森のかけら | 大五木材

森のかけら・プレミア36の出来るまで物語①

2013/11/15

20131115 1 .bmp少し前の事ですが、1日に2つ別々の方から【森のかけらプレミアム36】のご注文をいただきました。長くブログを書いていると、自分では馴染みの商品名の説明を何度もするのはくどいと思って、ついつい「このブログを詠んでいただいている方は知っている」という前提の思い込みで書き飛ばしてしまう事が多いのですが、先日【森のかけらプレミアム】って何ですか?というご質問を受けたので、ちょっと調子に乗ってはしょり過ぎていたと反省。改めて紹介させていただきます。

 

20131115 2 .bmp森のかけら】は、日本の木120種と世界の木120種の240種の中から、お好きなものを100個(または36個)選べるという商品で、その組み合わせはご自由です。日本50+世界50の「ハーフ&ハーフ」もOKですし、日本だけ100とか世界だけで100も勿論OK。36種についても同様です。その際に専用の桐箱を用意しております。また240種の樹種の簡単な説明が書かれたオールカラーの解説書が付いています。100個セットで¥40,000、36個セットで¥16,000(消費税・送料込み)。

 

20131115 3 .bmpこれら240種の樹種は、端材をベースにしています。家具や造作材などを製作する際に発生した端材を有効に活用しています。中にはこのために仕入れるものも幾つかありますが、基本は端材なので、240種がいつも全て揃っているというわけではありません。また、しっかり乾いたものから作る必要があるので、対象の材が手に入ったとしても(例えば庭木を伐採したとか)、割り返して自然乾燥するので、最低でも使えるのは半年後とかで欠品材もしばしば発生します。

 

20131115 4 .bmp世界の木は、基本的には製材所に入ってくる原木または製品が対象となるので、その樹種さえ見つかればある程度のボリュームが見込めるので、樹種にさえ辿り着けば結構レアな樹種でも量は確保出来やすいのですが、問題は日本の木。120種類中、この周辺で流通している(または汎用性が高く日頃から使っている)樹種は、せいぜい20種類ぐらいのもので、1/5ぐらいは建築はおろか家具やクラフトにすら滅多に使うことのない樹種が含まれています。この話、明日に続く・・・

 

世界でいちばん重たいリンゴ/リグナムバイタ②

2013/09/29

20130929 1.bmpこのリグナムバイタ木質油分を大量に含み、自己潤滑性があるので触ると鉄に蝋を塗ったような不思議な触感があります。水中で100℃以上の温度で熱すると、中から樹脂が出てくるという特殊な性質があり、その性質を生かして船舶用のプロペラシャフトの入れ子やベアリング、滑車などの海洋で用いる道具に重用されてきました。また金属製のベアリング潤滑油の注入の難しい歯車やガイド、ローラーなどにも欠かせない材料として利用されてきました。

 

20130929 2.bmpしかし最近では材の希少性による供給不安定、非常に高価な事などから敬遠されるようになり代替材に取って変わられてしまっているようです。ワシントン条約付属書に、非常に注意して取り扱うべき樹種に指定されているぐらいですから、もはや身近に使える木ではなくなってしまいました。資源としても貴重であり、大木にならないうえに非常に重硬で、なおかつ干割れが発生しやすいなどの特徴から一般の木材市場で流通する事はほとんどありません。

 

20130929 3.bmp特殊なルートに限られる上に、普通のまともな材木屋は手を出すような代物ではありません。弊社では、「森のかけら・プレミアム36」の中で異彩を放っています。この普通では手に入らない木が、普通ではない人たちの手によって私の手元にやって来たのです。持つべきものはフェチな材木仲間!購入させていただいたのは、珍しいリグナムバイタの原木の一部(原木を落札して、製材して仲間で分け合うというシステムで、珍しい木や特殊材がリーズナブルに購入できるようになったのは本当にありがたい事です)。

 

20130929 4.bmpそのうちの一部を使って、今回「世界で一番重たい森のりんご」を製作したのです。この木に限ったことではありませんが、今回もしっかりと骨までしゃぶらせていただきます!気乾比重が1.20~1.35あり、「森のりんご」サイズでも水に沈んでいきます。水に沈む木を「シンカー」と呼びますが、まさにリグナムバイタはシンカーの中のシンカー!ちなみに浮かぶ木の事は「フローター」と呼びますが、こちらはほとんどの木に該当するので、当たり前すぎて一般的には使われません。これだけ重たいので硬いのは硬いのですが、鋸で切断も出来ないというわけではありません。むしろ材中にたっぷりと含まれる潤滑油の働きで縦切りはそれほど困難ではありません。それよりも厄介なのは、マツなどと同じくサンダーで磨くと一種で目詰まりを起こしてしまう事です。

 

 

20130929 5.bmp加工屋さん泣かせのタフなボディと、天然の色調とは思えない緑色を帯びた暗褐色の御姿、そして神秘の香り・・・頑張って沢山作ったつもりでも素材に限りがありますので、今回販売できるのは10個のみ。専用ケースにミニ解説がついた「リグナムバイタのりんご」は、プレミア・ステージで、1個¥5,000(消費税・送料別)で販売させていただきます。まだ実物を触った事が無いとい方、話のタネに、是非「世界でいちばん重たいりんご」に触れてみて下さい。

お申し込みはこちら⇒注文ボタン

 

世界でいちばん重たいリンゴ/リグナムバイタ①

2013/09/28

★今日のかけら プレミアム06 リグナムバイタ】 Lignam-vitae ハマビシ科・広葉樹・中南米産

20130928 1.bmp

20130928 2.bmp加工中、加工中と言い続けていたので、本当は作ってなんかいないんじゃないかと疑われるほどお待たせした例のものがようやく完成しました。そう、「リグナムバイタの世界で一番重たいりんご」です。実物を見たり触った事はなくとも、「世界で一番重たい木」という肩書きだけで、この変わった木の名前や存在を知っている人は沢山いると思います。その木を使ったりんごを作っていますといったのは随分前の事・・・それようやくが完成したわけですが、まずはこの木の特徴を。

 

20130928 3.bmpハマビシ科の広葉樹で、中央アメリカの沿岸部(天然分布域としてはフロリダ半島南部、バハマ諸島からジャマイカ、キューバ、西インド諸島、メキシコ、コロンビア、ベネズエラ、ニカラグアなど)に成育しています。鉄のように重たいこの木から薬用の樹脂が取れることは既に16世紀頃から知られており、ラテン語で「Lignam-vitea(リグナムバイタ・生命の木)と呼ばれていました。ちなみに「生命の木」の呼称を持つ木は意外に多くて、日本三大美林のひとつでもある「青森ひば」も「ヒバ・アーバーバイター(Hiba Arbot-vitae)と呼ばれています。

20130928 4.bmp青森ひばは爽やかな独特の芳香を持っていますが、リグナムバイタも薬のような匂いがあり、洋の東西を問わず刺激の強いものに「生命力」を偉大さを感じたのでしょう。このリグナムバイタの樹脂には特殊な薬効が取れることから、日本でも明治時代にはその存在が知られていて、ユソウボク(癒蒼木)の名前で紹介されています。このリグナムバイタには、非常に特徴のよく似た3つの近縁の樹種があり、商業流通上はこの3種をリグナムバイタの総称で呼んでいます。

 

20130928 5.bmpスペインで「グアヤック(guayacan)」、キューバでは「パロサント(palo santo)」、アメリカでは「アイアンウッド(Iron wood)」と呼ばれる種(Guaiacum officinale L..)と、グアヤック・ブランコ(guayacan blanco)などと呼ばれる種(G.sanctum L..)と、G.guatemalense Planchの3種です。この中でもグアヤックと呼ばれるものが最良とされているようですが、その資源はかなり以前に枯渇してしまい、現在流通しているのは主に後者の2種。いずれの種も特徴は酷使していて、非常に年輪が緻密で成長が遅く、樹高はせいぜい9m程度で、胸高直径も250~400mm前後。明日に続く・・・

 

森のかけら

2013/07/11

森のかけら

森のかけら 端材を捨てるのがモッタイナイというケチ根性と世界中の木を見てみたいという材木屋の好奇心から生まれた「森のかけら」は、日本と世界の木240種があります。わずか35㎜の体の中には森の時間が刻み込まれているのです。
自然素材の為、木の木目、色合いなど同じものは一つもありません。工業製品にはない自然の風合いをお楽しみください。

※本品は、天然の植物性油(オスモカラー)を塗装しております。
森のかけら 日本の100
世界の100
日本と世界の100
日本の36
世界の36
日本の36、100は日本の樹木の中から、世界の36、100は世界の樹木の中から、日本と世界の100は、日本と世界の樹木の中からそれぞれの数どれでも好きなものをお選びいただけます!
森のかけら36見本 森のかけら100見本

森のかけらプレミアム

通常のリストには含まれない貴重な30種を含むプレミアムな逸品、数量限定のコレクターズアイテム。外箱はシリアルナンバー入りの 特注品2種類から選べます。 森のかけらプレミアム

 

02.jpg

image01.jpg image02.jpg
image03.jpg

商品のものがたりオンラインショップ

黄縞国王〔ボコーテ〕降臨②

2013/06/26

20130626 1大体の木は、持ってみればどれぐらい乾燥が進んでいるか予想がつきますが、比重の大きい木、例えばこのボコーテ(気乾比重1.10~1.20)などは、材木屋量りではその判断がつきません。5年前に購入したボコーテは、今もってみても軽くなった雰囲気すら感じません。大系木にはなりにくい木で、せいぜい直径200~300㎜程度の大きさですが、それでも相当な重さ!乾燥中に大きな亀裂や割れも発生するため、大きな木取りには適していません。

 

20130626 2このボコーテを木材図鑑などで調べると、その特徴として「乾燥が困難なために亀裂や割れなどにともなう廃材率が高い」という言葉があります。廃材率?!、木がモッタイナイ派宗祖として素通りできない言葉。廃棄しなければならない、というのは今までの固定概念ものさしでの判断。ならばその廃材率とやらを下げてやることこそが我が使命、と勝手な思い込みでボコーテに熱い思いを抱くようになったのが10数年前。しかし、現実はそう甘いものではありません。

 

20130626 3ボコーテを仕入れしようと思っても通常のルートで簡単に入手出来る木ではありません。運良くルートとつながったものの、今度はその高額さから、用途も定まっていない在庫としては二の足を踏んでいました。それが、【森のかけら】でいろいろな木を揃えるという大義を得た事によって(!)、趣味と実益を兼ねた収集が本格的にスタートし、禁断であった『ボコーテ』も堂々と仕入れる事が出来るようになったのです。それが今から5年ほど前の話。実際に購入して身近でみて見ると、噂にたがわぬ美しさ。気品漂うボコーテ王こと黄縞国王の罠にすっかり虜となってしまいました。材木屋として今までこの材を倉庫に揃えずして何とお粗末であったことか!完全に王の軍門に下ってしまったのです。とはいえ、当時『ボコーテの出口』として考えていたのは【森のかけら・プレミアム36】だけでしたので、完全に王様の扱いを持て余す事になってしまいました。

 

20130626 4それから数年かけて商品化した『森のりんご』によって、ようやくボコーテにも陽が当たると思ったら、わずか数ミリの差ながら、【森のかけら】用に製材してしまっていたので厚みが足りず!そうなってくると妙にボコーテが欲しくなるもの。そこに降って湧いたように聞こえてきたのが、大阪からの「ボコーテあります」のお告げ。丁度市場に出ていたボコーテを落としてもらい購入。今回、少し長めの原木を購入して、幅広い用途に対応できるよう厚めに挽いてもらいました。

 

20130626 5早速『森のりんご』に加工してみたのが、この『ボコーテのりんご』なのです。曲面のりんごでは、平面で感じる以上に、ボコーテの複雑で妙味溢れる縞柄が引き立ちます。割合大きめの原木を購入したので、『森のりんご』はたっぷり取れるのですが、『かけら』と『りんご』だけで楽しんでしまってはモッタイナイ。製材後2ヶ月程度でまったく乾燥はしていない生材ですが、購入して自分の倉庫で4、5年乾かす気長で余裕のある方いらしたら、黄縞国王をお招き下さいませ。

 

★『ボコーテのりんご』は、PREMIERE(プレミア)グレードで、1個¥5,000(¥5,250/税込)で販売中(送料別途 詳しくはこちらをご覧下さい

オンラインショップ お問い合わせ 資料請求
Scroll Up