森のかけら | 大五木材


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最近よく店の看板を木の一枚板で作りたいとか、ディスプレイ用の変わった形の木が欲しいという話が多いので、ちょっと小さめで形の面白い耳付き板を用意してみました。今までこういう場合、常に大量に作り過ぎて持て余してしまうという事例が多かったので、(珍しく過去に学んで)今回は少なめです。とりあえずクスノキで20枚程度用意しました。とりあえずこれで反応を見て、今後追加を投入するかどうか検討します。クスノキは小さくともそれなりに存在感があるのと、面白い杢が出やすい木なので看板にはもってこいの木だと思います。

木で看板を作ろうかなんて弊社にやって来られる方って、やっぱり『普通じゃないモノ』を求められる人が圧倒的に多くて、お客さんも店の主に似てくるというか、そういう店だからそういう人が集まってくるのか分かりませんが、あまり変化のないような通直な木には見向きもされず、ひたすら『変わった形の木』を探されます。それは実にありがたいこと!少しずつ私の求める層のお客さんが増えて来ていて、変わり者材木屋としては本望なのであります。誤解を恐れず言わせてもらうならば、普通の木を普通に説明して売るなんて、退屈でつまらない

本音だから別に誤解でもないのですが(笑)、普通のベイマツを㎥単価がいくらですとか、スギの柱が1本いくらですとか、それはそれで勿論大切な事は分かっています。弊社にとっても米櫃にあたる部分ですから大事です。だけど偏屈で変わり者材木屋としては、そんなまっとうな真面目な事ばかりしてたらストレスでどうにかなってしまうのです。変わった木のえぐい話や、嘘か本当か分からないような伝承や逸話を織り込みながら、へえ~だのほお~だの言いながら楽しんでもらいたいし、こっちだって楽しみたいのです

ですから、このように汚れるのを最初っから覚悟して、服に埃がつこうが、おが屑にまみれようが果敢に倉庫の奥へと潜り込み、ゴソゴソとマイお宝を見つけ出して来て、満面の笑みを浮かべられるようなこんな素敵なお客さんこそが、どストライクのお客さんなのです(偏見!)。そういう方は乗用車で乗り付けられてもドアを開ければがっつりビニールシートや新聞を敷かれていて、汚れなど厭わずに持ち帰る気満々で準備も万端!お気に入りの木を見つけられて、嗚呼なんとその笑顔の素晴らしきことか!材木屋冥利に尽きる(涙)

わざわざご来店していただいた大切なお客様を変人扱いしておりますが、事前にご了解済です(笑)。もうすっかり常連さんになっていただいて、お店に来られても勝手に倉庫を探索されるようになった、ファンタジックなパン屋さんとして人気の『ぱんや雲珠』さんご夫婦。自分たちでそれぞれにお気に入りの木を探して加工されたりされます。こんな事書いたら普通の人が来にくくなると心配してくださる人がいるかもしれませんが、もうあまり普通の木は置いてないので、そもそも普通の方はあまり来られないんです(笑)。そんな材木屋が1軒ぐらいあったっていい、材木屋万流です!

 




さて今回伐採させていただいた『オリーブ』の主たる出口は勿論【森のかけら】と『森のりんご』(あと現在企画中の小物)ですが、幹だけでなく小さな枝葉までまるまるいただきましたので、そちらも手早く調理しちゃいます!これぐらい鮮度がいい時で、しかも寒い季節であれば皮付きでもかなりいい状態のものが取れます。【森のかけら】だと、芯を外して最低でも荒サイズで40~45㎜角は必要になってきます(乾燥中の収縮やねじれなども考慮するとこれぐらいは最低必要)。

芯を外して45㎜というと、直径でいうと最低でも150㎜以上は必要になります。灌木だとその条件を満たすのはせいぜい根元の方のごく一部。このオリーブも結構大きな木でしたが、曲がりなどもあって、【森のかけら】に使えるのは全体のほんの数%。まあ、それで十分なのですが、残りをどう生かすかが肝心。それで今回は残った小さな枝部分はすべて薄い輪切りにすることにしました。手元に注意しながら小さな枝までスライド丸鋸でカットしていきます。かなりの量が取れました♪

今までにもこういう小枝の輪切りはいくつも作って来ましたが、しばらく置いていた小枝を使ったりしていたので樹皮が剥げたり汚れていたり、あるいは時期が悪くて虫が入っていたりして、こんな感じに皮の状態がいいものはなかなか作れていませんでした。輪切りの小枝ってやはり綺麗な樹皮がついているものが求められるので、オリーブの小枝は理想的。ただし生材なのでこれをちゃんと乾かさないとカビてしまい台無しになるので、同じ轍を踏まないように全部広げて乾かせます。

こうして並べてみると大きさも形もさまざま。枝が曲がっているので固定できないので感覚でカットするため、厚みも不揃いですがこれでいいんです。以前なら厚みも揃ってないとおかしいとか、お客さんはそういうものを求めているみたいな頭でしたが、自分でもそのあたりは随分やわらかく考えられるようになりました。無理せず自分の出来る範囲でもったいないをなくす。ハードルを上げてコストをかけて高いモノを無理して作って在庫になるぐらいなら、売りやすい価格で作れるモノを全部売り尽くすほうが、もったいなくない。そう考えるようになってきました。

だからといって手間をかけないという意味ではなくて、外注に出して加工賃をかけてまで作らなければならないか自社でで切る範囲のものづくりにするかの見極めをするという事です。なのでこのオリーブの輪切りも、この後何度もひっくり返して乾燥させていったり、乾燥後はサンダーで磨いて、植物性オイルを塗ったりして、自社の中で出来る手間をかけて仕上げるつもりです。よく見てみるとその中に、偶然小さな芽がついているものがありました。独りで妙ににやけてしまうのです、何かいいことありそう!

 




文字通り根こそぎ幹から小枝までオリーブをいただきました。折角のご縁ですので、使えるところは骨の髄までしゃぶり尽くして味わわせていただくのがビーバー隊の礼儀作法だと心得ております。しかしこのオリーブ、かなり根が張り出していました。よく、枝ぶりと同じぐらい根も張っているといいますが、持ち主の方にお聞きすると、枝よりもかなり先の方まで根が伸びていて、野菜を育てる障壁になっていたそうです。よほど土地の栄養価が高かったのか、この土地に合ったんでしょう。そんなオリーブですからみすみす尚更灰となるのは残念だったのだと思われます。

通常は造園業者さんが伐採してもらった後で、伐採された丸太を取りに行くのですが、今回は自分で伐採するのでその時点から、ここはあれに使えるぞ、この細いところはああしようとかイメージが膨らんで伐採中もニヤニヤしていました。造園屋さんに伐ってもらう場合は、立ち会えない事がほとんどなので、ある程度の希望(長さや大きさ)を伝えておいて、採集に行ってご対面となります。それはそれで楽しみでもあったりしますが、立木の段階から見ていると身が引き締まります。そこにあるのはマテリアル(原料)などではなく、命ですから。大切に使わせていただこう!

無駄なく大切に使うために大切な事は速やかに「荒さばき」をしておくこと。伐採直後であればどんな硬いでも水分をたっぷり含んでいて容易に製材できます。勿論硬い軟らかいの差はありますが、日が経つほどに水分が抜けて硬くなり製材も難しくなります。特に弊社のように小さなバンドソーしかないところで、小さなものを挽く場合は新鮮さが何より大事。という事で、持ち帰った足ですぐに長さを整えて荒割り。途中の作業工程を取り忘れるぐらい急いだので、製材後の写真しかありませんが、いいサイスのものが取れました!

オリーブの木自体は枝も伸びて大きく見えましたが、いくつかの幹が合わさっていて、1つ1つはそれほど大きなものではありません。それが曲がりくねっているので、普通の材木屋であれば恐らく見向きもしないサイズだと思われます。しかし弊社にとっては、『オリーブ』というだけでまずとヨダレが出ますし、更にこれぐらいのサイズが取れれば言う事なし!【森のかけら】と『森のりんご』にするには十分なサイスです。それよりも小さなモノもとりあえず板に挽いて乾かせます。他にも出口の構想はいくつかあります。

【森のかけら】で言えば、『オリーブウッド』としてスペイン産のものを『プレミア36』の中に入れています。【森のかけら】のリストを確定させた当時(10数年前)は、オリーブが身近で手に入るとは考えてもいなかったので、プレミア扱いしたのですが、こうなるとやはり【新・森のかけら】として「愛媛県産オリーブ」も加える必要がありそうです。スペイン産のような独特の縞柄はありません(なにせまだ10年生ですから)が、これはこれでこの子の個性。以前いただいた小豆島のオリーブも縞柄がほとんどありませんでしたので若木には出ないのかも。いずれにしても出番はまだ当分先の事。




滋賀からの帰りはのんびりとフェリーで帰りました。3日の早朝に東予港に到着。2019年になって初めて踏みしめる愛媛の大地。それから自宅に戻ったのですが、子どもたちの部活や私の仕事の事などもあってそれから先の日程が詰まっているため、その足で急遽西予市野村町の実家に挨拶に帰ることに。ならば急ごうという事で、一息つく間もなく、まずは地元の阿沼美神社に参拝。町内の方がきちん掃除もされ正月のお供えもされていて清々しい気持ちの中、お賽銭には不釣り合いな願いを沢山させていただきました。

この神社の境内にも多くの木々が植えられていて、巨木とまではいえななレベルですが小さな鎮守の森を作っています。しかし石段傍の大きめのクスノキなどは大きくなり過ぎて、石段を壊す恐れがあるのと手入れが出来ない等の理由で近々に伐採されることになっています。この木に限らず、町の中にある木が大きくなり過ぎて手に余るようになって伐採されるケースが増えているようです。そこにひとの暮らしがあって、その中で木が植えられている以上、いろいろな事情があって木が伐られるのは仕方がない事。

木に携わる仕事をしている者としては、そういう木と関わらせていただくような事が起きた場合に、そういう木をなるべく上手に有効に利用することだと考えています。街路樹や公園などで伐採されたであろう木々が造園業者などのトラックに山積みにされて走っている場面に出くわすと、嗚呼きっとあの木たちもこの後産業廃棄物として焼却されるのだろうと考えると切ない気持ちになります。では、お前はそれらの木をどう生かせるのだ?すべての木を救えるのか?私に出来る事はほんのちっぽけな事でしかありません。

それはささやかな抵抗であり単なる自己満足の世界でしかないのかもしれません。しかしそれでも自分が出来る事から少しずつやるしかない。世界でいろいろなモノコトが大きな転換期を迎えようとしています。今まで当たり前だった事に大きな対価を払わなければならなくなったり、価値が無いように思われていたものが見直され急激に価値が高まったり。変化を求めて飛びついたところで、根の浅い木はすぐに倒れる。誰にも見えないところで少しずつ根を張って変化に備えていこうと思います。正月の旅、これにて本当に終了。




バーククーヘンから木の話に戻ります。ラ・コリーナ近江八幡さんの事をスマホで検索していたら設計者が、緑や自然を大胆に取り入れた遊び心溢れるデザインで有名な藤森照信さんと知って納得。宮崎駿のアニメの世界を具現化したようななんとも言えない温かみのある空間が素晴らしい~。もっとも菓子に関係の深い木がクリ(栗)という事なので、クリの木をたっぷり使おうという事になって、至る所にクリの木を使われたそうです。そう知って改めて店内を見渡せばここにもそこにもクリ、クリ、クリ・・・。

たねやの代表にしてこのラ・コリーナを作られた山本昌仁社長はじめ、たねやのスタッフ、藤森さんたちが、直接岐阜と長野の県境の付近の山にまで入って、クリの木を選ばれたそうです。その数なんと1,000本を超えたとか!クリの木と人間の関わりは深くて、古くは青森県の三内丸山遺跡から直径1mものクリの巨木を使った大型掘立柱建物跡が発見され、縄文時代からクリを用材として利用してきたことが証明されています。当時から食用としても貴重でしたが、お菓子の素材としても欠かせません。

線路の枕木に使われるほどタフでありながら、見た目の印象はナラほど強くなく、素朴な雰囲気が漂っていて不思議な親しみを感じる木です。愛媛県は実は地味に栗の生産量は全国2位なのですが(1位は圧倒的な大差で茨城県)、素材として県外へ出荷している量が多い事もあって、地元でもあまりその事を知らない人も多いほど。なので栗の木は沢山あるにはあるのですが、あくまでも食用の栗を育てるためのもので、建築などの用材にするような大木とはそもそも目的も違います。なので栗の木というと、食べるための栗を宿した小さな低木のイメージしかありません。

初めて『栗王国・岩手』で巨大なクリの丸太を見た時はビックリしたものです。建築や家具に使うとなるとやはりある程度の大きさと素性の良さが求められるため、小さな丸太や曲がった木には目がいかなくなりがちです。ところがラ・コリーナに使われているのは、豪快に曲がったり、ねじれたり、節で凸凹していたり、癖が強いような木が、森であった姿形のまま当たり前のように使われています。通常不適とされるこれらの木が立派に、いやそういう木だからこそ相応しい場所で光り輝いている。目から鱗が落ちる思い。

その日は満席で入れませんでしたが、カステラショップ『栗百本』では、曲がりくねった木がこれでもかと使われていて、クリの木の魅力を改めて教えていただきました。今は奇異に見えても本物を使う、本物であれば時間とともに風味を増すという藤森哲学が徹底されています。今までにもクリの木はいろいろなところに沢山使ってきましたが、自分が見ていたのは、スーパーに切り身として並べられた刺身のような、調理されたクリの上っ面だけだったなあと思い知らされました。深い感動と強い反省を噛みしめながら更に中庭へと進んでいきます。まだまだ続く・・・




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