森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

★今日のかけら・#105【メタセコイア】スギ科メタセコイア属・針葉樹・岐阜産

昨日はテレビのニュースでも全国的に取り上げられていましたが、「国鱒(クニマス)70年ぶりに発見!」の話題。私は夕刻、小6の娘から聴いて知りました。その前の夜、娘の通う小学校では朝の1分間スピーチというのが順番に廻ってくるのですが、木曜日に自分の番が来るので、最近の話題を教えて欲しいという事で相談がありました。なるべく世界的なニュースがいいなどと小癪(こしゃく)な事をのたまうので、だったら北朝鮮の事を教えてあげたのですが、今日になって「自分でこれに決めた」と言ったのがこのニュースでした。

テレビやネットでこのニュースを知る前に娘から、「幻の魚を、タレントのさかなクンが発見した!」と聴いたので、何かテレビ番組の企画かおふざけかと思っていたらビックリ!よくよく聴いてみれば・・・クニマスのイラストを依頼されたサカナクンが参考のために山梨県の西湖からとりよせてもらったヒメマスの中に偶然、クニマスが混じっていて、調査の結果それが70年ぶりの大発見となったという事でした。サケ科の淡水魚・クニマスは、かつて秋田県の田沢湖にしか生息しなかった高級魚で、クニマス1匹米一升とも言われたほど価値の高い魚だったようですが、70年前に絶滅したとされていました。その後、クニマスを探せという事で懸賞金が懸けられて大捜索がされたのですが結局幻に終わり、絶滅と判断されたようです。さかなクンが発見というよりは、確認したという事のようですが、それも運を持っているということでしょう。

以前、テレビで放送していましたが、「50年以上生存が確認されなければ絶滅」と考えられるそうです。まあ、この定義も随分アバウトだと思いますが、要は人目に触れないものは次第に「絶滅」の道を辿っていく事になるのかもしれません。ですから中には絶滅したはずのものが「再発見」されるという事もあったりするわけです。クニマスと同じような例が、以前に木材でもありました。それがこの【メタセコイア】です。1945年に中国の揚子江支流で発見されたのですが、それまでは化石しか発見されていませんでした。

【メタセコイア】という名前は、これを研究された三木茂先生によって命名されていましたが、発見によって「化石が生きていた!」という事で大変な話題になったという事です。その後、この「生きた化石」から採取された種子をを元とする苗木が世界各地で植栽されました。もともと成長力が旺盛な木で、4、5年で5mにもなるとされていて、その後もグングン伸びて最大で30m~35mにもなる落葉高木なのです。今では日本中で街路樹、公園樹、学校の校庭木などとして数多く見掛けるようになりました。

その材質をまだ知らなかった頃、「生きた化石」というネーミングだけに惹かれて、市場に偶然出ていた物に飛びついて購入したのですが、その大袈裟なキャッチコピーと実力が伴わないのは、プロレスラーによく似ています!別に「生きた化石」というコピーは、材質を担保している訳でも何でもないので、勝手にこっちが思い込んだだけの事の早とちり。成長がそれだけ早いという事は年輪も粗いということです。立木で見るのと板にして見るのでは大違い!その勇壮な姿からは想像できないほど、いやそれだけ大きいからこその大柄な杢!

森のかけら】を手にされた方は、随分年輪の粗い所を取ったと思われるかもしれませんが、どこもこんな粗さです。中には、かけらサイズに年輪が2本とかいうのも珍しくありません。ですから当然軟らかい!なぜこれほど大きな木が建築用材にならないのかよ~く分かりました。色合いとしては、赤味の淡いスギといった雰囲気ですが、柔らかさはスギ以上でしょう。当時は【森のかけら】に加えたいという大義名分がありましたので、それだけでも私にとっては充分に価値があったのですが、他の「出口」は未だ見つかっておりません。大きいけれども極端に目が粗く柔らかい木、これは余程頭を柔らかくしてかからねば、出口を見つけるのは難しそうです。だからこそ燃えるのですが!そうでなければ、長い眠りから覚めて化石から抜け出た木が、用材の化石になりかねません。ガンバラねば!

 




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2024年10月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
Scroll Up