森のかけら | 大五木材

 

 

今日のかけら157

サザンイエローパイン

Southern yellow pine 

マツ科マツ属・針葉樹・北米産

学名:Pinus echinata

別名:ロングリーフパイン( Longleaf Pine)、 

ショートリーフパイン(Shortleaf Pine)、 

ロブローリーパイン(Loblolly Pine)、

スラッシュパイン(Slash Pine)
※サザンイエローパインは上記4種の総称

気乾比重:0.51~0.69

 

キャラメル色の誘惑*


今日のかけら・#157【サザンイエローパイン】Southern yellow pine マツ・針樹・北米産

今日は松山市内でも30℃を越える真夏日でグッタリでした。今からこれでは8月が思いやられます・・・。温度が上がると倉庫の中は蒸し風呂状態で、ダイエットには最適ですが、汗かきの私としては汗と木屑と木粉とその他色々な物でビチャビチャ、ドロドロになってしまいます。そんな中、本日は『サザンイエローパイン』の端材を加工しました。キャラメルのような色合いが特徴です。大きな板の時はあまり気にならなかったのですが【森のかけら】のように小さく加工すると、他の多くのかけらの中でも一際そのキャラメル色が目立ちます。

本当に食欲を刺激するような色合です。折角なので、この色を利用して「食」に関係した商品が出来ないものか、いつも考えてはいるのですがなかなかしっくりいく物が浮かびません。製作に当たってはひとつ問題があります。この木は、板目部分が信じられないくらい割れやすいのです。割れるというと御幣があるかもしれませんが、浅いクラック(割れ目)がすぐに走ってしまいます。これがまた妙なもので、荒材で保管している時はそうでもないので、商社や問屋の方は「そうなの?」という感覚かもしれませんが、プレーナーなどで削ると、幅広の面に「ピシッ!」と浅いクラックが走ります。

ただ俗に言う『ヘアークラック』なので、材が完全に使えなくなるというほどの物ではないのですが、当然それが通用しない現場もあります。『ヘアークラック』というのは、文字通り髪の毛のような細さの割れ目というものです。これは木目の交錯したような広葉樹ではほとんど見られません。自分の経験で言うと、マツやスギなど通直に伸びる針葉樹、その中でも割と軽軟な木に多いようです。その板目部分に発生しますので、つまり『一番いいところ』に割れが走ってしまうのです

材の中で一番価値のあるところに発生するのですから、クラックもえらいものだと感心します。逆説的に考えれば、そういう傾向があるからこそ、割れの発生しなかった板目に価値があるともいえるのかもしれません。まあ全ての板目にクラックが出るというわけではありません。乾燥の程度や木目の詰まり具合にもよるのでしょうが、サザンイエローパインという木自体が『マツ科』ですから、多くの油脂分を含んでいるので、他のマツ同様に天乾ではなかなか乾きません

その用途が化粧(仕上がって見える部分)に使われる事が多いので、人乾で急速に乾かせると大きな割れが入ってしまって使い物にならなくなる物も出てきます。とは言え、天乾では時間がかり過ぎるので人工乾燥機でじっくり乾かせる事になります。厚みのある物ほど内部との温度差が生じて割れやすい傾向にあります。ですから、割れのない厚みのあるサザンイエローパインの材というのは、結構貴重なものです。ただしその需要はこの辺りでは多くはありませんが、前述したようにその鮮やかなキャラメル色は魅惑的です。

また材そのものも粘りがあり強度にも優れています。木製のジェットコースターに使われるほど信頼もあるようです。右の画像は、世界最大規模の木製ジェットコースター、ナガシマスパーランドのホワイトサイクロンです。私は絶対乗れません、乗りません!木の軋み感が伝わってスリル満点とのことですが、誰が好き好んでこのような恐ろしい事をするのでしょうか・・・まさに狂気の沙汰です、信じられません、南無阿弥陀仏・・・。

弊社の在庫でいえば、4.9mの250㎜幅、厚み40㎜ぐらいの板があります。メーカーにはもっと薄い物や短いものまでバリエーションは豊富にあります。今日は、階段や枠材を取った残りの端材を加工してセットにしました。サイズはバラバラですが、端材を捨ててはいけません!その必要部材を木取る時には、クラックに悩まされましたが、皮肉にも端材にはクラックは出ませんでした(これから出るかも・・・)。小さな事には気にしない大らかな心をお持ちの方、是非サザンイエローパインを使ってみてください。

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松・松・松・松尽くし*

本日は、北米産の『サザンイエローパイン』の板を加工をしました。くっきりした冬目とキャラメル色の木味が特徴です。240㎜の幅の板を幅剥ぎに加工して広い板にします。これは廻り階段の部材になります。この辺りでは『サザンイエローパイン』は決して使い慣れている木とは言えず、工務店さん、大工さん共に馴染みの薄い方の木に分類されると思います。むしろ知っている方の方が少ないかも知れません。材としては有用で用途も広いのですが、認知度が低いのはPR不足だとしか考えられません。右の画像は幅剥ぎしてサンダーで磨いて仕上がった無塗装の状態なので、色合いが薄めです

このサザンイエローパインが濡れ色になると、鮮やかな黄身色に変身します!より黄色の深みが増してきます。加工すると油分をたっぷり含んだ黄色い木粉が出ますが、この油分が在中に行き渡って松独特の光沢と艶が生まれるのです。触った時に脂っぽさの原因がこれです。以前にもブログで紹介しましたが、サザンイエローパインに関わらず、松の木は表面の板目に割れが発生しやすい性質があります。よ~く乾燥させたと思っていても、削るとピシィ!とヘアークラックのような割れが出てくる事しばしば。慌てて下手にサンダーで強く磨くと、柔らかい夏目がすぐに削れて、硬い冬目との磨耗差で凹凸になってしまいます。しかし、なかなか手間の掛かるところが可愛いところでもあります。今回は階段材と玄関の框、造作材などをご注文いただきましたが、全体のイメージは和風。

和風で階段というと一昔前は『』が主流でしたが、『桧以外で』という条件がつくと、あまり高額になってもいけませんから残る選択肢は『』か『』あたりでしょう。今回は『松』のイメージでしたので、サザンイエローパインをご提示させていただきました。玄関框には丁度『中国松』のよく乾燥した無節の平材がありましたのでそちらを。造作材には、薄くしても狂いが出にくく素性の良い『オウシュウアカマツ』を。クロスで隠れてしまう階段の側板には、『メルクシパイン』をそれぞれの用途に合わせてご提案しました。

結果4種類の松が混在する『松尽くし』の組み合わせになりました。画像の左側2枚が『サザンイエローパイン』で、右端が『中国松』。やはりサザンイエローの方が見た目にも硬質ですが、それほど違和感は感じられないと思います。1つの樹種で全てがカバーできるように、あらかじめいろいろなサイズに挽いておけばいいのにと思われるかもしれませんが、松にもそれぞれに特徴が異なります。硬めのサザンイエローの框サイズだと、保管中に無数の割れが発生してしまうでしょう。木が硬い分、癖も強いのでねじれも出てしまいそうです。

逆にオウシュウアカマツだと階段材に使うには柔らか過ぎて躊躇します。やはり階段に使うような材には、ある程度の粘りと強度が求められますから。また、メルクシパインはそのほとんど多数が積層のフリー板として輸入され、カウンターや枠材などに再割して利用されています。メルクシパインの丸太は見たことがないのですが、それほど大きな材が取れるのでしょうか?こちらも軽軟な木ですから、階段に使うには勇気が要ります。個人的にはカウンターでもちょっと怖いぐらいです。『中国松』は、日本のいわゆる『地松』(アカマツ)に性質がよく似ています。乾いていてもそこそこ重量感があり、木目はサザンイエローほど明瞭で軽快な印象はありません。黄色とうよりは文字通り赤味が差しています。それぞれに特徴は違うもののまとめて見ると一体感があるのは、『マツ科』という出自のなせる業でしょうか。仕上がりが楽しみです!

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松の内にサザンイエローパイン*

毎年この時期にブログを書く際に気にしていることがあって、それは日頃からあまり積極的に活用したり出口開拓をしていない『マツ』について。その誕生月である1月の『松の内』ぐらいは、マツの木の話に特化しようと思ってはいるのですが、なかなか続かない・・・というか早々に諦めてしまっています。ちなみに最近あまりその言葉も使わなくなりましたが『松の内』とは、元旦から7日、あるいは15日までの松飾を飾っておく期間の事です。まあそもそも門松すら飾っていない者が何を言わんやという話なのですが、そんな後ろめたさもあって少しだけマツの話。

マツはマツでも日本のマツではなく、北アメリカ産の『サザンイエローパイン』。今までブログにもほとんど登場していないのは、この木ががどうこうというよりも、弊社ではあまりマツの出口自体が定まっていないので縁が薄いのです。多少は在庫しているのですが、「何の木でもいいけどマツ以外で」と注釈が入るぐらい「ヤニの出る木」はどうしても敬遠されてしまいます。ただサザンイエローパインなどは、現地でしっかり乾燥機で乾燥処理されているので、この後からヤニが発生することはほとんど無いとは思うのですが、マツ=ヤニの印象が刷り込まれています。

しっかり乾燥させるとヤニっ気もすっかり失せてしまうのですが、表面にザラメ状のヤニが吹き出ることはあるし、触るとネチャットしてマツ独特の触感はあります。しかしこれはマツの個性ですので、それをどうこう言っても仕方ない。それまで否定するとマツの存在そのものを否定するのに等しい。それでも若い頃はマツが苦手で、朝から梁丸太など触らないといけない時は疎ましく感じたりしてました。今は製材品はほぼKD化されて丸太のような生材に触る機会は少なくなり、掌がヤニでネチャネチャ真っ黒なんてことはほとんどありません。

そうなったら妙なもので疎ましく思えたヤニすら懐かしく思えたりします。先日もサザンイエローパインを見ていたら、すっかりヤニが抜けきったヤニ壺がありましたが、こちらも年を重ねたせいか、その姿に若い頃とは違う感情を抱きました。乾燥機で強制的に脱脂されたのでしょうが、なんだかご苦労様とねぎらいの言葉でもかけたいような気分。木に対する見方も、木目が整っているか光沢がどうか色合いがどうかといった品質的な評価よりも、趣きや味わい、存在感といった情緒的なものを重視するようになってきました。

そういう観点から見るとマツは実に趣き深い木です。外国のマツは日本のマツとはひと味違った印象があります。その木理も通直で力強くダイナミック。サザンイエローパインは全体的に色味が均一で、板目部分には炎が立ちあがるような豪快な杢が現れます。その部分にクラックが入りやすいため装飾的に使う事が難しい木でもありますが強度は抜群。摩耗にも強いことからヨットやボートなど船舶の部品やウッドデッキ、公園の遊具などにも使われます。若い頃とは違う視点でマツの出口を探していきたいと思っています。




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