【ヒメコマツ】
姫小松
マツ科・マツ属・針葉樹・岐阜産
学名:Pinus parviflora
別名:ゴヨウマツ(五葉松)、キタゴヨウ(北五葉)
英語名:Japanese White Pine
気乾比重:0.36~0.45
兼六園の樹木④ 姫小松Ⅰ
★今日のかけら・094 【姫小松/ヒメコマツ】 マツ科マツ属・針葉樹・岐阜産
少し先に進むと、そこには『初代姫小松』の看板がありました。その解説によれば、そこには枝ぶりが立派で、兼六園内一とも言われた推定樹齢500年を越えるという初代姫小松が生えていたそうなのですが、度重なる台風などの影響と老衰により、主幹の一部を残して平成7年に伐採されたそうです。なので、今そこにあるのは『二世姫小松』であるということ。『ヒメコマツ(姫小松)』は、【森のかけら】にも含まれていますが、実はその際にも混乱がありどうしようか悩みました。 | ![]() |
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というのは、『ヒメコマツ』の呼び名によるもの。さや状の短枝に5本が束生している(5針葉)ことから『ゴヨウマツ(五葉松)』と呼ばれています。ちなみに2本が1束になっている2針葉は、アカマツやクロマツなど。3本が1束になっているのが3針葉は、テーダマツやダイオウマツ。そして5針葉は、ゴヨウマツの他にハイマツ(這松)やチョウセンゴヨウマツ(朝鮮五葉松)などがあります。愛媛では、ヒメコマツの蓄積量が少なく(主な分布域は本州中部以南)、建築用材としてはほとんど使われません。 |
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現在では天然記念物に指定されているので伐採は出来ないようです。そういうこともあり、愛媛では『ヒメコマツ』は『ゴヨウマツ』として知られていますが、どうやら全国的には『ヒメコマツ』の方が認知度がある(特に盆栽としてではなく、建築用材や家具用材などとしても)ということから、【森のかけら】では『ヒメコマツ(姫小松)』の名前で掲載することにしました。ちなみに愛媛の郷土芸能である伊予万歳(いよまんざい/松山を中心に行われる祝福芸で、太夫・才蔵・次郎松に三味線・太鼓の囃子がつき歌い踊る)の中には、「五本目には五葉の松、七本目には姫子松♪」と歌い分ける『松づくし』という題目がありますが、これは樹種の区別というよりも言葉の響きから、単に語呂合わせによるものではなかろうかと言われていますが真意は不明。この話、明日に続く・・・ |
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兼六園の樹木⑤ 姫小松Ⅱ
『ヒメコマツ』の話の続きです。松の付く地に住んでいながら、松山ではマツに対して愛着が薄いというか、マツに固執することが少なく、そもそも脂分が多いことから建築などには適していないということもありますが、建築では使われることはほとんどありません。一方、地名にもなったぐらいですから、マツの生育環境には適しているようで、あちこちにマツの木は植えられていて、その光景は空気にように、そこにマツがあって当然と思われるほど松山の風景には馴染んでいます。こちらは金沢・兼六園のヒメコマツ。 | ![]() |
※補足解説・・・高山市では、かつては構造材にされてました。現在では、出材激減して杉の桁へとシフトしました。木曽でも、昔は大径材があり、建具や造作材もありましたが、20年以上前の話です。
〔株式会社ムラモト 水野 斉さん〕