森のかけら | 大五木材

近くのミウラート・ヴィレッジ(三浦美術館)で開催されている『愛媛大学教育学部卒業制作展』に家内と二人で出掛けてきました。私の家から車で4,5分の所に位置するミウラート・ヴィレッジは、小型貫流式蒸気ボイラーのシェアで日本国内トップを誇る東証一部上場の三浦工業グループ創業者・三浦保氏が生前に造られた美術館です。地方の企業が運営する美術館として、地域の埋もれた芸術家の作品展示や、ワークショップなどにも熱心で、私も今までに2,3度行ったことがあります。そこで開催されているが、愛媛大学の学生たちの卒業制作展なのですが、教育学部の学校教育教員養成課程美術教育専修・芸術文化課程造形芸術コースの生徒たち、つまり将来学校の美術の教諭のたまごたちの作品。

そこで教鞭を執られる福井一真先生とは、木材教材繋がりでいつもお世話になっているのですが、その関係で福井先生が指導されている学生・関家美絋さんの卒業制作の材料を納めさせていただいたご縁で、今回卒業制作展に来させていただきました。木を曲げて作品を作るということで、選ばれたのが北欧産の『ヨーロッパビーチ』。日本で言うところの『』ですが、世界でもっとも売れた椅子として知られる『Yチェアー』などでも知られるように、弾力性があって「曲げる」ということに適性のある木材のひとつです

木材を納めに大学を訪れた際に、その工程は目にしていたものの、果たしてそれがどういう作品に生まれ変わるのか、正直さっぱり見当もつきませんでしたが、実際に完成品を見てビックリ!ビーチを煮沸し軟らかくしてから、鉄の曲型に合わせて曲げてクランプで押さえつけて形を作り上げるのだそうです。理屈としては分かっているのですが、日頃は重たいビーチを担いでいて、その重さは文字通り肩身しみて分かっているので、会社の倉庫にあったビーチがこうして曲げられている姿を見ると不思議な感覚になります。

ビーチの気乾比重は資料によれば0.6~0.72ぐらいまでばらつきがありますが、弊社の倉庫にあるのは全部重たい方ではなかろうかと思うぐらい、自分の中ではビーチは重たい木という印象しかありません。弊社では板材など直線的な加工しかしないので、しなやかな木ということは分かっていても、それを実感する機会はないのですが、こうして今にも踊りだしそうな形に曲げられたビーチの姿を見ると軽い感動すら覚えます。『群生』と名付けられた作品ですが、私的には作りかけの梯子がある日突然に意思を持って動き出したのだが、それを作者が瞬間的に固めてしまった、『梯子の反逆』あるいは『意思を持った梯子』みたいでとっても面白く感じました

これってちょっとアレンジして手を加えれば家具とかの装飾にも活用できそうな匂いがします。私も昔(中学~高校生頃)絵を描くのが大好きで、将来美術関係の大学に行って、そういう世界で生きていけたらいいのになんて甘い夢を抱いていましたが、それは素敵な美術の先生との出会いがあったから。私の場合は絵画のほうで、このような立体造形ではなかったものの、もしもその当時にこういうモノづくりに触れていたら、道を踏み外して(?)材木屋にならずに、そちらの世界に行ったかも?!作品展は今月21日まで




 

今や如月の風物詩となった『愛媛マラソン』ですが、2010年に一般ランナーも参加できる市民マラソンになって次第にその規模も大きくなりました。今年は55回大会。市民マラソンとなった48回大会の際には、まだまだボランティアスタッフもままならず、各町内からボランティアが選抜されましたが、当時町の体育部長をしていた私も交通整理で参加させていただいたのですが、早いものでもうあれからもう既に7年が経過。自宅のすぐ傍にあるバイパスまで観戦に行くことが恒例となっています。  

パイパスの坂は、マラソン中継などで「コース最大の難所・平田の坂」と紹介されすっかり有名になりました。ランナーは国道から大曲りしてその坂を駆け上がって行くことになりますが、その坂の両端にはズラ~とギャラリーが居並ぶのですが、年々その列が伸びていて、坂の終わりぐらいまで人が連なっています。アスリート枠(男子3時間半以内、女子4時間以内)3,000人と一般枠7,000人を合わせた10,000人応募に対して22,000人を超える応募があったということで、私の周辺でも何人もの仲間が落選しました。

ランナーの間では有名になった「平田の坂」ですが、まさかこういう形で「平田」が有名になると誰が思ったでしょうか。ランナーにとっては最大の難所とはいえ、マラソンコースとしてはアクセントを加えているこの坂ですが、このパイパスの開通によって地元では一喜一憂がありました。それまで渋滞の名所でもあった平田の国道196号線沿線は、かなりの車がバイパスに流れたことで交通量は激減しました。それでも朝晩は多少の渋滞はあるものの、以前に比べると圧倒的に車の数は減りました。

弊社のように特定少数のルート販売をするような職種の場合は、交通量が減ってありがたい限りですが、一般の不特定多数の人を相手にしている客商売のお店にとって、道路を走る車が少なくなるということは、イコール来店者の減少に速結し、商売あがったり。それで売り上げが落ち込んで苦労しているお店も多数あります。新しい道が出来たり、駅が出来たりして人や物流の流れが変わる場合、その有効性や期待値ばかりが声高に論じられ、現状の中だからこそ成立していた商売は黙殺されがち。

隣の会社の建物が解体され更地となって、『会社が跡形もなくなっていく』という過程がを毎日少しずつつぶさに目に入ってきた経験から、あまり意識しなかった周辺の風景の変化に目が向くようになりました。今年マラソン中継のカメラに映った会社や看板が、来年のその時にも確実に映るということは分からないわけですが、テレビを通じて年に一度くらいしかこの風景を目にしない人にとっては、間違い探しクイズほどに、その変化に気づくのは難しいことかもしれません。そんな事を考えながらの如月のマラソン大会。




松山市内で開催された、松山市役所産業経済部地域経済課主催の『台湾ビジネスセミナー』に参加させていただきました。ジェトロ・アジア経済研究所新領域研究センターの佐藤センター長による「台湾の現状」と、魔法網際股份有限公司の我らが松本眞司総経理による「台湾で開いた店の現状報告」の2部構成です。愛媛・松山と台湾の関係については、今までにも何度か紹介してきましたが、松山市は台湾の台北市と友好交流協定を結んでいて、台北松山空港と愛媛松山空港を結ぶチャーター便が就航しています。

余談ながら松山市は他にもアメリカのサクラメント市、ドイツのフライブルク市などと姉妹都市関係にあり、松山市内の通りに「サクラメント通り」、「フライブルク通り」の名前が冠されています。台湾の話に戻りますが、台湾には世界最大手のスポーツ自転車メーカー・ジャイアントがあり、海峡を横断できるサイクリングロード「瀬戸内しまなみ海道」に力を入れている愛媛県にとっては関係性の深い共通点も多く、今後も観光、文化、スポーツなど様々な分野での両都市の交流が期待されています。

そういう地盤があって、松山と台湾の相互理解と交流を深める拠点としてのコミュニケーションスペースとして『168 PLACE(いろはプレイス』さんが開設されました。2014年のオープン以来、弊社も商品を出品させていただいています。ちなみに『森のかけら』は『夢的碎片』、『森のしるし』は『森林的徽章』、『誕生木』は『森林誕生樹』と訳したいただいています。まだまだ台湾の木材マニアの琴線に触れるには至っておりませんが、手に取って見れるものがそこにあるというのは相当な強みです。

今回のセミナーは、これから台湾に進出しようとか、台湾の企業とビジネスを始めたいという方向けだったようで、台湾で女性初の総統になった蔡英文政権の課題など台湾の現状についてかなり時間が費やされ、168 PLACEの現状と展望については時間が足らず駆け足での紹介となってしまい、松本総経理のディープで生々しい台湾ビジネスの裏側ネタを期待していた私としては物足りなかったのですが、公の場では喋れないようなダークサイドについては、お酒の席で個人的にご教示いただこうかと考えております。

それにしても海外ビジネスについてはこの数年で環境が激変。最後のフロンティアとばかりに、日本国内の本社を畳んでまで意気揚々と中国に進出した企業の悲惨な末路を見るにつけ、中国は恐ろしい国であると思わざるを得ません。更に大統領の弾劾、相次ぐ財閥の経営危機でもはや死に体の韓国、暴走止まらぬ北朝鮮と、混迷の続くアジアにおいて、残された聖地は親日の台湾しかありません。数年前には想像もしなかった台湾とのご縁が、それぞれ違う土壌から幾つか生まれ始めいずれ1本に繋がりそうな「胸騒ぎ」が・・・。




今年もこの季節が巡ってきました。生涯学習センターでのコミニュティ・カレッジふるさとの森林講座」の講師です。早いもので今年で7年目になります。こんな私であるにも関わらずっと講師としてお声をかけ続けてくださっているスタッフの皆様の忍耐強さと好奇心の高さには恐れ入るばかりです。今年は講義のコマ数も1つ増えて、講師の先生方も元愛媛大学の教授やその道のプロフェッショナルの方々ばかり。そんな先生方と同列に名前を並べていただけるだけでも光栄なことです。

一応まがりなりにも講師ということで、前に立って偉そうにお話をさせていただいているものの、喋りながら自分自身でも記憶の糸を手繰り寄せながら、木の物語を脳髄に刻み込んだり、新しく仕込んだネタの反応を見る試金石としてとても役立たせていただいているところ。今回は20名弱と受講生の方が少なかったのですが、それでも熱心に毎年受講される顔見知りの方も数人いらして、毎回ネタが被るのは申し訳ないと思い、新ネタも少しずつ増やしてはいるものの全新作はなかなか。

森のかけら】と同じぐらい(240種)話のバリエーションがあればいいのでしょうが、1つのネタをきちんと喋れるようになるには、私の場合かなり場数を踏んで恥をかく必要があります。いつの日にか、【森のかけら240】の中からお好きな木を指定してもらえば、その木について最低5から10分ぐらい喋りますので、気になる木がありましたらどれでもどうそ~♪、なんてその場でリクエスト受けて話が出来るようになるのが理想なのですが、その道まだまだ遥かなり。

そのためにも一日でも早く『今日のかけら』を完成させねばならないところですが、外国のマイナーな木になると、国産の木のような気の利いたエピソードなんてほとんど無いため、材の説明すら難しい事も多々あります。材の特徴に合わせて日本ほど細かく用途を分けていないので、硬ければ枕木なんて安直な用途が多いもの。そういう状況下でも、特徴を生かした用途や逸話・伝承にひょっこり出会ったりすることがあって、そんな時はひとりで祝杯でもあげたくなる気分なのです。また1つネタが増えたと、




20161126-1今年の『えひめ・まつやま産業まつりwithメディアパーティー・すごいもの博2016』(以後、すごいもの博)、1日目は天候にも恵まれて、昨年にも増して大勢の方がブースを訪れていただきました。イベントでは無双の『木の玉プール』には開始時間前から子供たちが群がってきて、閉会時間まで一瞬たりとも無人になることなく、子供たちの笑い声が絶えませんでした。だからといって商品が爆発的に売れるというわけではありませんが、ここは木育、啓蒙の場と割り切ってます。

 

 

20161126-4それでも毎年熱心にブースに立ち寄っていただく木のファンも沢山いらして、県外からお越しになった常連さんに「1年ぶりですね」なんて挨拶もこのイベントならでは。木育、啓蒙の場と頭では理解していても、商売人の性で何か思いがけないものが売れたりするのではと、毎年下心丸出しでオリジナル商品に中から何点か見繕って持ってきていたのですが、今年はそれも封印してほぼPRに徹して、家内の木のおもちゃの店番をすることに。そしたらそういう時に限って、「あれないの?」

 

 

20161126-3なんて声がかかったりするもの。だからといって持ってきていたら必ず売れるというものでも無いことは百も承知。「残念ですね、さっき売り切れました。」なんて悔し紛れに言えるわけもなく、「お店の方には置いているんですけどね~」と愛想笑いで残念がってみせるのが精一杯。モノが売れるタイミングって本当に難しい・・・。「あれば買ったのに」なんて言葉に何度騙されたことか。そんな肩透かしを何度も経験して、辿り着いたのは「(商品がそこに)なくても買わせる」洗脳。

 

 

20161126-2あくまでも『木のファン』にさせるための洗脳であって、謎の壺を売りつけたりするような怪しい洗脳ではありませんのであしからず。「モノを売るな、人を売れ」というのは商売の鉄則ですが、弊社の場合は「木のモノを売るな、木の物語を売れ」ということをテーマに掲げてきました。話し方の技術や言い回しよりも(まあそれも大事ではあるものの)要は熱量が問題。ふと、昔の時代に言葉も通じぬ異国の地に布教活動にやって来た宣教師ってこんな気持ちだったのかなって頭に浮かんだり・・・。




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