森のかけら | 大五木材

 

柏餅と幻のカシワ

 ★今日のかけら・#029【柏/カシワ】ブナ科コナラ属・広葉樹・北海道産

弊社で発行している通信誌『適材適所』で、5月になったら必ず書こうと思い温め続けておきながら結局未だに書けていない5月にまつわる木のネタがこの『カシワ(柏)』です。そう、柏餅を包む葉として日本人なら知らない人はいないカシワですが、実は以外と思われるかもしれませんが、「カシワは、四国では数か所で自生もしくは自生状態のものが報告されている」程度で、カシワの葉どころかそのカシワそのものの木を目にすることすらもほとんどないのです。

じゃあ、柏餅の葉っぱはどうしているのかというと、愛媛においては定番のカシワではなくて『サルトリイバラ』の葉を使っているのです。子供の頃は、中身の方が大事で、葉っぱになど目もくれませんでした(昔は、葉にも木にもほとんど関心の無い子どもでしたので・・・)が、いつ頃からかなんで自分が口にする柏餅とTVなどに出てくる柏餅の印象と違うのか不思議に思っていました。それが愛媛だけの習慣なのかカシワ貧困地域の定番なのかについては 後日改めて。

森のかけら】のカシワについては北海道から分けていただいていおるのですが、わが愛媛ではあまり自生してない事を知ってちょっとがっかりしてしまい、『適材適所』で5月の代表樹として取り上げる気持ちも減退していたのですが、少し前に実家に帰った時に山林を歩いていたら、この葉っぱを偶然見つけたのですが、これって『カシワ』では?!とドキドキしてよく観察してみると、足元に見たことのあるどんぐりの残骸が・・・。そう『コナラ』の葉っぱでした。

日本に自生するナラ類には、ミズナラコナラ、ナラガシワそしてカシワなどがありますが、用材で流通しているのはほとんどがミズナラで、それ以外のナラ類についても樹種ごとに詳しく区別せずに『ナラ』として取り扱われるので、市場などで『カシワ』の材を特定して買うのは難しいのではないかと思うのですが、カシワが多い地域などでは選別しているのかもしれません。全国各地のいろいろな知り合いに聞いてみたのですが、今までご縁がありませんでした。

【森のかけら】サイズ程度の大きさとボリュームであれば、伐採段階で仕分けしていただけるのですが、家具などに使えるような大きなものになるとなかなか難しいようです。カシワの葉っぱは、葉が枯れてもほとんど落葉せずに新芽が出る春先まで残ることから、『葉森(はもり)の神さまの宿る木』として庭などに植栽されることも多いそうで、柏餅に始まりエピソードも多彩なのですが、大きなサイズの実物が入手出来たら、改めて詳しく解説させていただきます。

柏餅と幻のカシワ

categories 1. 今日のかけら | datetime 2014/05/20 PM2:17 

 

先日、四国では柏餅を包むのに「カシワ」ではなく「サルトリイバラ」を使っている事をアップしましたが、本日はそのサルトリイバラについての話。日本では古来から『食物を包む素材』として植物の葉が使われてきたのは周知の事実。身近な里山で簡単にかつただで手に入ったということ、使いやすく処分も容易、木の根や幹に含まれていて葉から放出されるフィトンチットの効果で殺菌作用や消毒作用があることから衛生的であることなどが主な理由に挙げられます。

葉を使った伝統的な料理としては、朴葉味噌柿の葉寿司、桜餅などがありますが、柏餅もその1つ。その柏餅は、文字通りカシワの葉で包むのが元祖で、カシワの葉が少ない西日本ではその代替としてサルトリイバラの葉が使われてきたのだとばかり思っていましたが、実はこれ大きなが勘違い!本当は、西日本一帯で容易に入手できるサルトリイバラの葉が使われていたのだが、関東では入手しにくいのでカシワの葉で代用するようになったのが真相らしいのです

前回、葉が枯れてもほとんど落葉せずに新芽が出る春先まで残ることから、『葉森(はもり)の神さまの宿る木』として庭に植えられると書きましたが、その様を上司に対する忠誠心や縁起の良さとオーバーラップさせ、カシワの葉で餅を包もうと喧伝したのが始まりで、それが武士の世界で受け入れられ、今ではそれがすっかり広まり「柏餅=カシワの葉」というイメージが全国に広まったというのです。これも商品の背景を深読みするのが好きな日本人らしい話でしょうか。

朴葉味噌の『ホオ』の項でも以前に書きましたが、『古来より、食物を盛るための器として使われた大ぶりの葉の事を総称して、カシキハ(炊葉)と呼んでいたようで、これが転じてカシハになったのだとか。つまり、古来カシハを名乗る植物の大部分が、その葉で食物を盛るのに用いられたのではないかという説』 があるように、カシワやサルトリイバラに限らずたとえどの木の葉で餅をくるんだとしても、歴史的にはそれを柏餅と呼んで間違いではないのだそうです

 

 

最後に、愛媛ではほとんど見ることの出来ないカシワですが、古い愛煙家には馴染みのある方も多いかもしれません。北海道美瑛町にあるこのカシワの木が、昭和51年にセブンスターのパッケージに使われたことから『セブンスターの木』として観光名所にもなっています。以前北海道の旭川に木を見に行った時に是非行って見たいと思っていましたが、北海道の広さをなめていてとても時間が足りず断念した過去があります。いずれ是非訪れてみたい場所の1つです。




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