森のかけら | 大五木材

★今日のかけら・#017 /キリ】 ゴマノハグサ・広樹・日本産(愛媛産)

20090207e38080e6a190

 

 

 

 

 

 

いままさに山は若葉が茂り目に眩しい季節。最近、たまたま遠方での現場が続き、松山市内から離れた場所に配達や打ち合わせに行く事が多いのですが、その所どころで『山の姿』が気になります。ちょうどこの季節は、若葉が芽吹き山の様子がよく分かります。ブログにも何度もアップしている久万高原町の山は、圧倒的な植林の山なので、殆どを樹形の真っ直ぐなツンツンした針葉樹の【スギ】、【ヒノキ】が占有していて、山全体の形も鋭い三角形です。またどちらも、年中葉を絶やさない常緑樹なので、いつ見ても深い緑色です。典型的な『林業のために作られた山』で、そこには人工的な作為が感じられますが、つまりは、厳しいとはいえきちんと林業に取り組んでいるという証です。

cahj5kt4対して、連休中に帰省していた西予市の更に奥のほうの山は、驚くほど色彩豊かです!まるで『山の絨毯(じゅうたん』と思うほどに華やか!【シイ】【クヌギ】【ナラ】【クスノキ】など多くの広葉樹が混ざり合い、深緑、薄緑、黄緑、白色、いろいろな色彩を形成しています。しかしこれだけ広葉樹の樹勢がいいということは、林業としては手入れが充分に出来てないという事でしょう・・・例外もあるでしょうが、彩り鮮やかな山ほど、人の手が入っていないというのは皮肉なことです。何もしなければ自然は充分に美しいということです。

この山にひときわ鮮やかな彩を加えているのが【キリの花です。【フジ】とともに、緑の五月の山にところどころ紫色のアクセントを添えてくれます。【キリ】の花は山の中でもよく目立ちます。このあたりで、キリを植林するという話は聞かないので、殆どが鳥が種を運んだり実生のものだと思います。

     

 

 

 

 

 

 

 

今までは材としての【キリ】にしか興味がなかったのですが、花とか葉、樹形なども知れば知るほど奥が深く面白いです。自分で本を調べるだけでは意味も分からない事も多かったのですが、数年前から愛媛大学農学部の「樹木博士講座」に参加させていただいて、互生とか対生とか根本的な基礎を教えていただいてからは、より興味が湧くようになりました。改めてきちんと基礎を学びたいという衝動はあるのですが・・・基礎のかじりだけでも充分に楽しめます。

キリ】は材としても有用な木で、用途は実に広く多くの分野で使われています。すぐに思い浮かぶのは、下駄でしょうが、最近下駄履きの方は見かけなくなりました。国内の産地としては福島県の会津地方ですが、以前に会津に行ったときにも林業関係者の方が、いまや大径木の良質なキリはかなり激減したと仰っていました。価格優先で中国産などに、市場を奪われました。しかし中国産のキリは、経年変化で黒ずんできて、キリ本来の光沢は望めません。キラキラ輝くような独特の光沢は、国産のキリならではです。

キリ】には多くのエピソードがあるのですが、あまりにも多いのでエピソード部分はまた改めて。

 

2. 木のはなし

20100728 エコマテリアル『大五桐』①全国各地で猛暑が続いておりますが、ロシアでも100数年ぶりに記録更新する暑さだとかで、もはや異常気象とは呼べないほど恒常化しつつある世界の気候です。これから生まれてくる子供たちにとっては、これが当たり前の世界になっていくのだと思うと背筋が寒くなる思いですが、「常識」とか「普通」という概念は、気候だけでなく人間の内部からも随分変化してきているような気がします。そんな思いも無関係に、弊社事務所の前の『』の木は、酷暑何するものぞとばかりにグイグイ伸びています。以前にもブログでアップしましたが、この桐は植えたわけではなくて、飛来した種か、鳥の糞に紛れ込んだ種がちゃっかり根付いたものです。異常なほど樹勢が盛んなので、毎年伸びすぎて電線に引っかかりそうになるので、可哀想ですが毎年根元から伐らざるを得ません。しかし、可哀想に思っていたのも最初の1年だけでした・・・。

20100728 エコマテリアル『大五桐』②なぜなら、根元からバッサリ伐っても、半年もすれば元も姿に復元してしまうのです!「嘘~!」と思うほどの生命力です。しかも特別に水を与えているわけではないのですが、これがよく出来たもので、外の水道の排水口の傍に生えているので、別の用事で水を使うたびにちゃっかり自然と水を補給できているのです。まあそういう環境だからこそこの場所に根付いたのでしょう。大きく育てようと懸命に水を与える木は思うように大きくならず、ほったらかしの桐はたくましく大きくなる。何かの暗示であるような・・・。

20100728 エコマテリアル『大五桐』③それが実は偶然にも、桐の特性と見事に合致していたのです。桐は排水の良い肥えた土地を好み、風当たりが弱く、日当りはよい方を好むが西日は嫌うという性質で、これはまさに弊社の桐の生えている場所そのままです!そして、腐りやすいので剪定は必要ないのですが、苗木を植えた翌年、翌々年に根元から伐ると、新芽が出て枝下の長い良材が育つという、手入れのイロハをたまたま実践していたのです。偶然が重なり、桐が加速度的に成長していたとは・・・!また、桐の和名の「キリ」も、木を伐るとすぐに芽を出し早く成長する事に由来するといわれていますが、名は体をあらわしますな~。

20100728 エコマテリアル『大五桐』④て、そんな桐の葉っぱはデカイ!異様なほどデカイです。この道路沿いでも、会社の庭先に桐が育っている所が散見できますので、元々は同じ仲間かもしれませんが、うちの葉っぱが一番大きいような・・・別に競っているわけではないのですが、水分たっぷり、やや日陰、(1年間は)放置される、と生育条件が揃っているのでしょうか。いっそのこと今年からは伐採は止めて、数年サイクルで大きく育てて製品として販売しようかしら?これぞ究極のエコロジアルなマテリアルです!右の画像は昨年伐採した幹です。幹もなんだか毎年少しずつ大きくなっているような・・・。これ、本当に育てようと思えば、5年もすれば相当の大きさに育つのではなるのでは!5年後に伐採、製材して製品になった時、『産地・大五木材敷地』なんて産地証明を書くことになるのでしょうか。名前も『大五桐』とか付けたりして・・・ああ、夢は広がる、桐の葉のように!

 

20100728 エコマテリアル『大五桐』⑤そういう欲の皮の突っ張った人間を諌めるためかどうか、桐は生長が早い分だけ寿命は、せいぜい30~50年と短いのです。短く太い人(樹)生です。葉っぱは対生で、葉縁に鋸歯はありませんが、左の画像のように葉先が3~5裂するものが多いようです。何気なく取った下の方に生えていた桐の葉っぱで、この大きさ!特別に大きな葉っぱではありません。寝ている息子の横において大きさの比較ですが、あまりの大きさに何かCGのような違和感を感じるかもしれませんがまぎれない真実です。

20100728 エコマテリアル『大五桐』⑥念のため、熟睡する息子の背中に乗せてみました。ああ、何だか余計に作り物っぽい画になってしまった!まあ、それぐらい大きいということです。ケチ根性と好奇心を両親に持つ【森のかけら】の製作者としては、こんな面白そうな桐の葉っぱを見てると、このまま朽ちさせてしまうのはもったいないと思ってしまうのです。樹皮は染料に、葉は防虫用に、炭は絵画用や眉墨にも利用されているようで、みんな骨までしゃぶっているなあ・・・さすがは日本人!さて、そんな桐の木ですが、肝心の材の方はどうかという事については、また後日詳しくアップさせていただきます。




Archive

Calendar

2017年5月
« 2月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031