森のかけら | 大五木材

20141027 1本日は、西アフリカ熱帯雨林の海岸付近に分布するアオギリ科の高木の広葉樹『マンソニア』を加工しました。ブラック・ウォールナットにもよく似た風合いの色調で、その代用品として使われることの多い木ですが、ずっと探し求めていたもののなかなかご縁がなくて、今年になってようやく巡り合う事が出来ました。【森のかけら】を作っている時に加えたかった木でしたが、その時にはいろいろなところに手を尽くしても入手できませんでしたが、巡り合わせとは本当に不思議なものだと思います。

 

20141027 2マンソニアは、西アフリカの海岸部、すなわちコートジボワールからナイジェリアにかけての沿岸100キロに及ぶ森林地帯に出現する大木ですが、直径は大きいものでもせいぜい800㎜程度。ときに翼上の板根(ばんこん)を広げる事もあるようです。ブラック・ウォールナットの代用品として、『アフリカンブラック・ウォールナット』の俗名もあることは知っていましたが、どれぐらい雰囲気が似ているものか実際に削ってみました。加工性は問題なく、ほどよい硬さがあります。

 

Exif_JPEG_PICTURE気乾比重は0.60〜0.70(ちなみにブラック・ウォールナットは0.62)で、弾性もあって衝撃にも強く、比較的乾燥も容易で変形も少ないという事ですが、材の端が裂けやすい傾向があるらしく、入手したものも側面に大きな亀裂が入っています。大きそうな材に見えますが、結構奥まで裂け目が入っていますので、『森のりんご』か『森のたまご』、『モザイクボード』などに木取りするつもりです。たまたま削ったものが柾目部分でしたので、上品で美しいリボン杢も現われてくれました。

 

Exif_JPEG_PICTUREオイルで塗装すると更にブラック・ウォールナットのような雰囲気になって、確かにこれだと代用されるのも納得。しかし残念ながら大気に晒されるとかなり色落ちがあって柄がとぼけるという事で、果たしてこの色合いがどれぐらいの期間保持できるものか実験してみたいと思います。画像で褐色に映っているのは、材が反っていて削れきれなかった部分ですが、ここまで色落ちが進行するものかどうか。そうなったらなったで、それも木の個性ですから特性を受け止めて用途を考えればいいだけの事。

 

Exif_JPEG_PICTUREコートジボワールでは『ベテ』、ナイジェリアでは『オフン』、ガーナでは『アプロノ』と呼ばれるこの木ですが、日本への輸入量はかなり減少。海外ではフローリングなどの内装や家具、化粧合板、精密木工、唐木細工、銃床、ピアノなどの楽器等に利用されています。また腐食にも強く海中建造物にも使われます。一方で、乾燥した材の鋸屑や微粉は皮膚や粘膜を刺激してアレルギーを起こすこともあるので注意が必要という事も知られていますが、私は鈍感なのか実際に削ってみてもあまり粉塵は気になりませんでした。

 




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