森のかけら | 大五木材

天高く、イベントも盛りの秋

2010/10/17

20101017 天高く、イベントも盛りの秋①天高く、イベントも盛りの秋」という事で、この季節イベントが目白押しです。まあ、イベントにもいろいろありまして、本日は潮見地区の運動会でした。昨年は地区の体育委員をしていましたので、のんびり参加という訳にはいかず、バタバタしておりましたが、今年はのんびり観戦。ちょこちょこ競技に出場させていただきましたが、己の体力の衰えを確認するイベントになりつつあります。小学校の運動会はだいぶ前に終わりましたが、月末にはさらに町内の運動会が開催されます。こちらでは徒競走系はないので少々気楽ですが・・・。

20101017 天高く、イベントも盛りの秋②さて、本業の方でも来週の24日(土)、25日(日)の両日にダブル・イベントがあります。まずは、久万銘木㈱さんの恒例の『第77回銘木まつり』!毎回出展させていただいておりますが、昨年からイベントそのものが少々方向転換しました。前回の様子はブログでアップしましたが、従来は家作りを進行中の工務店・施主対象の展示会でしたが、一般の方向けに木の魅力を知ってもらおうというオープンな企画も併設され、一気にイベントの雰囲気も変わってきました。伝統を継承しつつも新たな木材ファンを増やしていく事をしなければ、業界が衰退の一途です。小さな子供達にも木に触れてもらって、五感でその魅力を感じてもらいたい物です。当然、従来の銘木の展示販売がメインですので、そちらの方も多数揃いますの、一堂に木を見るには格好の機会です。家作り進行中、予定中の方は是非お越し下さい。

 

20101017 天高く、イベントも盛りの秋③弊社は、一般の方向けコーナーで【森のかけら】やクラフト製品、『木の玉プール』、木のおもちゃなどを展示販売しています(1号倉庫)。勿論、本業である無垢のフローリングや耳付板家具なども展示していますがスペースの都合もあり、取り扱い品の全てを均等に展示する事は出来ません。一般の方向けのコーナーになりますので、専門的な事よりも【森の入口】を拡げる事の方が大切です。この1週間で詳細を詰めていかねばなりません。四角い頭をどれだけ丸くできるかがポイントです。初めて参加される方は、「久万」の名前が付いているから久万高原町だと勘違いしないで下さい。名前は久万銘木でも場所は松山市の古三津(三津浜港近く)です。

 

20101017 天高く、イベントも盛りの秋④もうひとつのイベントは、同日に開催される『マイホームフェスタ』です。こちらも毎年出展させていただいているのですが、この数年久万銘木さんの銘木まつと開始時期が重なり、両会場をバイクで移動しながら参加させていただいておりました。『マイホームフェスタ』の方は、大五木材というよりは愛媛木青協としての立場で参加させて頂いておりました。『木とふれあうコーナー』を任せていただき、端材などで自由に木工してもらったり、木製玩具で楽しんでもらいます。今までは、両方かけもちでしておりましたが、来年卒業を来年に控えた身としましは、そろそろ世代交代をしておかねばという事で、今年から若手メンバーに引継ぎ。

 

20101017 天高く、イベントも盛りの秋⑤暖炉に囲まれたサンシン暖炉ショールームで、大成君と池川君(フォレスト・クルー)と林さん(松山木材製品市場)、技能士会の池内一豊君(ウッドワークかずとよ)とSPCさんで内容の打ち合わせ。長くやっていると固定観念が出来てしまってなかなか抜け出せません。そういう意味でも若い方の意見は重要です。イベントって細かな細かな準備や段取りの積み重ねですから、軽快なフットワークが求められますが、そいういう意味でもスリムな若手への交代時期です。さあ、今回は最後のご奉公のつもりで頑張ります!

伝導するブラック・ウォールナット・・・Ⅰ*

2010/09/22

最近いろいろ行事がありましてアップするのが随分遅くなってしまったのですが、久し振りにゾクゾクっとする色気のあるテーブルに出会いました。その家具には、弊社のブラック・ウォールナットを使用していただきました。ブラック・ウオールナットの家具はこれまでにも結構作っていますが、これには唸りました。ブラック・ウォールナットと一口に言っても、産地によってその表情はさまざまです。色合いの濃い薄いはもとより、こげ茶系の黒味が強い物から、赤身の強い赤茶系のもの、木目の素直なものから節まみれのもの等々。あっさりと仕上げるには、少し淡い色合いで素直な木目のものがいいのですが、私は個人的には節があって周囲に縮み杢が現れ、黒白込みこみのダイナミックな表情のものが好きです。その激しい醍醐味こそがブラック・ウォールナットの魅力だと思うのです。

長さが3600㎜サイズのロングテーブルです。幅は当然剥ぎ合わせてありますが、長手方向は1枚。6枚で剥ぎ合わせていますが、なかなかこのサイズのテーブルにはお目にかかれません。このサイズのテーブルが入る住宅もそうはありませんから。このテーブルを製作したのは、お馴染みウッドワークかずとよの池内一豊君。製作するに際してまずは1/10模型を作って全体のイメージを確認。住宅の場合、模型を作るのはよくあるのですが、家具製作の際にここまで作るのは珍しいのではないでしょうか。

毎回毎回作っていたのでは大変なのですが、ここまで複雑な構造だと実際に模型でみないとイメージが掴みにくいということもあるのでしょう。この模型、贅沢にも本物のブラック・ウォールナットで出来ています。とにかくデザインが秀逸なので、模型でも格好良さが際立ちます。こういうシャープなデザインにはブラック・ウォールナットがはまります。分かってはいましたが改めてこういう物を見ると、その存在感の強さを思い知らされます。国産の木どころか、世界の木でもこの木に対抗出来る木はなかなか見当たりません。

その模型に基づいて出来上がったロングテーブルの脚部分がこちらです。荷重やデザインの問題からディティールは少し変わっていますが、模型のコンセプトがしっかり生かされています。その巨大な天板にばかり目が奪われますが、このロングテーブルの最大の見所は実は脚元にあります。その手の込んだ造りから、池内君の並々ならぬ熱意が伝わってきます。脚元の部材も含めて、全て総ブラック・ウォールナット造りです。さて、このローテーブルの正体は?・・・もったいつけて明日へと続きます。

あ・うんのウォールナット*

2010/08/04

7月の末がご自身のお誕生日なので、それに間に合えば・・・というご要望の家具のご注文をいただいていたのですが、何とか無事に誕生日に間に合って納品させていただく事が出来ました。それがこのブラック・ウォールナットのダイニング・テーブルです。プロの仕事において、「納期を守る」というのは必要最低限のルールなのですが、多くの人間の手が関わり作られていく家造りや家具の場合、いろいろな大人の事情でどうしても納期が守れない事もあります。お約束したことをきちんと守りたいと思うのは、誰しも皆同じことでしょう。どうしても間に合わない旨のお断りを連絡するのは、とても心苦しく申し訳ないのですが、今回のように予定日よりも早く納品できるとこちらも嬉しく、先方にも喜んでいただき、プラスの連鎖が広がります。製作はいつものウッドワークかずとよ池内一豊君、毎回いい仕事をしてくれます!

このブラック・ウォールナット、100数種の木をを取り扱う弊社においても、圧倒的人気を誇る木です。一見すると物凄く癖の強い木に見えるかもしれませんが、実際に見るとさにあらず。『個性』という言葉が決して逃げ口上にならないほど、1枚1枚の杢のキャラクターが立っています。取り扱い樹種が多いので、興味があるのかもしれませんが、一般の方からよく、一番好きな木は何ですか?という質問を受けます。正直、どの木もそれぞれに好きですし、日々気分によって好みも変わってはきますので絶対的王者は決めにくいのですが、和材で『山桜』、洋材で『ブラック・ウォールナット』というのは揺るがず上位にいます。この組み合わせに共感する方って、きっとたくさんいると思いますが、どちらの木もそれぞれに『木に力と存在感』があり、単独でそれだけで眩しい輝きを放ちます。

独立性が強いというのも好きな要因かもしれません。また、いずれの木にも『色気』が漂います。甘え容赦のない、『大人の木』という部分も惹かれるところです。今回は天板の角もエッジを立てて、脚もテーパーに絞り込んで、貫もなしの4本脚ですっきりとシャープに仕上げました。杢の激しい材を選んで幅剥してもらったので、天板にも力が溢れ、受け止めるシャープな脚とのコントラストもうまく取れたのではないかと思います。エッジがついてなおこのボリューム感があるのは、38㎜の素材を削りだしているためです。

天板の剥ぎ合わせ方でかなりイメージも変わってきますが、そこは『あ・うんの呼吸』で、毎回こちらの狙い通り、いやそれ以上のベストの組み合わせに仕上げてくれます。長く付き合っているとお互いの癖や好みも分かってくるので、細かな図面がなくとも簡単な打ち合わせでほとんどブレがなくなってきました。今回も簡単な私が書いた漫画のようなデザインだけです(それしか書けないのですが・・・)。モノクロで撮っても絵になるほど存在感があります。

弊社は家具の専門店というわけではありませんので、デザインも使用も我流で、いろいろな木を使って家具を作れるのですが、自然に特定の木に人気が偏ってきます。このブラック・ウォールナットなどはその最たる物で、ご自分でこの材を指定して来られる方もたくさんいらっしゃいます。雑誌などでもかなり取り上げられていますが、無垢ではなく薄い突き板を張った物も多く、本物の無垢に触れられとその魅力から抜け出せなくなる方も多いようです。時間が経つほどに落ち着き、色合いが深まって光沢と艶が生まれる無垢の「生命力」は、実際に触れてみて、使ってみてこそ分かるものです。事務所の2階にも、ブラック・ウォールナットで作った家具が幾つかありますが、チョコレート色のグラデーションにもますます磨きがかかったように見えるのは贔屓目でしょうか?既に私がブラック・ウォールナットの虜になってしまっているから?

バタフライはフリー・・・②*

2010/06/20

昨日のバタフライ・テーブルの話の続きです。今までにもこういうタイプの跳ね上げ式のテーブルの依頼もあるにはあったのですが、この大柄な木製のヒンジ(蝶番)がミソです。製作していただいたのは、ウッドワークかずとよさん。お客さんからの要望は面白めの(!)バタフライ・テーブルという事でしたが、大まかなサイズとデザインだけ伝えると大胆な発展解釈で表現していただきました。木製のヒンジの中には真鍮の軸が入っています。部材は脚材も含めて全てブラック・ウォールナットの無垢材です。

羽を畳むとヒンジの部分はこういう形になります。池内君から面白いことをしてみました、と聞いてはいましたが想像以上に出来栄えにお客さんも大満足していただきました!通常はお二人暮らしなので、羽を畳んで使われるのですが、友人の方とかが来られた時にこの羽が活躍するようです。跳ね上げ式の構造についてはお客さん自身もいろいろ考えがあったのですが、やはりプロの仕事は違うとお褒めの言葉までいただきました。

リコーのGRデジカメに代えてから、ほぼ目視通りの色合いが再現できるようになって、とても満足しています。このバタフライ・テーブルも画像を見ていただいても分かる通り、かなり濃いこげ茶~黒味系のブラック・ウォールナットを使っています。しかし決して全ての材がこれほど濃淡が揃っているわけではありません。ちょうどブラック・ウォールナットの梱包が入荷しました。右の画像のように長さと厚みを揃えた挽き材が入荷して、そこから必要な材サイズの部材を木取りします。中には白太や淡い色合いの物もあります。

その梱包をバラして、1枚1枚幅や木目、色合い、コンディションを確認しながら、サイズ毎に倉庫の中に立てかけていきます。100数十枚ありますから結構な重労働ですが、ここで自分の目で全体を確認しておかないと感覚がつかめなくなるので、大切な作業です。今倉庫にどういう状態の物がどれくらいあるかが分からないと見積もりは出来ません。中には大きな節や割れがある物がありますが、それは別に分けて短くカットしても使える家具やクラフト材などに利用します。

弊社の場合は、家具や内装材の原材料に使うか、何枚かごとのバラ売りが主流なので、これぐらいの梱包が1つ入荷すると全て掃けるのに数ヶ月かかります。以前は木工所さんも梱包買いしてもらう所もありましたが、今はなるべく在庫負担を減らす傾向が強く、必要な量を必要な時期にという方ばかりになりました。梱包を右左で売れば足は速いのでしょうが、私はなるべく入荷した物は手を掛けて売りたい(自分でたっぷりと楽しんで売りたい?)性分なので、バラ売りが合っています。材を骨までしゃぶって使い切るには、まずその素材をよく知ることが重要です。そしていかに多くの調理法と販売チャンネルを持っているかだと思います。家具や内装材から始まって、端材を【森のかけら】関連商品に利用して、最終的には『ちょこっと端材』コーナーにお目見えします。さあ、今回の梱包はどれぐらいで売り切れるのでしょうか。

端から箸づくり・・・箸の素

2010/04/26

20100426 端から箸づくり①銘木まつり』の『木とふれあう広場』の中で、『箸づくり』コーナーがありました。久万銘木さんと、弊社がいつも家具でお世話になっているウッドワークかずとよの池内一豊君との共同企画です。最近、割り箸を使うのと森林破壊を増長させるとしてマイ箸ブームが起こり、盛んにマイ箸作りが行われていますが、幾つかの誤解が重なり、それが常識となりつつあります。この箸作りは、その誤解を自覚させるいい契機になる企画でした。ラップで巻いてあるのは、味の素ならぬ『箸の素』です。樹種ごとに分けてあります。

20100426 端から箸づくり②作ったのは池内君ですが、忙しい家具製作の合間を縫っての作業です!ラップのままでは分かりにくいのですが、ラップを外すと樹種の違いがよく分かります。今回ご用意されたのは、『樺(カバ』と『欅(ケヤキ』と『ホワイトアッシュ』の3樹種で、長めの大人用と少し短い子供用の2サイズがあります。樺はあくまで樺なのですが、このあたりで浸透しているカバザクラの名称で表示させていただきました。「えっ、ケヤキなんて銘木じゃないんですか?」と仰る方もいましたが、そこが今回の箸作りの肝です!

 

20100426 端から箸づくり③これらの材料は、久万銘木さんで家具材などを製作される時に発生する端材を利用して作られています。大きな物ではなく、他に活用できにくい端材を池内君が丁寧に割って作られました。ですから、決して銘木を使って勿体無いのではなく、端材を焼却処分するのは勿体無いから利用しているのです。そもそも日本における箸作りは、原木から柱などを製材した残りの側材をうまく活用して作られてきました。端材を無駄なく骨まで喋って使う手法は、我々のご先祖様から連綿と受け継がれてきた日本人の得意技です。

20100426 端から箸づくり⑤その日本人の知恵を無視して、コスト優先で大きな木から箸のみを製材するという中国の『剥(む)き箸』こそが、問題視される割り箸なのです。大木を剥いて作り上げる割り箸は、もはや端材の有効利用という日本の箸づくりとは別物です。剥き箸は大量の木材を消費し、1度の利用で破棄する事から森林破壊の温床でもあります。当然我々は中国の、箸のための原木消費には批判的です。一般の方も、この〔中国における剥き箸製造〕と〔日本の端材利用の箸製造〕が混乱して伝わり、箸=森林破壊という誤った認識につながったのだと思います。

20100426 端から箸づくり④今回は、池内君が荒加工してもらっているので、一般の方はサンドペーパーで磨いて、植物性オイルを塗るだけの工程ですが、それでもそれぞれの人が自分なりに着地点を目指して一生懸命磨かれます。2種類のサンドペーパーがあり、荒目から細目にして、どこまで丸くするかですが、箸1本といえどもそれぞれに個性が出てきます。ドラゴン・ファミリーの皆さんも参加されて、皆マイ箸製作に没頭されていました。子供達も自分の箸が完成。ギュッと握り締めておりました。子供だからこそ、木の温もりがよく分かるのでしょう!

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