ところで、何でこんなところに場違いなシュロの木が!?と思うことはよくあるのですが、実はこれ野良生えのシュロ、「ノラジュロ」で、鳥たちが運んでたまたまその地で適して生えたものです。現在、増えすぎたシュロによる環境への影響が深刻な問題となっていて、害樹として駆除する動きもあります。しかしこのシュロ、一見するとか細く見えるものの、地中深く張り巡らされた根は撤去するのも容易ではなく、樹皮以上に手強いのです。野良生えの生命力や恐るべし!
そんなノラジュロを沢山のロスを出しながらもどうにかこうにか「かけらサイズ」にまで仕上げたものの、今度はなんと鼠に齧られてしまうという悲劇に見舞われました!かなり乾燥が進んでいたと思っていたのですが、鼠の好む匂いか味があるのか、数ある「かけら」の中でも、「シュロのかけら」だけを選び出して齧っているのです。しかも、外に放置しておいたわけではなく、きちんと棚に並べて収納して、外からは簡単に開けられないような状態であったにも関わらず!
まあ、そういう経緯もあってシュロの製品化は断念したのですが、ノラジュロって至る所にあって案外簡単に伐採したものも手に入るので、もう一度考えてみようかとも・・・。さて、話は戻って伐採した木の事ですが、直径こそそれほどでもなかったものの長さがありましたので、軽トラックで2台満載分いただきました。樹形から類推するにモチノキだという事は分かっていたのですが、今回はその枝や葉っぱまで入手できたので、持ち帰って詳しく葉っぱを調べました。
その枝や葉っぱが対生で葉脈が透けて見えるという特徴から、『トウネズミモチ』と判断。こういう形で辛抱強く時間と手間をかけて集めていけば、愛媛県内でも多様な樹種が集められます。持ち帰った材は、早速翌日製材して乾燥させるために桟積み。丸太のままで置いておくと、何に使おうか迷っているうちに、割れや虫害にあったり、腐食や青染みが発生し使い物にならなくなります。 今回は、『森のかけら』、『モザイクボード』に狙いを定めてサイズを決定しました