森のかけら | 大五木材


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後から気づいたのですが、芥川龍之介の『河童』は私にとって木のネタの宝庫でした!イチイ水松、ラクウショウと次々に関連づけて繋がっていく(勝手につなげているだけですが)。それで「河童と木」ということで最後にどうしても触れずに素通りすることの出来ない関わりがありました。お酒の好きな方、あるいは同世代の方ならすぐに気づくはずですが、そう『河童といえばサクラ』!ついつい口ずさんでしまう「かっぱっぱー るんぱっぱー♪」のCMで有名な『黄桜の河童』。あくまでも企業名としてのサクラだと思っていたら意外な事が分りました。これも木物語の世界のひとつと。

黄桜というのは、京都府伏見区に本社を置く酒造メーカー、株式会社黄桜の事です。主に清酒の製造販売を行ってきましたが近年ではビールの製造も始められているようです。社名の黄桜という「黄色い桜」は創作したイメージかと思っていたら実際に黄色いサクラがあるのを知ってびっくり。それは「御衣黄桜(ギョイコウザクラ」という種類で、開花直後は淡い緑色の花を咲かし、やがて黄色く変化していくサトザクラの品種の1つ。「御衣」というのは平安時代の貴族が着ていた衣服の色(萌黄色/モエギイロ)に由来します

最終的には花びらの中心部分は赤く染まるのだとか。創業社長がその花が好きだったことから黄桜を社名にされたそうです。その後、2代目社長がその社名にふさわしい親しみやすいキャラクターを捜していた時に、週刊朝日に連載中だった清水崑さんの漫画「かっぱ天国」に一目惚れして自社のキャラクターに採用。清水さんが亡くなられた後は、1974年から漫画家の小島功さんがデザインを引き継がれ今に至っています。合わせて、あの頭に残る「♪かっぱっぱー るんぱっぱー♪」のCMソング『河童の歌』もずっと使用されています。

一時期、企業のCI(コーポレート・アイデンティティ)がもてはやされ、老舗企業でもそれまで長らく使ってきたロゴやキャラクターが一新されました。変化する業態に合わせるとか、分かりやすいイメージにするなど理由はさまざまですが、長年使ってきたロゴやキャラクターを変えるというのはそれなりに勇気がいること。ましてやそれが先代の思い入れがあるものならば尚更のこと。弊社でも私が入社してしばらくしてからロゴを一新させましたので、もうかれこれ25年近く使っています。このロゴやキャラクターには相応の思い入れがあります。

最近はあまり見かけなくなりましたが、私が子どもの頃はテレビで黄桜の河童のCMが流れていてよく目にしました。恐らくそれは小島功さんのデザインだったと思うのですが、かなり色気のある河童で子どもながらにドキドキしたものです。あくまでも河童の擬人化(河童に擬人化もおかしいですが)ですが、恐らく今だと無粋なひとがすぐにクレームの電話でも入れそうです。今でもあの「♪かっぱっぱー るんぱっぱー♪」の歌とともに河童の夫婦が温泉で酒を酌み交わすイラストが思い浮かびます。やっぱりイメージは大事。それは酒も木も一緒、そのあとで酔わせるところも

 




話を埼玉県秩父のサワラから、埼玉出身のNHKアナウンサー金子峻アナウンサーに戻します。伐採後の街路樹の活用に非常に関心を持っていただき、最終的にそこにスポットを当てていただくことになりました。今後大きな問題となる『都市林業』の事に少しでもスポットを当てていただけるにメディアにアピールしていくことは我らビーバー雑木隊にとっての使命でもあります。ところで金子さんの食いつきがあまりにいいので、もしかして実家が材木屋の関係者なのではなかろうかと勘繰りたくなるほど。

そのあたりをもう少し掘り下げて尋ねてみると、アナウンサーになって最初の赴任地が宮崎県だったとの事。そうです、宮崎と言えば全国に名だたる林産地で、特にスギに関しては丸太の生産量27年連続日本一に輝くなど圧倒的な森林資源を誇っています。それだけでなく広葉樹の活用も旺盛で、都城周辺では鋤(すき)や鍬(くわ)、スコップなどの農具の柄(持ち手)も精力的に生産されています。金子さんはその辺りで木に関する取材もしてきたので、自然と木材に対する関心も高まっていかれたのでしょう。

その次の赴任地が愛媛県だったので、同じ林産地でありながら、気に関する熱量には違和感を覚えられたと思います。丸太素材の生産(川上)だけでなく、建築材のほか家具やクラフト細工、玩具、器具など端材まで有効に利用する職人(川下)まで大きな流れが出来ている宮崎に対して、丸太の生産量こそ全国でも有数ながら、川下が未熟で未整備な愛媛では市民レベルでも、愛媛が林産地であるという意識が低いように感じます。恐らく金子さんが感じられた違和感もそのあたりが原因ではなかろうかと思います。まあ、何はともあれ木材業界にスポットをあてていただけるのはありがたい話です。ならばより日陰のところに光を当てていただきたい!

という事で『都市林業』!今後ますまさ問題化されることになるであろう町の中から産出される樹木たち。街路樹をはじめ、庭木、神社木、公園木、校庭や広場など町の中にも沢山の木が植えられています。森の木との大きな違いは、成長して大きくなったら伐採して材木にするために植えられたものではなくて、町の景観や美観、緑化などのため植栽されたものということ。経済林との違いは、成長した後(皮肉な話ですが、大きくなり過ぎてしまった後)の「行き先」。伐採して製材所に行く森の木に対して、町の木の行き先は産業廃棄物処理場

町の中で汚れた排気ガスにまみれながらも、安らぎを与え続けてくれた街路樹など町の木が廃棄物扱いなんてあまりにも可哀想だし、なによりもモッタイナイ!町の木は建材にするために植えられたわけではないので、建築材に適した樹種でもなければ、それに適したサイズでもありません。曲がりくねっていたり、小さく枝が多かったり、ほとんどの材木屋・製材所は歯牙にもかけないでしょう。そんな一般的ではない、深海魚的な木の受け皿として我々樹種異常溺愛症候群』に感染したビーバー雑木隊がいるのです!・・・あ、ほぼカットですか(笑)大丈夫、また次の機会に!

 




ある日会社に電話があって、「NHKなんですが、ちょっとご相談が・・・」。もしや残高不足で受信料が引き落されていませんよという警告か何かではと一瞬不安になりましたが、木の取材の事でした。電話をかけてこられたのは、『かねしゅんの突撃まちめぐり』で知られている金子峻アナウンサー。その爽やかさは電話口の滑舌のいい標準語からも十分に伝わってきます。今、大きな災害が全国各地で発生する中で問題視される山林の問題についてちょっと取材させてほしいというご依頼でした。

こういうケースって先方は軽い電話取材ぐらいのつもりがほとんどなのでしょうが、少しでも多くの方に木の話をしたい!そして人々を洗脳していつか【森のかけら】で世界征服をしたいと企んでいる材木屋にとっては、飛んで火にいる夏の虫!金子さんの話を聞くふりをして、何かつけいる隙は無いかと聞き耳を立てていましたが、「街路樹」という言葉をきっかけに、ここぞとばかり強引に『都市林業』の話をぶち込みました!しかも周辺にはメディアが興味を持ちそうなキーワードも沢山ぶら下げて!「町にも木はあります。」

打てば響くというのはこういうこと。さすが突撃まちめぐりアナウンサー、好球は見逃しません。見事に餌に飛びついていただきました(笑)。フットワークも軽く早速、会社にお出ましいただきました。『都市林業』の話にとても興味を持っていただき、そのあたりの話を詳しくお話ししました。とても熱心に話を聴いてもらうので、もしかして林産地の出身なのかなと思い尋ねてみたら、埼玉県出身とのこと。こういうところからも繋がりを作れるのが、全国各地の木を集めた【森のかけら】の素晴らしいところ埼玉の木、ええありますとも!!


埼玉県の県木はケヤキ(欅)ですが、ケヤキって県木に指定している県って多いので、【森のかけら】で埼玉つながりというと、『サワラ(椹です。全国的には埼玉というと、『西川材』のブランドで知られるスギ・ヒノキでしょうが、実は埼玉県の北西部に位置する秩父市では、戦前に植えられたサワラの大きな木も多く、サワラ材の産地としても知られています。その関係で【森のかけら】の中のサワラははるばる埼玉県からやって来ているのです。という事で、今まで触れてなかったサワラの木の話をここから少し。続きは明日・・・

 




私が陰陽師を意識するようになったのは大学生の時にある小説を読んでからです。その存在そのものが妖怪とも言われる知の巨人・荒俣宏が持てる知識を結集させ渾身の思いを込めて描いた小説デビュー作『帝都物語』。平将門の怨霊により帝都破壊を目論む魔人・加藤保憲とその野望を阻止すべく立ち向う人々との攻防を描いた壮大な物語です。昭和時代の最後に出てきたトンデモ小説に私の心は鷲掴みにされました。全巻揃えると背表紙に『帝都物語』という言葉が現れるのが楽しみで、勿論外伝も含めて全巻揃えて何度も何度も読み返しました。

私の周囲のSF好きはみんな読んでいました。男の子がはまる要素が至る所に散りばめられていて、陰陽師という言葉も、風水師水虎、式神なんて言葉もこれで覚えました。魔人・加藤保憲と戦うのが、スーパーマンみたいな超能力者ではなく渋沢栄一、寺田寅彦、幸田露伴といった実在した人物という設定も面白かったです。小説は大ヒットして、しばらくしたら映画化されることになりました。それがまた更に私の心を揺さぶることになるのです。話があまりに壮大なため、映画化されたの前半部分だけでしたが、脚本を手掛けたのは当時新進気鋭の映像作家、林海象。

『夢見るように眠りたい』というモノクロのサイレントムービー(部分的には台詞あり)を作った新世代の映像作家。イラストレーターの和田誠さんが描かれたチラシも素敵でした。さらに監督は、かの実相寺昭雄!子供向け番組のウルトラマン、ウルトラセブンに斬新なカメラアングルと哲学を持ち込んで当時の少年たちを理解不能なワールドに迷い込ませた張本人(賛辞です!)。キャストも勝新太郎、嶋田久作、原田美枝子、坂東玉三郎、平幹二朗、宍戸錠、中村嘉葎雄、大滝秀治、西村晃など豪華!製作費も当時破格の10億円。これは一体どんな作品になるのだろうか?!と観る前から否が応にも期待感のハードルが上がります!唯一不安だったのは魔人・加藤保憲を演じる嶋田久作という俳優がこの作品が映画デビューだったということ。ところが映画を観たら、その独特の風貌はもうこの役のために生まれてきたのではないかと思うほどのはまり役でした。

その後もしばらくはその印象が強すぎて何の役をしても加藤保憲にしか見えませんでした。映画では平幹二朗が雰囲気のある陰陽師を演じていましたが、他にもオカルティスト大集合の忘れらない異色作品となりました。このあたりから、全体的にバランスのいい映画よりも、何か一点突破で突き抜けたような映画に惹かれるようになりました。おお、ここにも今の変態材木屋の種があったか!学生時代の思い出をこんな形で綴れるなんて、材木屋は素敵な商売(^^♪ これも陰陽師のお導きかもしれません!?

 




昼休みを紫電改展示館で過ごしたので、少し遅めの昼食を、県道沿いの飲食店に入ったところ、たまたま隣の席に座った二人連れのうち、年配の方が話しかけてこられました。「おたくら材木屋さん?」私たちが大五木材の社名の入った3t車から降りて来るところを見られたので、木工好きで話好きな人かなと思って、こちらも軽い気持ちで受け答えしていると、この人が実はとんでもない方だったのです。ご自身は高知県の大工さんで以前は松山にもよく仕入れや現場で来ていたとのこと。今日は体調がすぐれないので病院に行った帰りだという事。そんななんでもない話が続いていました。


まあ、この辺りの方だとご縁もなさそうだけど折角なんで名刺でも交換させていただこうとしたら、その人が「大工とは別にこういうこともやってるんよ」とある名刺を差し出されました。その名刺に書かれていて肩書は、「陰陽師」!知らない人がいらっしゃるかもしれないので軽く説明すると、陰陽師(おんみょうじ)とは、古代日本の律令時代に陰陽道に基づいた呪術や占術を行い、国の祭祀を執り行ったり、未来を占ったり、願望成就や厄災祓いを行ったりする職に就いていた人を指します。後には陰陽道に関する行事をつかさどる職の人後に、民間にあって加持祈禱(じきとう)を行う者もそう呼ばれるようになります。平安時代の陰陽師・安倍晴明は、映画や小説にもなっていてよく知られた存在です。

小説や映画では陰陽師が、呪文を唱えれば超人的な能力を発揮能力者として描かれることが多いので、こういう話ってどうしても眉唾な話として語られることが多いのですが、私はそういう話が大好きなので名刺を見て一気にテンションが上がりました!現代においても陰陽師の肩書を持つ人がいらっしゃる人がいるのは知っていたものの、実際にこうしてお会いするのは初めてだったので、木の話の時以上に興奮しながら、矢継ぎ早に質問を浴びせ続けました。その方の家がもともと高知で由緒ある神社で、跡継ぎになり修行をして陰陽師になられたのだとか。

それで大工にもなりたかったので、大工兼陰陽師となり、その関係で神社などの建築にも数多く携わってこられたそうです。それほど信仰心が無いような人でも、家を建てる時には風水や鬼門を気にされるように、昔から日本人はここ一番という大切な時は見えざる神力に頼ってきました。なので陰陽師が大工さんで家を建てるというのは理に叶っているし最強の組み合わせだと思います。にも関わらずどこか怪しげに聞こえてしまうのは、やはり小説や映画の超人的能力を持つ陰陽師というイメージのせいだと思われます。いろいろと実に興味深いお話を聞かせていただきました。続く・・・




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