森のかけら | 大五木材


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先日のブログで、6.4mの長いパドックの板を使ったいただいた話をアップしたところ、そんな長い板があったら使いたかったのに~というお声が数件あがりました。過去の現場を引き合いに出しての「もしも話」がどれだけ意味のないモノかは嫌というほど味わっているので、そこにわずかな悔いも無念もありません。それよりも、やはりこういうモノも持ってますというPRは言葉だけでなく、実物をいつでも見えやすい場所に展示しておいて、頭の片隅にでも置いてもらう必要があると感じましたので、あの時一緒に奥から引っ張り出した一枚を製材する事に。

まだ6.4mのビシビシの一枚板は数枚残っているので、根元に大きなコブがあってそのままでは使いにくい一枚を、コブのところでカットして、更に厚みを半分に割って、使いやすいサイズにして倉庫の見やすいところに置いておくことにしました。ということで2枚に割ったコブのところがこちら。長さは1.5m足らずですが、幅は広いところで1100㎜にもならんとする大きさでかなりの迫力!板のままでは経年変化で表面がすっかり色褪せてしまって、何の木なのかすらも分からない状態ですが、厚みを割ると眩しいほどのオレンジ色が出現!

こういう風に耳の変化が極端だと、使いにくいと仰る方もいらっしゃいますが、弊社にご来店されるような方は、まず「普通の木」なんて求められていません。先の店舗でも、オーナーが「本当はもっとパンチのある木が欲しかった!」と仰られていたぐらいで、多くの方が使いやすいとか利便性よりも、エッジの利いた存在感とか、とんでもない豪快さ、呆れるような個性、非常識なサイズ、マニアックなこだわりなどを求められます。あまりそういう事ばかり言っていると、普通の方がドンドン来店しにくくなってしまいそうですが、もはや後戻りは出来ません。

われ、この道を突き進むのみ!の心境で普通ではない独自路線を極めることでしか、零細弱小材木屋の生きる道はないと思っています。それはともかく、ご来店された方は是非このパドックも見ていただきたいです。商業店舗のテーブルだけを狙っているわけではありません。いや~面白いから自宅に使ってみようか!なんて方もお待ちしています。黒い筋が入っていますが、これは木の柄ではなく鋸刃の跡なので、削ればこの筋はなくなります。これから仕上げてオイルを塗れば、浸透してもっとオレンジ色が鮮やかに映えます。厚みは現状で60㎜と75㎜

加工して仕上げれば現状から-5㎜程度で収まると思います。出来る事ならこの形のまま使っていただきたい。根元の方なので杢も面白くて、昔ならば衝立という出口もありましたが、さすがに今時はこのサイズの衝立が置けるようなエントランスのあるような家もないでしょうから、テーブル座卓が出口になると思います。乾燥は完璧ですので、このサイズとしては信じられないぐらい軽いています。6.4mからこのコブをカットして残った(というかそちらがメインともいいますが)、ほぼまっすぐな耳の一枚板もありますのでパドック好きな方はパドック尽くしという手もありますぞ!




石鹸の木」あるいは「葛西家復興を願う木」として知られる『サイカチ』の木ですが、長さが2700㎜で、幅が1mに迫らんとする二股変形の一枚板が2枚ありました。そのうちの1枚は4年ほど前に個人宅のテーブルとして売れたのですが、残りの1枚もようやくご縁がありました。機を逸すしてしまいすっかりアップするのが遅くなってしまったのですが、そんなサイカチについて。【森のかけら】を思いつくまでまったくご縁のなかった木のひとつであったサイカチですが、小さな接点が出来ると不思議と木が寄ってきます。

恥ずかしながら立木としてのサイカチを直接見たことがないので、この木のノーマルな感じがどの程度のものなのか分かりませんが、集まって来た多くのサイカチは耳の形もあっさりしたものが多く、二股に分かれたこのサイカチは異色でした。二股なので木目を流れてしまっていて、節も絡んでいて、サイズ感こそあれ、銘木屋とか一流どころの材木屋などでは相手にされることもないであろうモノ。他人のものさしなどどうでもよくて、形の奇抜さといい、木目のよれ具合といい、まさしく私好みの一枚

変わった形の木や珍しい種類の木を買うと、誰がこんなもの買うの?なんて尋ねる人がいらっしゃいますが、変わった木や珍しい種類の木があるからこそ、そういうとこに変人・奇人が集まってくるわけで、この木を受けいれてくれるどんな懐の深い人が現れるのだろうかと、仕入れた時からドキドキが始まるのです。ご縁は早いに越した事は無いと思われるかもしれませんが、私の場合は、出来るなら持ち主である私自身がたっぷりとその醍醐味を味わいたいので、3~4年ぐらいは倉庫で寝かしておきたいのです。

乾燥の甘い板の場合は、ちょうどその期間が乾燥養生期間にもなるため、趣味と実益を兼ねた必要不可欠な時間でもあるのです。その期間の間に、それらの端材で加工性や研磨性なども確かめ、塗装後の色の変化や材の特徴も記録。私のライフワークである『今日のかけら』の貴重な資料としても活用させてもらいます。今回のサイカチも、データ採集も終わり、すっかり乾燥も進んで、ちょうどいい売り頃になった時に、こういう個性を正面から受けてとめていただける素敵なお施主様との出会いがありました。続く・・・




パンフレットにあるように作業効率は圧倒的によくて、仕上げについても馴れれさえすればスムーズ。変形した虫穴にうまく充填出来るようにさえなれば、かなり役立つと実感しました。色もパインからブラック・ウォールナットや黒まで20種類近くバリエーションがあるのも心強いです。特に今回は相手がクロガキだったという事もあり、木粉ではいかに同じ木を削って採集した木粉を使ったとしても、墨汁のような漆黒の黒色を作り出すことが出来ずに、その部分だけ妙に浮いた仕上がりになってしまいます。

その点ではクロガキの自然の漆黒に負けない「黒点」で埋めることが出来ました。角欠けにも有効でしたが、硬化後にサンダーをかける際、ベルトサンダーを使うと回転の摩擦熱で再び軟化したりと、まあこういうものは実戦をこなして体で感覚を覚えることが大事。それでもこのリペアスティックのお陰で想像よりはるかに早く仕上がることが出来ました。裾広がりの形状だったのも幸いして、シンメトリーのクロガキというかなりレアなカウンターが仕上がりました。

後から現場でL型のカウンターと繋いで完成ですが、現場が新居浜市という事もあって完成後の写真は取り損ねましたが、普通見ることのない個性的なカウンターとなってお客様にも喜んでいただけました。同時期に仕入れたクロガキがあと数枚残っていますが、これだけ全身に黒味が現れて、柄が整ったものはありません。以前は関東の木工所などからも何度かお問い合わせをいただいて画像を送ったりしたものの、やはりこういうものは実物をご自分の目でご覧いただかないと不安。

特に高齢木や老木になると、部分的に脆くなっているところあったりして、それがその人にとっての許容なのかどうなのか、また虫穴や染み、傷、割れ、節など、言葉や写真ではどうしても伝わらないことがあって、後から互いが嫌な思いをしないですむように、そういう材については極力ご来店いただき実物を見て、触っていただくようにしています。カワリモノを扱う店にとって、必要なのはカワリモノを面白いと愛でてくれる変わり者の客。カワリモノ(木も店も)は変わり者に愛される!




以前にもうひとつのクルミ、『ノグルミ(野胡桃)』についてご紹介しましたが、このあたりでは『ノブノキ』の名前でも呼ばれています。ノグルミの名前の由来などについては前回の項で詳しく説明していますが、今回はその具体的な実例について。残念ながら240種のリスト決定時に間に合わかったので【森のかけら】にはならないのですが、端材は当然『モザイクボード』にでも『森のこだま』などにも利用するのですが、いきなり板から端材を取るわけではなくて、主体があってこその端材です。


見た目の雰囲気は、オニグルミの趣きなのですが、材がそれよりも硬いであろうということは見ただけでも分かります。持ってみればその差は歴然。個体差はあるとは思いますが、オニグルミに比べるとかなり重たいです。同じクルミ科で例えれば、ブラック・ウォールナットに対するヒッコリーぐらい触感に差がある感じ。普段は軟らかめのオニグルミやサワグルミを手にすることが多いので、国産で硬い材質のクルミというのは何やら違和感がありますが、その硬度はテーブルにはうってつけでは。

ということで、テーブルと椅子の素材にご提案させていただき、作らせていただいたのがこちら。さきほど硬さの印象で例えたヒッコリーと同様に赤身と白身のコントラストははっきりしていますが、それもこの木の面白さ。この大きさですが、オニグルミと比べれば結構な重量感があります。強度もあるので、テーパーに絞った細めの脚などには有効でした。表情も豊かで材の供給さえ安定すれば面白い木だと思うのですが、今のところはイレギュラーなので強くアピールできません。今後使ってみたい木です。


後から知ったのですが、実はノグルミの葉には毒性成分が含まれていて、昔はその葉をすりつぶして川や池に流して魚を捕獲する魚毒としても利用していたそうです。なので実はつくものの果実は食用になりません。そのため『ドクグルミ』とも呼ばれていて、もしかするとそういうイメージもあってあまり活用されてなかったのかもしれませんが、クルミとひとくくりにされている可能性もあります。しかしこの毒性が含まれるという情報は私にとっては吉報!なにせ毒がある木というならば『毒りんご』という出口がありますから!




前日は文字通り浦野さんの宿泊近くの居酒屋で軽く一杯で済ませて、翌日の本番に備えました。本番といっても飲み会のそれではなく、キッチン施工のそれ。本当は興味津々で施工現場も見させていただきたかったのですが、生憎こちらも仕事が立て込んでいて工事そのものは拝見できませんでしたが、施工後にお邪魔して見させていただきました。完成間近の新築現場の中で凛とした佇まいを見せるヤマザクラの美しいキッチン。その姿を見ればわざわざ県外からもお客さんがご依頼に伺われる理由も分かります。


無垢のキッチンは、弊社でも今までに何度か作らせていただいたことがあります。それは10年も以上も前の話で、施主さんからの強い要望で作らせていただいたのですが、私自身がまったくキッチンに対する知識がない(特にレールなどのキッチンパーツから金物関係)うえに水道工事業者との繋がりも希薄だったので、造り直しや現場での追加作業が頻発して相当に苦労しました。普通ならそれで学習して浦野さんのように無垢のキッチンに覚醒するところなのでしょうが、私はキッチンから逃げてしまいました。

その時に、いま弊社の家具のほとんどを造ってくている善家君ZEN FURNITURE)と組んでいたらもしかして私もキッチンに目覚めたかもしれませんが、キッチンってパーツが多いのでめんどくさがりの私にはやはり気が重い分野です。さて無事に浦野さんの方の施工も終了しましたので関係者で集まって慰労会&キッチン談義をと思ったのですが、職人さんたちはその日のうちに帰らないといけなくなったという事とこちら側にも欠員が出まして、結局私と浦野さんと善家君の3人で食事することになりました。

キッチンというわけではないですが、折角なので弊社でカウンターなどを納めさせていただいたお店でということで一件目は『代官町別邸 橙』へ。思えばここにカウンターを取り付けに来たのはもう何年前のことでしょうか。オーナーがお持ちだった新潟のケヤキの古材を使われるという事で、その加工と取り付けを担当させていただきました。カウンターの下に潜り込んで私もボルトを締めたのが昨日のことのよう・・・。あれから数多くの商業店舗に関わらせていただき、多くのオーナーとの出会いもありました。

施工中は納期に間に合わすべく納品もスクランブル体制で、冷や汗ものですが、こうして開業後に客として訪れる充足感は何事にも代えがたし。関わりといっても弊社の場合はカウンターやテーブル、内装の一部だけなのですが、仕上げ部材や家具が多いので、来店しても目に付くものがほとんどなのでかなり役得!その流れで2次会は『独創』へ。そこで以前から気になっていた長野の昆虫食の実態や海なし県あるあるなどの話で盛り上がりました。次はぜひ長野でお会いしたいところですが、そういえば長野にも随分行ってないなあ・・・またぞろ出張の虫が騒ぐ!




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