森のかけら | 大五木材

今日のかけら131

イエローポプラ

Yellow Poplar 

モクレン科・ユリノキ属・広葉樹・北米産

学名:Liriodendron tulipifera

別名: チューリップウッド (Tulipwood)、

チューリップポプラ(Tulip poplar)、ホワイトウッド(White wood)、

キャナリーホワイトウッド(Canary Whitewood)、

気乾比重:0.45~0.51

 

山岳州から来たイエローポプラ*

ホオ』の木の話が出たので、日本のホオの代替材としてよく利用される『イエローポプラ』について触れさせていただきます。この木は、アメリカ東部の落葉樹林に多く見られ、アパラチア山脈やオハイオ河渓谷では大木の良質材が産出されます。樹高は40m、直径1mくらいに成長するものも多く、加工切削性に優れ、塗装ノリがいい事から拾い用途に利用され、アメリカ広葉樹の中では欠かせない樹種の1つと言えます。弊社が仕入れしているのは北米はウェストバージニア州から産出されたイエローポプラです。


アパラチア山脈に覆われるウェストバージニア州は、『The mountain state(山岳州)』という愛称を持つだけあって森林資源は豊富です。もともと同州は、バージニア州の西部地域でしたが、南北戦争時代の1863年に奴隷制度に反対する西部地域がバージニア州から独立する形で誕生しました。しかし州の財源をアパラチア炭田の石炭や石油に依存していて、平均個人所得において万年最下位を争う全米屈指の貧困州だそうで、州の財産とも言える森林資源に対する期待も高いようです。

このイエローポプラですが、日本のホオに比べると色合いも淡くやや軽軟。大径木になるだけあって木理も通直で素直。塗装の下地材として人気が高く、建具やドア枠、ドア、合板などにも利用されています。先日も建具材としてご利用いただきましたが、狂いや暴れがほとんど無いだけでなく、全体的は大節も少なく歩留まりもよかったようです。ライトグリーンの心材に比べて、辺材は白色で、このはっきりしたコントラストもイエローポプラの特徴のひとつです

削った直後は明るめのライトグリーンですが、時間が経つと少しくすんだ灰褐色に変化します。ものによっては、緑の柄がまだら模様に出る事もあったりして、化粧材に使うことに抵抗があるという人もいますが、長物が取れて、小割りしても反りにくい、暴れにくいという特性は歓迎されるべきものです。成長が旺盛で年輪幅が広い事から、材としての表情を楽しむにはやや物足りなく映るかもしれませんが、それもこの木の個性です。無いものねだりをせずに、足りるを知って使います。

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不揃い色の美学*

本日は具体的なイエローポプラの加工例についてご紹介させていただきます。弊社においては、テーブルやカウンターなどの家具材としての利用頻度は低く(そのほとんどがクリアー塗装仕上げなので、塗装ノリはいいもののクリアー仕上げだと木理に味わいが欠けるという理由で敬遠されてしまっています)、もっぱら枠材や見切り材、額縁などの造作材として利用されています。緑色と白色のコントラストも使い方次第で面白いアクセントにもなる事は『森のたまご』でも実感(画像は、ホオの森のたまご)。

突き板や印刷商品が氾濫する中、ついつい色合いが揃っている事が当然というような感覚に陥ってしまい、無垢材の特徴であるはずの、1つの木に中に含まれる多彩な表情や色合いの妙味を、『規格外』のように捉えてしまうこと事態が誤りなのです。それが『不揃いであることの不安感』という呪縛なのですが、私自身も長らくその呪縛を脱する事が出来ませんでした。今は呪縛も解け、色のコントラストを楽しんで利用できるようになてきました。

だからといって、クリアー塗装で仕上げる家具などに無理矢理に色味の違いを持ち込むわけではなく、それが受け入れられる場面で無理強いなく使って、楽しんでもらうという境地です。経年変化でくすんだ緑灰色になるイエローポプラの色味のほどほどなやわらかさも、強い自己主張とは縁遠く、嫌味がないコントラストだと思います。例えば、このような凹凸の複雑な加工をしても、心材、辺材共に反りやねじれが発生しにくいというのもありがたい特質です。

 

考え方を切り替えてやると、今まで気になっていた緑と白のブチ柄が妙に愛おしくなってくるもので、最近ではあえて色の差の激しいものを求めてしまうほど・・・。【森のかけら】以後、端材を利用した小物を作ることが多くなり、精緻な加工にもよく耐えてくれるイエローポプラのような材は非常に助かるのです。また『モザイクボード』においても、この緑と白の個性が非常に有効で、なくてはならない顔となっています。精緻な加工といえばこんな加工でも力を発揮。

イエローポプラで建具を作った時の余った部材ですが、近日中に『ちょこっと端材』のコーナーにもアップする予定ですので、ご興味のある方は是非どうぞ!名前からくる誤解で、「ポプラ」の名前が付いているから、ヤナギ科のポプラ(セイヨウハコヤナギ)と混同され、とても軟らかいと思っている人もいますが、そこまで軟らかいわけではありません。ただし鉋削りの後にはやや毛羽立ちが起きるのでサンダーでの仕上げが望まれます。是非、ウェストバージニアの森の恵みもご堪能あれ。

 

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ポプラでも黄色くもない、イエローポプラ*

先日の『トークカフェ』で看板に使った『イエローポプラ』について。以前に『今日のかけら』でその特徴については説明させていただきましたが、弊社では最近何かとイエローポプラの利用率が増えています。トークカフェでは薄く削った看板として利用しましたが、これはもともと家内からの注文で、ウッドモビーを作るために削っていたものの残り材。この木、ポプラの名前がついてはいるもののポプラ(ヤナギ科)ではなくて、日本の『ホオ(朴』と同じモクレン科の仲間です

またイエローの名前が付いているもののイエロー(黄色)というよりはライトグリーン。アメリカ東部の落葉樹林に多く見られる木ですが、正直立っている木と伐採直後の材を見たことがないので、その時点では結構黄色味を帯びているのかもしれません。様々な人の手を経て、板状に加工されてしっかり乾燥され、私の手元にやってくる頃にはすっかりライトグリーンになっているので、私の印象の中に「イエロー」はありません。イエローではないポプラですが加工切削性は抜群です

家内にウッドモビールの木取りを頼まれたときに何の木にしようか考えたのですが、加工性の良さとレーザーで加工をした時の木の繊細さ、木目のおとなしさ、軽量であること、在庫状況などを考慮してイエローポプラにしました。リーズナブルで割合、幅の広い材が容易に取れるうえに、プレーナー加工した後のサンダーのかかり具合も抜群で、手のかからない木のひとつです。しかし裏返せばそれだけ癖がないということは、個性が弱いともいえるわけで、それは弊社において諸刃の剣。

 

その癖の無さには随分救われているのですが、【森のかけら】的視点で見たとき、どうしても素直で癖の無い木というのはインパクトに欠けて見えてしまうのです。私の場合は、通常の建築材や家具材としての視点と、森のかけらの視点のふた通りの木の見方をしてしまうのです。取り扱いベースや金額ベースでは圧倒的に前者の視点で、会社への貢献度も非常に高いにも関わらず、ついつい【森のかけら】視点で見てしまいがちで、そうなるとパンチがきいていない物足りない奴に思える。

もうこれはただただ私の一方的で勝手な思い込みというか印象に過ぎないので、イエローポプラには何も罪もないどころか謝らなければならないぐらいなのですが、まったく相反するものの見方がひとつの会社の中にある(というか私の中にある)って実はある意味、まったく逆方向に向かう出口がふたつあるということで、もの価値の幅が飛躍的に広がることでもあります。材木屋の生き残る道、それは不謹慎ながらも会社の中に何人のビリー・ミリガンを持てるということなのかもしれない

 




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