森のかけら | 大五木材


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本日も6.4mパドックALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)さんの話。材木屋としては、長い木は出来るだけ長く使っていただけるのがありがたいのですが、さすがに6m超えの板となると現実的な運搬・搬入の事を考えるとそのままで使えるケースは稀。とはいえ、折角の長物なのでこれを使わなければならない、これでなければならないような必然性のある場所で使っていただきたいという思いはあります。その願いが届いたというよりも、気持ちは一緒だったようで、この木なればこその使い方をしていただきました。

大きなガラス窓に面するメインのL型カウンターと一番長いカウンターの天板として使っていただく事になり、余すところなくキッチリ使い切るため、現場を仕切るすずかけ商会犬伏君と何度も何度も木取りの確認。本当にあと数㎜をどうするかで喧々諤々。厚みが100㎜あったのでまずは厚みを落として、長さに合わせてカットしていくわけですが、6mを超えているので自重で多少の反りもあって、希望通りの厚みになるのかどうか。製材所に何度も足を運んで入念に打ち合わせ。最後は祈るような思いで・・・

どうにか無事に製材ができ、予定していたサイズでどうにか取ることが出来ました。片面にはガッツリ樹皮が残っていましたので、木裏を使ってL型の止めにする事に。丸みのついた板をL型につなぐという至難の加工をしてくれたのは、いつものZEN FURNITURE(ゼン・ファニチャー)善家雅智君。善家君とずずかけ商会の川上君とは高校の同級生で旧知の仲。とりあえず指定サイズの板にまで挽ければ、後は善家君の仕事。まあ任せておけば心配はいりません。見事に完成。オイルが染みて眩しいほどの輝きが!

このパドックの色は写真を加工しているわけではなくて本来の地の色。照明の効果はあるものの鮮やかなオレンジ色は、荒材の時の状態からは想像も出来なかったのではないでしょうか。残念ながらこの妖しいまでのオレンジ色も永遠のものではなく、時間とともに経年変化でくすんでいってはしまいますが、それもこのパドックがそれだけ長い間、この店で活躍してくれた証というもの。木も出会うタイミングでその表情は一日一刻変化していきます。今のオレンジ色のパドックに出会いたい方は是非早めにお店にGO!

ALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)

定休日   :無休




さて、本日はその『6.4mのパドック』を誰がどこに使っていただいたのかについての話。松山市内で、はなみずき通りと枝松町で営業をされている『ALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)』さんが、一番町にあるローソンの2階(ベティ・クロッカーズの跡地)に新たに出店される3号店のカウンターとして使っていただきました。施工は才気煥発な社長の川上陽介君が率いる店舗&家具専門のすずかけ商会、勢いがあります!自然素材の大好きなオーナーを弊社に連れて来てくれたのも今回が二回目。

ちょっとした棚板ぐらいであれば、写真を撮ってメールで送ってやり取りすれば事足りますが、さすがにこれだけの大物となると実物をご確認いただく必要があります。こういうものってファーストインプレッションで大体決まります。最初にお見せした時の表情、反応で、「こちら側の人間」かどうかが分かります。まあ、すずかけ商会さんがわざわざ連れて来られるようなお客さんは基本的に「こちら側の人間」なので、あまり心配はしていないのですが、要はどれぐらいこだわられているかの深度。

今回はオーナーが、本当はもっとパンチの利いたのが欲しかったと仰るほど深海魚級の、弊社にとってはど真ん中ストライクのお客様でしたので、木選びも使い方もとことんこだわっていただきました。最近、若いオーナーがカフェを初めて開業させるのでそのカウンターが欲しいと言ってご来店される機会も少なくないのですが、中には「予算も無いのでとにかく安いモノならなんでもいいので」と言われる事もあります。事情はあおりでしょうが、そういう話を聞くとそこで出されるコーヒーの味も薄っぺらいものじゃないだろうかと勘ぐってしまいます。

何にこだわられるかはひとそれぞれで、予算のバランスもあるでしょうし、カウンターばかりにお金をかけていいというものではないでしょうが、「神はディティールに宿る」の言葉通り、店づくりの細部にまでこだわる(決してお金をかけろという意味ではなく)姿勢は大事だし、カウンターひとつの交渉でオーナーの店にかける熱意も透けて見えるというもの。そういうお店ならば完成後も客として行ってみたくなるし、友達にもお薦めします。ちょっと前置き長くなりました、明日はカウンターそのものをご紹介させていただきます。先にチラ見せです(笑)。明日に続く・・・




森のたまご」の裏面に「森のかけら240」の3桁のリストナンバーを彫っているという事で、弊社にもレーザー彫刻機があると思われて何件かそういう問い合わせもありました。残念ながら弊社にはレーザー彫刻機ありませんが、周辺で持っている仲間が沢山おりまして、形状やサイズ、納期等に合わせていろいろな所にお願いして加工してもらっています。時系列的ではありませんが、そこは多めに見ていただいてご紹介させていただくと、『森のりんご』にレーザーで言葉を彫って欲しいというご注文がありました。完成品がこちらです。

ベースは『ケヤキのりんご』です。ご友人の方がパン屋さんを開店されるという事で、お店のオープン月の8月の『誕生木』である『ケヤキ』を選んでいただきました。『誕生木のりんご』という商品があるわけではないのですが、お客様が誕生木というエッセンスを『森のりんご』に振り掛けていただきました。お~ッ、これぞ待ち望んでいた『創作合体商品』!自分が蒔いた小さな種に誰かが水をかけていただいたような気分でとっても嬉しかったので、張り切ってレーザー彫刻してもらいました。

お店は2018年の8月に静岡県富士市でオープンされたパン屋『Pain de kafuu(パン・ド・カフー)』さん。そのお店の名前とお店の開店月をレーザーで彫らせていただきました。リンゴが球体なのであまり長い文字だと字がよれてしまうため3段組みにさせていただきました。オプションですがこういう事も出来ます。お店の名前の『Kafuu』というのは沖縄の言葉で、果報・幸せを表すそうで、『幸せのパン』という意味。富士市生まれで、大好きな沖縄に移住してたまたま務めてパン屋さんで虜となって、地元の富士市でパン屋さんを開くことになられたそうです。

沖縄のパンの酵母の中には人を虜にする秘薬が入っているようです。こういう人が作るパンって美味しいにきまっています。商売は扱うモノに惚れ込んだ者の勝だと思っています。いや、自分が売るモノに惚れ込んでもいないなら、それを売ったりしてはいけないのです。木の事を悪く言ったり卑下する材木屋がいるのは本当に情けない話です。店を支えるのは、これが好きだ~!という主人の一途で熱い思いで、それが商品にも必ず現れると信じています。Pain de kafuuさんの商売繁盛を、『ケヤキのりんご』ともども祈念しております。

 

Pain de kafuu(パン・ド・カフー)

定休日   日曜・第4月曜

 




さて話を『サイカチ』に戻します。 ZUCCHEROさんがの千舟町に移転されたのが2016年ということなので、早いものでもうあれから3年。お店には植物に囲まれたテラスがあって、そこに置く一枚板を探しに大川 聡司社長とスタッフの皆さんが来られました。料理にもこだわれているだけあって、店に置くテーブルにもこだわりがあって、あれこれ悩んだ結果選ばれたのがこの二股のサイカチでした。ご要望でしたので、変形の二股の形に合わせて別注で足を製作。耳の形を豪快に生かした仕上げとさせていただきました。

大川社長とは、Funny’s waffle (ファニーズワッフル)、  IL Banco(イルバンコ)そして今回の ZUCCHERO(ズッケロ)さんと続けてのご縁。そのご縁を作っていただいたグローブコンペティション山田徹さんとすずかけ商会川上陽介君には感謝しています。昔は店舗などに関わらせていただいても下請け業者のひとりという立場で、オーナーと直接お話しする機会もほとんどありませんでしたが、扱っている材がマニアックになってきていて材の説明が欠かせない事もあって、オーナーとお話をする機会も随分と増えました。

今回もテーブルを加工してくれたのは、お馴染みの『ZEN FURNITURE』の善家雅智君。実はこのテーブルのご注文をいただいた時に家具の仕事がかなり混み合っていて、納期がギリギリだったのですが、そこをどうにか間に合わせてくれるのが善家マジック!絶大な信頼を置いています。無事納品もさせていただき、仕上がりも気に入っていただきました。早速お約束の機縁写真。たまたまですが、ZUCCHEROさんのシェフの角藤正輝君(写真奥)は、同郷の高校の後輩(西予市野村町)で、数珠つなぎにご縁がつながっています。

ご縁といえば、後日お客さんとしてお店にお邪魔した時に、山田さんとの仕事の絡みで来県されていた、世界を股にかけて活躍されているチェンソーアート作家城所ケイジさんご夫婦もお店に来られて久しぶりにお会いしました。相変わらずエネルギッシュで精力的に各地で活動されています。城所さんの作品も松山でもいくつか見ることが出来ます。一緒にお食事したのは数年前の事、あれから城所さんのホームグランドである和歌山県田辺市の龍神村に行こう行こうと思っているのですが未だ叶わず。 

という事で一枚の板にもいろいろなご縁が結びついていますが、小さなご縁も大事にしてないと縁が遠ざかっていってしまいます。大切に小さなご縁を育てていかねばならないと思っています。別の飲食店などでも、オーナーがこういう変形の耳の形に惚れられて、かなり形が個性的な面白い一枚板のテーブルを作らせていただいたことがあります。見た目の面白さを優先しすぎて、お客さんが座って食事するには使いにくいのではなんて、やり過ぎ感をちょっと後悔されたりする事もあったりしましたが、実際は変わったところに座るお客さんが多くて心配は杞憂に終わります。結局変わったテーブルに惹かれるお客さんは、その変わり具合が好きなのであって、実用性よりも好奇心が勝ってしまうのだと思います。個性的な店には個性的なテーブルがあって、個性的なお客さんがやって来るというのが私の結論

Restaurante BAR Zucchero(ズッケロ)
定休日 火曜日

 

 




Restaurante Bar ZUCCHERO』さんの話の続き。サイカチのテーブルの前のセドロの話が長くなってしまっていますが・・・。セドロに限らず外国の木の中には、今後の入荷の見込みがまったく立たないという木、お結構あったりして、【森のかけら】だけでなく、木材の供給としてのかなり不安です。だからといって、今わずかに残っている木を「これは売れません」といって販売しないというのも、木を売ることが商売の材木屋としては本末転倒な気がして、悩みどころであります。丁寧に売るしかない

しかしこいうやって収めさせていただいた現場が近くにあって、家具やカウンターになった姿をいつでも見に行けるというにはありがたいことです。これもそれも、弊社にしかないような個性のある木、癖のある木を楽しんで使っていただける施主さん、工務店さん、設計士さんたちが近くにいてこそ!類は友よ呼ぶといいますが、変わり者好きな方が友達の変わり者好きな方を連れて来てくださったりと徐々にそういう流れが出来つつあるように感じています。昔、ある方に忠告されたことがあります。

あまりマニアックな品揃えに走ると普通のお客さんが離れちゃうよ、と。当時は将来の会社の方向性についてかなり悩んでいた頃でしたので、その言葉は私も重くのしかかりました。現実的に昔からの大工さんたちが後継者問題などで店を畳まれたりしていたという事も重なり自問自答していました。それらから私なりの決断をして、あっという間に数年の月日が流れました。今となっては、その当時悩んでいた私にこう言ってやりたい。「悩んでなんかいないで、その道を突き進め!選んだ道は間違っていない!」と。

果たして今の選択がベストだったかどうか。今はそんな事すらも考えることもありません。思っていた通りになったというわけではありませんが、腹をくくって方向性を決めたことで、その先はなるようになったとも、そうしたからこうなったとも思っています。もっと利口な選択はあったかもしれませんが、でもこうして『どこにでもないような木を買い求めに来て下さるお客様が増えて、こんな素敵な店でこんな美味しい料理を食べられる』という事実が、自分の選択は間違ってなかっと確信させてくれるのです。




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