森のかけら | 大五木材

山笑う、密成さんは「お坊さん」④

2014/11/09

Exif_JPEG_PICTUREさてお寺には伝統的なアートだけでなく、現代アートも溢れています。栄福寺の境内には、四国霊場 開創1200年記念 『あしあとプロジェクト』のポスターが掲示してありましたが、なんとそのデザインをしたのがわれらが『おとなの部活動』メンバーの井上真季さん(イノウエデザイン事務所)!もともとこの井上さんと栄福寺さんとのお仕事のつながりが今回の課外授業のきっかけとなったのです。このポスター、遠目にはラフな筆書きで四国の形が描かれているのだと思っていたら大間違いでした?!

 

20141109 2井上さんに解説してもらって分かったのですが、この四国の形はなんと『ひとの足跡』!超巨大な白紙に黒い塗料をつけて沢山の方が歩いて足跡を付けられていたのです。これは、四国八十八か所の札所寺院が四国をぐるっと取り囲むように点在する事から、ひとの足で歩いて繫いでいこうということで、最初は小さな足跡が何人も何人ものひとが歩き重ねられるうちにだんだん大きくなっていき、四国の形が縁どられていたのです。その様子は、公式ホームページで見る事が出来るのですが、これが何とも感動的なのであります!

 

GE DIGITAL CAMERA現代アートといえば、収穫の多かった栄福寺課外授業の中でひとつだけ心残りがあります。帰りの車の中で同乗の藤田さんと膝を打って悔しがったのが、密成さんが購入されたといわれる三沢厚彦さんのアニマルアートのクマ。密成さんのお話の中で、この事実が飛び出し、後で必ず見せていただこうと決めていたのですが、後の話の密度が濃くてすっかりその事を忘れてしまっていたのです。密成さんがご購入を決められたのは、福山の美術館で三沢さんの個展を見た時という事だったのですが、実は私もそこに行っていたのです。

 

20141109 4数年前に私もそこで三沢ワールドの虜になったのですが、まさかそこで既に密成さんとのつながりの萌芽があったとは・・・!三沢厚彦さんは、今更ご紹介するまでもなく現代彫刻アートでもっとも話題のアーティストで、中でもアニマルアートはユーモアのある独特の動物の造形が魅力的で、眺めているといつの間にか頬が緩んでしまう不思議な世界。とっても惹かれたものの、さすがに購入する勇気はなく、写真集やグッズの購入に留めたのですが、あの時一線を乗り越えたひとがこんな身近なところにいただなんて!

 

20141109 5普段はひと目のつかないところに収納されているらしいのですが、次回は必ず御開帳していただこうと、これまた大の三沢ファンである藤田さんと固く誓い合ったのです。『お寺VSおとな』、いや対決ではなく『お寺でおとなの部活動』の構想が浮上した時、正直接点が見つかるものだろうかと心配があったものの、その不安は見事に杞憂に終わりました。お寺という『ハレの場所』の独特の雰囲気に飲まれておすましを決めていたおとなメンバーですが、結界を抜けた夜の懇親会では化けの皮が剥がれ暴走したのは言うまでもない事。

 

 

笑うアニマルアート

2012/06/07

20120607 1先週、久しぶりに街に出る事があって大街道を歩いていると、三越のアトリウムコートの催しの鮮やかなオレンジ色が目に飛び込んできました。そうだ、6月1日から4日まで『えひめのたいせつ展~セキユリオが訪ね歩くえひめ~』が開催されているという情報は知っていたのですが、期間中に街まで出る事はないだろと思って油断してました。少し時間に余裕もあったので立ち寄らせていただいたのですが、最終日の閉店間際。こういうのを『ご縁がある』と言うのでしょう。中にもご縁のある方ばかり・・・。

 

20120607 2セキユリヲさんがデザインされたという「ミカンの木」の元にたくさんの顔見知りの姿がありました。大西陶芸白石久美姐御、五十崎の手漉き和紙「りくうさん、在学中はインターンシップで一緒だった友野大地君等々・・・中でも私が釘付けになったのが、大街道の老舗『ヒロヤ画廊』の梅林良一君㊧のブース。彼は、昭和41年(私の生まれ年)に松山初の画廊として開業した老舗に、「愛媛のものづくり発信基地」としてクリエイティブセレクトショップやクリエイティブカフェをオープンして活躍されています。

20120607 3その『ヒロヤ』ブースに展示されていたのが、お名前は存じ上げなかったのですが、以前にどこかで何度か観ていてとても気になっていた画が飾ってありました。動物をモチーフにした作品が多かったのですが、どれもこれも私好み。どこで観たのかずっと考えていたら、あるハウスメーカーの竣工間近の新築現場にお邪魔した時に、リビングの壁面に大きな作品が飾ってあったのを思い出しました。まるで子どものいたずら書きのような、それでいて味のある柔らかいタッチがなんとも不思議な印象を与えてくれます。

 

20120607 4作者の方のお名前は、「佐々木勇太」さん。パステルで描かれた動物たち、どれもこれも楽しそう。三沢厚彦さんがドローイングで描かれた動物の作品(アニマルズ)を観た時にも理屈抜きで虜になってしまいましたが、ああ、自分はこういう画のタッチが好きなんだなあと確信しました。販売もしてたのですが、まさかこういう出会いがあるとは思わず財布に余裕がなく断念・・・。こういう動物キャラで『森のしるし』とか作れたらきっと面白いだろうなあと妄想体験。アートは楽しい、楽しくなければアートじゃない!

黄金美術を観る

2010/11/08

20101106 黄金美術を観る①本日は、日本木材青壮年団体連合会中四国地区協議会・役員会が、広島県福山市で開催され出席させていただきました。今回、愛媛からは私一人の出席という事で、自らハンドルを握って久し振りのしまなみ街道を渡りました。午前中は福山市内で仕事をこなし、午後からの会議まで少し時間がありましたので、福山美術館に行って来ました。数年前にも福山で木青協の会議があった際にも、愛媛木青協の仲間数人と一緒にこちらの美術館を訪れました。その時以来ですが、今回の企画展は、『黄金美術―それは、聖なるもののあらわれ』。

20101106 黄金美術を観る②黄金美術』、何やら惹き付けられるテーマです。古来より大変貴重であった黄金は、冨や権威の象徴であり、宗教としての聖性も併せ持ち、何やら 厳格な雰囲気が漂います。館内は当然撮影禁止ですから、内部の画像はありませんが、これでもかと揃えられた黄金の作品群からは、ただため息が漏れるばかり。美術館で展示されるような作品ですから、決して拝金主義の匂いも、これみよがし的な無意味な金の演出も見当たりませんが、宗教的なメッセージ的な色合いが濃く感じられました。

20101106 黄金美術を観る③個人的には、美術館のテーマの看板にも使われていた横山大観の『群青富士』のキッチュな感じの富士が素敵でした。左端には、雲海の間から山頂が垣間見えるのですが、その岩肌と木々の描き方も面白い~!天下の横山大観先生に面白いとは失礼な話しながら、それぞれの尺度で芸術を楽しんでいいのではないでしょうか。いかなる立場で眺めようとも、真に優れたものは何らかの形で心に届くものだと思います。背景の黄金も鮮やか!しかし、まるで企業や商品のロゴマークのようなシンプルさが、さすがは美の巨人、分かりやすさも芸術です。

20101106 黄金美術を観る④前回訪れた際は『三沢厚彦展』でした。三沢厚彦さんは多方面で活躍される人気の彫刻家で、最近では文芸誌「文学界」の表紙紙を飾られています。三沢さんのお名とその型破りの創作ぶりは、子供が持っていた絵本「ぞうをつくる」(福音館書店)で知っていたのですが、実物の作品を観るのはその時が初めてでした。まあ、その独特の世界観には圧倒され、一瞬で魅了されました!素晴らしい、面白い、楽しい~!決してリアルな写実主義ではないのですが、実際にはありえないような静止ポーズのも妙な説得力があります。これもある意味『森の出口』のひとつですね!

ハートもカクテル!

2009/12/05

20091124 わたせせいぞうの世界展今日、今治市のタオル美術館で『わたせせいぞうの世界展』があり、行ってきました。11月12日から2月28日まで長期間開催されているのですが、どうしても今日行かねばならない理由がありました。開催中、今日1日限りのわたせさんのサイン会があるのです。これはどうしても行かねば!わたせせいぞうさんといえば、氏の代表作『ハートカクテル』が週間モーニングに掲載されていたのが、私が丁度大学生の頃で、いつも熱心に読んでいました。いまも勿論人気なのですが、当時の熱狂は凄まじかったです。少女マンガのようなキャラクターの描写とシュールな背景のバランスが絶妙で、その甘く柔らかな筆致を見ると懐かしい青春時代を思い出します。当時のカットを見ると、あの頃どこでこの漫画を読んでいたとか、カタコトと記憶の再生装置が動き始めました。あれから、もう20数年も経っているのに画のタッチは全然変わっていない事に嬉しくなります。

091205_1504~0002久し振りにタオル美術館に行きました。もう10回ぐらいは来ていると思うのですが、一番最後に来たのはタオルでたくさんのビッグな動物を作って動物園になぞらえて展示された時以来です。会場に上がってみると、そのときの動物と魚が常設展示してありました。画像は、タオルの水族館のコーナーですが、こういう風に同じ素材で多品種を揃えてあるという物には目がありません。【森のかけら】製作者としては、コレクター魂に火が点きそうなのを必死に諌(いさ)めました。この先に、動物園コーナーがあるのですが、これぐらいのサイズの動物が1匹は家に欲しいものです。動物の一部は、とべ動物園にも展示してあったので、何匹かは本物の動物園にもらわれたのでしょう。1点物ですから気軽に買えるというレベルではないでしょうが、タオルという素材の可能性や楽しみを知らしめる企画としては抜群です。

20091205 文学界この木彫り版の『アニマルアート』を三沢厚彦さんが作られていて、以前に福山美術館で実物を観させていただきましたが、どれもが素晴らしい!あまりの素晴らしさにため息が尽きませんでした。乗ってみたい~という衝撃が・・・いや、当然そんな事はしませんでしたが、ただ観るというよりは「触ってみたい」、「乗ってみたい」、そして本当に生きていないか確かめたいという感覚が沸き起こるのが三沢厚彦さんのアニマルアートの醍醐味です!今、『文学界』の表紙を飾られていますが、本物(あくまで想像上の)のユニコーンは圧巻でした。ああ、これが庭にあったらどんなに楽しいだろうと・・・。公園の遊具にも木彫りの巨大な動物があればいいのにと本気で思います。三沢厚彦さんの事はまた改めて。話を戻しますと、サイン会の終了時間に近かったのですが、まだまだ長蛇の列!しかも私と同じような年齢層の方が多い。実はサイン会に並ぶというのは初体験だったのですが、同じような世代が多く安心しました。

20091205 わたせせいぞう展ほぼ最後の方でサインをいただきました。ほとんどの皆さんが、購入された本にサインしていただいていましたが、私はきっちり【サイン用の円い森】を持参していました!実は数枚仕込んでいて、「先生の好きな木にどうぞ」などと無礼な事をのたまおうかなどと考えていたのですが、そういう空気ではありませんでした。ここは常識人のふりをして、素直に『土佐栂』を1枚差し出しサインをいただきました。それに対しても冷静に優しく対応していただき、スラスラと綺麗なサインをいただきました。

091205_1523~0001わたせさんは、昔父親が転勤で今治に赴任され、学生時代に幾たびか帰省されたそうで、今回のイベントはそのつながりだったのでしょうか。わたせさんは、その画風そのままにお洒落で爽やかな方で、まるでそのまま作品の中に登場するキャラクターのような優しい雰囲気の方でした。ちゃっかり写真まで撮っていただきました。実は、ただの1ファンとしてサイン会に行ったわけではないのですが、この後話がうまく展開すれば改めてご報告させていただきます。ハートカクテルよ、永遠なれ!

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