★今日のかけら・プレミアム017 【ダオ】 Dao ウルシ科・広葉樹・パプアニューギニア産
この聞き慣れない名前の木は、PNG(パプアニューギニア)、フィリピンからインドネシア、フィジーなどに分布する高木の広葉樹です。直径2mに達する大径木になる物もありますが、辺材部が多いのが特徴です。辺材部は虫の害も受けやすく、見た目にもあまりパッとしませんが、その分心材部分の縞目模様の個性が際立ちます。【ゼブラウッド】や【ベリ】のような黒褐色の芸術的な杢目にはドキッとします。その色調が【ブラックウォールナット】に似ていることから、『ニューギニア・ウォールナット』の別名があります。
まあ物の印象というのはおおよそ主観的なもので、名前もそれぞれの思い込みや地域性、文化などに立脚する物なので異論を唱えるつもりはないのですが、私にはどうして『ニューギニア・ウォールナット』の名前が付いたのか解せません。どうしても縞模様の印象の方が、色調に勝ってしまいます。右の画像は加工前の荒材ですが大径木ではありません、小振りな材です。
本日は、この【ダオ】をカウンターに加工した物を納品させていただきました。左側の画が、加工して植物性塗装をした状態です。オイルを塗ると、全体的に濡れ色になって更に縞模様が強調されます。2枚の板の幅が狭かったので、壁に飲み込ませる部分に材を足して仕上げました。こうする事で材を無駄なく有効に使えます。この辺りではほとんど流通するこのない材ですが、地域によっては家具や建具などに使う事もあります。しかも着色して仕上げる事もあうようで、所変われば品変わるです。何がプレミアムかも、人によってそれぞれです。
柾目も上品な雰囲気があっていいのですが、杢目が激しく交錯した部分のダイナミックな木味は迫力があります。【ゼブラウッド】のような緻密な杢とは違って、縞模様に濃淡があって深みがあります。よく乾燥した材を仕入れることが出来たのですが、生材ですと乾燥時に反ったりねじれることもあるようなので注意が必要です。
左の画は長さ1m程度のサイズのカウンターです。端はRに加工しました。白太部分と赤身(黒味)のオイルの透水性が違うので、全く別の木を貼り合わせたように見えるのですが、こちらはこれで1枚板です。豊富に在庫を持っているわけではありませんが、ちょっと使っただけでもかなりインパクトがあるので、うまく使えば結構面白いと思います。この【ダオ】だけではなく、全般的にウルシ科の木は、個性的な表情を見せてくれます。使いすぎるとくどくなるかもしれませんので、何よりもバランスが大切だと思います。なお【ダオ】は、240種の通常のリストには含まれていません。地域によっては入手しやすい木であるかもしれませんが、私にとっては大切で貴重な【プレミアム36】の『限定かけら』です!