森のかけら | 大五木材

ZEBYRAWOOD

魅惑のゼブラウッド  2008/12/25

そろそろゼブラウッド・・・序章  2011/1/3

 

 

そろそろ、ゼブラウッド!・・・Ⅰ

巷では、正義の使徒・タイガーマスクの事が話題となっています。そのせいでしょうか、このブログでも「タイガーマスク」での検索が爆発的に増えています。以前に、大好きっだった2代目タイガーマスクこと三沢光晴さんが亡くなられた時に、プロレス最強を信じて疑わない少年のDNAが騒ぎ出し、弔意を表明したという1回だけのアップだったのですが、そこからよくぞ辿り着いていただいたものだと感謝致します。全国でたくさんのタイガーマスクが増殖中。真のヒーローとはこういう人の事を言うのでしょう。人の情けが身に染みる世情であります。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・②

20110114 そろそろゼブラウッド!・・・③ そのタイガーマスクの虎縞をモノクロにしたような美しい縞を持っているのが『ゼブラウッド』です。地域によっては『ゼブラノ』とか『ゼブラ』あるいは『ジンガナ』とも呼んだりします。名前の由来は、まさしくそのシマウマ模様から来ているわけですが、ここまで白黒のストライプがはっきりしていなくても、縞柄のある木を一般的に「OO ゼブラ」とか俗名で呼ぶ事も稀にありますが、何といってもこれが本命。心材の太めの幅の縞と、辺材付近の極細の縞とが渾然一体となった1枚板の造形の美しさは何度見ても溜息が漏れます。

私が初めてこのゼブラウッドに触れたのは、今から15、16年前の県外の大きな木材市に行った時の事でした。それまで木材図鑑などで、その容貌は知っていたものの実際に無垢の1枚物を見て、触れたのはその時が初めてでした。背後からタイガースープレックスを受けたようなもの凄い衝撃を受けました。それまで県産材のスギヒノキケヤキあたりしか知らなかった井の中の蛙が外の世界を初めて見た瞬間だったかもしれません。その時すぐには購入できませんでしたが、縞馬模様が脳裏から離れなくなりました。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・④

20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑤ もう、「木が私を呼んでいる状態」です。それから寝ても冷めてもゼブラの事が気になって仕方がありません。しかし、美しい薔薇には棘があるという格言通り、美しいゼブラにはリスクがあるものです。当然大きなサイズはかなり高額ですし、持ってみてビックリの重量感!しかも説明を聞くと、乾燥はしにくいうえにねじれやすく反りやすい、表面には大きなクラック(割れ)も走っています。よほど覚悟がなければ大金をドブに捨てる可能性もあるのでは?当時、まだ広葉樹どころか針葉樹の事さえろくに分からず、ましてやこんな木を仕入れたことも売ったこともないど素人にとって、これはアンタチャブルな木であったのです。『買ってはいけない。こんなもの仕入れて誰にどうやって売るつもりだ。絶対に叱られる!止めとけ、まだお前が手を出すものじゃない!』頭の中でもう一人の自分が叫びます。分かっているのです、そんなことは百も承知だ。

その後、そういう格闘がしばらく続きましたが、新たな味覚を知った妄想の暴走は遂に制御不可能となりました。昔は父親(先代の社長)と一緒に市場にも行っていたのですが、そのうち一人で行くようになったのを契機に、欲望が爆発!運もいい事に、ちょうど耳付き板の注文もいただいていたりしていたので、ついでにまとめて交渉してやろうと思い切って手を上げました!さすがにまだあテーブルサイズにはビビッてしまい、框サイズを1本(!)のみ購入。それでも10万近かったですから、当時はそれなりの覚悟でした。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑥

20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑦ それを持ち帰って倉庫に展示していたのですが、やはりそれだけ個性のあるものですから、材を探しに来られたお客さんの目に止まります。当時は倉庫には変わった材は少なかったので余計に目立ったんでしょう。「この面白い木、何?」と尋ねられ、ほとんど持ち合わせてない知識を寄せ集めて片言で喋ります。自分の嗜好と感性で仕入れたので、木の良さをうまく表現する言葉を見つけられず、乾くのにすごく時間がかかるとか、割れやすい、重たいとか、デメリットな事ばかりを言っていたように思います。

自分より遥かに経験豊富な大工さん達に、うまく説明できる知識も自信もありませんでしたし、何よりも「売りたくなかった」のです。初めて手に入れたゼブラをもっと手元に置いて眺めていたかったし、もっともっと自分の物にしたかったのかもしれません。そんなですから当然ゼブラはそのままですが、それから何度もゼブラは話のネタになりました。買っていただかなくとも「へぇ~」なんて感心していただければ、素人なりに嬉しいものです。じゃあ、次はもうちょっとうまく喋れるようにと木材図鑑を読んだり(今のようにネットはありませんでしたので)、市場で担当の方からお話を伺ったり、自分なりに少しずつゼブラ物語のエピソードを拾い集めるようになりました。このあたりに、今の私を形成した原点があるように思います。そうだ、ただ商品を売るだけでなく木の話も人に楽しんでもらおう!そしていよいよ調子に乗った若者(馬鹿者)は、禁断のテーブルサイズに手を出すことになるのですが、それは明日の話・・・。 20110114 そろそろゼブラウッド!・・・⑧

そろそろ、ゼブラウッド!・・・Ⅱ

 

遂に青年は、食べてはならない禁断の果実に手を出してしまったのです。初めて手にしたゼブラウッド』無垢のテーブルサイズは、幅が1000㎜近くもある巨きな物で、到底ひとりで持ち上げることなど不可能な重さでした。美しい縞柄には、割れを防ぐための割れ止め剤が塗ってあり、その表情を満喫出来るのは、面(ツラ)を1枚剥いでからですが、その下に現われるであろう素顔は容易に想像がつきます。

20110115 そろそろゼブラウッド!・・・Ⅱ② ゼブラウッドを薄く突き板にしたものは見た事があったけど、こんな大きな無垢の1枚板で見るのは初めて!なんて声をお客さんから聴いてしまうと、コレクター魂の炎は更に燃え上がり、誰に頼まれているわけでもないのに、集めねばという焦燥にかられ、次々とゼブラを買ってしまうようになったのです。一度度胸がついてしまうと怖いもので、あまり抵抗を感じなくなりました!また時同じくして、その頃から耳付き板やカウンター、テーブルなどといった、それまで空白であった分野でのご注文も少しずついただけるようになっていたのです。知らず知らずのうちに、自分も「広葉樹の無垢の1枚板」の世界にのめり込んでいたようで、好き勝手にお話させていただいていて「木の物語」が種となって蒔かれていたのかもしれません。次第に特殊な木を指定されるマニアックなお客さんも増え始め、私のコレクター熱も加速!ゼブラにも光が当たりはじめました。

そうなるとゼブラだけではなく、世界中のさまざまな樹種を見てみたい、集めてみたいという欲求が沸き起こりました。これが後ののかけらの萌芽であります。それから弊社は、国内外のあらゆる木を追いかけるという(趣味と性合が混同した獣道)道をひた走ることになっていくのですが・・・。確実に新たなジャンルは確立出来た者の、ゼブラが飛ぶように売れていったわけではありません。最低でも50~60㎜ぐらいの厚みに挽いていますから、それは重たいっ!という事は乾燥に対しても大きなリスクがあります。この木に関しては植物性オイルではどうにもこうにも歯が立ちません。施工後に収縮による割れやねじれが発生してしまうからです。しかし、木の醍醐味はやはり触感!これだけのストライプを生地でさすってみたくなるのは人情でしょう。その願いを叶えてくれる奇特な方が現われました!」 20110115 そろそろゼブラウッド!・・・Ⅱ④

先日ブログでモンスター・宮内さんと行ったショット・バーの事に触れましたが、そこのお店のカウンターがまさしくそのゼブラのオイル拭なのです。無謀!無茶!責任放棄!何と言われようと、その触感を知ってしまえば判断の正しさを理解することとなるでしょう。実は以前はリスクを回避するためにウレタンで塗装されていたのですが、お店のオーナーが変わって、ウレタンを剥ぐという英断をされました。それをサラリと受けられたの(いや、誘導したのかも?!)が、かのツフォ計画工房山下さんです。

かれこれお店が出来て9、10年経つ思うのですが、以前からよく通っていました。オーナーには申し訳ないのですが、本当はあまりお客さんが居ない方がゼブラをたっぷり堪能できるのでありがたいのですが、もはやすっかり知る人ぞ知る店になってしまっていて、友人・知人とよくここでお会いすることがあります。そこから商売に繋がった事もあったりするぐらい。このゼブラそもそも長さが4000㎜で、幅は1000㎜、厚みが76㎜もありました。カウンターは5000㎜強必要だったので、さすがに2枚を繋げました。幅は厨房側をカットして、厚みも仕上げて少し薄くなりましたが、それでも大迫力。それが、このお店ビルの2階にあるので、納品の時は外から(当然中階段など使えません)、人海戦術で吊り上げるのですが、大人7、8人がかりでもどうにもなりません。慌ててレッカーを呼んで貰って吊り上げたる重さ、なんと脅威の250kgオーバー

20110115 そろそろゼブラウッド!・・・Ⅱ⑦ ショットバーですから当然冷暖房完備で、ウレタン塗装とはいえ、ゼブラは収縮によりねじれています。更にオイルに切り替えたので、割れやねじれは増えていますが、オーナーは満喫していただいています。ああ、この人も我々と同じ血が流れているんだ・・・。やはりその質感、触感、存在感は圧倒的です。恐らく松山ではここ以外にゼブラをカウンターに使っているお店はないと思うのでドンドンPRさせてもらいたいところなのですが、カウンターとボックス席1つだけの小さなお店で(今でも週末は混雑して座れないことがあるので)、これ以上人が増えると私が行きにくくなるからという実に身勝手な理由だけで、あえてお店の名前は伏せておきます。オーナーも雰囲気も凄く素敵なお店なので、自分の足で探して訪ねるだけの価値はあります。独創的なフルーツのカクテルもとても美味!特にトマトを使ったものは絶品!

その代わりに、ゼブラを使った新商品をご紹介。【ブラウッドの円き箱す。スペックは、直径55㎜高さ40㎜のネジ式の木箱です。無垢の塊から削りだしています。蓋と本体との柄は必ずしも一致していませんが、どれもこれも独創的な縞柄が美しい輝きを放っています。数に限りがありますので、ご興味のある方はお早めにご注文下さい。現在30個在庫があります。う普通の木じゃ飽き足らない、火傷したって面白い木を使いたいという決死の覚悟と寛容な心をお持ちの同じ血族の方、そろそろゼブラウッドの1枚板はいかがでしょうか? 20110115 そろそろゼブラウッド!・・・Ⅱ⑧

縞柄ゼブラとグラデーションBW

国産以外の木でもっとも好きな木は?という質問をよく受けます。若い頃は、映画『ローマの休日』のアン王女のように、「いずれの木材も素晴らしく比べようがありません。」などと優等生の返事をしていた事もありましたが、かの時に言ひそびれたる大切の言葉は今こそ言えます。『ゼブラウッド』とブラック・ウォールナット』であると。それでもまだ1つに絞り込めないのが往生際の悪さ・・・。このまったく違う魅力を持つ2つの木は私の中で双璧。どちらか1つの選択はありません。 20111124 1

20111124 2 ただ、その出番には雲天の差があります。弊社手持ちの『ゼブラウッド』の在庫は、長さ4m~5mX幅600~900mmサイズの巨大テーブルが取れる材が20数枚という事で、おいそれと使ってみましょうというモノではないため、世に出ることも稀です。すっかり乾燥も進んでいると思われますが、ゼブラウッドの山にうず高く棲み上がった埃を吹き飛ばすのは1年に1、2度あればいい方です!乾燥が進行しているといっても、その重さは半端ではありません。凄い!使いたいという方は数知れず、なぜなら来店された方に、これみよがしにお見せしているから・・・。こんなの持ってますよ~という自慢半分、残りは世の中にこれほど美しい木もあるという事を知っていただきたいから。そんな挑発に乗せられて、いや美しい杢目に魅せられて、挑んでくる無謀なチャレンジャーが、1年にひとりやふたりはいるという

そうでなければ、【森のかけら】の材料も揃いません。一方、『ブラック・ウォールナットは家具材の中でもっとも高い人気を誇りながらも決して高嶺の花ではありません。テーブルやカウンター、シェルフ、キャビネットなどの家具は勿論の事、フローリングや造作材から小さなクラフト細工まで含めて、ブラック・ウォールナットにまったく触らない日は無いといっても過言ではないぐらい、日々弊社の倉庫の中でこの材が移動しています。今日も今日とて、ブラック・ウォールナットのカウンターが仕上げられています。 20111124 3

20111124 4 濃淡のチョコレート色が織り成すグラデーションこそがブラック・ウォールナットの最大の魅力だと感じています。ゼブラウッドとはまた違った魅力ですが、素材だけで勝負してもまったく飽きが来ないという点において、両者に相通ずるものがあります。どちらの木にも圧倒的な力がありますが、私の中ではそのタイプ両極端。気持ち的には、もっともっとドンドン使っていただきたいブラック・ウォールナットと、そう簡単には使って欲しくないゼブラウッド。身勝手この上ない思惑ですが、いずれにしてもそれなりの『覚悟』を持って使っていただきたいという事に変わりはありません。売らねば商売にならないと分かっていても、わが手から離れる時には激しい寂寥感に襲われます。売りたいような売りたくないような・・・。商売人がそんな事を言っていてはいけないと分かっていても、口からこぼれて出てしまうほどに、その魅力は満ち溢れております!

ゼブラウッドでつながるご縁

categories 2. 木のはなし・森のはなし, 6. ひと・人 | datetime 2014/02/07 PM11:35

今回、久しぶりの東京出張で是非ともお会いしたかった方がいます。少し前だと、『地図に残る仕事』、今だと『子どもたちに誇れる仕事』のテレビCMで有名なスーパーゼネコンの一角、清水建設㈱で木造設計などを手掛けられている設計士の佐藤起司さん。ビジネスでつながっているというわけでなく、佐藤さんが個人的にご自宅のダイニングテーブルとして弊社のゼブラウッドをご購入いただいたのがご縁なのです。もうそれはおよそ2年前もの話なのですが・・・ Exif_JPEG_PICTURE

20140207 2 .bmp 当時の話を紐解きますと・・・弊社のホームページでゼブラウッドをご覧いただいた佐藤さんからメールをいただいたのがきっかけでした。佐藤さんは数多くの名だたる大型建築を設計されていますが、木材への理解や造詣も深く木質の大型物件も手掛けられています。なので木に対する思い入れも強いのですが、更に趣味である釣りにおいても「木のモノ」に深い愛着があって、それがこちらのフィッシング・ロッド(釣竿)。柄の部分にゼブラウッドの雄姿が見えます。

その貴重さや素晴らしさについて、佐藤さんから詳しくご説明いただいたのですが、リアル魚が苦手なので(!)釣り道具の知識も皆無な私には「道具」として価値観がよく理解できず申し訳ない気持ち。それでも装飾的な美しさは十分に理解できます。以前にこのゼブラのロッドを手に入れられた事から、佐藤さんのゼブラウッドの思いは高まり、遂に自宅にゼブラウッドのテーブルを置こう!という気持ちになり、ネットで検索されて弊社のブログに出会われたのです。 Exif_JPEG_PICTURE

20140207 4 .bmp いやはやご縁とはありがたいもの。実家でも以前に、本業の土木工事で清水建設さんの下請け工事をさせていただいたこともあったのですが、個人的にご注文をいただく事って更に嬉しいものです。2年前にゼブラウッドの1枚もののテーブルを製作させていただき納品させてもらったものの、佐藤さんとは電話とメールだけのやり取りだけで実際にお会いしたことがありませんでした。今回念願叶って、お会いしてから2年が経ってようやく実際にお目にかかることが出来ました。こちらが佐藤さんご夫妻。更に明日へ・・・

美しいゼブラには癖がある!

categories 2. 木のはなし・森のはなし | datetime 2014/02/08 PM10:51

実はただお会いしに来たというわけではなく、2年前に納品させていただいたゼブラウッドのテーブルが反って、割れてきたのでそのご確認とお詫びに来させていただいたというのが本来の目的だったのです。このゼブラウッドという木、見た目の美しさとは裏腹に相当にやんちゃで文字通りひねくれ者。美しいものには棘があるとも言いますが、美しいゼブラには癖がある!一応気乾比重は0.8という事になっていますが、体感比重は確実に1を超えています!そのゼブラの杢のいいところを木取りしました。 GE DIGITAL CAMERA

GE DIGITAL CAMERA 以前に、弊社の通信誌『適材適所』で、このゼブラウッドについて触れました。その時にもこの木の特徴や魅力などについてご紹介しましたが、まさにシマウマのように思える見事な縞柄に魅入られたならば、この木を前にして「反らないでくれ」「割れないでくれ」などと願うことの自体があまりに無意味で身の程知らずなのことのように思えてしまうのです。そう、「寛容である事」これがゼブラウッドの1枚板を手にする事の出来る人の資格なのです。

この縞柄の無い辺材(白太)部分は虫害を受けやすく、綺麗な状態で残っている方が珍しいので、多くの場合耳を絶ってストレートカットで仕上げます。こちらが完成した佐藤さんのテーブル。これで長さ2m、幅950㎜、厚みが55㎜あります。裏側が見えていませんが、裏には反り防止のための頑丈なT型の鉄のプレートが両端に入れてあります。弊社にやって来てもう5、6年以上経過していますが、それで簡単に乾くようなヤワナな木ではありません。 20140208 3

20140208 4 加工後、いつもは触感を楽しめる植物性オイルを推奨しているのですが、さすがにこれだけ癖の強い木だと好き勝手に暴れてもらっても困るので、艶消しウレタンを幾度も重ね塗りしました。そしてこちらが納品後、約2年ぶりに再会したゼブラウッドの姿。久しぶりに再会して感じたのは、ある意味で「期待を裏切らない暴れぶり」よりも、傷どころか染みひとつなく、2年もご使用になっていたとは思えないほど行き届いたお手入れ。佐藤さんご家族がどれだけこのゼブラを大切に使われてきたのかが伝わってきて感激!更に明日へ・・・

 東京タワーとスカイツリーとゼブラウッド

categories 3. 木の仕事 | datetime 2014/02/09 PM9:01

佐藤さんのお住まいは都内の高層マンションの20階。商品搬入は専門業者に任せたのですが、大人3人がかりの大仕事だったようです。そのお住まいからは見える夜景は宝石箱のような輝き!それでも毎日見ていればすっかり慣れて飽きてしまうと仰っていましたが、田舎者には刺激的な眺めです。正面の大きな窓からはライトアップされた東京タワーの姿、もうひとつの窓からはスカイツリーの姿が拝めます!都会の喧騒も宝石箱の中に閉じ込められたよう。 20140209 1 .bmp

20140209 2.bmp ゼブラに魅せられた佐藤さんのご期待に応えるべく念には念を入れて加工、仕上げに注意を払ったものの、納品後割と早い段階で表面に浅いクラックと小口割れが発生してしまいました。鉄のT型プレートやウレタンの重ね塗りでがっちり固めたものの、ゼブラウッドの癖を完璧に抑えることが出来ずに、比較的軟らかい夏目部分に収縮のひずみが起きてしまったようです。事前にゼブラの特徴などにはご説明させてはいただいていたものの申し訳なさで一杯。

今までにもっとひどく反ったり暴れたりしたゼブラもよく見てきたので自分の中に免疫があり、想像していたほどではなかったのでまだ少しホッとしました。いくら事前に説明しておいたからといって、その結果に責任を持たないなんてつもりはありません。この2年の使用感を拝見しただけでもどれほど佐藤さんが大事にされたかが分かりますし、その夜も佐藤さんの口から「このゼブラとは一生付き合っていきたい」という言葉が!嗚呼、なんで我々はこんなにゼブラに恋してしまったのか~!! 20140209 3 .bmp

20140209 4 .bmp ただし、まだゼブラも東京暮らしがまだ2年。もう少し東京の水にも慣れてもらってから改めて削り直しをさせていただくことにしました。佐藤さんが、ゼブラのオーナーの資質である「寛容さ」と深い木への愛情と造詣を持ち合せられていて本当に感謝です。そこから先は、ご家族と一緒に奥様の手料理まで御馳走になり、メンテナンスの話もほどほどに木や建築、そして佐藤さんをゼブラの虜にさせた釣りなどの話に花が咲きました。こういうご縁こそが材木屋の財産なのです!

ゼブラウッドのあるくらし

その佐藤さんといろいろな話をさせていただいたのですが、中でもそれまでほとんど知識の無かった釣り道具の話はとても興味深く、職種は違えどもモノづくりへかける情熱には共感を覚えました。アメリカで作られたある竹竿との出会いが、佐藤さんがゼブラウッドにのめり込むきっかけになったのだそうですが、その方が作った竹竿1800本にはゼブラウッドが使われているそうです。作者の方は既に亡くなられているものの思いが募り遂に北米の工房を訪問。 20140210 1

20140210 3 .bmp そこからゼブラウッドへの関心が急速に高まったという事だそうで、何がきっかけでスイッチが入るのかはひとそれぞれだとつくづく感じました。私とて昔からゼブラウッドの事を知っていたわけではなく、市場で初めて実物を見た20数年前に体に衝撃が走りました。そのフライ・フィッシングで必要不可欠なのがこちらの毛針なのですが、これは佐藤さん所有の大変貴重で高価な毛針。毛針とは疑似餌の事ですが、釣りへの関心の薄い私は、この毛が何の毛を使っているのかなんて知りませんでした。

その毛針の「主」だったのがこちら。プリマスバードロック種のホワイティング・クリーという鶏ですが、この毛針を採るために作られた種ということだそうです。勿論これは剥製ですが、一度見て惚れ込み思いって購入されたそうです。ご家族の反応は思ったとおりだったそうですが、実に思い切ったご英断!毛針をよく観察してみれば確かにこの鶏の毛が使われています。この羽毛もある意味『ゼブラ柄』と言ってもいいのでは!これぞ『ゼブラのある暮らし』。 20140210 4 .bmp

20140210 3.bmp 家族団欒の時間にお邪魔して夕飯まで御馳走になったうえ長々とお話もさせていただいたのですが、ただモノを売った買ったという関係を越えて、同じ感性の方と木の話が出来る幸せを噛み締めるひととき。材木屋をしていてよかったなあと感じる至福の時間です。これもたまたまですが、泊まったホテルが清水建設さんの本社のすぐそばでした。出来過ぎたような話でしたが、1枚のゼブラが取り持ってくれたご縁につくづく感謝しています。佐藤さん、本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。

ゼブラ〔踏絵〕ウッドを踏むひとたち

先日『ヒッコリー』のダイニングテーブルを紹介させていただきましたが、同じお客様からパソコンテーブルのご注文もいただきました。ご来店いただき、材料を吟味していただいたのですが、倉庫の内外をご案内し、いろいろな木の話をさせていただいていると、相手が何を望まれているかという事がだんだん分かってきます。どういうイメージをお持ちでご来店いただいているのかを見極めるのが私の仕事。「いける!」と思った方につきましては『踏み絵』も踏んでいただきます! Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE それが『ゼブラウッド』!芸術とも言えるほど雅趣溢れる美しい杢を持つ一方で、乾かしても癖の抜けきらない超重量級の暴れん坊という顔を持つ、とっても使いたいけど非常にリスクの高いという二律背反的な側面を持つ木です。あくまでもお探しのものがこういう方向性に向いている場合で、かつこの方は「いける!」と見込んだ方のみに踏みを踏んでいただくわけですが、主にリスクのご説明に徹します。非常に重たくねじれや割れが出やすい事や画像のように虫の害を受けやすい事など。

どの木においても、家具材や建築材などの素材として考えた場合、プラスな面とマイナスな面があります。何がプラス要素になって、何がマイナス要素であるのかということはそれぞれの木において局面が変わってきます。ですから重たいとか癖がある、虫穴があるなどという、一見すればマイナスに思える要素だっていかなる場合でもマイナス要素になるわけではありません。なぜリスクばかり説明するかというと、ひと目見て惚れない方には向いてないのがゼブラウッドという木だから。 Exif_JPEG_PICTURE

20141004 4 ゼブラウッドを目の当たりにして、なおその魅力を言葉で補足説明しなけらば分からない方は、この木を使うべきではないと思っているので、あえて最小の言葉でしかゼブラの魅力はお伝えしませんし、また言葉では語り尽くせません。見た瞬間のインパクトで、心が鷲掴みにされない方(当然嗜好の世界ですから好き嫌いはありますし、適材適所ですので向き不向きもあります)は、それはそれでいいと思うのです。ただ、そこを越えて来られる勇気ある探検家には、そっと背中を押して差し上げるのです!

ゼブラウッドに恋してる!

昨日の続きです・・・果敢にも『踏み絵』を踏まれて結界越えをされたお客様がお選びいただいたのが、その踏絵の木『ゼブラウッド』!倉庫の中外を巡っていただき、いろいろな木をご覧いただいたのですが、ゼブラに心を鷲掴みされてしまわれたようです。ようこそ、こちらの世界へ~!!もともとそういう素養をお持ちでいらしたのでしょう、いや遂にそれが覚醒してしまわれたのか?!いずれにしても大歓迎です。骨格が決まれば、後はそこに合わせて肉づけをさせていただきます。 Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE しかし、あまりこうい言い回しばかりしているから、先日ブログをご覧になってご来店いただいたお客さんから「あの~ごく普通の材を探しに来たんで申し訳ないんですが・・・」なんて恐縮して言われるんでしょうね・・・深く反省。いいんですよ〜、普通の材だって普通に売っているんですから(いや普通ではないか)。恐縮していただいたりしてこちらこそ恐縮です!普通のお客様も大歓迎ですからね!いかんな~何だかオモシロ施主さん大集合みたいになっているのかしら・・・(笑)

さて、今回作らせていただいたのが、こちらのパソコンデスク。デスクというよりもテーブル?ご夫婦ふたりで仲睦まじくお仕事が出来るロングサイズです。選ばれたゼブラウッドの板だけでは幅が足りなかったので、ブラック・ウォールナットと幅剥ぎにさせていただきました。傍らにパソコン 周辺機器などを収納できるワゴンや脚材などもすべてブラック・ウォールナットで統一。片面はストレート、片面は豪快な耳付きという、おれぞれかなり個性的な材が違う形で融合~! Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE あまりにゼブラに恋されてしまったので、ゼブラの柄の上にパソコンを置く事すら躊躇されていたのですが、まあノートパソコンなので動かせばいつでも愛しのゼブラの柄を拝めるという事でご納得いただけました。お話をさせていただいていると、徐々にゼブラにはまっていかれる様子が伺えて、何だか聞いているこちらが嫉妬してしまいそうなほど?!こういう方に巡り合えて、望まれてそういう方のお手元に届けられて、本当によきご縁に恵まれた事に感謝、感謝です。

もともと長い材だったので、カットした落ち材で和室用のミニ座卓を作らせていただきました。今回のゼブラはもともと厚みが薄かったのと比較的白太の多い辺材という事もあって、かなり乾いていたため反りやねじれ、暴れ、割れなどの心配も少なかったのですが、やはりリスクのある木ですから誰にでもお薦めできるものではありません。大体年に1、2枚ぐらいが、弊社における通常のゼブラの板の販売ペースなのですが、この1年で既にもう6,7枚・・・何がどうしたのか・・・?! Exif_JPEG_PICTURE

買ってはいけない雑草ゼブラ!

世の中には、『決して買ってはいけない商品』があるように、木材市場で面白いと思っても、『決して買ってはいけない木材』もあります。例えばそのうちの1つがこちら、ゼブラウッドの輪切り。そう書くと、お洒落な輪切りのテーブルみたいに聞こえるかもしれませんが、決してそんな格好いいものではなくて、原木を挽くときに小口が汚くて見栄えも悪いので、端を少しだけカットしましたという「挽き落とし」部分で、厚みを均一に挽いているわけでもありません。 20151202 1

20151202 2 しかも芯から放射状に大きな割れがザックリ入っていて、下手に動かしているとそのままバックリ割れてバラバラになってしまいかねないほどギリギリ。木材市場に並ぶよりも、そのままチップにしてしまう方が正しいのかもしれないシロモノ。木材市場に来る人間誰もがそんな事は分かっているので、決してこういうトラップ(罠)には引っかからないのですが、全国からいろいろなタイプの材木人が集まる市場においては、自らそういう罠に飛び込んでいくようなモノ好きもいます。

それがたまたま私だったというだけの事ですが、良識ある材木屋であれば決してそんな自傷行為には及びません。雨露を凌ぐ木材倉庫の中に立てかけられて、1枚1枚名前を呼ばれて買い子の注目を全身に浴びて競りにかけられるエリートゼブラとはわけが違います。風雪の中でも逞しい土場に十把一絡げの如く積み重ねられて、セット売りされる叩き上げゼブラの中でもかなり底辺に位置する雑草ゼブラ!そんな境遇のゼブラだからこそ、わしが買わねば誰が買う的な心境になってしまう。 20151202 4

20151202 3 そんな雑草ゼブラを調理できるのはわししかおらんだろう~!スポットライトを浴びるエリートゼブラばかりを買う老舗有名材木屋などに渡すわけにはいかん(見向きもされないのだが・・・)!本当は、他に狙いのゼブラ(それも雑草ゼブラなのだが)があって、それを買おうと思ったらこれもセット(ついてきた)的な事なのですが、そう言っては身も蓋もないので、あえて自分の中でドラマ仕立てにして雑草魂に火をつけるのです。腐ってもゼブラ、いや腐ってはいない。

ボロは着てても心は錦的な気持ち。バックリ分解する前に表面を削って、裏に補強を入れて円卓にしようと考えていたのですが、事務所の大改造によって展示家具の整理をすることになって、下手に仕上げてしまうと、売られていた時同様に雨露に晒されかねないので、とりあえずはそのままの状態で置いてあります。変形しているので大体ですが、直径1300㎜、厚み60㎜程度「買ってはいけない」という言葉を聞くと萌えるような私以上のマニアの方、いらっしゃいましたら! 20151202 5

※ このゼブラウッドの輪切りは、記事掲載後売切れました




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