森のかけら | 大五木材

★今日のかけら・238 【メルサワ Mersawa フタバガキ・広樹・東南アジア産

20110309 メルサワ 

 

 

 

 

 

20110309 足元から頭上へ、郷愁のメルサワ①昨日『ホワイトセラヤ』を取り上げたので、本日は同じフタバガキ科の仲間『メルサワ』をご紹介します。この木は、タイ、ビルマ、インドシナ半島、マレーシア、スマトラ、ボルネオ、フィリピン、ジャワ、モルッカからニューギニアにまで東南アジア一帯に分布している。こちらも『ホワイトセラヤ』同様、産地によっての呼称が多岐にわたっているのですが、一般的な市場名はほぼ『メルサワ』で定着しています。ちなみに別名としては、タイでは「Krabak(クラバク」、カンボジアでは「Phdiek(プジック」、ベトナムでは「Ven-ven(ベンベン」、さらにフィリピンでは「Palosapis(パロサピス」などと呼ばれています。ただし国内流通においては、全国どこでも『メルサワ』で通用しますし、逆にそれ以外の名前では、余程南洋材に精通した方でなければ分からないと思います。樹高が50~60mにもなり、その直径も1m近いものにもなるという大高木ですから、化粧合板に使われたりするなど用途は広い木です。

 

20110309 足元から頭上へ、郷愁のメルサワ②九州や中国地方の一部ではかなり重宝がれて使われているらしいのですが、松山周辺においてはほとんど流通していません。これは材そのものの特性がどうこういう問題ではなく、地域との相性の問題だけです。昔は結構大きな挽き材も見かけましたが、現在はそこまで大きな材は入荷しにくくなったようです。見た目以上に重硬で、黄白色の均質で幅の広い材が揃いやすく、以前はよく敷居や造作材、家具などにも利用されていました。

 

20110309 足元から頭上へ、郷愁のメルサワ③価格も決して高額ではないのですが、取り扱いにあたっては幾つかの注意点があります。まず原木を伐採して出材するまでに変菌に侵され、製材・加工しても青い染みが残ることがあります。塗装ノリも良好なので、濃く塗装すれば問題ないのですが、荒材では「これぐらい削れば落ちるのでは」と感じる程度でも、削ってみると内部まで青染みが浸透している事もしばしば!また、しっかり乾かせないと収縮の激しい木なので、施工後にトラブルの原因になる事があります

 

20110309 足元から頭上へ、郷愁のメルサワ④かなり乾燥している材を使ったつもりだったのですが、それでも以前にメルサワで【森のかけら】を作った時にはかなり収縮が発生してしまい作り直した事もあります。気乾比重も0.5~0.7ぐらいまで幅がある木なので、手にした感覚では乾いていそうに思えても、まだ乾燥が甘いという事もしばしばあるので注意が必要です。そして最大の特徴は、材中に多量のシリカを含んでいるため、加工時に刃物を痛めるという事です。これも慣れなのかもしれませんが、この辺りでは敢えてシリカを含んだモノを使おうという気風は少ないようです。それでも私が業界に入った頃はまだ少しは流通していましたが、ひと手間ふた手間掛かるものがドンドン避けられる傾向にあります。実は少し前に「メルサワ」を使ったパネリングを作らせていただいたのですが、やはり加工工程でシリカに悩まされました。加工していただいた木工所さんからも、「刃物が・・・」と渋い顔をされました。

 

20110309 足元から頭上へ、郷愁のメルサワ⑤二番目の荒材のアップの画像を細かく見ていただくと、手前の材に白い筋のようなものがたくさん入っている事が分かると思います。これがシリカです。シリカの成分が云々というようなアカデミックな話はさっぱりですが、土中からそれを吸い上げる木材の生命力と根性には恐れ入ります。削られないように身を守るための防衛手段として、木が身に付けた知恵だったりして・・・。しかし仕上がれば、あまり見慣れない黄褐色の美しい材面は心をくすぐります。こちらでは、天井一面に貼っていただき、若干着色していますが、メルサワ独特の質感があると思います。久し振りにメルサワを使わせていただき、なんだか懐かしい気持ちになりました。今までもっぱら敷居の材料という認識が強く、天井に使うなどという発想はなかったのですが、見方を少し変えてみるだけで違った面白さが発見できるものだと実感しました。




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