森のかけら | 大五木材

 

 

今日のかけら179

チーク

Teak

クマツヅラ科・広葉樹・ミャンマー産

学名:Tectona grandis

別名:ジャチ (Giati/ベトナム)、ジャテ(Djati/インドネシア)
柚木(中国)

和名:麻栗樹、鉄梨木

気乾比重:0.68

 

最強銘木チーク、黄金の日々①*


今日のかけら・#179【チークTeak クマツヅラ科・広葉樹・ミャンマー産

前置きが長くなりましたが、改めて『チーク』についてご紹介させていただきます。来年は戦後70周年という事になりますが、恐らくまた「かの戦」について多くの特集が組まれ、各種イベントが行われることでしょう。戦後70年というと遠い遠い昔の話のように思えますが、私が生まれたのは戦争が終わって21年目のこと。そう考えれば決して昔の話ではありません。あれから時代は移り、集団的自衛権や中国の暴走など戦争や自衛に対する日本人の意識も随分と変わってきました。

それについてここで深く触れるつもりはありませんが、かの戦では望む望まないに関わらず多くのひと、モノが何らかの形で戦争に関わりました。木材も当時は重要な物資として、全国で大量に伐採され利用されました。本来ならば、終の棲家としてひとの憩いの場所を作るはずだった木が、その真逆の用途に使われたのは悲しい事ですが、幸か不幸かこれからの高度にハイテク化された近代戦においては、もはや木材が戦時中の重要物資となる事は二度とないのかもしれません

これはまだ木材が戦争の重要な物資だった時代の話・・・かの日本海軍が世界に誇った巨大戦艦大和。その悲運の最期は日本人なら誰もが知るところでありましょうが、その大和にも大量の木材が使われていました。中でも戦艦ならでは用途で使われたのが、世界の銘木チークなのです。日本海軍の軍艦にはそのシンボルとして、艦首の舳先(へさき)に金色に輝く菊花の紋章が付いていました。この菊花の紋章はチークで作られ、その上に金箔を貼って仕上げられていたと言われています。

大和のそれは、直径は1200㎜もあったそうです。広島県呉にある大和ミュージアムには、1/10モデルの大和が展示してありましたが、それでも充分な迫力がありましたので、実物となるとさぞや立派で迫力があったことでしょう。更に戦艦に関わり深い用途として、甲板の床板があります。大和が建造される40年ほど昔の日露戦争時代、日本の連合艦隊の旗艦として活躍した「三笠」という戦艦がありました。そう、かの秋山真之が作戦担当参謀となり乗艦した艦です。明日に続く・・・

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最強銘木チーク、黄金の日々②*

戦艦・三笠は、日清戦争後にロシアに対抗すべく軍拡を進めた日本海軍が、イギリスのヴィッカース社に発注して、イギリスの造船所で建造された軍艦です。そのためマストや煙突に帆船の名残が見られます。更にイギリス海軍の伝統を受け継ぎ、甲板やキャビンにはふんだんにチークが使われました。三笠という名前は、奈良県にある三笠山にちなんで命名されました。三笠の名前を有名にしたのは、日露戦争の大きな転換点となったと言われる日本海海戦での活躍ぶりでしょう。

その日本海海戦で日本海軍連合艦隊の旗艦をつとめていたのが三笠で、その三笠にはかの連合艦隊司令長官の東郷平八郎が乗り、戦闘の指揮をとっていました。「皇国の興廃この一戦にあり」を示すZ旗(ぜっとき)が掲げられ、ロシア帝国海軍のバルチック艦隊との間で繰り広げられた激しい戦闘は、日本側の勝利に終わり、一躍三笠の名を日本に轟かせたのです。その三笠は、その後多くの戦争を経験しながらも奇跡的にその姿をとどめ、現在は横浜の三笠公園内に保存されています。

建造当時にチークが使われていた甲板は改造され、そのほとんどがダグラスファー(ベイマツ)に貼り替えられ、わずかに当時の幅広のチークが残っていて当時の面影を伝えています。さて、三笠が活躍した時代から歳月は流れ、太平洋戦争が勃発。日本海軍が命運を賭けて巨大戦艦大和建造に踏み切った昭和12年頃になると、日本の財政は逼迫し、海軍としては高価なチーク材の使用については二の足を踏みました。その当時からチークは高級材の地位を揺るぎないものだったのでしょう。

ところが、のちに連合艦隊総司令官となる山元五十六長官が、「戦艦にはチークだ」と主張し、大和の甲板にはチークが使われていたという逸話が残っています。なぜに山本長官がそれほどチークにこだわったかについては後述しますが、それはチークという木の特性を熟知していたからではの決断だったのです。しかし残念ながら銘木チークを搭載した戦艦大和はほとんど活躍する場面もないままに、1945年4月7日、鹿児島県の坊ノ岬沖の海底深くに沈んでしまうのです。

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最強銘木チーク、黄金の日々③*

本日はチークという木そのものについて。チークはクマツヅラ科の広葉樹で、学名はTectona grandis ( テクトーナ・グランディス。テクトーナはタミール語でチークの意味があり、グランディスは大きいという意味があり、樹形や葉の形を表しているといわれています。英語名のTeakは、原産地であるインド南部のマラヤーム語の「Thekku」(「チークの木」と言う意味)に由来していて、それが定着したものだそうですが、もともとの「Thekku」の語源については不明です。

チークの本場、タイ、ビルマ、インドではチークですが、ベトナムやサバ、サワラクでは「ジャチ」、インドネシアも地方にいくとチークでは通用せずに「ジャテ」と呼ばれるそうです。チークの属するクマツヅラ科は世界で約90属2600種が知られていて、OOマホガニーやOOチーク、OOウォールナットなどの名前を冠した高級木材が木材が多く含まれていますが、中には怪しいものの多いので注意が必要です。正真正銘のチークは、このクマツヅラ科に含まれています。

世界中で銘木として確固たる地位を確立しているチークですが、中国では「柚木」と表わします。日本でもかなり強引に「麻栗樹」とか「鉄梨木」などの漢字を充てて表わすこともあるようですが、無理矢理感が出過ぎていて、どうにも馴染みません。ここは普通にチークで問題ないと思います。天然チークの分布域は、主に熱帯アジア、インド、ミャンマー、タイ、ラオスなどの乾季と雨季のはっきりしたモンスーン地帯で、用材としては最高級材のお墨付きが得られるものです。

チークの天然林として名高いと有名だったのは、ビルマのアラカン山脈東部、ペグー産地、シャン高原地方、タイのチェンマイ一帯などの水はけのいい場所を好むと言われてきましたが、それもかなり古い情報ですので今はどうなっているのでしょうか。生育に最適な環境のもとでは、樹高40~45m、胸高直径1.8〜2.4mにも成長するものもあるそうですが、平均的なサイズとしては樹高9~11m、胸高直径1.0〜1.5m程度。それでも充分に大きいとは思います。

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最強銘木チーク、黄金の日々④*

天然チークが優れているのは当然ですが、やはり天然ものには限界がありますので、天然林保護の観点からも盛んに各地で植林も行われてきました。代表的なのがジャワ、スマトラ、ニューギニア、アフリカなどです。人工林といえどもチークのDNAを受け継ぐ立派な素材ですので、相応に人気があります。チークの植林が本格的になったのは、天然林の枯渇が問題となってきた1960年代からですが、チークは成長が遅いので用材として使えるようになるには早くとも60〜70年必要

ようやく初期の人工林が出回るようになってきましたが、品質のよいものを得るためには時間がかかります。そもそもチークはインドが主要な産地で、広く海外に輸出してきましたが、次第に国内での需要も出てくるようになったので国内向けにシフトしました。その後出材国はタイへと移るのですが、タイでも資源の減少を危惧して1989年にタイの国王が全面的に禁伐を命じ、現在ではミャンマーが最大の輸出国となっています。ミャンマーの森林面積の60%チークの天然林です。

2012年の調査では、天然チーク林は世界的に減少しており、かつ天然チーク材の品質が悪化しているそうですが、一方で人工チーク林面積は増加しており、適切な森林管理が出来れば今後も永続的な人工林の良質なチークの供給が可能だという事です。ちなみに現在、天然のチークが自生しているのは、インド、ラオス、ミャンマー、タイのわずか4か国だけですが、その蓄積量のおよそ半分をミャンマーが占めています。ミャンマー以外の3か国では伐採または丸太の輸出は全面禁止。

ある統計によれば、2010年時点で天然テーク林の総面積は約2900万ヘクタールという調査結果があります。この15年ほどで、およそ1.3%の減少にとどまっているのは、タイで導入された天然林伐採禁止にによって290万ヘクタール増加したことによるものとされています。とはいえ、天然ものは一度伐採してしまうと、直径700〜800㎜のものが復元するまでに100〜150年かかると言われていますので、その時間は植林木の比ではありません。

チークは森の中でまとまった群生として存在するのではなく、落葉常緑林や熱帯常緑樹林に混在しているため統計データが取りにくいのだそうですが、伐採禁止などの保護政策によって減少傾向に歯止めがかかったといっても、貴重な資源の取り扱いについては慎重なうえにも慎重にならねばなりません。人工林の面積は、アフリカや中南米、南米、アジアにまで広がっているということなので、非常に心強いのですが、この事を強く肝に命じて貴重な資源を無駄なく活用しなければなりません。続く・

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最強銘木チーク、黄金の日々⑤*

本日は日本におけるチークの歴史について。日本においてチークの建築物として有名なのは、江戸時代初期に四代将軍徳川家光の時代に建立された京都・宇治の萬福寺(まんぷくじ)があります。江戸初期に中国から弟子30人を連れて日本にやって来た隠元(いんげん)禅師が、寛永元年(1661年)に建て始め、7年の歳月をかけて完成させました。この本堂の柱などにチークが使われていて、別名「チーク寺」とも呼ばれています。寺ではチークを「鐵梨木」と表記しています。

隠元禅師については、以前『今日のかけら・キハダ』の項でも登場していただきましたが、インゲンマメを伝えた人物として有名で、様々な中国文化を日本に伝えた名僧として知られています。当時チークが一般的に流通していたという記述も残っていなければ、同時期に他にチークの建築物が見当たらない事からも、萬福寺に使われたチークは当時貿易商がオランダ人から入手して寺に寄進したものと、幕府が特別に下賜(かし)したものの一部であろうと推測されています

時代は変わりますが、わが愛媛県の誇る瀟洒なフランス・ルネッサンス風の洋館・萬翠荘(ばんすいそう)にもチークがふんだんに使われています。萬翠荘は、大正11年(1922年)に、旧松山藩主の子孫久松定謨(ひさまつ さだこと)伯爵が別邸として建てたもので、設計は後に愛媛県庁本館などを手がけた建築家木子七郎氏の手によるもので、90年以上が経過した今でもその優雅な佇まいは古びれるどころか時代を越えて健在です。現在では国の重要文化財に指定されています。

二階で開催される企画展は有料ですが、一階は無料で見学が出来ます。ときどきイベントも開催されていて、身近に感じる事が出来る重要文化財の1つです。私の娘も小学生の頃、ピアノを習っていた時にここで発表会があり、何度も訪れました。娘の出番まで室内を見学させていただきましたが、優美な設計とふんだんに使われた良質なチークにため息が出るばかりです。チークは決して派手で豪奢な木ではありませんが、その品格溢れる雰囲気は時代や国を超越して万国共通です。

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最強銘木チーク、黄金の日々⑥*

次に世界で有名なチークを使った建築物をご紹介。バンコクでは100年ほど前に建てられた『ウィマンメーク・パレース』というチーク御殿があります。タイ語で「雲の上」という意味を持つこの建物は、イギリスに留学して建築を学んだラマ4世の子息による設計で、ビクトリア風の4階建ての瀟洒な造りです。驚くべきことは、この建物のほとんどがチークで作られていて、金物類は窓やドアの建具の取り付けなどの一部に使われているにすぎないというのですから圧巻です。

室内のフローリングは、チーク材をダボで固定するなど徹底されています。部屋数は全部で31室もありますが、チークのみを使った建築物としては世界最大だといわれています。もし今同じ仕様で建てようとしたら、当時の数倍のコストがかかるでしょうが、それよりも果たしてそれだけのチークが揃うものかどうか?!世界的に希少性が認知されているチークですが、国王様の命とあらば国内から選りすぐりの良質なチークが簡単に集まってくるのかもしれませんが・・・

古くからチークの優れた性質は人々の知るところとなっていたようで、かのピラミッドや古代バビロビア宮殿からも、チークで作られた家具が発掘されていますマホガニー、ブラック・ウォールナットと並んで『世界三大銘木』と称されるのは伊達ではなく、世界中でチークは珍重されてきました。ベルサイユ宮殿の内部を彩る家具や装飾、オリエント急行の内装、豪華客船クイーンエリザベス2世号帆船カティサーク号のデッキなど歴史的な建物や乗り物などにも使われています。

またイギリスがインドやビルマを植民地としていた当時、大量のチークが伐採され、英国海軍の軍艦に使われました。チークには多量の油分、木製タールが含まれているため、触ると蝋のような独特のねっとりした触感があります。これによって鉄の腐食を防ぎ、釘やボルトを錆びにくくさせる効果があります。また酸化や腐食にも強く、酸や塩、水などにもよく耐え、シロアリやフナクイムシにも侵されにくいことから、大和などの戦艦や客船、クルーザーなどの甲板に用いられたのです。更に続く・・・

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最強銘木チーク、黄金の日々⑦*

現在、日本においてチークとしてもっともポピュラーな商品はフローリングだと思われます。昔から、厚み15mmの乱尺(長さが一定ではない)サイズの1枚もののフローリングは作られていましたが、後になって300〜450mm程度の短い材を繫ぎあわせたユニ・フィンガージョイント加工された商品が作られるようになりました。ちょうど植林チークも出回るようになった事から、それまで高級で手の届かなかったチークが割安になり、広く普及するきっかけとなりました。

チークは金属との相性がよくて、接触面が腐食しにくいという点も重宝される理由の1つですが、他にも充分な強度があること、適度な硬さがあること、そして比較的狂いが少なく寸法安定性が極めて高いことなどからもフローリング材として好まれる理由です。チークの特性であるしっとりした質感を生かすためにも、弊社では表面に塗膜を作るウレタン塗装ではなく、材に浸透していく植物性オイルをお薦めしています。オイルで濡れ色になったチークの表情は更に濃厚になります。

弊社では、天然もののミャンマーチークインドネシアなどの植林チークを使い分けて販売させていただいております。天然ものの方が、年輪も緻密で色あいも濃いいのですが、その分色の濃淡幅は広く、かなり激しいコントラストになります。独特の縞柄や筋なども含まれるため、貼りあがった全体のバランスを重視される方は敢えて色ムラが少なく色調が整った植林チークを選ばれる場合もあります。これはどちらがいいというよりも、ひとそれぞれの好みの問題だと思います。

ちなみにこちらが植林チークのフローリング。上の天然チークに比べると、色あいも薄く全体的に淡い印象があります。撮影時の照明の関係もありますが、それでも数年すると経年変化でもっと落ち着いた色合いに変わっていきます。天然チークは生産が不安的な要素もあるため、入荷量そのものがタイトで、時々全国的なレベルで欠品状態に陥ることもあるため、使われる場合はなるべく早めに相談されることをお薦めします。数か月前にそのような状況になり混乱が続いた経験があります。

 

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最強銘木チーク、黄金の日々⑧*

チークが普及し始めると、チークに非ざる「OOチーク」といったまがいものの格安品が出回ったりするのか困りものであります。それほどチークという名前が、高級材、高品質の代名詞のようになっている人気ゆえの証拠でもあるのですが、全然品質の劣るものがチークと称して出回り、そのことで誰かが不幸な目に遭っては気の毒です。それでよく誤解されるのが、タイランドチーク、ジャワチーク、ネシアチークなど産地を冠した銘柄読みとは違いますのでお気をつけください

例えばアフリカンチーク(イロコとかユーラシアンチーク(ぺリコプシスなどがその例ですが、全く別の種類の木にチークの名前を冠するのは問題だし、イロコやぺリコプシスにとっても迷惑な話です。もとの名前が一般的に浸透してないがための手段でしょうが、それは市場の混乱を招くだけですし、認知度の低い木だからこそ自分が積極的に押して広めていこうという気概が必要なのではないでしょうか。他人の褌で相撲をとるような考え方は厳に慎むべきだと思うのです。

弊社には現在、20年以上天然乾燥させたミャンマーのチークの耳付き板が10数枚あります。ここで乾かしたのではなく、ずっとお宝として持っていた材木店が閉店するというので買い取らせていただいたものですが、最近流通してるチークに比べると、色あいといい艶っ気といい比べ物にならない上質さ。耳付き材で、白太部分は虫害を受けたものやクラックの入ったものもありますが、今やなかなかと手に入らないレア物。少しずつ大切に販売させていただいております。

カウンターなど必要寸法を木取りして残った端材も、当然【森のかけら】や『モザイクボード』に使い、文字通り骨まで利用させていただいております。チークの気乾比重は0.68という事なので、ホワイトオークと同等ということになりますが、体感としてはチークの方が随分軽く感じます。高価な材ゆえ、それほど大量に端材も出るわけではないのですが、モザイクボードなどでチークを見つけたら幸運です。しかしあれだけ多彩の色調の中では地味に見えてしまうかもしれませんが・・・

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最強銘木チーク、黄金の日々⑨*

弊社で在庫している一番大きなサイズにチークがこちら。サイズは、長さ2500×幅1100×厚み40mmのかなり大きなもの。入手してからもう10数年が経過しました。もともと複数枚あったのですが、これ以外はすべて売れてしまいました。多少端にクラックや節もあり、芯も少し絡んでいますが、このままで大きなダイニングテーブルになるサイズです。いくら希少になったチークといえども、全国の名だたる材木屋、銘木屋に行けば、こんなもの比べ物にならない巨大で雅趣に溢れた立派なチークはまだまだいくらでも残っていることでしょう。それに比べればこのチークなんて少し大きなぐらいで、特別際立ったものではないでしょう。銘木屋恐るべしです!それでも私にとってはご縁があって偶然手に入った想い出深い大切なビッグチークです。

それでも私は、チェンソーの跡のついたこのチークの板が大好きです。木に惚れ込みすぎては商売になりませんが、後先考えるときっとこれぐらいのサイズのチークの1枚板は、弊社では二度と仕入できないかもしれません。モノがあったとしても、いつ売れるやも分からない木に高いお金を出して何年も寝かせておく余裕は、これからは正直ありません。出口が見える材、出口を作れる自信のある材ならば、いくら寝かせても不安はありませんが、やはりチークは別格なのです。

チークはいわば大トロです。どんな問屋が扱おうと、どんな料理人が手掛けようと、元ネタがいいので美味しくなるのは当然なのです。つまり偏屈材木屋としては、出番のない、関わり甲斐の薄い材なのです。ですから本来立派なチークは、相応の材木屋の名店にあってしかるべきなのかもしれませんが、ご縁があって弊社に来てくれたチークに余計に愛おしさを感じてしまうのです。出来る事ならこのご縁、ずっと手放したくないなんて・・・それでは商売人失格でございます。

売りたいような売りたくないようなチークですが、現在チークの注文材(工場で規格化されたフローリングなどではなく、注文に応じて製材してもらうもの)は、1平方メートル100万円以下では手に入らないのは常識で、他の材と比べると相当に高価です。ただし萬福寺などのように、チークで大きな柱や桁を取るのでなく、意匠的にワンポイントで使う程度であれば、1本単価に換算すれば仰天するほどに高額になるわけではないので、過度にチークを敬遠なされますように。

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最強銘木チーク、黄金の日々⑩*

およそ10年ぶりにチークについて書いたので、思いのほか筆が進んだこともあって、すっかり大長編になってしまいましたが、本日はチーク篇の最後です。チークの特徴、性質には今までいろいろ書いてきましたが、その色合いを言葉で説明するのは非常に難しいです。産地によっても微妙に違いますし、経年変化でも随分変わってきます。チークの小口を切ると断面は黄金していることに驚きを覚える人もいると思います。それが時間が経つとあれよあれよという間に変色していきます。

空気に触れる事であっという間に色が変わる事はよく知られていますが。ゴールデンブラウン色から、空気に触れてリッチブラウン色に変わるものが最高とされ、造船などに利用されるそうです。そんなチークですが加工現場では意外にも歓迎されないのです。加工性そのものは決して悪くないのですが、材中に石灰質の成分(シリカ)を含んでいるため(表面に白い帯状に現れる)、加工機にかけたり、鉋で削ると一瞬で刃先を磨滅して刃物が使えなくなってしまうのです。

また油分が非常に多いため、サンダーで磨いてもあっという間にサンダーが目詰まりしてしまいますので、チークを加工する際は予備の刃先やらサンドペーパーの交換を頻繁に行う必要があって、加工する立場からすると決して歓迎されないのですが、それを差し引いてもやっぱりチークは素晴らしい~!倉庫の中にストックしているチークの板を動かす時に、ぐっと肩を入れるためチークに近づくと独特の匂いがします。20数年経ったチークからも色気ある香りが漂ってきます。

チーク、マホガニー、ブラック・ウォールナットが『世界三大銘木』であるとご紹介しましたが、これは私の見解ではなく世界の評価。その中で私は正直、マホガニーだけは今ひとつ良さが分かりかねる部分があるのですが(そこまでの評価を得られる理由が)チークとブラック・ウォールナットについては強く同調します。延べ11日にわたるこのチークの話で、ひとりでもチークという木に興味を持つ人が増えたとしたら、材木屋として至上の喜びであります。これにてチーク篇、完結!

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チーク余話 木を運ぶ象*

チークの項は昨日で終わりにするつもりでしたが、まだもう少し書き足したい事を思いついたので、1日だけ余談の追加です。東南アジアあたりでよく丸太を鼻で抱えて運んでいる象の映像を見る事がありますが、数こそ減ったものの今でもタイでは象が木を運んでいるそうです。そもそもは、今から100数年前に、タイの北部一帯の広大なチーク林の伐採権を得たイギリスの企業が、重たいチークを運ぶために象に運ばせるようになったのがことの起こりだと言われています

まだ小象の頃から訓練を始め、木材を運ぶ動作や林業機械の騒音などに驚かないように訓練を受けるそうですが、丸太の運搬だけではなく観光客向けのショーなどにも出演して、タイの外貨獲得にひと役買っているそうです。ところが1988年にタイ南部を甚大な集中豪雨が襲い、いくつかの村で壊滅的な被害が出、300名を超える大災害が発生したことで、政府の木材輸出政策は大きく方向転換。上流の森林破壊が原因と考えたタイ政府は、全国的な森林伐採禁止令を公布したのです

その結果、丸太を運んでいた多くの象はショーなどに転職したり、職を失う事態となってしまったようです。現在、チークの伐採は厳格に管理されているそうですが、それでも違法伐採は後を絶たず、象に過酷な労働を強いたりするなど、摘発と違法伐採のいたちごっこは続いているのだとか。何も知らない象が犯罪の片棒を担がされるというのは悲しい話です。象による木材運搬って南国情緒を想起させるものの、現地には現地の深刻な事情もあるので決して甘い幻想ではありません。

残念ながら私はタイに行ったことがないのですが、父親は何度か行っていて、そういえば自宅にチーク造りの象の置物がありました。本当は、取り扱っている木の生まれたすべての国に行って、その木が育った森や環境、歴史的な背景までも理解したうえで、木を販売できればベストなのですが、現実的には難しい事もあり、輸入商社の方やバイヤーの人から間接的に聴くというレベルに留まっていて情けないのですが、きっといつの日にか世界の森を巡りたいと思っています。

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余話Ⅱ 世紀を越えたチーク*

チークについては本当に終わらせるつもりでしたが、11日も書いているとどうしても補足してしておきたい事が次から次から浮かんできて、掟破りの余話の余話をもう1日にだけ追加させていただきます。今から3年前の2011年の9月にこのブログにアップした話でしたが、TBS系列で放送いていた『飛び出せ!科学くん』という実験科学番組について少しだけ触れさせていただいて、本当の本当にこれで『長い長いチークの話』の締めとさせていただきます。

詳しくはブログ内で検索いただきたいのですが、その番組内で番組MC田中直樹氏が、日本の誇る最新鋭の深海左遷調査船「ハイパードルフィン」に乗り込んで、世界一深いとも言われる駿河湾の深海でまだ見ぬ深海魚を探すというプロジェクトで、偶然駿河湾に沈んだといわれるロシアの軍艦・ディアナ号ではないかと思われる不自然な木の塊を見つけてしまうのです。そこで、その木片を引き揚げてみてディアナ号かどうかを調査するというもので、何とその依頼らしきものが・・・

その木片の鑑定がたまたま私のところに回ってきたのですが・・・!?その経緯についても過去のブログで詳しく書いておりますが、あまりに突然でほとんど説明もないご依頼でありましたし、『鑑定』という責任の重圧もあり、結局おお断りさせていただきました。鑑定は出来ずとも、150年前に沈んだかもしれない木の木片が、海中でどのような経年変化を遂げていたのか見るだけでも見たかったなあと・・・。結局二度にわたる探索でもディアナ号を見つける事は出来ませんでした。

自然界において動植物の腐敗や分解は、微生物の力に拠るところが多いのですが、充分な光や酸素の無い深海などでは、分解できる微生物の数も少なく、その活動も抑制され、紫外線や温度などの外因の影響もあって腐りにくいので、通常の水中での腐食とはわけが違うとわけです。それでも150年経たチークの表面がどうなっているのか?またそれをひと削りすればまた元の輝きを見せてくれるのか?チークの事を書いていて、またその事を思い出し悔しさが込みあげてきたのです。

チークは耐久性があるとか収縮にも強いといつも説明しているものの、深海という過酷な環境で150年も経過すると実際にはどうなるのか(ディアナ号のものという前提の話ですが)、最強銘木のチークの『世紀越え』の勇姿を見て見たかった・・・。さすがに船の甲板という形でチークと接する機会は稀で(あくまでも私の周辺では)、主にフローリングや造作、カウンターが主な出会いですが、それらが100年後にどうのようになっているか、その姿にも思いを馳せてみるのです。

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チークは眠る・ディアナ号の悲劇*

1年ほど前になりますが、ある日曜日に何気に『飛び出せ!科学くん』を観ていたら、「駿河湾に沈んだ船」という、いつか聞いたキーワードが!のめりこむように画面に見入ると、どうやら鮫好きの番組MC田中直樹氏が、日本の誇る最新鋭の深海左遷調査船「ハイパードルフィン」に乗り込んで、世界一深いとも言われる駿河湾の深海でまだ見ぬ深海魚を探すというプロジェクトでした。そこでは新種の深海魚は発見出来なかったのですが、たまたま偶然別のものが・・・!

深海魚を追っかけた先にあったのは自然のモノにしてはあまりに不自然な木の塊。不審に思った研究員がその木片を引き揚げてみたらしいのですが、どうやらそこは昔から沈没船の噂がある海域で、もしかしてその木片が沈没船の船体の一部ではないかというのです。深海1400mの海底に沈んだであろうとされてるのは、ロシアの軍艦・ディアナ号。ペリーが黒船に乗って浦賀にやって来た翌年に、ロシアからも日本に開国を迫りに来た船です。

ディアナ号は初めに函館に来て、その後大阪を経て下田に入ったそうです。軍艦の指揮を執るのはプチャーチン提督、今から157年前の話です。鎖国をしていた当時の日本へ来港した船の事ですから、その記録は古文書等にしっかりと残っています。もし、その軍艦の一部だとしたら、材料は「チーク」で出来ているはずなので、それが断定できれば、ディアナ号の謎に一歩でも近づけるかもしれないという事だったのです。おおっ!あの電話はこれだったのか~!

その時の番組では、この木片の正体を捜査中という事になっていました。もし、あの依頼を引き受けていたら、「専門家による鑑定の結果、木片はチークと判明!」とかってテロップがでたりしたんでしょうね、きっと。番組を観ながら、子どもたちともその話で大盛り上がり。今回はニアミスとなりましたが、ひょんな事からいろいろなところと繋がるものです。さて、番組ではその後この沈没船について触れることがなかったので、私もすっかり忘れていました。

ところが不意に新聞のTV欄を見ると、当番組に『歴史を変える大発見!深海大発見スペシャル』の文字が!これはあの木片と沈没船の謎が解明されたのだと思い、厳粛な気持ちでTVの前に。かつては、「徳川埋蔵金伝説」とか「幻の黄金伝説を追う」なんていうドキュメント(?)番組をよく観ましたが、まさに懐かしい昭和のあのノリで、次々と謎が解明され、期待を煽っていきます。150年前の外交問題ですから、結構記録もしっかり残っているものなんですね。沈没したディアナ号を襲った度重なる悲劇が紐解かれます。

不運にも下田港に着港したディアナ号を「安政の大地震」が襲い、船は大破します。それで、船を修理するために下田から戸田(へだ)港に移送するのですが、その時またも大波に襲われ船は沈没。前回同様、乗組員は地元の漁師たちの手によって救出されて1人の死者も出なかったとされています。駿河湾の海底深くに沈んだ船を追い求め、数々の調査隊が挑んだにも関わらず、発見する事の出来ませんでした。文献調査、潮の流れや海底の形状などから、沈没した位置を割り出し、再調査した模様が2時間のスペシャル番組として放送されたのです。果たしてその真相や如何に!?

 

今日のかけら151

ケンパス

Kempas

マメ科・クームパシア属・広葉樹・東南アジア産

学名:Koompassia malaccensis 

別名:インパス(Impas/サバ)

気乾比重:0.80~0.95

 

鉄道『枕木』物語

★今日のかけら♯030【ケンパスKempas マメ科・広葉樹・東南アジア産

最近よくの注文があります。枕木といっても、新品の物ではなく実際に線路で使われていた中古の枕木です。枕木というと、材料となる木が決まっていると思われる方も多いのですが、実際にはいろいろな樹種が使われています。国産の枕木としては、何といっても【】が有名です。ただこの辺りにはそういう大きな栗がないので、実際に使われている『栗の枕木』を見たことはありませんが・・・。他にも、『青森ヒバ』や『』などにも、枕木で使われたとの記述があるのですが、青森ヒバでは少々柔らか過ぎる気がするし、それだけ大きな樫が枕木に使えるような安価で揃うのか疑問です。

そういう事もあったが、やはり問題があり永くは使われなかったという事かもしれませんが、日本は広いですから何があるかは分かりません。木材にも、まだ見ぬつわものが眠っているかも入れませんから。枕木材としての適応条件は、まず堅牢であるという事。数10tもの車輌を支えるわけですから当然の事です。さらに大量に使うわけですから、そこそこ安価で安定的に手に入る事。細かな精度は求められませんが、製材後に暴れやすかったり、反りやすい物も出来れば避けたいです。また、枕木には腐食を避けるために保蔵材が注入されるので、薬剤の浸透性がよい物がベストでしょう。どれだけ試行錯誤があったのか分かりませんが、そういう条件を満たした物として、世に認められている物の1つが、【ケンパス】です。

前述の条件を満たしているのでしょう(検証したことはありませんが)、このあたりで見かけるほとんどの枕木がケンパス・・・だと思います。というのも、中古で薬剤が浸み込み、かなりダメージを受けていますので、全体の雰囲気から推量するしかないのですが。中には、内部に大きな洞が出来るほど朽ちてしまったものや、ザックリ割れの入った物もあります。よく、どれくらいの重量ですかと訊かれますが、重さもまちまちで軽く持てる物から、二人がかりでようやく持てる物までさまざまです。

枕木=ケンパスという構図が先にあると、フローリングにも使われる事に違和感を覚えるかもしれませんが、少し着色してウレタン塗装したフローリングもかなり出回っています。表面に逆目や毛羽立ちやすいので、ウレタン塗装が基本となるため、弊社では扱ってはいません。釘持ちがよいことから、他にもパレット材やダンネージなどにも利用されています。ケンパスの【森のかけら】を手にとって見てもらうと分かるのですが、結構面白い杢目が出るので他の用途に使っても面白いと思うのですが、枕木の印象が強すぎて思考が止まってしまいます。

日本はどういう用途にでも細かな注釈をつけますが、現地では硬くて安ければ、使える物は何でも使うという大らかさがあり、アケンパスのほかにも、ユーカリ系の木も同じような特徴を持つようで、『ブラックバット』、『スポッティドガム』なども枕木に使われているようです。更に『ビリンガ』、『タリ』、『クマル』などのマメ科の木や、『カポール』、『ヘリチエラ』、『グリーンハート』など様々な気が枕木に利用されています。

肌がデリケートな私としては、強い薬剤の注入された枕木は手に余す事もあるのですが、ガーデニングや車止めなど用途も広く根強い人気があります。昔、枕木を磨いてベンチに使うという猛者もいらっしゃいましたが、薬剤の事もありますので、なるべく素手で触れる事のない外部での使用にとどめるべきです。以前ほど入荷が安定しにくくなりましたが、日々車輌の重みに耐え、奮闘する縁の下の力持ちに敬意を払いつつ、これからも枕木の第二の人生のアシストをさせていただこうと思っています

 

枕木考(1)・・・クレオソート油

昨日、ウッドデッキの材料としてマニルカラをご提案している話をしましたが、雨風に晒される外部に使える木というのはある程度制限されます。勿論、強い防腐剤を塗りたくるので材種は問わないなんて場合は別ですが・・・。外部で使う木として多く方が思い浮かぶ用途のひとつに線路の枕木があると思います。その枕木の条件としては、重い電車の重量を分散させ、レールが地面にめり込むのを防ぐ弾力性、強度、耐久性などが挙げられます。安全性は勿論ですが、なにしろ大量に使用するため当然コストも重視されます。

そういう条件のもと、利用されてきたのがクリブナニレミズナラなどの広葉樹、また意外に思われるかもしれませんがヒノキヒバなどの針葉樹の他いろいろな樹種が枕木として利用されてきました。それは日本全国に張り巡らされた線路の枕木として利用するのに、硬い広葉樹だけではどうにも対応出来なかったという事情があります。もっとも日々鉄の車輪に踏みつけられる特殊な環境の枕木の場合は、そのまま生地で使ったのではすぐに朽ちてしてしまうので、クレオソート油による防腐処理が施されます。

よく廃枕木、いわゆる中古枕木をガーデニングなどに利用される方もいらっしゃいますが、クレオソート油というのは、コールタールを蒸留して得られる液体で、IARC(国際がん研究機関)のグループ2A(おそらく発がん性がある)に分類されている非常に強力な塗料ですのでくれぐれも取り扱いには注意しなければなりません。それを塗れば確かに耐久性は飛躍的に向上する(無塗装状態に比べれば倍から数倍)ものの、それだけ長持ちさせる効果のある塗料が果たして人体にも無害なものであるのか?

そういう疑問を抱くようになってから、安価で弱い木に強い塗料を塗って長持ちさせるような事は止めて、なるべく強い木をそのまま、またはなるべく人体への負荷の少ない塗料を使うスタイルへと切り替えてきました。ただ私も塗料についてはまだまだ勉強不足ですので、今も試行錯誤の繰り返しで、検証も必要だと思っています。また前述の石炭から作られる工業用クレオソート油の他にも、正露丸などにも使われる事で有名な『木クレオソート』があり、こちらはブナの木などから作られています。明日に続く・・・

枕木考(2)・・・家庭用品規正法

昨日に続いて枕木の話です。木クレオソートが、ブナなどの木材から出来たものだから安全というのは早計で、やはり何事も過ぎたるは及ばざるが如しと言いますので、用法や用量を守るのは当然ながら、あまり過信するのもどうかと思います。イチョウイチイをはじめ木材の中にも毒性のあるものはいくらもありますから。また業界関係者の人も案外ご存じない方が多っかたりする事なのですが、クレオソート油で防腐処理された枕木については、改正された家庭用品規正法によって、販売対象に制限がかけられています

弊社でも以前は中古枕木を取り扱っていて、一般の方が購入されるケースもありましたが、現在は一般の方への販売は控えさせていただいております。また現在残っているわずかな在庫が無くなれば、中古枕木の扱いそのものも止める方針です。ちなみに、業者の方が業務用に使用する場合は問題がありません。例えば、建設業者や造園業者が業務用資材として使われる場合、事業を営む個人が営業用として購入する場合、事業者が一般家庭の造園などに施工する場合、農業者が牧柵や土留めに使う場合などは問題ありません

ちなみにホームセンターで『中古枕木』または『中古風枕木』などとして販売されているものについては(新品枕木というのも含めて)、実際に線路で使用してたものではなく、ガーデニング用に作ったもので、クレオソート以外の防腐剤を使ったり、発癌性物質は取り除いたものだと思いますがご自分の目でよく確認して下さい。その枕木も最近はコンクリートなどに切り替えられ、文字通り枕木なのに木が使われなくなりつつありますが、現在の日本で鉄道枕木に使われる主要木材は東南アジアの『ケンパス』です。

そのケンパスの商品が先日まとまって入荷しました。それがこちらの写真。枕木に使われるぐらいですから、ケンパスが硬くて重く耐久性の高い木だという事は分かってもらえると思いますが、気乾比重0.80〜0.95程度。これはマンションのベランダなどに敷き詰めるタイプのデッキなどに使われるつもりで海外から輸入したものだと思われるのですが、ご縁があって弊社にやって来ました。昔はよくケンパスのフローリングというのも出回っていましたが、よく見ればなかなか味わいのある木なのです。詳しくは明日。

ケンパス、使わねば・・・

東南アジア産のマメ科の広葉樹『ケンパス』については、既に『今日のかけら』で触れておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。それが今から5年ぐらい前の話ですが、その頃はまだケンパスといえば、フローリングか枕木になったものぐらいしか見たことがありませんでいた。しかも当時周辺で流通していたケンパスのフローリングはすべて着色したウレタン塗装のものばかり(あるいは中古の枕木)でしたので、実際に私が生地のケンパスに触れるようになったのは【森のかけら】を作るようになってからの事。

実はそれまでケンパスといえば枕木の素材の木というイメージもあってあまり顧みる事もなかったのですが、じっくりと近くで見れば随分と味わいの木であることが実感できたのです。特に今回入手したケンパス材は、結構ボリュームがあるので、並べてみるとケンパスにも多彩な表情があることがよく分かります。同類の『メンガリス』と同じように環状の異常組織があり、ルーペで観察すれば独特の模様がよく分かります。その特性からすればベランダなどのデッキにしてもいいのでしょうが何だかもったいない・・・

これをデッキ材に使うというのはもっとも正当な結論なのかもしれませんが、もっとこの木柄を活かす用途があるのではなかろうかと思うのです。ちなみにこれ1枚のサイズは、長さ470×幅75×厚み12㎜というもので、4面プレーナー加工してあります。現地加工品で、国内に入荷してからの保管期間も長かったという事で、精度はそれほど信頼できませんが、1枚の大きさが大きさなので、値段もかなり格安!手間はかかるでしょうが、例えば店舗などの壁面にレンガ貼りに貼ってみても思いのではないかと思います

かなり枚数があるので、すぐになくなる事はなさそうなので、私なりにこの商品の出口も考えてみようと思っていますが、このいう風に現物がそこにあると「やらねば感」が湧いてくるのです。出口も見えぬままに買ってしまって何とかして売らねばという焦燥感よりも、どうやって料理してやろうかというワクワク感が勝ってしまうのが問題ではあるのですが、登る山が高ければ高いほど燃えるタイプなので致し方ありません。そういう事ですので、いずれこのケンパスにも「おっ?!」と言われる舞台を用意したいと思っています。

スチールガレージとケンパスの杞憂

線路の枕木に使われる事で有名な『ケンパス』という木があります。東南アジア産のマメ科の広葉樹です。枕木の他にはフローリングとしてもよく使われていましたが、最近はあまりみかけなくなりました。そのケンパスのちょっと変わったサイズの製品が入荷しましたとアナウンスしたのはもう1年以上も前の事・・・。新しいものが入荷した直後は心も高揚して盛り上がるものの、熱しやすく冷めやすい性格なもので、あれからすっかり触れる事も無くご無沙汰しておりました。そのケンパスにようやく光が!?

スポットライトを当ててくださった救いの主は、いつもお世話になりっぱなしのジューサンケンチクセッケイ石村隆司サマ様。このケンパスを見るやいなや閃いたようで、壁面に使っていただく事になりました。1枚のサイズは、長さ470×幅75×厚み12㎜というもので、レンガ貼りでもされるのかと思っていたら、自らの手で幅を割り返して2種類のサイズにしてからそれをランダムに貼る事に。その作業中に危うく指を飛ばしてしまいそうになりながら果敢に挑まれた成果がこちらです。

ワンサイズで張る事ばかりを考えていた私には目から鱗が剥がれるような感覚。さすがです〜。さて、このまるで店舗の内装にも見えるこちらの建物は実は石村家のガレージでして、ジューサンケンチクセッケイさんが取り扱いを始められた、『アメリカンスチールガレージ』なのです。まるでアメリカ映画に出て来るスタイリッシュなガレージで、車好きにはきっとたまらない空間なんだと思います。車に興味の無い私などは、男の隠れ家、趣味部屋的な用途で使いたいところです。

車が余裕で二台収まるぐらいの大きな空間の壁一面にケンパスを使っていただきました。これでおよそ600枚ぐらい分の使用量です。実際に貼ってもらって分かったのですが、ケンパスという事で購入したものの中にはケンパスではない同類の木もいくらか混じっていたようです。流通しているケンパスのフローリングって実はほとんどが着色塗装されていて濃淡が無いと思われていますが、生地のままだとかなり色ムラもあります。ここは敢えて無塗装でその色ムラを楽しんでいただきました。

そんな素敵なスチールガレージの展示会が今週末(3月28日、29日の両日、いずれも10時から17時まで)に開催されます。自由に見学していただく展示会という事ですのでご興味のある方は是非実物をご覧になってください。スチールのシャープな質感と暖色のケンパスの組み合わせも絶妙でございます!こうやって実際に使っていただくとイメージも湧いて、用途も一気に広がるのでしょうが、皮肉なものでこれでケンパス人気が沸騰して注文が入り出した頃には在庫が無くなりました、なんて事になりそうでちょっと心配もしたり・・・それを杞憂という。

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