森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

以前に、目の通った高齢木のスプルースの木を説明した時に、『糸柾』という言葉を使いました。年輪が詰まって整然と並んだ柾目の様子がまるで「細い糸を垂らした」ように見えることから、そのような木を『糸柾』と表現します。細いモノの代名詞でもある糸という言葉を使うぐらいですから、ただ目が通っているだけでなく、その幅も極めて狭くて精緻であることが、そう呼ばれる条件ですが、こちらの岩手産の『カツラ(桂)』はまさにその呼び名に相応しい堂々たる糸柾。糸柾の上品な高級まな板が仕上がりました。

カツラを触った時の触感は、人間の掌の温度にもっとも近とも言われるぐらい温もりのある木で、よく『栃の木は絹糸の肌触り、桂は木綿の肌触り』と例えられるほど。東北や北海道産のカツラを実際に仕入れて触ってみるまで、その言葉は知っていても自分で体感出来ていませんでしたが、やはり百聞は一見にしかず。そのジワ~ッと来る温もりは数ある木の中でも特筆ものだと思います。その軟らかさゆえ、包丁の刃を傷める事も無く、まな板の素材としてもよく利用されています。

イチョウ・ホオ・ヤナギ』が、まな板界の御三家と言われていますが、カツラもその3種に負けず劣らず、まな板の素材としては適材なのです。柾目というのは、木の年輪にほぼ直角になるように挽いた場合現れる、定規で引いたようなまっすぐな木目の事です。柾目の中でも、特に年輪幅が揃った精緻なモノを『本柾(ほんまさ』と呼びます。丸太の芯を通る面で年輪と直角に挽くと本柾が出やすく、芯を外した面で挽くと柾目がよれたり板目が混じったりする『追い柾』になり、本柾に比べると価値が低くなります。

いくらそういう挽き方をしたところで、丸太そのものが良質なモノでなければ価値のある柾目は取れません。素性のいい年輪の詰まった高齢木である必要があります。そういう背景を知ってこのカツラの柾目のまな板を見てもらえればその価値も分かっていただけると思います。このカツラがいかに見事な木であったのか、森での在りし日の姿が浮かぶようです。魚で例えれば大トロ中の大トロ!1本の木から取れる量にも限りがあるためおのずと値段も高価になりますが、それだけの理由はあるのです。

今回たまたま目込みの柾目挽きのカツラの板があったので、まな板に加工しましたが、取れたのはわずかに10数枚。こういうモノって注文したからといって、それが確実に取れるというモノではないので、うまく入手出来た時がご縁!既にそのうちの何枚かは売れてしまいました。このカツラのまな板は、イチョウの丸いまな板を驚くべき販売力で売ってきた『まな板の帝王』こと大塚加奈子さんのお店『BRIDGE』で販売していただいています。それだけの価値があるかどうかはご自分の目と手でお確かめ下さい。

 

BRUDGE

定休日   :日曜日、月曜日




ムイラカチアラでなければ~!というわけではないですが、面白そうだから使ってみようかというご縁もありがたいものです。数か月前の話になりますが、飲食店のテーブルにムイラカチアラを使っていただきました。ウッドデッキではなくて、以前から倉庫に眠っていたムイラカチアラの板材をサワグルミで挟んだテーブルに仕上げていただきました。ウッドデッキ仕様で仕入れたムイラカチアラは、鮮やかな代赭色(たいしゃいろ)に黒い縞柄が特徴的ですが、こちらはもっと濃くてムイラカチアラだと言われても分からないほど。

堅牢で、ロウでコーティングしたように滑らかで光沢もあることから現地では、ナイフなどの柄やバターナイフなどにも使われているぐらいなので、厚みは薄くとも頑丈。こんな舌を噛みそうな名前の木に興味を示して使ってくれたのは、いろいろな意味で個性的な店舗屋・すずかけ商会さん!ありきたりの木を使ったってつまらないという点でつながっているのですが、多品種を扱う材木屋としてはこういうお客さんとどれぐらい繋がっているかという事がなによりも大事。誰も使った事がない、そんな木に萌えるという!

他に誰も使っていないという優位性の裏には、実際に使ってどうだったかという経験値が無いという不安もあるにはありますが、そんな事考えていたら世界中の木なんて相手に出来ません!そこは思いを共有できる仲間と地雷原を駆け抜けるしかないのですっ!(とはいえ最低限の武装はしておきます。例えば念入りに乾燥させるとか。先に自分で小物を作って触感を確かめるとか。調べられる限りの情報は集めておくとか)まあ、それは少々大袈裟ですが、冒険心溢れる店舗屋さんと寛容なオーナーさんに恵まれています♪

という事で、今回テーブルにムイラカチアラの板をご利用いただいたのが、松山市二番町に今年の夏にオープンした『鉄板焼鳥バイキング 伊鶏家(いこや)ハットリ』さん。オーダーバイキングのお店です。ムイラカチアラ以外にも、カウンターにはサぺリの一枚板やキハダやらいろいろと使っていただきました。ムイラカチアラのようなネームバリューの無い木だと、設計から工務、営業、お施主さんまで越えなければならないハードル多過ぎて、途中で思いが途切れる事も。まずは名前を知っていただくことから始めます!

鉄板焼鳥バイキング いこや 伊鶏家 ハットリ

定休日   :不定休




本日も6.4mパドックALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)さんの話。材木屋としては、長い木は出来るだけ長く使っていただけるのがありがたいのですが、さすがに6m超えの板となると現実的な運搬・搬入の事を考えるとそのままで使えるケースは稀。とはいえ、折角の長物なのでこれを使わなければならない、これでなければならないような必然性のある場所で使っていただきたいという思いはあります。その願いが届いたというよりも、気持ちは一緒だったようで、この木なればこその使い方をしていただきました。

大きなガラス窓に面するメインのL型カウンターと一番長いカウンターの天板として使っていただく事になり、余すところなくキッチリ使い切るため、現場を仕切るすずかけ商会犬伏君と何度も何度も木取りの確認。本当にあと数㎜をどうするかで喧々諤々。厚みが100㎜あったのでまずは厚みを落として、長さに合わせてカットしていくわけですが、6mを超えているので自重で多少の反りもあって、希望通りの厚みになるのかどうか。製材所に何度も足を運んで入念に打ち合わせ。最後は祈るような思いで・・・

どうにか無事に製材ができ、予定していたサイズでどうにか取ることが出来ました。片面にはガッツリ樹皮が残っていましたので、木裏を使ってL型の止めにする事に。丸みのついた板をL型につなぐという至難の加工をしてくれたのは、いつものZEN FURNITURE(ゼン・ファニチャー)善家雅智君。善家君とずずかけ商会の川上君とは高校の同級生で旧知の仲。とりあえず指定サイズの板にまで挽ければ、後は善家君の仕事。まあ任せておけば心配はいりません。見事に完成。オイルが染みて眩しいほどの輝きが!

このパドックの色は写真を加工しているわけではなくて本来の地の色。照明の効果はあるものの鮮やかなオレンジ色は、荒材の時の状態からは想像も出来なかったのではないでしょうか。残念ながらこの妖しいまでのオレンジ色も永遠のものではなく、時間とともに経年変化でくすんでいってはしまいますが、それもこのパドックがそれだけ長い間、この店で活躍してくれた証というもの。木も出会うタイミングでその表情は一日一刻変化していきます。今のオレンジ色のパドックに出会いたい方は是非早めにお店にGO!

ALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)

定休日   :無休




さて、本日はその『6.4mのパドック』を誰がどこに使っていただいたのかについての話。松山市内で、はなみずき通りと枝松町で営業をされている『ALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)』さんが、一番町にあるローソンの2階(ベティ・クロッカーズの跡地)に新たに出店される3号店のカウンターとして使っていただきました。施工は才気煥発な社長の川上陽介君が率いる店舗&家具専門のすずかけ商会、勢いがあります!自然素材の大好きなオーナーを弊社に連れて来てくれたのも今回が二回目。

ちょっとした棚板ぐらいであれば、写真を撮ってメールで送ってやり取りすれば事足りますが、さすがにこれだけの大物となると実物をご確認いただく必要があります。こういうものってファーストインプレッションで大体決まります。最初にお見せした時の表情、反応で、「こちら側の人間」かどうかが分かります。まあ、すずかけ商会さんがわざわざ連れて来られるようなお客さんは基本的に「こちら側の人間」なので、あまり心配はしていないのですが、要はどれぐらいこだわられているかの深度。

今回はオーナーが、本当はもっとパンチの利いたのが欲しかったと仰るほど深海魚級の、弊社にとってはど真ん中ストライクのお客様でしたので、木選びも使い方もとことんこだわっていただきました。最近、若いオーナーがカフェを初めて開業させるのでそのカウンターが欲しいと言ってご来店される機会も少なくないのですが、中には「予算も無いのでとにかく安いモノならなんでもいいので」と言われる事もあります。事情はあおりでしょうが、そういう話を聞くとそこで出されるコーヒーの味も薄っぺらいものじゃないだろうかと勘ぐってしまいます。

何にこだわられるかはひとそれぞれで、予算のバランスもあるでしょうし、カウンターばかりにお金をかけていいというものではないでしょうが、「神はディティールに宿る」の言葉通り、店づくりの細部にまでこだわる(決してお金をかけろという意味ではなく)姿勢は大事だし、カウンターひとつの交渉でオーナーの店にかける熱意も透けて見えるというもの。そういうお店ならば完成後も客として行ってみたくなるし、友達にもお薦めします。ちょっと前置き長くなりました、明日はカウンターそのものをご紹介させていただきます。先にチラ見せです(笑)。明日に続く・・・




森のたまご」の裏面に「森のかけら240」の3桁のリストナンバーを彫っているという事で、弊社にもレーザー彫刻機があると思われて何件かそういう問い合わせもありました。残念ながら弊社にはレーザー彫刻機ありませんが、周辺で持っている仲間が沢山おりまして、形状やサイズ、納期等に合わせていろいろな所にお願いして加工してもらっています。時系列的ではありませんが、そこは多めに見ていただいてご紹介させていただくと、『森のりんご』にレーザーで言葉を彫って欲しいというご注文がありました。完成品がこちらです。

ベースは『ケヤキのりんご』です。ご友人の方がパン屋さんを開店されるという事で、お店のオープン月の8月の『誕生木』である『ケヤキ』を選んでいただきました。『誕生木のりんご』という商品があるわけではないのですが、お客様が誕生木というエッセンスを『森のりんご』に振り掛けていただきました。お~ッ、これぞ待ち望んでいた『創作合体商品』!自分が蒔いた小さな種に誰かが水をかけていただいたような気分でとっても嬉しかったので、張り切ってレーザー彫刻してもらいました。

お店は2018年の8月に静岡県富士市でオープンされたパン屋『Pain de kafuu(パン・ド・カフー)』さん。そのお店の名前とお店の開店月をレーザーで彫らせていただきました。リンゴが球体なのであまり長い文字だと字がよれてしまうため3段組みにさせていただきました。オプションですがこういう事も出来ます。お店の名前の『Kafuu』というのは沖縄の言葉で、果報・幸せを表すそうで、『幸せのパン』という意味。富士市生まれで、大好きな沖縄に移住してたまたま務めてパン屋さんで虜となって、地元の富士市でパン屋さんを開くことになられたそうです。

沖縄のパンの酵母の中には人を虜にする秘薬が入っているようです。こういう人が作るパンって美味しいにきまっています。商売は扱うモノに惚れ込んだ者の勝だと思っています。いや、自分が売るモノに惚れ込んでもいないなら、それを売ったりしてはいけないのです。木の事を悪く言ったり卑下する材木屋がいるのは本当に情けない話です。店を支えるのは、これが好きだ~!という主人の一途で熱い思いで、それが商品にも必ず現れると信じています。Pain de kafuuさんの商売繁盛を、『ケヤキのりんご』ともども祈念しております。

 

Pain de kafuu(パン・ド・カフー)

定休日   日曜・第4月曜

 




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2018年12月
« 11月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
Scroll Up