森のかけら | 大五木材


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チャンチン』については不意にそこにあったので、つい立ち寄った感覚で実例等まだ不十分ですので、その材質等についてはいずれまた改めて書かせていただきます。とりあえずLOST店内の蔦屋書店へ。先月、家内が広島に行った時にここへ来たのですが、面白かったと聞いていたのでいずれ広島に来る機会でもあれば自分の眼でも観てみたいと思っていましたが、最近そう思っているとそれ関係の仕事が舞い込んで来たり、それ関係の人と出会ったり、そこに行く機会が巡ってきたりと、「引き寄せの法則」を実感しています。

家内が以前に来た時に驚愕してインスタグラムにアップしていたのがこの巨大本棚。天井まで連なる壁面がまるまる本棚になっています。もうこういうのを見ると、自分がいかに貧乏性&心配性なのかを思い知らされます。上の方の本を取るための専用の巨大な梯子はあるそうなのですが、そうそう出るものではないだろうから、いざ注文があって取ってみたら、埃まみれになってはいまいか?室内と言えども長期間陳列していてら結構日焼けしたりするのではなかろうか?大きな地震でも来たら下にいる人にとって本が凶器となってはしまわないか?そんな事ばかり考えてしまいます。恐らくそういう問題に対する対策は講じられているんでしょうが、凄いのは凄いのですが、上部の掃除どうやってするのかそれが気になって気になって・・・。最近こういう感じの『見せる本屋、図書館』多いようです。

それともうひとつ気になるのは、これだけ巨大な本棚の材料をもしも自分が受注したら何の材を提案できるかという事。色は後から着色するとしてとりあえあず無視するとして、ベニヤなど一切使わずすべて無垢という設定で考えてみます。本の出し入れが頻繁な下段は、ある程度摩耗にも強い木にしたい。節があると本が引っ掛かるので、基本無節とします。するとハードメープルブラック・チェリーあたりがお薦めですが、これだけ巨大になると総重量でもかなりなことになると思われるので、あまり重たい木は難しいかも。となると、ホワイトセラヤあたりか・・・。

いやそもそも物語を紡ぐ本屋なのだから、機能性よりも物語優先でいったほうがいいのかも。となると、やはりBOOKの語源とも言われるビーチ(ブナ)しかないのかも。太古の昔、木材質が精緻なビーチの棒や小片などに文字を書いていたのですが、後にビーチの薄い板を重ねて使うようになり、それがBOOKになったという事。しかし重たいビーチでこれだけの量をまかなうと思うと、入口から内部に運び込むだけでも相当大変。うちの3トン車だと何十往復しないといけないんだろう。う~ん、だったらやっぱりビーチは止めて他の木に・・・捕らぬ狸の皮算用。

 




LLP-SAL 空間芸術研究所』の大阪オフィスには、パートリッジウッドの他にもいくつかの木を使っていただいたのですが、その中に恐らく弊社史上最大サイズの幅剥ぎテーブルがあり、それがこちらのブラック・チェリーの幅剥ぎの巨大テーブル。サイズは2800×1500×30㎜。あまりの幅ゆえに8枚も幅を剥ぎ合わせねばならないほど。右写真の手前がパートリッジウッド、こちらも2850×900㎜のビッグサイズゆえに、奥のブラック・チェリーの大きさが今ひとつ分かりにくいかもしれませんが、同時期にこれだけのサイズが並ぶなんて事は初めて。

あまりの大きさゆえ、いつも塗装している場所にまでは運び込めず、急遽倉庫の正面を使って塗装作業。開いててよかった~。納品までの数日間、お客さんが来られるたびに、それまで掛けていた毛布をめくって、「おお~っ!」という驚きに満ちた声を聞くのが癖になっていました。家具材を求めて来られたわけでもない方にもサービスお披露目(笑)。大きな事が必ずしも優れている要件ではありませんし、巨大一枚板というわけでもありませんが、存在感という点では圧倒的!大きいという事はそれだけで価値があるのは間違いない。

ブラック・チェリーは、ブラック・ウォールナット、ハードメープル、ホワイトオーク、レッドオーク、イエローポプラ、ホワイトアッシュとともに北米を代表する広葉樹で、色味が赤くて光沢があり、かつやわらかい雰囲気があることから女性の方に人気があります。右の写真の中央部の黒い線に見えるのは、反り止めの金物ですが、それを挟んだ左右の板は木目を見ればお分かりの通り同材です。それがオイルを塗るだけでこれほど変わってきます。勿論オイルは植物性のクリアーで着色はしておりません。これがブラック・チェリー本来の色です。

仕上がったのがこちら。写真に撮ると光の反射で、塗装ムラがあるように映りますが実際に見ると写真のようなムラは感じません。実に塗装映えのする木だと思います。ただしこの時期、注意しないといけないのはブラック・チェリーはすぐに日焼けしてしまうので、保管したり配達するときに極力日にあてない事が大事。中途半端な養生とかしていると、養生しきれなかった部分にクッキリと日焼けの跡が残ります。これぐらいならいいだろうと思うような短時間でも夏の日差しはブラック・チェリーにはご法度。

 




こちらが全面に塗装を施して仕上がってパートリッジウッドあるいは、アンゲリンまたはダリナの完成した状態。アップで見るとあれほど緻密でのこうな杢がややかすんで見えてしまいますが、どっしりした重量感とくどすぎない上品さがあります。今までこの木の端材や小さなモノとしてしか販売したことがなかったので、なかなかご紹介も出来ませんでしたがようやく念願が叶いました。この後、この天板は大阪まで運ばれて現地でアイアンのフレームと鉄脚が取り付けられてテーブルとなりました。

まだ現地に行って完成した雄姿を見れていないので、いつか訪ねさせていただくつもりですが、今回このパートリッジウッドのテーブルに決めていただいたのは、今年の4月に立ち上がった『LLP-SAL 空間芸術研究所』さん。いつもお世話になっている松山市の㈱グローブコンペティションの代表の山田徹さんと、高木智悌さん、城野康信のさんの才人3人が集結して新たに立ち上げた組織です。大阪・京都、東京、松山の3拠点で本格的な活動を展開されるために、まずは大阪の拠点となるオフィス建設にあたり、この材を選んでいただきました。

私はまだ山田さんしか存じ上げませんが、こういう木を選ばれるということからも組織の柔軟性が感じられます。今後いろいろとおとなのあそび心に溢れた仕事をされていくと思うので、非常に楽しみである反面、そういう人たちを納得させられるような『個性的な木、変わった木、癖の強い木、到底常人では使いこなせそうにない木』などを仕入れて来ないといけないぞというプレッシャーもあります。もう普通の仕事には戻っていけそうになくなるつつありますが、そういう人間たちもいないと、マイナーの木の出口がなくなってしまいます。

そういう人たちって木選びも非常にアグレッシブで怖いもの知らず、いや何かあっても受け止める寛容さと乗り切れるだけの知見があるので、こちらの選択肢の幅も広がります。実際このパートリッジウッドをテーブルにしたのは今回初めてですが、こうして誰かが足を踏み出さないと新しい材の出口は生まれません。これで私も自信を持ってこの木を今後お勧めできますし、用途も広げていけそうです。あくまで私の感覚ですが、触感はニヤトーのような蝋のようなヌルッとした冷たい感覚です

こういうあまり知られていないマイナーな木って、知られていないなりの理由があります。物理的には供給量の問題や流通システムの問題の他に、材の性質の問題もあります。例えば乾燥すると極端にねじれるとか、後から後からダラダラとヤニが出るとか、虫が潜んでいて後から虫が出てくるとか。利用頻度が少なすぎてどういう特徴があるのかよく分かりませんが、こういう木こそ寛容で勇気ある大人の方に、従来とは違う物差しで、違う価値観で見定めていただきたい。木の多様性って、作る側にではなく使う側にこそあると思うのです

 




ウズラ卵業界。食文化に欠かせない卵という分野でありながらも、ウズラという嗜好性の高いマニアックな存在ゆえに、景気が悪くなると原料費の高騰や後継者問題で業界が疲弊して業者数が激減するという流れは、まさに銘木業界のそれと同じ。なのでとても他人事とは思えずつい感情的になって大きく脱線してしまったのですが、無くなっても困りはしなけれど、あればいろどりとしてはいいよね~的な存在としては銘木業界も共通。分野は違えどもマニアックなファンを育てて市場を確立させていかなければならないという点では一致しています

ウズラの卵生産日本一の会社では、今までウズラの卵を使っていなかった飲食店にウズラの卵を使った料理の提案をしたり、卵の回収の自動化などに取り組むまれたりもしている様子。一方、小学校などへの出前授業による啓蒙活動は人材不足などもありなかなか進んでいないみたいで、そういう事情も含めて一層シンパシーを感じます。実は豊橋市の周辺には木材の取引先がいくつかあって、よく通過していましたが、今度は豊橋にも寄ってウズラの卵関連の商品を購入したいと思っています。がんばれ豊橋!がんばれウズラの卵!

という事で、ここから改めてパートリッジウッド』こと『アンゲリン』、あるいは『ダリナの話です。弊社でも取り扱い経験がなかったので、最初は小さくカットして端材を削ったり加工したししてみておそるおそる使ってみました。マメ科の木らしく硬質で、削ると滑らか。木目はウズラの羽に例えられるのも納得がいく美しさ。オイルを塗ると更に濡れ色になって光沢が増します。木目があまりに緻密すぎて、少し離れてしまうと濃い目の赤身の中に埋没して木理が分からなくなってしまうほど。右の写真はオイル塗装を施した状態のもの。

塗装する前はかなり地味な色合い。今回アンゲリンで作らせていただいたのは、2850×900×40㎜サイズのテーブル。幅が広いので裏面には反り止めの金物を座彫りして入れています。左の写真はオイル塗装工程の途中ですが、写真の奥はオイルを塗ったので濡れ色になって濃いオレンジ色になっていますが着色しているわけではありません。幅広なので3枚の板を幅剥ぎにしていますが、片面に黒い筋があったので、そちらを裏面にして使わせていただきました。さすがにこのサイズになると一人でひっくり返すのは無理。明日に続く・・・

 




ブログを書いている最中で、まだ『今日のかけら』に取り上げていない木があれば、とりあえず入口だけでもこじ開けておこうという方針転換にしたので、丸亀の道中で『ミズメザクラ』に立ち寄りましたが、話を今治、西条で納品させていただいたところに戻します。今治で納めさせていただいたのがこちらの『パドック』の一枚板のテーブル。写真では見切れていますが、その奥にブラックウォールナットの幅剥ぎのベンチがあります。仕上げは、もちろん木の質感を損なわず、木の触感が楽しめる植物性オイル塗装+蜜蝋ワックス


実はこのパドックを選びに弊社にご夫婦で足を運ばれたのは数か月も前の事でした。ご希望のサイズよりはかなり大きかったのですが、一枚板の圧倒的な存在感と迫力に魅入られてこれに決めていただきました。少し変形したフォルムも気に入ってもらい、豪快にその形を生かすことになりました。しかしその後弊社の決算もあったり、家具の製作・納品のスケジュールが立て込んでいたこともあって、数か月もお待ちいただきました。通常はそこまでお待たせすることはないのですが、今回はお客さんに忍耐を強いることに・・・。

自分がそうだからそう思うのですが、注文する際は「急いでいないので納品はいつでもいいですよ」と言いながらも、頼んでからは日々思いが募って、妄想のテーブルの方がどんどん膨らんでいきます。あまり待たせると、この妄想のテーブルが先に完成して納品されてしまいます。そうなると満足度のハードルは世界記録並みにあげられてしまうので、あまりお待たせするのはこちらも怖いのです。今回は選ばれたパドックがパンチの利いた個性的な材だったので、妄想のテーブルに後塵を拝することはなかったようです。

以前にこのブログでも書きましたが、このパドックは6m越えの元口が張り出したビッグサイズのパドックの一枚板を「解体」した際に出来たもの。元の状態だとあまりに大きすぎて正直どう売ればいいのか持て余していましたが、解体後は短期間で嫁ぎ先が決まりました。超巨大企業が経営難に陥るとしばしば、金融機関から『Too Big To Fail(大きすぎてその後の影響を考えると潰せない)』という言葉が使われますが、『Too Big To Sell(大きすぎて売れない)』ってこともあります。 嗚呼、そんな木がパドック以外にもいくつかあって、そろそろ決断しないと・・・




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