森のかけら | 大五木材

端材の極北・森のりんご

2014/12/05

Exif_JPEG_PICTUREここしばらく在庫状況の更新を怠っていた『森のりんご』ですが、先日ようやく最新在庫状況を更新しました。『森のりんご』は、キューブの【森のかけら】に対して、曲線を愛でれる商品として開発したわけですが、【森のかけら】の240種リストを完成させた以後にご縁があって入手出来た木、あるいは『プレミアム36』などの分類した木材たちの出口の1つとして考えたものでもあります。最新の在庫の中でみると、240種、プレミア36にも属さないモノとしてシキミ㊧やキンモクセイ㊨などがあります。

 

Exif_JPEG_PICTUREまた240種のリストの木であっても、クロガネモチスズカケノキカイヅカイブキなどのように公園木や街路樹など『木』としては日常から馴染みはあっても、『材』として触ったりすることのないモノについても、身近に置いて触れてもらいたいという気持ちで製作したものです。それは、チューリップウッドボコーテ、アマレロ、シャム柿、リグナムバイタなど『プレミア36』に属するレアな木たちについても同じコンセプトで、木は実際に五感で触れて感じてこそ理解、実感できるものだと考えています。

 

Exif_JPEG_PICTUREそういうレナな木の出口というのは、楽器やインテリア、装飾具などもっぱら建築や家具とは違うところにあって、昔は私にとっても縁遠い木でした。1つのスペックを他樹種で作るというコンセプト自体は、【森のかけら】も『森のりんご』も同じなのですが、100個(あるいは36個)で販売するセット商品に対して、バラで1個ずつ販売する商品として、同じマニア向け商品でも私なりに路線を分けた商品でしたが、単価から考えるとコレクターにとっては決して集めやすいものではなかったかもしれません

 

Exif_JPEG_PICTURE今までの販売統計を調べてみても、プレゼントなどに1、2個を購入するという方がほとんどで、5個以上のまとめ会はわずか。まあ、プレミアのりんごですと5個でも¥25,000ですから(!)余程の物好きでなければ手を出さないのも現実だと思います。それでも果敢にまとめ買いされるようなコレクターが世の中にはいらっしゃる、またそういう方とご縁が出来るというのはありがたい事です。わざわざそんな高いハードルを飛び越えて来て下さる方のためにも、決して値下げなどせずにこのまま端材の極北に邁進してまいります

かけらの新入生歓迎!

2014/04/19

Exif_JPEG_PICTURE物事には目に見えない周波数のようなものがあって、共鳴し合ったり引き付け合うのかなあと思う事がしばしばあります。たまたまモノの巡り合わせみたいなものかもしれませんが、欲していた材の話が突然数か所から一度に舞い込んできたり、初めて会った人が実は数珠つなぎに繋がっていたりだとか。先日、シキミやグミなどの小枝の話をアップしましたが、今度は近所の造園屋さんから「大きめの庭木を伐ったのだけでいらない?」とお声をかけていただきました。それがまたちょうど探していた木!

 

 

Exif_JPEG_PICTURE早速現地に見に行きましたが、庭木だと思ってなめていたら予想以上の大きさでしたので、急遽弊社まで運んでいただき短くカットしてもらう事に。クロガネモチカイヅカイブキヒイラギです。それぞれ少しは在庫があるものの、木材市場では流通していない木ばかりなので、こういうご縁で確保しておかないといつ手に入るか分かりません。しかも、その後は気長にじっくりと天然乾燥させるので、実際に材として使えるようになるのは1年ぐらい先の話。それを見越しての「仕込み」となるわけです。

 

 

Exif_JPEG_PICTUREこの後は、すぐに割ってしまわないと芯から放射状に割れてしまって何にも使えなくなってしまいます。なので早めに用途を決めて必要サイズに割ってしまう事が肝心。魚でいえば「活け締め」みたいなものでしょうか。以前はこうして手に入っても、とりあえず【森のかけら】用サイズに挽き割っていました。しかし、このところ240種のリスト以外の材が手にはいることも多くなりました。このヒイラギなどもそうです。また量が多いと、その樹種のかけらばかりになるので最近は狙いを変えています。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE「かけら」のように樹種が限定されていなくて、それぞれで商品価値があるものということで、『森のりんご』に力を入れています。それだけでペーパーウェイトににもなるぐらいの重さが理想なのですが、いろいろ並べて見ていると、やはり種類が多い方が楽しそうなので、プレミアムな路線とは別にそれぞれの樹種でも作ってみようかと考えているのです。そうなると、『ヒイラギのりんご』やら『シキミのりんご』、更に『ミカンのりんご』、『モモのりんご』なんてものまで生まれてくるわけです。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE言葉だけ聞くと何が何やら分からぬ世界ですが、【森のかけら】のキューブ感とは違う曲面の触感も病み付きになりますぞ!今回ご縁があって弊社にやって来たこれらの「新入生」たちの顔を見ていると、1年後にどういう変身を遂げているかが楽しみでなりません。初々しい彼らもやがては、倉庫の牢名主のような存在になってしまうのか?そうはならないように早めに「卒業」させてやらねばならないとと思ってはいるものの、まだまだ倉庫の奥には別れが名残惜しい留年組が沢山控えておりまして・・・

銘木巡礼⑤ 銘木界への入口

2014/02/17

20140217 1銘木市場で売っているのは板や柱ばかりではありません。それら数々の銘木の元の姿でもある原木も販売してあります。弊社では時々地元で原木買いもしていますが、さすがに銘木が取れるようなこのクラスの巨大原木ともなるとリスクがあり過ぎて、鋸(台車)を持っていない材木屋としてはとても手が出るようなレベルではありません。私は原木から挽きあがりの板がイメージ出来る目利きの製材屋ではありませんので、今回は撮影に専念させていただきました。

 

20140217 2その丸太もケヤキなどの広葉樹が多いのですが、倉庫の中には針葉樹の板も沢山あります。こちらの倉庫には九州の『霧島杉』の耳付き板がズラリと並んでいます。よく目が詰まって立派な杢目を持つ杉ですが、木としては日頃から見慣れた樹種なので不思議と親近感が湧きます。この他にも大径木のヒノキスギもありましたが、ヒノキに対して銘木という呼び方を使うのは一般的にはあまり覚えがありません。あまりに身近にあり過ぎて、レア感が希薄なのかも・・・

 

20140217 3木材業界でよく使われる言葉に『木の中でもっとも安いのもスギならばもっとも高いのもスギ』というフレーズがあります。例えば前者の代表が、1膳の価格が現在の日本で使われていない通貨単位の割り箸(銭)であり、後者の代表格が高級なものになると千万円単位もする屋久杉の調度品などです。つまり、それほど振り幅があるのがスギという木の魅力でもあるのです。針葉樹も充分素晴らしいのですが、広葉樹の奥深さはまたそれとは別の味わいがあります。

 

20140217 4例えば倉庫の中で無造作に立て掛けてあったこちらの小さな木、蛇柄がとっても特徴的な『スネークウッ』という木。相当レア度の高いきで、滅多にお目にかかる木ではありません。この木の特徴は、以前『今日のかけら』でもご紹介しましたが、木柄を活かしたものづくりをされる木工作家さん方にとっては垂涎の的。端材といえども信じられないぐらいの高値がします!こんな木ですら無造作に置いてあるところが、銘木の聖地の聖地たる所以なのでしょう。

 

Exif_JPEG_PICTUREこのレア度の高いスネークウッドが含まれているのが、【森のかけら・プレミアム36】です。スネークはじめレア感満載のプレミアな木たちが総勢36種揃っています。そのうち、30種がプレミアシリーズのみの樹種。後の6種類は、【森のかけら240種】の中から6種を私の独断でセレクト。一度スネークウッドの実物が見てみたいという好奇心のある方、銘木の世界の深淵を覗いてみようという勇気のある方、増税前に是非どうぞ!3月末までなら、税込6万円!

 

誰(た)がために「かけら」はあるか・・・②

2013/12/31

20131231 1.bmp経済的に価値のあるものだけを扱ってきた材木屋が、こういう事を言うというのは本当に口幅ったい事なのですが、でも材木屋だからこそ言わねばならないと考えるようになりました。だったらせめて、その贖罪というわけではないですが、すべての木をピュアな生命価値という価値観で平等に捉えられるものづくりは出来ないだろうか。好きな木を好きなだけ選ぶのではなく、決められた森の大きさに合わせて、それだけの木を選ぶというルール。つまりそれが、「森のかけら」。

 

20131231 3器の大きさは100、あるいは「36」です。その森の大きさに合わせて木を選ぶ、なので好きな木を選んでもらうのは構わないのですが、中には望んでいなくとも加えていただかなければならない木も出てくるでしょう。それが経済価値社会の中では余計なもの、価値の低いものと映るかもしれません。しかし、「森のかけら社会」においては、どれもが対等なのです。世界の銘木チークだって、そこらにあるスギだって同じ価値。いろいろな木があってこそ本来の森の姿。

 

Exif_JPEG_PICTUREいろいろな木が集まり森を作っているのですから、どれが欠けても森は成り立ちません。ここにおいてはそれぞれの木はAtoZに記号化され、森を構成するかけがえのないワンピースとして光り輝くのです!なので、1個いくら?とか、好きなだけ欲しいとかいうご要望にはお応え出来ません。100(36)の森すべてを愛していただきたい!・・・と、こんな調子で商品説明をしているからら分かりづらいんでしょうね。でも仕方ありません、そういう人間なんですから。

 

20131231 4それでもどうしても納得できないという方には、森の物語という調味料を振り掛けた「森の5かけら」や、あえて経済価値の極限までいった反面教師的な「森のかけら・プレミアム36」もご用意していますのでご安心を!もともと本来こういう趣旨で作り始めたわけではなかったのですが、年々商品の存在意義や価値観を強く意識するようになり、骨格が鮮明になり、核心が研ぎ澄まされてきました。もしやこれって、かけらの神が私に与えたもうた使命?!いま、本気で考えています。

 

森のかけら・プレミア36の出来るまで物語③

2013/11/17

20131117 1 .bmp日本の木120種の中で、建築や家具材としても馴染みの薄い木といえば、アズキナシ、アベマキ、イブキ、ウメ、ウリハダカエデ、カゴノキ、クヌギ、クロガネモチ、コシアブラ、サイカチ、スズカケノキ、スモモ、セイヨウナシ、チシャノキ、ツバキ、トウネズミモチ、トネリコ、ナシ、ナナカマド、ネムノキ、ハゼ、ハマセンダン、ハリエンジュ、フジキ、ミカン、ミズキ、ムクロジ、メタセコイア、モチノキ、モッコク、モモ、ヤマボウシ、ユズリハ、ユリノキ、リョウブなど。

 

20131117 2 .bmp思いつくままに名前を挙げただけでもこれぐらいあいます。当然地域性もありますので、地域によっては日頃から使っていて馴染みのある木もあるでしょうが。中でも柑橘系などの木は、そもそも大きくなりにくく、選定したり伐採しても市場に出てくる事はほとんどありませんので、農家の方などから直接分けていただくしかありません。森のかけら】を作った当時は、自分自身もその時に初めて手にした材もありましたが、随分状況も変わってきました。

 

20131117 3 .bmp難しかった柑橘系の木も、近所の農家の方や友人・知人のご好意で、予想以上の大きな幹を分けていただく事も多くなりました。それも、日頃の地域の方々との交流あっての事。町内会や消防団、学校関係等々のお付き合いの中で、私の仕事にもご理解をいただき、ご縁がつながるようになったのです。案ずるよりも産むが易しだったわけですが、決して意図してそうなったわけではなく、ご縁が自然とつなっがってプラスの循環に作用しはじめたのだと思うのです。

 

20131117 4 .bmp話がなかなか主題の【プレミア36】に辿り着きませんが・・・。まあ、そういう流れの中で、当初想定していなかった240種以外の木もポチポと手元にやって来る事が多くなったのです。特に日本の木で、量もわずかで、決して高級でも植物的はレアでもないものの、ふつう電話やメールで頼んでも簡単には手に入らないだろうという木たちです。例えば、カラスザンショウとかキンモクセイ、ネズミサシとか・・・。そういった珍しい木を集めたものが【森のかけらプレミアム36】なのです!(やっと)

 

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