森のかけら | 大五木材

★今日のかけら・#014 【イエローシーダー・米ヒバ】 yellow  cedar   ヒノキ科・針葉樹・北米産 ca4ph3df

 

 

 

 

 

 

 外部の板塀の注文が入り、今日は朝からみんなで米ヒバの加工です。以前はよく使ったものですが、ここのところご無沙汰で久し振りのまとまった米ヒバの加工で、作業服にもズボンにも、独特の残り香が付いています。加工場の中も米ヒバの香りが充満しています。かなり強い匂いなので、何を加工しているかはすぐに分かると思います。鮮やかな黄色で、プレーナーの加工屑も着色したようなほどの鮮やかな黄色です。下の画像では発色が悪く、鮮やかな色が伝わらないと思いますが(プレーナー屑のほうが分かりやすいかも)、絵の具のチューブからひねり出したようなまっ黄色です。

米ヒバは商業的名称で、正式な名称は『イエローシーダー』といいます。文字通り、日本のヒバによく似ていることが名前の由来です。日本のヒバよりももっと濃い黄色です。カナダ、アメリカが主な産地ですが、カナダのバンクーバー周辺から良質な材が出てきます。非常に年輪が詰まっていて、柾目は『糸柾』と呼ばれるほど緻密です。日本のヒバより強烈な芳香を放ちます。サウナの内装などにも使われるほど耐湿性にも優れた木です。今回は、外部の板塀ということで米ヒバを提案させていただきました。よく、外部に使う木材は何がいいかという問い合わせを受けますが、私は弱い材に強い防腐剤を注入したり、塗布して使うのにはあまり馴染めません。耐久性を求める用途には、元々強い木を使うべきだと思います。その上で必要であれば、塗料などを塗布すべきだと思います。

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 ただし、強い弱いといってもあくまで『木材としては・・・』という判断です。あまり過信してはいけません。以前に「1年ぐらいもてばいいから」という条件で安価な弱い材を選ばれて、半年ぐらいで駄目になったと怒られた事がありました。外部に使われるというので、将来的に『腐朽します』という説明はしていたので、怒りの原因は朽ちたことではなく、1年もたずに半年で駄目になったという事でした。言葉の言い回しは難しいです・・・。あまり過剰に言い過ぎてもどうかと思います。薬の注意書きのように、事細かに説明して巻物のような物を作りたくもありません。『映画館には象を連れて入ってはいけません」』みたいな馬鹿なことまで注意したくはありません。しかし、木造の家で暮らした体験のない人には、木と触れる暮らしは全てが「初体験」です。雨が降れば雨戸の立て付けが悪くなるという事を体験しているか、いないかは大きな差があります。

これぐらいは「常識の範囲」という「常識」に、最近はかなり差が生まれてきていると思います。私達が子どもの頃は、田舎ではだいたいみんなが同じような「木の家に暮らす」体験をしていました。町では、思いもしないぐらい「体験差」があります。しかし、きちんと説明さえすれば、木の暮らしを楽しんでいただけるのですから、やはりここは材木屋がきちんと『木を語らねば』ならないと痛感しています。『木の説明』ではなく、あくまで『木を語る』と言うところが、偏屈者の偏屈たる所以です。

結構な量の注文があったので加工は明日も続きます。話も長くなりそうなので、この項明日に続きます。

★『米ヒバ』の話に戻ります。私が会社に入って数年後に、縁があって『米ヒバ』の原木を扱う仕事を数年させてもらいました。魚のトロ箱を挽く製材所に米ヒバの原木を卸し、出来上がった製品を買い取るという仕事でした。『米ヒバ』は耐久性も高く、虫を寄せつくにくい忌避効果もあり、水にも強いという特性を考えれば、トロ箱としては最適な選択だったのだと思います。とはいえ、それらの特性も『米ヒバ』の白太(辺材)にはあてはまりません。辺材部分はアオ(青染み、ブルースティン)が入りやすく、耐久性も高くはありません。

その頃は建築でもかなり『米ヒバ』を使っていました。今から20年ぐらい前のことですが、当時はふんだんに木を使っていました。鴨居や額縁などの造作はもとより、柱や化粧桁にまで『米ヒバ』を使っていました。大きな門を丸々すべて『米ヒバ』で揃えさせていただいた事もありました。下の画像は、総『米ヒバ』造りの門です。

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この木の原木は、根元が張っていて俗に『出石(でこく)が多い』ことで人気のある木です。外材の原木は、木の末口で大きさを計測するので、根元が張っていればいるほど「儲け代(しろ)」があるという訳です。当時はかなり大きくて良質な原木も多くて、製材所にも喜んでいただきました。しかし加工仕上した『米ヒバ』を素手で触ると大工さんによく怒られました。素手で触るとその時はなんでもないのですが、時間が経つとしっかりと手形が浮き出てきてしまうのです。掌の油に反応してしまうのです。仕上がった『米ヒバ』を扱う時には随分気を遣いました。米ヒバ専門製材もあり、節のない4方無節もバンバン取れていましたが、その後急速に原木事情は悪化の一途を辿り、それと合わせるように『米ヒバ』は市場性を失っていきます。

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その頃取扱いも多く、結構愛着があったので、『米ヒバ』に声が掛からなくなったのは寂しかったです。なんと言っても製材こそが木材業界の花形です。挽かない材は売れません。選ばれなくなった材には、原木の高騰や住宅様式の変化、品質の劣化などそれなりの理由はあるのでしょうが、やはり慣れ親しんだ材が姿を消していくのは悲しいものです。当時はこの周辺には、まだ『アイアンウッド』が輸入されていませんでしたので、外部の板塀やデッキといえば『米ヒバ』が活躍していました。木材そのものの特性が見直され始めた昨今、水にも強く香りのある『米ヒバ』の魅力を見直してもらいたいものです。

当たり前ですが、『米ヒバ』の削り屑からもいい香りがします。今回は量が多いのでかなりの削り屑が出ます。う~捨てるのが勿体ないです・・・何かに使えないものか・・・。長さもカットしなければなりません。勿論【森のかけら】に使いますが、何年分もの量です!『米ヒバ』の新商品、開発せねば!




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