森のかけら | 大五木材

パフューム・オブ・ササフラス①*

今日のかけら・♯156【ササフラスSassafras クスノキ科・広葉樹・北米産

本日は『ササフラス』を加工しました。余程北米材に精通された方でなければ聞き慣れない名前かもしれません。クスノキ科の広葉樹で独特の芳香がある木として知られています。ササフラスという名前は、近縁関係のない種々の木材にも使われていて、有名なのはオーストラリア産の『タスマニアン・ササフラス』。『サッサフラス』と表記されることもありますが(発音上はその方が正しいのかもしれませんが)、弊社では『ササフラス』に統一させていただいています。

弊社が在庫しているのは、北米東部原産のもので、その強い芳香から『シナモンウッド』の別名もあります。木目の雰囲気はホワイトアッシュに非常によく似ていて、色あいはアッシュよりもくすんだ灰褐色、私には淡くにぶい緑色も混じっているように感じます。雰囲気はアッシュに似ているものの木目そのものは凡庸で、アッシュよりもやや柔らかく、あまり強度を必要とする用途には使われない傾向にあります。ただ加工性は非常によくて扱いやすい木の1つです。

ササフラスについては、クスノキ科に多い傾向ですが、その材よりも香りの方で有名かもしれません。原産国のアメリカにおいては、乾燥した根皮から抽出されるササフラス油が、香料として利用されています。また、その葉を粉末にしたフィレ・パウダーは、アメリカの伝統的なケイジャン料理にも使われています。他にも薬用とかアロマセラピー用のフレグランス、エッセンシャルオイルなどにも生成されていますが、加工するだけでも工場に妖しげな大人の香りが漂います。

製材したおが屑やプレ―ナー屑からも、鼻にツンとする香りがして、捨ててしまうにはモッタイナイ!ただ今のところそういったいい香りの木粉を利用できるアイデアがないので仕方なく焼却処分していますが、特にクスノキ科やバラ科の木を加工した時は、そのおが屑やプレ―ナー屑すらなんとも愛おしく感じてしまうのです。かといって、いつか何かに使えるだろうとビニール袋に溜めた「香りのいい材」も既に数10袋にもなっていて、結局香りは煙になってしまっています(汗)。




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