森のかけら | 大五木材


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昨日のパドックは、6.4mのロングサイズの『パドック』を「解体」したものの一部ですが、ロングサイズのパドックといえば、春に行った岐阜の市場に出品されていた6.4mのこちら!弊社で在庫している6.4mのパドックは、縁があって10年ぐらい前に入手することが出来たもので、さすがにこれぐいのサイズのパドックはなかなか手に入らないだろうと思って、思い切ってまとめて『おとな買い』しました。普段は小さくて安価なサイズの板を沢山買って、ボリュームで勝負する買い方の私にとってはかなり思いきった仕入れでした(ドキドキ)。

それまでに10年以上も経過していて、乾燥状態が完璧だったというコンディションの良さが、私の背中を押した要因ですが、こういうサイズの木は『注文があるから仕入れる』というのではなく『先を見越して仕入れる』という感じなので、8枚ほどまとめて仕入れたのですが、最初の1枚目が売れるまではかなり不安でした。「材木屋なんだからせめてこれぐらいのモノは持っていないと恥ずかしい」なんて大見得を切って仕入れたものの、ずっと売れなかったらどうしようなんて内心焦りもありました。その後時間はかかったものの半分ぐらいは売れてくれてひと安心。

今は逆に、全部売れたらどうしようなんて思ったりもしていますが(笑)、そんな時にこのパドックに出会いました。一昨年から今の時代に即して商品構成にするため本格的な在庫の見直しに取り組んでいて、前時代的な商品には別の出口を見つけて再加工したり、廃盤の商品などは見切りをつけて、今後は建築分野以外でも活用できる材という基準で在庫を調整しています。そういう時期でなければ、思わず衝動買いしてしまいそうなほど魅力的なパドックでした。10年前とは逆に、まだ未乾燥だったことが私の心にブレーキを踏ませました。

嗚呼、私もモノの分別がつく歳になったものだと感慨にふけっていたら、一緒に行っていた金沢の御大がそのうちの数枚を落札!その様子を隣で見ていて、思わず私も「いかん、これは買っておかないと!」と衝動で手を挙げそうになりました。危ない、危ない・・・。他人が買ったものはよく見えるとはこういう事で、後から見れば見るほど、買っておくんだったなあと思うものの、冷静になれば買ったとて置く場所にも窮する。在庫している6.4mパドックも倉庫の奥の奥にしまい込んでいて、「ちょっと見たい」と言われても簡単には動かせず

以前ならそれでもやっぱりあの時買っておくんだったとダラダラと後悔したものですが、最近は倉庫の現状やら経営環境の変化をしっかり受け入れ、引きずることはありません。身の丈に合った仕入れが大前提。といいつつ、ここ一番の勝負場まで我慢を重ねます。ところで、いま在庫しているパドックはいろいろ紆余曲折があってから弊社にやって来たのですが、このパドックを見て、もしかして大元の出どころ(製材所)は同じところだったのでは?と思ったりもしました。うちに来る前に謎の期間が10年以上はあるということなので延べ20数年以上も前の話で、真実は闇の中・・・木は語らず。

 




★今日のかけら・#102 【水目桜/ミズメザクラ】 カバノキ科カバノキ属・広葉樹・宮崎産

 

これはあくまでも松山で30数年にわたり木の仕事に従事してきた材木屋としての経験からですが、愛媛とくに松山市においては昔から材木屋の中で広葉樹に対する知見が浅くて、その扱われ方も杜撰でした。歴史的に広葉樹が松山でどういう位置づけだったのか知らないのですが、木材市場でのその扱われ方を見ていると、あまり興味や関心が無かったと思わざるを得ません。愛媛を代表する森林地帯・久万高原町の奥に位置する小田美川地域は紅葉の名所としても知られるところで広葉樹も豊富ですので、用材としても出材されてきた歴史はあるとは思うのですが。

戦後早くから米材の大型工場などが出来たこともあってか、愛媛では米材をはじめとする海外の大径木が入ってきて、海外の木材輸入ルートが確立されていました。そのためそれほど大きくはない国産広葉樹を手間暇かけて加工するよりは、値段も安く加工も容易な海外の大木の広葉樹に流れたのかもしれません。そもそもがスギ・ヒノキの産地ですから、広葉樹の需要が細かったのだと思いますが、市場に広葉樹が並ぶなんて事もほとんどなくて、稀に高知や岡山など他の地域から仕入れてきたケヤキサクラが並ぶ程度でした。勿論その間隙をついて広葉樹でうまく儲けていた業者もいたとは思いますが。

まだ当時は私自身が広葉樹に対する関心が低かったこともあるので、実際は広葉樹もあったのにその存在が「見えてはいなかった」だけなにかもしれませんが。まあ、そんな感じでしたので同業者間でも広葉樹の話が出ることも無く、出てきたとしてもそれに対して知見を持っている人が少なくて、先輩の材木屋に訊いてもよく分からない。まだ景気のよかった頃なので、そんな正体のよく分からない木に関わるよりもヒノキの無節の柱をいかに安く仕入れできるかに関心が集まっていた時代でもあったように思います。

競争相手も少なく例え安く買えたとしてもそれが何の木なのかも分からなければ、買ったとて売りようもないので結局スルーされることになり、その悪循環で市場にも出てこなくなったのではないかと思います。ヒノキやスギの見立てでは、ベテランの大先輩方には逆立ちしたってかなわない私としては、実はそういう木ならば勝機があるのではと思ったりしていたものの、まだ仕入れたとしても売るだけの『変態路線の販路』を切り開いてもいませんでしたし、社内でスタッフを説き伏せるだけの『屁理屈』を言える経験値も情熱もありませんでした。今、考えるとモッタイナイです。

それでもそれが何の木か知りたくて同業者の先輩たちに尋ねても明確な回答は得られず。出品した山元ですら「広葉樹」、あるいは「雑木」としか認識していない(それ以上細かく分類表示する意味もなかった)程度の扱いでした。それでも呼び名も無いと面倒なので、サクラっぽい雰囲気のモノはほぼ『ミズメ(ザクラ)』と呼ばれたりしていました。これとこれだと同じミズメ(らしい)でも質感がかなり違うように見えるんですが・・・」、「ミズメにもいろいろあるから(適当)。」樹種にこだわりを持つような時代ではありませんでした。明日に続く・・・

 




今月の端材コーナーの特集である『ホルトノキ』について、200歳の老木の履歴やその名前の由来などについてはご紹介してきましたが、なにせ今回のホルトノキが200歳を越える特殊なケースという事で、材質についていえば、街路樹などとして植栽されている一般的なホルトノキとは一線を画しています。ネットで『ホルトノキ』と検索すれば沢山の画像が集まりますが、そのほとんどは街路樹や公園木、庭木など『樹木』としての姿で、ホルトノキの『材』としての画像はほとんど見当たりません。つまりそれぐらい、材としてホルトノキが利用されていないかという事の証明でもあります。

私もこの200歳のホルトノキに出会うまでは、ホルトノキがどういう材質をしているのかは、辞典の解説文でしか知りませんでした。『えひめの木の名の由来』(財団法人愛媛の森林基金発行)によれば、「辺・心材の境が不明瞭で、また城辺町(現愛南町)や九州でシラキと呼ばれるように材質が黄白色であることから、杓子を作るのに適するからであろう」と書かれているように、本来のホルトノキは清潔性を求められる杓子に使われるほど白っぽい木なはずです。少し前にホルトノキの若木を割ったら年輪は不明瞭ですがミズキのように白っぽかったので、杓子に使おうと思うのも納得。

本来のホルトの色合いと、すっかり変質して別モノになった200歳の老木を並べた写真を撮ってその比較を説明したかったのですが、なかなか比較できるぐらいの適サイズの健康的なホルトに巡り合えなかったのでそれが出来ていませんでした。それが今回特集として取り上げたことで、整理していたら200歳の老木の一部に、あまり菌に侵されてなくそこそこの幅の板が出てきました。部分的に『加齢の洗礼』は受けているものの、これぐらいの面積があれが本来の質感がイメージできるのではないでしょうか。この写真だけを見てこれがホルトだと断定できる人が果たして世の中にどれだけいるか?!

それが何の木なのか、材を見て分かるにこしたことはありませんが、材木屋の仕事は何も材の識別だけが仕事ではなくて、それをどう生かすか(または生かせる人につなげるか)という事だと思っているので、あまり「この木はなんだ?」的なクイズに興味はありません。ただ、それがどういう木でどういう特徴をしていて、経年変化でこういう風に変質するなどという事は知識として得たいと思っています。そういう基本的な事を若い頃からしっかり学んでおけばよかったと後悔ばかりですが、自分が材木屋としての現役を終えるまでの少しでも多くの木に出会い記録として残していきたいと思っています。

 




さて昨日の、400年後に発見された南極大陸が描かれているオーパーツ『ピリー・レイスの地図』の話の続きです。実はそこに描かれているのは南極大陸ではなく南アメリカ大陸ではないのか?!という説もあって、その根拠として地図では南極大陸に「灼熱の砂漠」という記述があるとか、本来は間にあるはずのマゼラン海峡とドレーク海峡がなくて、南米大陸と南極大陸がつながっている等々。こんな事を言い出す輩はそのうち、私の大好物であるアトランティス大陸もムー大陸もUFOも宇宙人もネッシーも雪男もフェイクだ見間違えだなんて言い出すのでガン無視です!

ところで、いい歳をしたおっさんが古地図で何を熱くなっているのかというと、この地図の真贋はどうでもよくて(いや、どうでもよくはないのですがとりあえあずそれは置いといて)、倉庫の中から時々現れる杢があたかも古地図のそれのように見えるのと、それによって本来はあまり価値がなかった材に箔がついてお値打ちモノのなることから、勝手に『ピリー・レイスの地図』のようだと思っているというだけの話。ここまで引っ張るつもりではなかったのですが・・・。すわ、世紀の発見か!と私に勘違いさせてくれたのがトチ(栃』の一枚板に出現したこの古地図感とその世界観!!

いわゆる『スポルテッド』というヤツで、今までにも何度も紹介してきましたが、材の表面についた外傷などに雨水などとともに腐朽菌やカビなどが侵入して出来る黒い帯状の筋の事。その柄によっては無傷のものよりも遥かに高額で取引されるモノに変身するわけですから、自然の遊び心は偉大です。昔はあまり興味が無かったというか、その魅力がよく理解できませんでした。その面白さにはまり出したのは40歳も過ぎたころからでしょうか。あえてそういう材を選んで買うようになりました。他の銘木に比べるとその価値が明確ではないというのもスポルテッドに惹かれる理由のひとつ。

不本意に菌に侵されて出来た結果なので、それがどういう図柄を描き出すのか千差万別ですし、そういうコンディションですから周辺にはピンホール(虫穴)やら、度を越えてすっかり腐ってスポンジ状になってしまう事もあります。最近では原木も扱う機会が多くなったので、弊社の中でも不本意の製造してしまう事もあり、ちょっとすえたような匂いがしたら黄色信号。開けてみたら嗚呼~もっと早く気づいて救出してやれたら・・・と思う事もしばしば。そういう意味では結構リスクもあるうえに、価値を創出する話術も必要になるので誰でも手簡単にを出せるモノではないのです。

玉杢だの蟹杢だの孔雀杢だの、誰が見たってその価値が分かる(お高いんだろうな~)銘杢に比べると、その価値に『解説』が求められるスポルテッドは、まさにキワモノ・偏屈材木屋好みの木材なのです!あ、という事はうちにとってはオーパーツでは無いってことか(笑)。まあそれはよしとして、「どう、この形が地底都市シャンバラのかも?」なんて解説ならいくらでも喋れますぞ!嘘と真実のはざまのギリギリの駆け引き、攻防、騙しあい・化かしあい、せめぎあいも、材木屋で木を買う魅力のひとつ。ピリー・レイスの地図を売る材木屋が減ってなんと嘆かわしいことよ!

 




今回のダイニングテーブルとTVボードを晴作してくれたのも勿論、大五木材の懐刀である善家雅智君(ZEN FURNITURE)。無垢の家具が作れる家具職人って松山だと、一般の方が想像されている以上に少なくて、善家君は貴重なその中の一人です。住宅着工数が減少した、無垢の家具を求める人が減ったとはいえ、やはり無垢の家具にこだわれる一定のコアなファンはいらっしゃいます。無垢の家具は木取りから始まって製作にそれなりの時間もかかるうえ、善家君のような個人の職人さんだとこなせる台数にも限りがあって、ファンの需要に供給が追い付かない状態。

全国的な傾向とかそんなマクロな話はどうでもいいのであくまで弊社周辺の話ですが、特に春先から初夏まではかなり混雑していて、中には数ヶ月待っていただいていらっしゃる方もいるほど。どうしても腕のいい職人さんに仕事が集中するのは致し方ないところ。そういう状況でしたが、この数年前から愛媛で家具職人として起業する、したいという若い人が急増。そんな人たちが今後の材料の供給先として弊社を訪ねて来られるのですが、その数がもうすぐ二桁に。何が何を導いているのか、何の巡りあわせなのか分かりませんが、愛媛で無垢の家具造りの花が咲きそうな気配。

話を戻しますが、今回はダイニングテーブルとニコイチのTVボード、そして椅子を4脚納品させていただきました。椅子については、独自のノウハウやそれなりの設備が要るため、オリジナルを作るのではなくて柏木工さんや飛騨産業さんなどの大手のメーカー品を仲介させていただいていました。しかし近年それらの主原料となるブラック・ウォールナットタモ材などの高騰により製品単価も跳ね上がり、テーブルなどとセットで提案しづらい状況(価格)になっていました。1脚が6万だと4脚で24万と、他のテーブルなどと組み合わせるとかなりの金額になります。

無垢の家具だからテーブルとかも高額なんだろうと思われるかもしれませんが、無垢の家具は必ずしも高いわけではありません。勿論合板などと比べれば高額になりますが、私としてはビシビシの銘木や高級材よりも、節や小割れや虫穴など一般的には欠点とされるモノでも、それを『木の個性』として尊重したいし、それを受け入れてもらえれば、木の選択肢も広がるし価格も抑えられます。寿司でいえば大トロのような家具が取り上げらる事が多いため無垢の家具は高価というイメージになっています。

しかし実際には無垢の家具にもいろいろな入り口があります。そこさえ間違わなければ、あとは魚心あれば水心です(^^♪その方が求めるイメージに近い材の物語を共に紡げる家具造りが出来たら楽しいし、そもそもそういう部分でしか弊社の存在価値も意義もありませんから。そういう意味で、もう少し値段を抑えらる木の椅子があれば、テーブルなどとセットで提案できるのにと思っていたら、たまたまこの椅子との出会いがありました。フレームはタモ材ですが、座面がペーパーコードになっているので驚くぐらい軽くて、商品が入荷した際に間違って空箱が届いたのかと思ったほど。今回お買い上げいただいたのは座面が黒のペーパーコードしたが、他にもナチュラル色やポリウレタン、アームチェアーなど数タイプ揃っています。これからはテーブルと椅子セットでご提案していきます!

 




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