森のかけら | 大五木材

★今日のかけらプレミアム005 カステロ】 Castello boxwood イイギリ科・広葉樹・パラグアイ産
1. 今日のかけら
森のかけら・カステロ

DSCF1528すっかりネタが古くなってしまいましたが、『森のかけら』の育ての親お二人が揃って事務所の移転です。一足先に移転したのは、パルス・デザインの大内さん。詳しくは以前にこのブログでもご紹介させていただきましたが、事務所が少し近付いたせいで頻繁に伺わせていただいております。それに遅れること数週間、エス・デザインスタジオの佐野さんも市内宮西町に事務所を移されました。とにかくお忙しいお方で、片付けもままならないほど仕事やら講義やら出張やら、いろいろな物が山積しています。 当日は、何かに憑かれたように一心不乱に作業に打ち込まれていました。この正体は後日!

 

20100210 佐野さん パリからの更新その佐野さんは、先月仕事でロンドン、パリに出張されていました。出張先の話は、佐野さんご自身のブログで詳しく報告されていますので、是非そちらもご覧下さい。宇和島の真珠関係のお仕事で視察に行かれていたようですが、そこから話がどんどん膨らんでいきそうなので、我が事のように楽しみです。教え子が師匠の仕事に口を挟んで出過ぎた真似をしてしまいましたが、ご活躍を祈念しております。なによりも体を壊さないようにお気をつけ下さい。

 

IMG_2401前振りが長くなりましたが、本題はここからです。佐野さんから、現地のノミの市で戯れにこんな物を買ったんですと、ある物を見せていただいきました。右画像のアンティークのスケール、折りたたみ式の定規です。不思議な構造ですが、デザインがシンプルで洗練されています。下のようにパチン、パチンと折ったり畳んだりして使うようです。何より味わいがあります。精度?そんな不粋な事を言っちゃいけません! 真鍮と木を組み合わせて作られています。

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100205_1053~0001黄色くくすんでいるが何の木に塗装しているのだろうと眺めていたら・・・!こういうのを本当に僥倖と言うのでしょう!まあ、それをこんなに喜ぶのは私ぐらいでしょうが。佐野さんは私の驚きの意味が分からず、不思議そうに苦笑いをされていました。それはそうでしょう。この古びたスケールに刻まれた消えかけの文字が幾つか彫ってあります。その中に、少しかすれてはいるものの、しっかりと〔BOX WOOD〕と英語のスペルがあるではありませんか!黄色く塗っていたのではなかったのです。こ、これは・・・!この運命的な邂逅(かいこう)の結末は・・・

たっぷりともったいをつけて明日に続きます。

 

森のかけらプレミア36 ②その名前に心をときめかせるのも私だけなのでしょうが・・・。実は、これこそ【森のかけら・プレミアム】に加えるかどうかで悩みに悩んだ木・ボックスウッドなのです。かなり使い込まれたアンティークなので、傷も汚れもありますが、こんな所で(失礼!)巡り合うとは感激です!人間、強く望み続けていれば大概のことは叶うと信じていますが、本当です。正直、私もこれがボックスウッドなのか別の木なのか、はっきりと断定はできないのですが、こういうものは一種の推理のようなものですから、購入した地域とかも手掛かりにしながら、可能性を探っていきます。

 

20100225 チェスの駒さて、その前に本来は『ボックスウッド』という俗称は、文字通り箱細工など緻密な加工物に適しているところからきていて、きめが細かく強度もあることから織物の芯材滑車、ボーリングのピン、木槌また、測定器具や定規、版木やチェスの駒などに使われてきました。その木は、イギリス、ヨーロッパ、北アフリカなどに分布するツゲ科の常緑広葉樹で、各地の地名がついて『ヨーロピアン・ボックスウッド』とか『ペルシアン・ボックスウッド』とも呼ばれます。しかしこの木は非常に小さなものしかなく、乾燥に伴って激しく割れます。そのためとても高価で貴重なものなのです。

 

20100225 ボックスウッド・リコーダーそのため、特徴が似ていて同じような用途に適した木も同様に『ボックスウッド』の名前を冠して流通されるようになり、本来のツゲ科ではないものも『OOボックスウッド』と呼ばれています。【森のかけらプレミア36】に入れてあるのは、俗に『カステロ・ボックスウッド』と呼ばれて流通しているイイギリ科の木です。こちらは、購入先から中南米のパラグアイ産という事を聞いていましたので、『ボックスウッド』としてではなく、『カステロ』として加えさせていただきました。こちらの木も非常に緻密で、今では入荷が困難になったツゲやボックスウッドの代用として、彫刻リコーダーなどの楽器にも広く使われています。小さなかけらからもその重みが伝わってきます。特に楽器としては共鳴効果も優れているようで、とても重用されています。

 

 

森のかけら・カステロ2このカステロの他にも、色目が黄色くて緻密で滑らかな材は『OOボックスウッド』の名前が付いていて、かなりややこしい事になっています。これはカステロや木材資源に限ったことではなくて、本来の貴重な物が減ってくると、それそのものではないがかなり似ていますよという事で、OOダイヤとかOO真珠とかよくありがちな話です。話を元に戻しますと、佐野さんの定規はロンドンで購入されたという事から、中南米産のイイギリ科のカステロではなくツゲ科のヨーロピアン・ボックスウッドの可能性が高いのです。しかもヨーロッパでは安定性が良い事から測定器具や定規に長らく使われてきたという伝統があり、その事からも、このアンティークな定規が本物のボックスウッドであると考えられるのです。今では貴重になった木といえども、かつては適材適所に使われ我々の身近な所にさり気なくあったのだとつくづく感じたボックスウッドとの邂逅でした!




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