。』という居酒屋。これは昭和40年代生まれとしては絶対行きたい!

 




店舗建築で弊社が木の仕事で絡ませてもらえる場合というのは、大抵が「普通ではない」ことが多いので(まあ一般住宅の場合でも、普通ではないことが多くなっているのですが)、変わった木を使っていただいたり、建築中の現場に打ち合わせや納品で訪れるのが舞台の裏をこっそり覗かせてもらうみたいで大好きなのです。しかし、店舗は住宅に比べると工期が圧倒的に短いためそんな至福の時間もあっという間に終わってしまいます。納品の切れ目が縁の切れ目となるのは寂しい、のはずが・・・堀江君から再びの連絡が!

もうお店は完成しているはずなのに、何かしらと思ったら、倉庫で見たもう1つのクロガキがどうしても頭から消えず、店の土間スペースの顔としてそれを置きたいとの事。もう、こうなったら毒を食らわば皿までもの心境です。こんな変態さんにNOと言うほど私も野暮な人間ではありません。ここで使ってもらわずにどこでこのクロガキが映えようか!ここまで惚れ込んでもらってこそ木の価値も上がるというもの!と、クロガキを手放すことを必死で正当化して自分に言い聞かせました。もう泣くんじゃないと!

それで、南予に納品に行った際にクロガキをお届けに伺いました。帰りにトラックのハンドルを握りしめながら、今まで10年以上も毎日のように顔を合わせていたクロガキともこれで会えなくなるのかと思うと、子どもが巣立っていくような気分に・・・(←材木屋としてはどうなのかと自分でも呆れますが)。手放した寂しさよりもこれからは、「あ、クロガキですか?いや~少し前まではここに見事な墨流しの逸品があったんですけどねえ・・・」と過去形でしか語れないのが悔しい。また買えばいいだけの話なんですがもう未練たらたら。(笑)。

しかし数日後に、堀江君から仕上がった様子の写真を見てそんな思いもふっ切れました。文字通り墨を流したような妖しげな杢と絶妙な形が合いまったクロガキのテーブルが仕上がっていました。今後このスペースで利用されるということですが、恐らくここに大洲の「普通じゃないひと」たちが集まり、このクロガキを肴に酒を酌み交わし愛でてくれることでしょう。会うべきひとは根っこでつながっていて、会うべきタイミングで会う。大洲の異能なる素晴らしき変態さんとの出会いに感謝!たぶん長いおつき合いになりそうです♬・・・完結。




私のとっておきだった墨流しのクロガキが手元から無くなって数日後のこと、再び「大洲の異能なる変態さん」からご連絡がありました。お店で大人数のパーティなどをするときに料理を乗せるための木のプレートを探しているとの事。それでご来店いただきいろいろ見てもらったのですが、長さ1m前後の小幅の『エンジュ(槐)』が、辺材と心材の色のコントラストが面白いということで、数枚ご購入いただきました。辺材分部に多少ダメージがあったりピンホールもありますが、そんな事を気にする人ではありません!

そしたらついでに欲しいものがあると、またもや危険な倉庫の奥へ!そこにあったのは例のクロガキの挽き落としのペラペラの薄板。もともと仕入れた際は厚みが5寸近くもある分厚い板だったのですが、それでは中身の美味しいところを味わいつくせないと思って、私が半分ぐらいに製材したのです。その際に、少しねじれがあったのでレベルを出すため補正して挽いた時に出来たペラペラの薄い板。厚みは薄くともその体には立派な墨流しの柄が刻まれています。しまった、これも見られていたか!後悔先に立たず・・・

もう先に親が取られてしまっているのですから今更何を言おうと防ぎきれるものではありません。どうぞどうぞと差し出しました。といっても挽き落としの薄板で端は割れて反ってもいます。これをどうやって使いこなせるものか思っていましたが、お店を訪れて納得。あのクロガキを厨房のカウンターとして、そこから立ち上がって壁面にその薄いクロガキは使われていました。塗料を施されて黄色と黒の縞柄は明瞭に。嗚呼、ここまで使い切っていただけたんだなあと脱帽です!木を単なるマテリアルと考えていたら思いつかない発想。

うちの倉庫で初めてクロガキを見たあの日あの時、堀江君の頭の中にはこの光景が浮かんでいたのでしょう。私の大好きなクロガキに素晴らしい舞台を与えていただき本当に感謝です。木を高く買っていただくのも勿論嬉しい事なのですが、木に惚れて買っていただくというのはそれ以上に嬉しい。木は決してひとのためにだけ生まれてきたわけではない。ならば木を使う者はその木に感謝し敬意を払い愛を注ごう!さあ、木を愛するフェチの皆さん、大洲の『Horie Gastronomy Inc』に美味しい料理を食べに行こう。愛ある異能の変態に会いに行こう

Horie Gastronomy Inc(ほりえ ガストロノミー ) 

定休日 :不定




ビーチのスポルテッド材を選びに来た時に、私は別のところで設計士さんや大工さんと図面を見ながらおさまりについて話しているのに、堀江君は独りで倉庫の奥の方にずいずいと入り込んでいって何やら熱心に見入っていたので、やばいとは思っていたのですが、案の定私の貴重なお宝に目をつけていました。以前にも紹介した『墨流しのクロガキ』です。こちらに売ろうという気がないというのが大問題ではあるのですが、どうもその時から彼の狙いはそのクロガキに定まっていたようでしたが、あえてその日はクロガキには触れることはせず。

そもそも設計士さんから聞いた話では、そのクロガキを使うようなところは構想はなかったのです。まあ変態なのでこういうマニアックな木に関心があるのだろうなと思って、正直ほっとしていました。というのも、販売目的というよりは濃いいお客さんが来られた時に見せるため、語るために看板というか、ネタとして、自分のフェチ度を見せびらかすために買ったクロガキなので、手放したくはなかったのですしかも以前にこのクロガキを気に入られて泣く泣く数枚手放してしまっていたので(左写真)、残りはあとわずかになってしまっていたのでなおさら。

堀江君から私の携帯電話に連絡が入ったのはそれからしばらくしてのこと。ちょっと見たいものがあるのだけど・・・。前に買ってもらったモミジバフウがあと少し足りないので購入したいという話でした。その件はすぐに片づいたのですが、他にも欲しいものがあると倉庫の奥へ。ギクリ!やはり本命はあのクロガキでした。あの日以来彼の中ではクロガキへの熱い思いが沸々と煮えたぎっていて、遂に今日強奪に、いや購入に訪れられたのです。同じ匂いのする人間、どう言ったところで守り切れないのは覚悟しました・・・

ここに置いてある以上いつかは手放さなければならない運命。本当であればもっともっと骨まで語り尽くすまで手元に置いておきたかったけれど、まあここまでの変態に見込んでもらえるならばクロガキも本望であろうと、泣く泣くクロガキとの決別を割断。たぶん店に置いたら誰にも相手にもされなくとも延々とクロガキへの偏執的愛を延々と喋り尽くすんだろうな~。変態的な材木屋のおっさんとの激しい交渉を経て手に入れた話もするだろうな~。綺麗に仕上げてもらってお洒落な店の中で大勢の人に愛でてもらいなさい。さあ、薄暗い倉庫から華やかな舞台にお出なさい(涙)!




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