森のかけら | 大五木材


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たまにはブログで取り上げないと「あの商品もう作ってないんですか?」なんて訊かれることもあるので、本日は久しぶりに『森のりんご』について。あくまでも人間の価値観においてですが、高級な木から安価な木までいろいろある中で「樹種に貴賤なし!」という錦の御旗を掲げて、各種の端材を有効に活用したいというコンセプトでものづくりをしていますが、この『森のりんご』については少し事情が違います。それはこの商品の出自に理由があります。今でこそ多樹種異常溺愛症候群の影響で種類が増えましたが元々は選ばれし木たちでした。

いろいろな木が揃った木の標本を作りたいという事で始まった『森のかけら』のメンバー集めですが、はじめのうちはまだ見ぬ強豪との邂逅を純粋に楽しめていたものの、想像以上にコアな木とかに出会うと、仕入れ値の恐ろしほどの高額さや、奇跡的に出会えた偶然性などから、さすがにこれを240種のワンピースとして加えていいのだろうか?と不安になってきました。これとこれとこれを加えてたら原価が途端に引きあがる!しかしだからといって折角手に入れたこの貴重な木をメンバーに加えないなんて選択があっていいのだろうか・・・。

例えて言うなら黒澤明の名作『七人の侍』で、共に戦ってくれる侍を探していた勘兵衛志村喬)が、長刀を担ぐ農民・菊千代三船敏郎)に出会って、その圧倒的な剛力に惚れながらもいで無頼な振る舞いに仲間に加えるのを戸惑う感じ。そんなスケールの大きな男・菊千代にあたるのが、世界一重たい木・リグナムバイタであり、ルイ16世も愛したチューリップウッドであり、ギタリストの憧れ・ホンジュラスローズウッド、ココボロであり、蛇柄の芸術・スネークウッド、世界三大唐木の一角・鉄刀木などなどの超個性的な面々です。

加えるべきか加えざるべきかというハムレットの心境で出した結論が、レギュラーの240種とは別の特別仕様の『森のかけら・プレミア36』を作るという事でした。その結果、プレミアメンバーに選ばれた樹種たちは名誉は得たものの、あまりに高価な設定となってしまったために超コアな一部の熱狂的ファンに支持されながらも、現実的な出番が少なくなってしまうというジレンマに陥ってしまいました。そこで彼らの出場機会を増やしてやりたいという思いで作ったスピンオフ商品が『森のりんご』なのです。今ではプレミアではないメンバーも増えて、樹種数を増やして『森のりんご100』を目指したいという危険な方向に突き進もうとしていますが、それも仕方がないことなのです。だって世界には菊千代みたいな大きなスケールの木がまだまだいるのですから!




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