森のかけら | 大五木材

★今日のかけら・#023 【バズウッド】 Basswood  シナノキ・広樹・北米産

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先日【ちょこっと端材】コーナーに2週間限定でアップしたばかりの『ソフトメープル・ボックスセット』が速攻でお買い上げいただきました。レスポンスが速くとてもありがたいのですが、6月の【適材適所】の発送が遅くなり、中にその紹介も入れていたので、中を見たらもう完売でしたというのでは、あまりに申し訳ないので、慌てて第2弾を明日中にアップさせていただきます。今回は、【バズウッド】です。【バスウッド】と濁らずに発音するところもありますが、この辺りではこちらの名が通っていますので、あえて【バズ】とさせていただきました。

20090706e38080e38390e382bae382a6e38383e38389efbc92シナノキ科という事でお分かりいただけると思いますが、【シナノキ】に似てサラリとした触感です。今はこの辺りであまり見かけなくなりましたが、以前はよく集成材の化粧単板として使われていました。刃物を傷めず加工も容易で癖もないことから、薄く削る単板にも適しています。また木彫りの愛好家の方からは、質の良い彫材として人気もあるようですが、弊社では家具用の薄い板しか扱った事はありません。【シナノキ】同様に着色などの塗装ノリも良く、多くの分野で重宝されます。

 

この種には大きく分けて3つの仲間があります。ヨーロッパに生育する『ヨーロピアンライム』(バズウッドの別名)、カナダからアメリカ東部にかけて生育する『アメリカンライム』、そしてアジアに生育する『ジャパニーズバズウッド』(シナノキなど)の3つです。ドイツ語の『リンデン』から『リンデン・ツリー』と呼ばれることもあります。呼称は地域によって様々ですが、【森のかけら】では、もっとも一般的に馴染みのあるであろう【バズウッド】を採用しました。それぞれどれも似た性質ですが、主な用途としてはやはり家具材・合板でしょう。引き出枠材木箱化粧用の合板などが特性を活かした用途だといわれていますが、他に変わったところでは、模型細工、帽子製作の木型ピアノの共鳴板、ハーブなどの楽器関係。また巣箱樽の栓、刷毛の柄、木靴、乳製品などの食品用の容器などがあります。いずれも【バズウッド】が、無臭で軽軟であるという特徴を利用しています。また花は甘い香りがし、その蜜は蜂蜜の主要な原材料となります。

白太と心材の差はほとんどなく均質です。伐採直後は乳白色ですが、乾燥が進むと淡い褐色に変化していきます。加工は容易ですが、傷などのダメージを受けやすく扱いには神経を使います。また刃物切れが良すぎて、常に刃物を研いでいないとすぐに毛羽立ちが出来たりします。今回は、厚み30㎜の端材が大量に出ましたので、4面プレーナー加工してセットにしてみました。クラフト細工には柔らかすぎるかもしれませんが、まだ使われたことのない方は是非チャレンジしてみてください。

20090706e38080e38390e382bae382a6e38383e38389efbc94セットは端材なので当然大きなものはありません。長さ300㎜前後の短いものですが、削れば削るほど毛羽立ちが出来たり、加工中に小傷が付いたり、ある意味で扱いにくい面もあるかもしれません。しかしうまく削れた時の触感の滑らかさは頬ずりしたくなる滑らかさです!日本の【シナノキ】よりも、木が大きい分だけ素性も良く均質でほとんど節や色ムラも少ないです。なお、サイズなど詳細は【ちょこっと端材】コーナーをご覧下さい。こちらも明日より2WEEK SELE(2週間限定)とさせていただきますので、ご興味のある方はどうぞお早めにお買い上げ下さい!

★今日のかけら・#015 【アスペン】 Aspen   ヤナギ科・広葉樹・北米産

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本日は、無垢の耳付板で作った手洗いカウンターを納品させていただきました。最近特にこの注文が増えています。やはり耳付き板は人気があります。少し前まえでは「無垢っぽい合板」でしたが、それが「とりあえず無垢なら何でも」になり、今は「形や色に少しこだわった無垢」になってきました。住宅業界全般の話ではありません。あくまで弊社の周囲の話です。

雑誌でこんなの見たけど同じような物とか、●●●という木を使いたいとか、●●●のような雰囲気の木、といったような具体的な要望が寄せられます。面倒な注文になればなるほど、闘争心に火がつきます!100%要望に応えられなくとも、少しでも要望に近づきたいと思います。こういう事を書くと、さらに無茶な事を言ってくる人がいて困るのですが(笑)、まあ出来る範囲の事で最大頑張ります

今回の要望は、なるべく厚みのある物を使いたいという事でした。これは簡単なようで実は難しいです。通常、耳付板というのは大体40~60㎜ぐらいに挽いています。大きく(厚く)挽けばいいという物ではありません。荒挽きからねじれを抜いて仕上ますが、精々5~10㎜も落とせばいいほうです。当然ながら、厚いと乾燥にも時間がかかります。なるべく仕上に近いサイズで乾かせるのが理想です。なにより、厚いと重たいので加工も施工も大変な労力が必要になります。アフリカ産の広葉樹などは、2,3㎜削るだけでも大変です!それが3mとか4mになれば、とても一人で持てるようなものではありません。

そういう木の特徴を踏まえた上で、どうしても厚いものを使いたい!・・・やるしかありません。厚み100㎜のアスペンの板(もはや板というレベルではありません、塊ですね!)のよく乾いたものがあります。我ながら、よくぞこういう物を持っていたものだと思います。長さは2mで、幅700㎜、厚み100㎜という、とんでもないサイズです。こんな物が売れるのか?と思われるのでしょうが、これで2枚目が決まりました。どちらも手洗いカウンターです。

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厚みのある板は、叩くと『ペタペタ』と音がします。普通の板ではこういう音はしません。普通『ゴツゴツ』とか『コンコン』という音がしますが、100㎜もあるとどの木でも『ペタペタ』という何とも言えない楽しい音がします。いいです、こういう『馬鹿みたいなサイズ』の板を使えるのは楽しいです。多少ねじれがあったので、結局仕上がりは85㎜ぐらいになりましたが、それでも据え付けると、見付けにその厚みが出てきて大迫力です!

 

 なぜ『アスペン』をこんなサイズに挽いてあるかといえば、この木はとても柔らかく軽いからです。加工は容易に出来ますが、削ると表面は毛羽立ちが出やすくパサパサした印象です。主な用途としては、その特徴を利用して箱物やマッチ棒の軸木、家具の内装、木枠、果物籠、パレット、パルプなどの製紙工業の原料などに使われています。また熱の遮蔽率が高いことから、サウナの内装などにも使われています。初めてこの木を見る人には、『ヤナギ科』であるといえばイメージが湧き安いかもしれません。カナダアメリカ北部に広範囲にわたって分布しています。

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軽軟いという特性から分かる通り、強度や耐久性はそれほど高くありません。今回は水回りに使うということで、通常の植物性オイルではなくウレタン系の塗料で固める必要があります。水回りに木材を使う場合は、ただ木が硬いというだけでは耐えられません。長期間の枝葉により水分が浸み込み腐朽してしまいます。不本意ではありますが、水回りに木を使う場合は、しっかりと固めて使わなければなりません。耐久性は高くないが、塗装による保護をするという前提条件があったからこその、厚みのある『アスペン』という選択です。

 

この世に存在するもので意味のないものなどないひとつありません。『適材適所』に特性をうまく引き出して使えば何でも利用できます。まだまだ工夫も智恵も足りませんが、いろんな木に触れるのはそれだけでも世界が広がり楽しいです。アスペンの手洗いカウンターも現場で取り付いた姿が楽しみです!

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