森のかけら | 大五木材

今日のかけら169

セドロ

Cedro

センダン科・広葉樹・ブラジル産

学名:Cedrela odorata

別名:スパニッシュ・シーダ―(Spanish cedar

シガーボックス・シーダ― ( Cigar-box cedar

メキシカン・シーダー(Mexican cedar)

和名:*****

気乾比重:0.50

 

無敵艦隊とセドロ*

★今日のかけら・♯169【セドロ】Cedro センダン科・広樹・ブラジル産

サッカーのワールドカップもスペインの優勝で幕を閉じました。今回のスペインチームにも「無敵艦隊」の形容がメディアに踊りましたが、そもそもこの名前はその艦隊を壊滅させたイングランド人が大いなる皮肉を込めて語った名称で、本来は見掛け倒しの様を揶揄した言葉だったのですが、言葉の雰囲気だけが独り歩きして違う意味で使われているようです。それは兎も角、今回は名実ともに「無敵艦隊」として世界の頂点に立ったスペインチームの優勝に敬意を込めて、スペインと関係のある木についてのお話を。

かの地には昔ケルト人が住んでいましたが、ローマ帝国の侵攻によってどんどん北へと追いやられていきます。ローマ人はスペインをはじめヨーロッパの森林を大規模に開墾して畑に変えてしまったのですが、このケルト人は森林への厚い信仰心を持っていたといわれていて、山を神格化し信仰心を持った日本人との類似性がよく取り上げられます。スペインは16世紀から19世紀の初頭に至るまで、アメリカ南西部から中南米に広域な植民地を維持していました。その名残から、「スパニッシュシーダー」の別名を持つのが、メキシコからブラジル、熱帯アメリカに分布する『セドロ』という木です。杉を表すシーダーという名前が付いているにも関わらず、実はこれれっきとしたセンダン科の広葉樹です。削った時に杉に似たような芳香がする事が、シーダーという名前が付いた理由のようですが、例えそれが過ちであっても、その特徴を端的に現しているということでしょう。

確かに削ってみるとシーダーに似た匂いがしますが、あくまで日本の『』ではなく『エスタンレッドシーダーのシーダーに近い匂いです。その匂いを虫が嫌うらしく、害虫への対抗性が強いという事と香り付けの効果があるという点から、葉巻の箱には最適の材料とされています。当然、箱物に使われるぐらいですから暴れやねじれも少ない癖の無さも特徴の1つです。そこから、『シガーボックスシーダー』の別名もあります。私は煙草を吸わない人間なので、よくは分かりませんが、葉巻にはある程度の湿り気も必要らしく、この木の優れた調湿性も必要条件のひとつのようです。

以前『適材適所』でも取り上げましたが、木目部分は『欅(ケヤキ』にそっくりで、均質な柾目は『マホガニー』の代用とされるほど、まったく性質の異なる木の2つの特徴を併せ持った不思議な木です。見る角度によっては光の反射が不思議な金色の光沢を生み出してくれます。木そのものは、シーダーの仲間かと思えるほど軽軟ですが、センダン科だからさもありなんでしょう。『赤という和名の俗称は、その特徴をうまく言い表しています。別名が多いのも人気のバロメーターです。

 

材面に染みが見えますが表面的なものなので、ひと削りすると美しい光沢を放つ赤褐色の肌が現れます。調湿性に優れているため、わずかな温度変化にも反応しやすいので、仕上げ後は速やかに塗装(植物性オイル)をお薦めします。この木で実際にシガーボックスでも作ってみようかなとも考えたのですが、私自身が煙草を吸いませんので今ひとつ気乗りがしません。小物入れでもいいのですが、特徴を最大に生かす商品がいいのでちょっと悩んでおります。ケヤキとマホガニーの雰囲気を併せ持つ南米の不思議な木・セドロ、果たして本当に無敵艦隊か、見せ掛け倒しか?どうぞご自分で試してみて下さい!

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道後の足湯でセドロ*

道後の『ふなや』さんの日本庭園・詠風亭に設けられた足湯の座面に使っていただいたのは、中南米産の『セドロ』です。観光客を乗せた大型バスやら地元の車が頻繁に行き交う通りから一歩足を踏み入れると、そこは清流流れる閑静な和の空間が広がっています。そこに佇む足湯屋を施工されたのは、もう4、5年ほど前になると思います。当初、円形の足湯の座板という事で頭を悩ましました。直径が2mぐらいありましたので、当然の事ながら1枚ものの板を削りだすという事は不可能だし、2枚や3枚で剥ぐにもロスが大きすぎます。そこで製作をお願いしたウッドワークかずと池内君と相談して考えたのが、円全体を8つのパーツに分けて、それぞれを裏側からボルトで連結する方法。これだと木目の木取り次第では、つながった円のような雰囲気を損なわないように仕上げる事が出来ます。

ただ問題も幾つかあります。これでも結構なカットロスが出る中で、木目が連続している雰囲気を演出するためにはかなりの大きさも板が何枚も必要になります。しかもなるべく木柄の似た乾燥した木。また、温泉の足湯の座板という事ですから、お湯が散ったり熱を帯びるのではという心配。材となった木にとって、湿気は腐食の最大の要因です。こういう場合、必ず「水に強い木を」という要望が出たりするものですが、それも在庫やサイズ、価格との兼ね合いになります。

何にでも完璧に対応できる材がいつでもどこにも揃っている訳ではありません。手持ちの乾燥した材の中から、いろいろな条件を鑑みて(材特性、サイズ、加工性、価格・・・)、その中でベストの選択をしていくという事になります。幸いにも設計・施工をされたのが、商業店舗などをたくさん手掛けられた百戦錬磨の須賀デザイン工房久須賀佳夫さんだったので、そのあたりの理解は深く、ご提案を受け入れていただきました。湿気対策もご検討いただき、いざ「セドロ」での出番と相成りました。セドロについての詳しい説明は、以前にブログや『適材適所』でも取り上げさせていただきましたが(NO.120)、板目の雰囲気は欅に似ていて、柾目の雰囲気はマホガニーに似ているという、剛と柔の質感を併せ持ったような不思議な材です。生地のままだと分かりづらいのですが、塗装する事でその特徴が際立ってきます。

足湯は屋根があり直射日光は遮られているものの、久し振りに訪れてみると、施工時よりはやや色合いが淡くなっていました。でもそうなってむしろ、遠い外国から来たセドロが閑静な日本庭園の中にすっかり溶け込んでいました。寛容性も伝統を継承する重要な要素だと思います。セドロはセンダン科ですので防虫性も高く、腐朽にも強い性質があります。加えて設計や加工、塗装を工夫することで、こういう場面でも使う事が出来ました。地元に根付いた建物に地元の木を、という考え方にまったく異を唱えるものではありませんが、そこに固執しすぎると、木本来の特性をうまく引き出せない場合もあります。地域を優先するか、特性を優先するか?いろいろ考えはあるでしょう。それも含めてこういう場面ではどの木を使おうか、ワクワクした気持ちであれこれ思いを巡らし、材をセレクトする時の快感はおそらく誰にも分かってはいただけないでしょうが、私はそこに材木屋の醍醐味を感じます。

 

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セドロの季節*

1年のうち何度か突然に全国から問い合わせが集中する木があります。それが、『シガーボックスシーダー』の別名を持つブラジル産のセンダン科の広葉樹・『セドロ(CEDRO)』。その別名からも分かる通り、高級葉巻ケースとして愛煙家から強い支持を受けています。害虫への対抗性が強く、収納した葉巻に対する香りづけの効果もあること、またこの木の持つ調湿性が葉巻に絶妙の湿り気を与えるなどの点から、葉巻ケースには最適の木材として、セドロの代表的な用途の1つとされています。

私は煙草を吸わないのですが、愛煙家向けの雑誌やメディアで時々葉巻特集などが組まれた時に、合わせて葉巻箱も紹介され、そこでセドロの名前が取り上げられるのだと思います。それで、腕に覚えのあるクラフトマンの方々が、では自分で葉巻箱を作ってみようかということになって、ネットなどでセドロがどこかで売ってないかと調べられるのでしょうが、全国にあまたある材木屋の中でも、セドロ材を扱っているところは決して多くはありません。それで弊社に辿り着かれるという流れ。

弊社も大量にセドロ材を在庫しているわけではないのですが、厚み35㎜の挽き板がまだ幾らか残っているので、それであれば一般の方にも直接小売販売させていただいております。趣味で葉巻箱を作られるような個人のクラフトマンの方だと、2mサイズの板が1、2枚もあれば充分ということで、少量の販売でも対応できる弊社にお声を掛けていただくことになるのです。それで年に数回時を合わせたように全国各地からセドロ材への問い合わせ、ご注文が殺到することになるのです。

 

それは1年だけのことではなく、この数年間毎年のように降って湧いたセドロブームが起きるのです。それだけセドロという材が希少だということと、1枚から小売りしてくれる材木屋が少ないということなのだと思うのですが、こういう形で注文が重なる木って非常に珍しいのです。そんなセドロにこの間もご注文が舞い込み、また数枚が全国各地に散っていきました。葉巻箱に使うような薄い板だけでなく、カウンターサイズの大きなセドロもありますので、葉巻箱以外の出口も募集中!

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葉巻に欠かせぬシガーボックスシーダー*

木材を仕入れるのは木材市場ばかりからではありません。全国の製材所、木材問屋、材木屋、商社など木を扱う業態はさまざま。弊社のように、針葉樹から広葉樹まで国内外のあらゆる木を扱う店にとって、材を仕入れるネットワークこそは命綱!輸入材の場合は特に、地域や樹種によって専門性が高いため、中には特定の1種だけを専門に扱う会社も珍しくなく、多くの種類を扱おうと思えば、相応の数の取引先を知っておく必要があります。そんな専門性の高い会社から仕入れたのがこちらの木。
この灰褐色に日焼けした姿からは想像できないかもしれませんが、これぞブラジル産の『セドロ』。以前に『今日のかけら』でご紹介しましたが、キューバ葉巻を収納する箱に最適とされることから、『シガーボックスシーダー』の別名もあります。また、かつて南米を多くの地を植民地としていたスペインが、この木を好んで使った事から『スパニッシュシーダー』とも呼ばれます。センダン科の広葉樹にも関わらず、シーダーの名前がつくのはその香りに由来するとされています。
ただ実際に削ってみても個人的には、スギ(シーダー)を想起させるほどの芳香は感じないのですが、どの段階(伐採直後、乾燥工程、加工後等々)での印象なのかは分かりません。主な産地は、中央アメリカ、南アメリカ、アジアなのですが、ラテンアメリカではメキシコの南部から中央アメリカ、西インド諸島、チリを除く南アメリカなどの広い地域に分布しています。熱帯地方においては、日陰を作ってくれることから牧場やコーヒー園、カカオ園などにも植栽されるそうです
成長が早く大きなモノでは直径1m超えるぐらいに成長するものもあるそうですが、近年幅の広い材は少なくなってきて現地でも希少な存在。2001年以降はワシントン条約で保護されている事もあり、今後はますます入手が難しくなってくると思われます。このセドロの板は、この日焼け具合からも分かる通り、入荷後かなり長い年数が経過したもので、乾燥は完璧です。表面の退色もひと削りすれば、マホガニーを少し粗くしたような美しい表情が現われてきます。
写真では表面割れが映っているものの、割れのない良質の材もあります。以前から時々、全国の葉巻の愛煙家から収納箱(シガーボックス)を作りたいので、セドロの板が欲しいという問い合わせを受けますが、それ以外ではセドロという樹種指定で注文が来ることはまずありません。そのため回転率は悪いものの、今後の供給を考えると無理してまで売る必要もないかなと(そんな事ばかり考えているので、どの材も異常に足が遅いのですが)。この板については後日もう少し詳しく吟味してみます。

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セドロとシガーボックス*

アマゾンの話つながりなんですが、【森のかけら】の中から特定のテーマに準じて5種類の木を集めてパックにした『森の5かけら』の中にあるのが『ブラジルの5かけら』。その5種類というのが、ブラジル産の『マニルカラ』(アカテツ科)、『イぺ』(ノウゼンカヅラ科)、『サッチーネ』(クワ科)、『イタウバ』(クスノキ科)、『セドロ』(センダン科)。確か2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックにちなんで作ったものだったはず。早いものであれからもう2年、次は『東京五輪のかけら』?!

さて、その中の1つ『セドロ』についてですが、別名『シガーボックスシーダー』とも呼ばれるこの木は、文字通りシガーボックスに使われる材としては最高級だとされています。私自身もそういう風に紹介してきましたが、実物を見たことがありませんでした。それがたまたま実物を見る機会がありました。松山市内に飲みに行った時、初めて入った店のカウンターに鎮座ましましていたのがこちらのシガーボックスです。セドロは、調湿効果に優れ香りづけの効果もあることからキューバ葉巻を収納する箱に最適とされています

私自身は葉巻はおろかタバコも吸わないのでよく分からないのですが、葉巻にこだわる愛煙家には羨望のモノのようです。まあ、あくまでも中身の葉巻そのものが大切なのですが、葉巻も高級なものになると1本¥1000を越えるものもあるようで、やはりそれを保管する箱は重要になります。『シーダー』という名前が付いていますが、センダン科の広葉樹でシーダー(スギ)の仲間ではありません。それが削るとスギのような匂いがすることからシーダーの名前が付けられたそうですが私は匂いよりも削り屑にスギっぽさを感じます。

材が軽いこともあってフワフワした羽毛のような質感で、匂いだけでなくそういう見た目からもスギをイメージさせたのかもしれません。もっとも外国で付けられた別名なので、日本のスギではなく米杉(ウエスタン・レッドシーダー)をイメージしているのだと思います。さてそのセドロですが、シガーボックス以外にもギターのネックなどにも使われるなど珍重されるものの、輸入量は決して多くはありません。弊社にも薄い板があって全国の葉巻愛好者が沢山買い求めていただきましたが、その板も完売。

残っているのは長さ3m前後、幅500~600㎜、厚み60~75㎜程度のカウンターサイズの大物ばかり。今後も新しい入荷は見込めそうにないので、残っている材を大切に売っていこうと思っています。『赤欅』なんて呼ばれることもあるぐらい木目に和風の趣きもある木です。このセドロに限らず、手持ちの材が無くなってしまうと今後入荷が未定という木が増えてきて心配は尽きません。それぞれ【森のかけら】用に少しずつストックしていますが、この1年でも「次の入荷が難しい木」が増えてきそうで悩みのタネは尽きません。

 


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ZUCCHERO&CEDRO*

二股の異形な姿が面白いじゃないかと、寛容なお心でこのサイカチを受け止めていただいたのは、松山市千舟町にあるイタリア・スペインバル『Restaurante Bar ZUCCHERO(リストランテ・バル・ズッケロ)』さん。以前にこのブログでもご紹介させていただいた、『IL Banco(イルバンコ)』さんの姉妹店。愛媛県産の旬の食材と『薪焼き』のお肉が堪能できるお店です。このお店の植物に囲まれたオシャレなテラスのテーブルとして使っていただくことになったのです。

ZUCCHEROさんは、ずっと大街道で商売をされていたのですが、2016年に千舟町に移転されました。その際に、店内のカウンターやテーブルなどに弊社の木材をふんだんにお使いいただいたのですが、私の怠慢でその時の様子をブログにアップ出来ていませんでした。それで今更の話ではあるのですが、お店で使っていただいた木材についてご紹介させていただきます。バイクや植物、レストランなどが一緒になった『GEARS』という複合商業施設に オープンしたお店は、何とも不思議な異国籍風の雰囲気を醸し出した妖しい空間です。

写真に写っている一枚板の赤身のカウンターは、ブラジル産の『セドロ』。「スパニッシュ・シーダー」とか「シガーボックスシーダー」の名前でも呼ばれているセンダン科の広葉樹です。硬質な木ではありませんが、独特の特徴を持った木です。板目の雰囲気はによく似ていて、『赤ケヤキ』などとも呼ばれるほどです。その一方で柾目の雰囲気はすっきりとしたマホガニーに似ていて、一枚の木の中に剛と柔の相反するような質感を併せ持ったような不思議な材です。なので使い方次第では洋にも和にも使えます。

そんなセドロの3m×幅400~500㎜の迫力のある板をたっぷりと使っていただきました。和洋の特徴を併せ持ったセドロが店の雰囲気づくりに少しは貢献できたのではなかろうかと勝手に思っています。その時にはまだまだたっぷりと在庫のあったセドロでしたが、それから日々少しずつ売れていって在庫も減少。今後の入荷見込みがまったく立たず、いよいよあれだけあったセドロの底が見えてきてしまいました。今、写真を見返すと、当時の頃の事が懐かしく思えます。毎度の事ながら無くなってからモノのありがたみを知る。明日に続く・・・

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セドロ、あるいは楽器という名の出口:楽器工房Kiyondさん*

シガーボックスの最高級素材として葉巻の愛好家にはよく知られている『セドロ』(センダン科)は、雑誌などでシガーボックスが取り上げられるたびにネットから材の問い合わせがあります。私自身は煙草を吸わないので、実はその特性を『読んで、聴いて知っている』だけで実感はないのですが、葉巻の愛好家に言わせるとシガーボックスはセドロ製でなければならないそうです。いろいろな特徴のある木を販売していながら、その効能や性質を直接体感・理解していない事も多くて恥ずかしいのです。そんなセドロですが、私には縁遠いもうひとつの有名な出口があります。

それは『楽器』。特にクラシック・ギターのネックとして有名です。私はギターの演奏はおろか音楽関係には非常に疎くて音痴なので、ここでもセドロでなければならな希少性がよく理解できていなくて申し訳ないのですが、その道の方なら誰もがセドロの名前はご存知だとか。楽器の分野では、セドロというよりも『スパニッシュ・シーダー』の名前で知られているかもしれません。前にも書きましたが、シーダー(スギ)の名前がついているもののれっきとた広葉樹。削るとスギに似た匂いがするのでそう呼ばれています。

セドロの産地は中南米、弊社の持っているセドロはブラジル産です。にも関わらず『スパニッシュ』と名前についているのは、この地がかつてスペインの植民地であったため。征服者たちの嗜好品として愛用されたことからその名がつき、世界に知られ使われることとなったのですが、現在ではほとんど流通していません。弊社の在庫も後わずかですが、そもそも建築資材としてもニーズはほぼ無いので、セドロ指定で問い合わせが入るのは、前述のシガーボックスか楽器材としてのみ。そのため出て行く量もわずかなので、どうにか今まで延命してきたというわけです。

シガーボックスとギターという用途には一見すると関連性が無さそうに思えますが、煙(香)と音に大切なのは優れた調質性、そして虫などに対する防虫性。古代のマヤ人は、この木でカヌーを作っていたそうですから、マヤでは古来からセドロの防虫性に気づいていたと思われます。それでも材を検品していると、ところどころに小さな虫穴を見つけますのでやはり蓼食う虫は好き好きなのでしょう。そのセドロに先日、音の分野からお声がかかりました。ギターのネックとして使うので探されていたとの事。

カウンターにするような大きめのサイズのセドロの板を一枚ご購入していただきました。お買い求めいただいたのは、兵庫県の篠山市でギターの製作販売をしていらっしゃる楽器工房Kiyond田中清人さん。ご指定サイズにカットしてお送りすると早速加工して画像をSNSにアップしてくださいました。セドロは軽いので結構大きなサイズでも宅急便で運べるのがありがたいところ。田中さんのお眼鏡にもかなったようで、倉庫で埃をかぶっていたセドロが、演奏会などの晴れやかな舞台に立つことが出来る日も近いかも。木を活かすには、活かせる人と繋がれるかどうかにかかっています。

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松山でセドロ/ギターはセドロに限る?!*

先日、テレビを観ていたら日本のものづくりと世界の本場はどこまで競えるのか、という内容の番組があって、ワインやピザなどの日本の職人が本場のイタリアで審査員による対決を行うという番組を放送していました。その中で日本の木材だけで作った純国産バイオリンがイタリアの名品と争うというバイオリン対決がありました。日本代表は、長野県の井筒バイオリンという個人の工房でしたが、そこでは国産の木材にこだわられていて、北海道産の『イタヤカエデ』や『エゾマツ』を使ってバイオリンを製作されていました。

楽器の分野も木材の重要な出口のひとつですが、弊社のような端材と対極的な高い品質と完璧な感想が求められる世界で、同じ木材といえども縁遠い世界です。木は五感で楽しむものですから、木の音色も『森の出口』の大切な要素なので、それを活かしたものづくりもしたいところですが、プロが演奏に使う楽器となると異次元!同じ木材じゃないかと思われるかもしれませんが、そもそも私には音楽の素養がありませんので、音色の良し悪しが分からないという根本的な問題があります。

楽器にはいろいろな種類の広葉樹が使われていますが、弊社に来る問合せとしては主にギター。素材はいろいろありますが、国内でも取り扱っている材木屋の少ないブラジル産の『セドロ』によく声がかかります。材質的にはやや軽軟なので家具とかにはなかなか採用されにくいのですが、楽器としては非常に優秀な素材だということ。落語の『目黒の秋刀魚』ではありませんが、「う~ん、いろいろ使ってみたがどの木もイマイチ。そうだな、やっぱりギターにはセドロじゃ!ギターはセドロに限る!」なんて・・・

このブログでも何度か紹介しましたが、現在はカウンターに使うような大きなサイズのものしかないので、楽器には大き過ぎるのですがそれでも数年分の在庫として買っていただくチャレンジャーが後を絶ちません(笑)。国内でどれ程のセドロが流通しているのか分りませんが、希少性はかなり高まっているようです。なかなか売れずに超長期在庫となっていた事が幸いして高乾燥材となったうちのセドロがもしかして国内最後の一枚に・・・なんて日が来るのかも?それほど海外の特殊の輸入はタイトになって来ています。

テレビには続編もあって、かの名器・ストラディバリウスとの対決では〔10億円のストラディバリウスVS日本代表・200万円の国産バイオリン!〕という事で盛り上がっていました。結果は微妙でしたが、まあ味覚やら音色といった感性で味わい、個人の嗜好に大きく左右されるモノを審査するという事自体ナンセンスだと思っていますので、バラエティショーとして楽しみました。国産バイオリンはなかなか評価してもらなかった頃も信念を貫き、借金してまで木材を買い集めたそうです。こういう人がいてこそ『森の出口』も広がっていく。まさしく楽器ビーバー

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今日のかけら222

ムイラカチアラ/ゴンサロアルベス

 Muiracatiara/Goncalo Alves 

ウルシ科・広葉樹・中南米産

学名:Astronium lecointei

別名:ウルンダイurunday

気乾比重:0.95

 

ムイラカチアラとの邂逅①*

★今日のかけら・#222【ムイラカチアラ/ゴンサロアルベス】 Muiracatiara/Goncalo Alves ウルシ科・広葉樹・中南米産 

地域によって木の名前もさまざまですが、中にはとんでもなく覚えにくかったり言いにくい名前の木もあります。例えば中南米原産のこの『ムイラカチアラ』もそんな木のひとつ。Muiracatiaraを強引に日本語読みしているので、「ムイラカティアラ」とか「ムイラクアテイアラ」など本によって表記もさまざま。あまりに言いにくいので別名とかないのか調べると、別名もゴンサロアルベスGoncalo-Alvezというこれまたなかなか覚えにくいし発音しにくい名前。他にもいくつかの別名があるものの一般的なのはこの2つ。

材木屋の人間でも、そんな木なんて実物どころか名前も聞いたことが無いぞ!って言われる人が多いかもしれませんが、それは日本に入ってくるこの木の用途がほぼウッドデッキに限られているため、硬質のウッドデッキ材を扱われていないと縁の無い木だと思います。最初に私がこの木に出会ったのは今から15年ぐらい前の話。たまたまこの木に出会って、売り先も無いのにとりあえず興味本位で買ったのですが、その時はウッドデッキ材ではなくて厚み25㎜の板材でした。買ったはいいが情報も乏しく売るに売れず。

それから永い間倉庫の奥で埃をかぶることになるのですが、それから数年後にムイラカチアラとの思わぬ出会いがありました。弊社では外部のウッドデッキには硬質の高耐久性木材を提案しているのですが、その供給元は愛知の㈱ランバージャックさん。ランバージャックの社長の渡邊健太とは、日本木青連時代に出向していた頃からのつき合いですが、中南米産の硬質木材のオーソリティで私が絶大な信頼を寄せるプロフェッショナルの材木人のひとりです。こういうその道の専門家がいると本当に心強いのです。

そこで数年ぶりに出会ったのが、ウッドデッキ材になったムイラカチアラ。出会った時がご縁という信念で、少しだけ仕入れさせていただきました。元々持っていたムイラカチアラの板は、かなり経年変化が進んでいたのと、出番もなかったので削りもしなかったので意識もしてなかったのですが、この木には『タイガーウッド』という別名もあるように、鮮やかな代赭色(たいしゃいろ)の中にかすれたような淡い黒の縞柄が現れます。すべての木に縞が現れるわけではないのですが、倉庫に眠る木がこんな木だったとは!?

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ムイラカチアラとの邂逅②*

慌てて倉庫の中で眠っていたムイラカチアラの板材も削ってみたのですが、こちらには縞柄がほとんど出ませんでした。120☓30㎜のウッドデッキを見ても、すべての木に縞柄が出るわけではないので、ゼブラウッドみたいにどれでもガッツリ縞が出るわけではないのかもしれません。木取りによっても出る出ないはあると思いますが、縞柄はなくとも表面をロウでコーティングしたような滑るような独特の質感は共通です。そのため加工した直後に重ねて運んだりすると、滑り抜けたりするので注意が必要です

本来はウッドデッキに使うつもりで仕入れたモノの、その縞柄に魅了され、これをウッドデッキに使って色褪せさせるのはモッタイナイと思い、何かしら別の出口がないかしらと思案。滑らかさも生かそうと、丸く削って『円い森』にしたこともあります。色合いも縞柄も(全部に現れるわけではないですが)個性的なのですが、残念ながら知名度が無いのと覚えにくい名前が災いしてなかなか売れず・・・。他にもいろいろムイラカチアラの出口を探ってみたものの、やはり名前が知られていないというのは厳しい

まあ逆の立場になって考えてみれば、同じモノを買うにしても見たことも聞いたことも無い木よりは、自分が知ってる木や少しでも関わりのある木を買いたいと思うのはひとの心情。私のように、むしろ知らない木だからこそ萌える!っていうひねくれ者でも現れないとなかなか売るのは難しい。普通にウッドデッキで売れば売れるのでしょうが、ひとたび目をつけたからには、何とか自分なりにこの木が生きる(この木でなければならないような)出口を見つけてあげるのが、うちに来てくれたこの木に対するせめてもの礼儀。

そしたら、そんなムイラカチアラに対してネットである問い合わせが!木の大好きな友人がいていろいろな種類の木を収集しているらいしのですが、その彼がムイラカチアラはまだ持っていなくて、是非プレゼントしたいという事。コレクターにプレゼントされるという事で、購入されたの少量でしたが、量など問題ではありません。そういう方に繋がってご縁が生まれた事がありがたい!世の中、思っている以上に変人・奇人・変わり者(失礼)は多いもの。きっとムイラカチアラじゃなければ!っていう人がいるはず。

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ムイラカチアラと伊鶏家ハットリ*

ムイラカチアラでなければ~!というわけではないですが、面白そうだから使ってみようかというご縁もありがたいものです。数か月前の話になりますが、飲食店のテーブルにムイラカチアラを使っていただきました。ウッドデッキではなくて、以前から倉庫に眠っていたムイラカチアラの板材をサワグルミで挟んだテーブルに仕上げていただきました。ウッドデッキ仕様で仕入れたムイラカチアラは、鮮やかな代赭色(たいしゃいろ)に黒い縞柄が特徴的ですが、こちらはもっと濃くてムイラカチアラだと言われても分からないほど。

堅牢で、ロウでコーティングしたように滑らかで光沢もあることから現地では、ナイフなどの柄やバターナイフなどにも使われているぐらいなので、厚みは薄くとも頑丈。こんな舌を噛みそうな名前の木に興味を示して使ってくれたのは、いろいろな意味で個性的な店舗屋・すずかけ商会さん!ありきたりの木を使ったってつまらないという点でつながっているのですが、多品種を扱う材木屋としてはこういうお客さんとどれぐらい繋がっているかという事がなによりも大事。誰も使った事がない、そんな木に萌えるという!

他に誰も使っていないという優位性の裏には、実際に使ってどうだったかという経験値が無いという不安もあるにはありますが、そんな事考えていたら世界中の木なんて相手に出来ません!そこは思いを共有できる仲間と地雷原を駆け抜けるしかないのですっ!(とはいえ最低限の武装はしておきます。例えば念入りに乾燥させるとか。先に自分で小物を作って触感を確かめるとか。調べられる限りの情報は集めておくとか)まあ、それは少々大袈裟ですが、冒険心溢れる店舗屋さんと寛容なオーナーさんに恵まれています♪

という事で、今回テーブルにムイラカチアラの板をご利用いただいたのが、松山市二番町に今年の夏にオープンした『鉄板焼鳥バイキング 伊鶏家(いこや)ハットリ』さん。オーダーバイキングのお店です。ムイラカチアラ以外にも、カウンターにはサぺリの一枚板やキハダやらいろいろと使っていただきました。ムイラカチアラのようなネームバリューの無い木だと、設計から工務、営業、お施主さんまで越えなければならないハードル多過ぎて、途中で思いが途切れる事も。まずは名前を知っていただくことから始めます!

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ムイラカチアラの円い森*

森のかけらプレミア36】に含まれている木の中に、鮮やかな黄色が特徴の『アマレロ』という木があります。中南米産の木なのですが、ブラジルでは時にアマレロの事を『ムイラカチアラ』と呼ぶこともあるらしいのでややこしいのですが、本来はこの鮮やかな代赭色(たいしゃいろ)の中にかすれたような淡い黒の縞柄が現れるウルシ科のこちらの木に対する名前。いろいろ調べてみたのですが、今のところこの口がカクカクしそうになるこの名前の語源や由来は不明なのですが、情報が入り次第ごアップしたいと思います。

本来はこうやってある特定の木にスポットライトを当てた時に、その木で作った商品をオンラインショップでも販売するというのが営業戦略だと思うのですが、そういう事が全く出来ていなかった(アップしたことで真っ白に燃え尽きてしまって、そこから先の展開までは気力が保てないという←ただのヘタレの言い訳ですが)ので、今回からは(だけは)心を入れ替えて、『今日のかけら』と『オンラインショップ』を連動させます。販売するのは、ムイラカチアラで作った『円(まる)い森』、ただし数量限定です

その特徴でも触れたように表面にロウを塗ったような手触りが特徴で、初めて触ると何かをコーティングしてあるのではと思うような独特の触感があります。そのため磨いても磨いてもサンダーが滑るような感覚があって、磨き甲斐が無い木でもあります。こうやって加工すれば縞柄も一層際立ち、とてもこの木をウッドデッキにするなんてモッタイナイと思ってしまうのです。その特徴から命名された『タイガーウッド』の方でもっと押せそうではあるのですが、いかんせんゼブラみたいにすべてに縞柄が出るわけでないのが惜しいところ。

とりあえあず、コースター的なモノに使っていただければと思います(コースターというと用途限定されるので決してはそうは言わない!)。サイズは直径100㎜、厚さ8㎜。森のかけらと樹種の名前がレーザーで入っています。植物性オイル塗装品。昔に作ったのでストックホルダーに通すための穴が開いています。なるべく縞柄が出ている部位を使ってつくりましたので、これだと『タイガーウッド』の名前でもいけそうです。今のところ追加で作る予定はないので、残っている7枚限定品となります。縞柄フェチの方、是非どうぞ!

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