黄縞国王〔ボコーテ〕降臨①
★今日のかけらプレミアム06【ボコーテ】 Bocote:Cordia elaegnoides ムラサキ科・広葉樹・メキシコ産
すごく緩いスピードですが、着々と『森のりんご』の仲間が増えていっています。手作りなので、時間も暇もかかりますが、むしろ一度に全部出来上がってしまったのでは「揃えていく楽しみ」が味わえません。購入する側だけでなく、作る方だって「揃えていく楽しみ」を味わう者なのです!そういう人間が作っておりますので・・・なんなら全部コレクションとして個人所有していつも眺めていたいぐらいなのです。でもそれでは次を作る資金が底をつくので販売している、そういう感覚。
コレクターの気持ちはコレクターがもっとも知るという事。自分が「欲しい」と思うものにどれぐらいの人が共感していただけるかとうのが、『森のかけら』関連商品の生命線なのです。さて、今回新たに加わった『森のりんご』の仲間は、メキシコ産のムラサキ科の広葉樹『ボコーテ』です。漢字で『黄王丹』とか『黄王壇』、『南紫桑』などと現わされる通り、黄色味を帯びた地色に赤褐色から黄褐色まで複雑で濃厚な縞模様が入り、重厚で堂々たる表情は気品すら溢れ、王様の風格が漂います。
この『ボコーテ』、樹脂分が多くて非常に緻密で重硬なのですが、見た目ほどに加工は難しくはなくて、刃物との相性も決して悪くはありません。しかし、樹脂分が多いため、サンディングするとすぐに目詰まりしてしまいます。その美しい縞柄に魅せられて、アクセサリーや宝飾箱、ステッキ、スプーン、ギターのネック、ナイフなどの柄、高級家具や仏壇などに使われる事も多いのですが、仕上がりの磨きでは皆さん苦労されているようです。美しいものは容易には手に入らず・・・。
目詰まりを起こさせるほどの樹脂分はやがて眩い光沢を生み出します!同じ縞柄でも、下地が白いゼブラウッドに比べるとボコーテは下地が黄色なので、コントラストのインパクトでは見劣りするものの、変化に富んだ縞柄の複雑な趣きや、濃厚さではボコーテの方に軍配が上がるように感じます。建築用材で使われる事のない木ですが、案外女性の方はアクセサリーやイヤリングなどの宝飾品やスプーンなど身近なところで、この縞柄に接している事が多いかもしれません。明日に続く・・・