がんばるモザイクボードづくり事業

20120206 1先週の「週間 愛媛経済レポート」において、弊社が現在取り組んでいる『モザイクボード』の記事が掲載されました。これは、本年度の愛媛県の「平成23年度がんばるものづくり企業助成事業」の採択を受けて行っているもので、従来から検討課題であった【森のかけら】に利用できないサイズの端材の新しい出口として考えています。以前に自社単独でいくつかの試作品を作ってみました。それについては、このブログにおいても紹介させていただきましたが、まだまだ研究課題もありました。

 

20120206 2しかしこういうものは、実際に使ってみてもらわないと現実的な課題というモノは見えてこないので、もっと多くの試作品を作り、データを集積する必要があります。そこで昨年この事業に応募したところ、採択に至りました。拙ブログでは『カラーミックスボード』という名前で紹介していましたが、これを機に名称も変更。その特徴を体で現した『モザイクボード』と命名させていただきました。名前が決まるといろいろ発想が湧いてくるタイプなので、これで明確なイメージも拡がります。

 

20120206 3従来こういう積層のカウンター材は、メルクシパインタモなど単一樹種での積層が主流で、収縮や強度、色合いの異なる樹種を使って積層加工するなどというのは「業界におけるタブー」です。下手するとクレームを作るようなものだと!と同業者からは厳しいご指摘もいただきました。そんな奇をてらったものが売れるはずがないとも。そんな声は【森のかけら】を作り始める時に嫌というほど聞かされましたので慣れています。ええ、私もその通りだと思います。だからこそ弊社のような零細企業が取り組む意義があるというもの。

 

20120206 4消費者ニーズが多様化する中、こういう精度や価格重視のモノにも「個性やデザイン性があっていいのではないか」というのがこの商品コンセプトです。それを具現化するが、弊社に眠る選ばれし端材たち。乾燥具合が完璧で豊富な在庫がたっぷりあるという事が前提条件でもありますが、それ以上に「無謀にトライする心」が重要だと思うのです。【森のかけら】も含めて弊社が作る商品に共通しているのは、『誰でも作れるけれど誰も作らないという事』。そんなモノ作っても儲からないから作らないだけだ・・・

 

20120206 5何とでも仰ってくださって結構です。世の中、実際にやってみる人とやらないで諦めたり批判する人との2通り。そしてこの事業こそは、そういうチャレンジャーの背中を押していただけるありがたい錦の御旗。私の場合それに取り組めるのも、100数種類に及ぶ経済活動の生き証人たちの夢のかけらたちのお陰です。見果てぬ夢と端材ありきの発想が、私のものづくりが原点となっています。この商品開発については、さまざまな試作や強度試験等など長期スパンで考えていますので、改良されたモノが世に出るようになるのはやや先に事になると思いますが追って経過報告させていただきます。

20120206 6 たまたま偶然ですがこの『モザイクボード』の記事が掲載された紙面に、㈱ピーエスシーさんの「通気業績予想を上方修正」という記事が!社長の相原輝夫さんは同じ丙午生まれで、かつては設計士として家づくりにも辣腕を振るわれていました。先月、銀行の新年会で久し振りに顔を合わせていただきましたが、卓越した企業経営でいまや医療システム業界のリーディング・カンパニーの長。八面六臂の素晴らしい活躍は、同じ丙午生まれとして誇りに感じます。そんな立派な企業と並んで同じ紙面に掲載させていただいて大変恐縮です。その中身は比べようもない雲泥の差がありますが、卑屈になることなく、己は己の器の中で精一杯ベストを尽くすのみ!きっといつかこの『モザイクボード』が評判になって、次はチャレンジの後の「成果」でも名前が出していただけるように頑張りたいと思います。

メッセンジャーウッドありき

20120205 1以前紹介させていただいていた『スーパーブビンガ』の続篇です。加工については、善家雅智君(ZEN FURNITURE)に全幅の信頼を置いていますので当初から何の心配も無かったのですが、問題は無事に納品出来るかどうかという事。かつてこれよりも更に大きな1枚板のカウンターの店舗の2階に納品する時、7,8人がかりでもどうにもこうにも出来なくなり、急遽レッカーを呼んで吊ってもらった苦い経験がありました。今回もその重さから納品時の心配していましたがそれも杞憂に終わりました。

 

20120205 2大工さんにもお手伝いいただき3人がかりで無事納品。無垢の好きな大工さんで、仕上げ具合にお褒めの言葉もいただきました。こういうモノを現場に搬入すると(取り付けなどの施工が絡んでくる場合)、「とんでもないモノを持って来やがって!」と大工さんに疎ましく思われる事が昔はよくありました。それは、施主さんと設計士やデザイナー、材木屋がどういう気持ちで「選び決めた」のかというプロセスを伝えていなかった、伝わっていなかった事が大きな原因だったと思います。

 

20120205 3ただそこに(現場)に扱いの面倒な大きな材がやって来たという「材ありき」の発想で、それを使う事の意義や意味、思いにまで考えが及んでいなかった事に尽きます。『物語るものづくり』の思想はこういうところにも現れます。大太鼓にも使われる深紅のブビンガに込められた思いを、いえづくりに関わる皆が共有して時、もうそれはただのマテリアルを越えた存在。施主さんの思いを現場に伝える物言わぬメッセンジャーとなるります。そんなかのひと(木)がダイニングの中央にデンと転座ましました、大迫力!

 

20120205 4森のかけら】や小さなクラフト細工を作る時だけに『物語の法則』が生きているわけではありません。終の棲家として家族の暮らしを育む家の中の家具にこそ、誰かに喜んでいただける物語作りが求められるものだと思います。床材に採用いただいたブラック・ウォールナットは、あえて大節や白太、激しい色ムラを取り入れたラスティック調のモノでナチュラル感満載。無垢の質感を愛される施主さんご夫婦と共にじっくり話し込んで樹種を絞り込ませていただきました。勿論仕上げは植物性オイル塗装です。

 

20120205 5最近では無垢のフローリングを採用されるハウスメーカーも多くなりましたが、フローリングだけ無垢材を使い、その周辺の部材は無垢以外の素材、つまり新建材を使う事が多い中、やはりフローリングの延長である上がり框(かまち)付け框までは無垢で揃えていただきたいといのが私の本心です。しかしそこは予算との兼ね合いもありますが、全体のバランス感あってこその無垢です。こんな風に提案を受け入れて無垢を使っていただけると、提案型材木店(自称!)冥利に尽きるというおのです。