森のかけら | 大五木材


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先日の『都市林業』でうちにやって来てくれたのは、戦前生まれのカキ(柿)の木。松山市内の個人にお宅の庭にあったのですが、事情があって伐採したものの一部です。持ち主の方は90歳を越える高齢の方なのですが、その方が生まれた時にさる方からお祝いにいただいた苗木を大切に育てられたもの。庭木なので几帳面に剪定を繰り返して大きくなり過ぎないように管理してきたので、直径は300㎜にも満たないものの小口を見れば恐ろしいほどの密度!90年の月日が凝縮されています!

木の大きさと時間は比例すると思い込みが強くて、直径の小さな木は若いと考えがちですが、木の大きくなるスピードは樹種や環境によって大いに異なります。学校や公園などによく植えられているメタセコイアはブクブクと太るので、見かけは大きいものの年輪幅は非常に粗くて、以前作った『森のかけら』だと35㎜の幅の中に年輪が1本しか入らないなんてこともありました。寒冷地で育つ木は太くなくても中身がギュッと締まっていてよく目の詰まった材が得やすい傾向にあります。

このカキは、高齢のカキの木にありがちな洞や腐りもほとんどなくて、余程大切に手入れされてきたのだろうという事が伺えます。近くの農家の方からも伐採したカキの木を分けてもらう事が増えて、昔はなかなか手に入れる事が出来ずに苦労していましたが、今はお蔭様で『森のかけら』用の素材としては充分な量が集まりました。ただしカキの場合は、そこから先の歩留まりが極端に悪いので安心は出来ません。手に入ったら早めに小割角に製材して、桟をいれて天然乾燥させます。

しかしカキはねじれやすい傾向があるのと、そもそもそれほど大きく通直な材が得れるわけではないので、乾燥中にねじれや反りが出てしまいます。折角タンニンが浸出してていい感じに黒くなっている部分が割れたり、フルーツウッドの宿命である虫による食害も少なくありません。最終的に乾燥して使える部分は僅かになる事が多いのですが、この戦前生まれのカキに木の素性もよくて食害は見られません。このままうまく乾燥すれば、念願だった『(90年ものの)カキのりんご』が作れるかも!




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