森のかけら | 大五木材

地球の鼓動・神代欅*

categories 1. 今日のかけら | datetime 2021/10/28 AM7:54

★今日のかけら・#058 【神代欅/ジンダイケヤキ】 ニレ科ケヤキ属・広葉樹・宮崎産

山火事や地震は怖いけれど、火事の熱量でなければ種子は落下せず、火事で枝や葉っぱが焼かれたあとの土でしか発芽しないと言われる『ジャイアントセコイア』みたいに、ちゃっかり利用する者もいたりと自然界の相互依存関係はハードでタフ。火事で燃えた山だって永遠に禿山のままってことはなくて、やがて逞しい奴が芽を咲かせ縄張り競争が始める。火山においてもひとたびは身を焦がされたり、土石流でなぎ倒されたりしても、その数百年、数千年後に掘り出されて輝きを放つものもある。それが神代木(ジンダイボク)

神の御代の時代から土に埋まっていて、再びこの世界に現れたという意味で「神代」という厳かな冠がつけられています。要するに火山の噴火や土砂崩れなどによって地中深くに埋められ、数百年とか数千年後に道路工事などで偶然掘り出されてきた土埋木(どまいぼく)の事です。本来はその中でも特に状態、品質の優れたものだけにつけられる栄誉なのですが、最近では「土埋木=神代木」と拡大解釈され、言葉としての響きもよいことから土埋木全般に対してこの言葉が使われる傾向にあります。

弊社にも秋田県鳥海山ジンダイスギをはじめ北海道から産されたジンダイナラジンダイタモ、ジンダイニレなどいろいろな神代ありますが、これを自然の恩恵と呼んでしまうには、これらの木が埋没するに至った経緯を考えると不遜かもしれませんが、何もなければこれらの木を得ることは出来ませんでした。中でもこちらのジンダイケヤキは月のクレーターのような質感になっていて、恐らく火山の噴火によるものと思われますが、その凄まじさが伝わったきます。

熱さのためか木も全体的に強い力が加わってねじれたような形になっていて、建築や家具に使えるようなものではありませんが、地球の鼓動を伝える遺物として個人的なコレクション。土埋木は永らく地下水や地価の微生物なども影響も受けて変質しているので、通常の木材という感覚で使うと痛い目に合う事もあるので注意が必要。しかし削った時の不思議な石質感や人工物では得られない風合いは格別。私はとりわけこのジンダイケヤキに強く惹かれます。もしこれが掘り出されずにそのまま朽ち果ててしまっていたらと思うと、自然はかくも残酷でかくも美しい




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