★今日のかけら・#003 【赤樫/アカガシ】 ブナ科コナラ属・広葉樹・宮崎産
先日の町内会の旅行のブログで、元寇の船の大碇(おおいかり)が『アカガシ』で出来ていたという話が出ましたので、アカガシについてご紹介させていただきます。【森のかけら】のストックは、日本・世界それぞれにアイウエ順に並べて保管しています。『森のかけら36』でも『100』でも、8割方は樹種を自分で選ばれるのですが、稀に『お任せ』でお願いというご注文もあり、アイウエオ順で選ぶ時にいつも気にするのが「アカガシ」と「シラガシ」のどちらを選ぼうかという頃。
なるべく違った種類の木を選んだ方がいいのではと思いから「カシ」は、他にも「イチイガシ」もあるのですが、一般的に認知度のあるアカガシかシラガシのどちらかを選ぼうかと悩むのです。【森のかけら240】では3種類ですが、『カシ』の名前の付く木は多くて、アカガシ、シラガシ、イチイガシの他にもウラジロガシ、ツクバネガシ、ウバメガシ、アラカシなどの木があります。それらすべてがブナ科コナラ属で、ドングリを付ける木でもあります。ついでにこちらが『ドングリの5かけら』。
そのように多くの種類があるカシ類ですが、全国に分布しているわけではなく、新潟県の海岸線から福島県あたりが北限で、四国、九州、朝鮮半島の南部、台湾などの暖温帯に多く分布しています。カシ類の中ではもっとも高所にまで分布し、標高の高い所(600~1110mあたり)でしばしばアカガシ林を形成することがあります。成長すると高さ20mに達するものもあるようですが、多くは刈り込みや移植にも強く、成長が早い事から屋敷林、庭園樹として植えられています。
このアカガシは、コナラ属の中では唯一葉縁に鋸歯がないのが特徴で、学名のQuercus acuta(クエルクス アクタ)には「鋭い」という意味があるようです。その「カシ」の語源について。カシは木偏に堅い(樫)と書くのが一般的ですが、いずれのカシも粘りがあってナラ以上に堅いという特徴に由来しています。また、カシという呼び名は「雄樫(いかし)」という、枝葉を沢山茂らせた樹形を指した言葉からきています。アカガシは、材が赤味を帯びている事から赤樫と表わします。