森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
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以前からやるやると言っておきながら一向に進んでいない倉庫内の整理ですが、今回は本気モードになりまして、一気に端材の棚を整理しました。サイズや樹種ごとなど細かく分類しようとし過ぎて逆に整理できなかった過去の反省に立ち、ザックリと値段で分けることにしました。とりあえず200円、500円、1000円の3つに分類。何をどこに入れるかは私の独断と偏見と趣味嗜好。お~、このザックリとした分類だと仕事がはかどる、はかどる!あっという間にふたつの棚が端材で満杯になりました。

とりあえず並べる分だけは並べたものの、キャパオーバーとなったので、残りは別の棚を補強してから。先に棚を補強してからすればいいものを、着地点が深い霧にかすんでいるため、泥縄式に衝動で動いていてなかなか先が見えず・・・。それでも結構な量の端材が整理できました。よくしたもので、整理を始めたら来店してこのコーナーで木探しをされるお客さんも増えてきて、少し隙間が出来たら補充、また売れて隙間出来る、また補充、その繰り返しで徐々に端材が売れていっています。

ザックリしたサイズで分類しているので、樹種は結構豊富。なるべくスギやヒノキのようなありきたりの木は並べないようにしています。ホワイトオークブラック・チェリー、ハードメープル、ヒッコリー、ブラック・ウォールナットのような北米産広葉樹からカランタスホワイトセラヤなどの南洋材、パドック、ブビンガ、ゼブラウッドなどのアフリカ材、クリノグルミ、ケヤキ、ミズナラ、ヤマザクラ、カツラ、イチョウなどの国産材。【森のかけら】には含まれないような樹種まであれやこれやいろいろ。

県外の方や遠方の方からは、オンラインショップでも販売してほしいとの問い合わせもあるものの、オンラインショップにアップするのってサイズ計ったり、写真撮ったりとそれなりに手間暇かかるので、あなまり小さな端材までアップしていると大変なのです。なのでこれらの棚の端材は、わざわざご来店してくださった方へのささやかなサービスです。また電話での取り置き等にも応じておりませんので、ご興味のある方は是非足をお運びください。かかった時間に見合うぐらいのお買い得感はあると思います!




地元の愛媛県久万高原町で産出された『モチノキ』。板に製材して半年ほど天然乾燥させていたものですが、中を開けてみると無数の小さな虫穴が~!調べてみると同時期に挽いたモチノキすべてが同じように穿孔されていました。ひと昔前なら青ざめて発狂したかもしれませんが(それは少し大袈裟ですが・・・)、半世紀を生き抜いたこの歳になると、こういう冷静に受け止める事が出来ます。まあこれが市場で仕入れた1枚数十万の板であれば発狂したかもしれませんが、原木ならばこれも宿命!

そもそもこれらの丸太は、愛媛県内で集めることの出来る広葉樹という大枠で集めているもので、とりあえず板に挽いて小さめのカウンターや幅剥ぎにして家具などに使うたもの。更にそれで余った端材などは【森のかけら】や『モザイクボード』などに使います。虫に喰われてなければそれはそれでありがたいものの、あればあれで使い道はそれなりにあります。その前提は、虫穴を『欠点』と捉えずに、『個性』だと認識できるかどうか。そしてそう思える仲間をどれぐらい集めることが出来るか。

いくら自分では理解できたとしても、それを認めて受けとめて買っていただける人がいなければただの「強がり」ですので、まずは同じ穴のムジナ、いや同類の友をいかに多く集められるか。変態的な木材嗜好を持つ者の元には、同様の変態的嗜好を持った人が寄って来るもの。お陰様で建築以外の用途でこういう『個性』を買っていただける人が、匂いを嗅ぎつけてやって来ていただくようになりました。すると、すぐに「何に使うのですか?」と訊ねる人がいらっしゃいますが、そんな事教えられるわけがない!

勘違いしている人が沢山いらっしゃいますが、「どういう用途で売るか」という事こそが、こういう個性を持った木にとっても最大の肝であるのに、それをただで教えてもらえると思い込んでいる無神経さには驚かされます。その用途を作るのにだって当然それなりのコストはかかっているわけで、まだまだ未発掘の用途は沢山あるはずなのだから、ぜひ自分で汗をかいて発掘すべき!そうしたら人に教えようなんて思わないはず。虫穴のあいた板の用途をただで教えてもらおうなんてあまりに虫のいい話




ご来店されたお客さんに木材を明るいところで見ていただくため、倉庫の奥からあれもこれもと材を引っ張り出すのですが、出す時は「これを売るぞ~!」と気持ちも高ぶっていて、少々重いものでも平気なのですが、喉もかれよと懸命な営業トークを繰り広げた後は電池切れ。気にならなかった材の重さも肩に食い込みます。それでついついそのままにして、また次の板がその上に重なる続けること数年・・・

なんて事もあったりして、倉庫の入り口付近に材が重なってしまっていたので本日はその辺りを重点的に片づけ。するとその思いに「かけらの神様」がほだされたのか、板の裏側に積み重なっていた諸々の端材の下から思いがけない木が現れたのです!確かその昔に倉庫のどこかで見たはずだった『屋久桧』の端材です。文字通り、鹿児島は屋久島の生育するヒノキです。九州の材木屋からたまたま仕入れたモノの名残ですが、最後にその姿を見たのは確か3年ぐらい前の事。

現在屋久島にどれぐらい分布していた、そのうちどれぐらいが流通しているのか分かりませんが、少なくとも弊社にルートでは今のところ新たな仕入れは望めません。その存在そのものすらほとんど知られていませんので、『屋久桧』をご指名してくるお客さんもいらっしゃいませんが、【森のかけら】のそれを加えた身としては今後の『ヤクヒノキのかけら』の供給に一抹の不安も抱いております。確かいつかどこかでかけらに使えるサイズのヤクヒノキの端材を見たはずなのだが・・・

まるで幻となった二ホンカワウソを探すかのごとく目を皿のようにして探していた相手が思いがけないところから現れたのです!そうこれこそ、昔見たヤクヒノキの端材です。しかし嬉しかった半面、本当にこれが最後の端材なので、数年先を見越したかけら用の端材を仕入れる準備をしておかねばなりません。まあしかしこれで、【森のかけら】としては数年は大丈夫。ついでに『ラオス桧』まで出てきたのは僥倖。気を付けていないと、ダイヤモンドも塵の中に埋もれてしまう・・・。




愛媛県産のカラマツの晴れ舞台は、松山市最大の繁華街・二番町の居酒屋のカウンター。この春オープンした『炉辺暖話 肴薫 sakanakun』のカウンターに採用していただきました。丸太自体は決して大きなものではなくて、ほとんどが尺下(約300㎜)以下でしたので、それぞれ単独では使いづらいサイズでしたが、耳を断って幅剥ぎ加工し、長さ方向も繋ぎ合わせることで立派なカウンターに仕上げてもらいました。薄く着色してあるので、何も知らないとこれが愛媛産のカラマツとは気づかないでしょう。

大きな節は外して木取りしてもらったので、あのカラマツのセールスポイントとも言える小さな円い節の姿もほとんど見当たりません。逆にネガティブポイントとされるヤニ(脂)は、なぜだかもともと少なかったのですが、カウンターに使われるという事でわずかにあったヤニ壺も外して繋げています。材木屋としてはどうしても素材の良さを最大限生かしたいと思うがあまり、着色して木を使うことに少なからず抵抗があるのですが、こうやって出来上がったものを見ると着色にも味わいがあります。

クリア塗装にこだわり過ぎて、自分で『森の出口』を狭めていたのかもしれません。針葉樹のカラマツという事で、ついつい和風的な用途にしか使えないと頭で決めてかかってしまっていて、居酒屋のカウンターと聞いてもピンときませんでした。あまりに思い込みが強すぎると、この木はかくあるべきと勝手な思い込みで可能性を縛りつけてしまっていたんだと反省。今回こうして愛媛県産のカラマツに新たな出口を与えてくれたのは、商業店舗&家具のすずかけ商会さん。

このカウンター以外にも店内の棚などにもいろいとふんだんに木を使ってもらっています。天井のレッドウッドのパネリングモミジバフウ。枠材や玄関などにはダグラスファー(ベイマツ)と、在庫にあるものをいつもうまい具合に過不足なく使ってもらうので非常にありがたい。更にこちらの想定外の使い方にも無謀に(いや果敢に)チャレンジしてくれるので、いつも刺激をもらいます。こうして関わらせていただいたお店で、仲間たちと楽しくお酒が飲める、至福のひと時。

炉辺暖話 肴薫 sakanakun
営業時間 17時00分~0時00分
定休日 日曜日・木曜日




これもたまたま兵庫県ですが、数年前に明石市の住空間設計Labo渡辺喜夫社長と一緒に『誕生木・12の樹の物語』を作った際にも、これからのモノづくりは即物的なモノだけでなく、エッセンスとしての物語が大事だと話し合いました。家やら木、家具やらと目に見えるものを作って来たふたりが、目には見えないけれど言葉の中や頭や心の中にあって、いろいろな事象に味付けできて、姿かたちを自由自在に変えながら存在できる物語(ストーリー)の骨格づくりに取り組みました

それまで形の無いものを売るなんて考えてみたことも無かった、という事は無くて、肩に跡が残るような重たい木材を運びながらも、いつかは木の話を本にして、こうやって木を売るのとは別のステージで木を売ってみたいとはずっと考えていました。そのひとつがこのブログであり、ライフワークと決めている『今日のかけら』をいつの日にか本にまとめたいと考えています。話が少しずれましたが、材木屋だからと言って目に見える木だけを売るのが仕事ではないと考えています

親父が生きていたら、きっと「何の戯言を言っているのか!」と怒られたというより呆れられたと思いますが、私がこの業界に入って約30年。材木屋の仕事は劇的に変化していますし、恐らくあと数年でこのままの業態としての材木屋は必要とされなくなると思います。そういう中で木が好きで多ならない材木馬鹿野郎達はどうやって生き残っていくか?こういう時代だからこそ輝けるのが変わり身の早い身軽な零細店の真骨頂!いよいよモノを売る店から物語を売る店への本格的転換期か!?

今、モノ生み出す工場見学が人気で賑わっています。勿論ビール工場の試飲などのお楽しみはありますが、何もそれは洗練された近代工場だからというわけではなく、モノづくりというドラマに興味を覚える人も多くいるのです。そのモノがどういうところで、どういう過程を経て、どうやって生まれていくのか。溢れるモノそのもの以上に、その背景やモノづくりに人の興味が移っているように感じます。地方の零細材木屋の倉庫の中には少しの木材しかありませんが、木の物語なら無限にある!

キリンビールのロゴには伝説上の聖獣・麒麟が描かれていますが、そんなところから物語は紡がれています。振り返ればわが倉庫にも物語のある木は多い!悠久の時代を生きた神代木、ルイ16世が愛した木、世界で一番重たい木、人の顔のようなものが現れる奇妙な杢を持つ木、森の精霊が住む木、戦艦大和の甲板にも使われた木、キリストが磔になった十字架の木、エトセトラ・・・。そうだ、材木屋の倉庫は大人の知的好奇心を揺さぶるワンダーランドなのだ~!




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