★今日のかけら・#220 【マニルカラ】 Manilkara アカテツ科・広葉樹・中南米産

最近、ウッドデッキを設置される方が多く、よく問い合わせをいただきます。以前に【イペ】や【サッチーネ】を取り上げた時にも書かせていただきましたが、外部に木を使っていただく場合はなるべく「木材の中では比較的耐候性の高い木」をお勧めしています。そうなるとやはり、マニルカラやイペ、サッチーネ、ウリンなどの「硬木」になります。最近その手の、俗に『アイアンウッド』と呼ばれる「鉄のように硬く重たい木」がいろいろ輸入されていますが、種類が増えすぎて市場はやや混乱気味です。こういう場合、材木店としては全ての材を扱うことは難しいので、樹種を厳選することとなります。

この種のアイアンウッドの場合、サイズは105×20mm, 105×30mmが主流です。稀に12mm幅とか45mmもありますが。大引サイズは、70×70、90×90mmが一般的です。それぞれに長さが2000から4000mmぐらいまであるわけですが、施工時にインパクトのビットが折れるほどの硬い木です。素性の悪い物は、どうにもなりません。杉や針葉樹のような感覚でいるととんでもない目に合います。長い木ほど材の特性が出やすいので、経験上3000mmを越える物に直材は望めないと思ったほうがいいです。それは木が悪いのではなく、鋼のような木が通直であるはずがないというのが普通の感覚だと思います。3mx4mサイズのデッキだと4m物の大引きを敷きたい気持ちは分かるのですが、出来れば短めの物をつながれるのが懸命ではないかと思います。一方方向だけの反りなら何とかなりますが、プロペラのようにねじれている物も珍しくありません。
そう言うと、とんでもなく使えない木だと思われるかもしれませんが、全部が全部反ってねじれているわけではないので、なるべく性の良い物を大引に使ってもらって、反っている物は短く切って束にしていただければ使えます。それは売る方の身勝手な言い分だといわれそうですが、そう言わざるをえないほど「剛」の物です。確かに高い耐候性を持ち、強靭ですが精度は低いです。木ですから当然といえば当然ですが。全ての要求に万能な天然素材はないと言うことです。なぜなら、それは建築やクラフトの資材になるためだけに生まれたわけではないからです。どこで折り合いをつけるかという事が大切だと思います。
前置きが長くなりましたが、弊社では「アイアンウッド」の中でも【マニルカラ】と【イペ】が主力です。特に【マニルカラ】については、かなり早い段階から扱いを始めたので、結構現場はこなしてきました。そのお陰でいろいろな問題にもぶち当たりました。反りや曲がりの問題は別として(これはある意味前提ですから・・・)、なかでも初めて使われる方が驚くのは、濡れた時の【泡】です!「?」と思うでしょうが、体験すればよく分かります。【マニルカラ】を水で濡らすと異常なぐらい泡立ちます!それが半端ではありません!シャンプーでもつけたのかというぐらい泡が出てきます。これは初めて見る方はちょっとした衝撃かもしれません。
何も仕込んでいません。ただ普通に水道水で洗いブラシでこすっただけです。樹液と思われるものが材に付着していて水に溶け出し、あたかもシャンプーのように泡立つという事です。ただしこれは1回限りの現象で、最初によく磨いて水洗いすれば後は泡立ちません。水を掛けるだけではここまで泡立ちません。水をかけながらブラシでこするとよく泡立ちます。私も最初に見たときは驚きましたが、今では初めて【マニルカラ】を使われるお客さんへのデモンストレーションとして逆に楽しんでいます。世界は広いです、いろんな木があります。施工直後の雨に濡れた【マニルカラ】には何ともいえない艶やかななまめかしさが漂います。
ENJOY THE SUN
2010年 7月 9日 金曜日 at 10:17 PM 2. 木のはなし
私の自宅は風通しがいいので、夜になると肌寒いくらい涼風が巡って涼しいのですが、さすがに日中はじっとしていても汗がにじんでくるぐらい暑くなってきました。生来の汗っかきなので、加工機で加工をすると木粉や埃に汗が混ざってドロドロになってしまいます。加工をしていて事務所に戻ってパソコンに向かうと、両肘の下が汗でビショビショになってしまいます。伝票が腕に這いついたり、汗で文字が滲んだり・・・。汗をかくので大量に水を飲み、それで更に汗をかき体力を消耗するのく繰り返し。もっと痩せれば太陽と友達になれるのかもしれませんが・・・。
例年に比べて雨も多く涼しい6月だったので、暑さの苦手な私には過ごしやすかったのですが、気がつくと日差しも日に日に強くなってきています。梅雨は材木屋にとっても一番辛い季節です。この湿度から大量にカビが発生しやすくなるのと現場の進捗が遅れます。毎朝空を睨んでの段取りですが、雨で建前が延びたり、急に加工に入られたりと天候に左右され慌しくなります。7月の声を聞いて、紫外線の量も確実に増えてきています。我が家の玄関先の濡れ縁もすっかり何の木か分からなくなるほど退色が進行しました。
それをデッキブラシと中性洗剤を使ってゴシゴシ根気よく磨いていくと、おおっ!元の木の生地が復活してきました。すっかり手入れを怠けていて、もう5,6年ぶりのメンテナンスでしたので、完全復活というわけにはいきませんが、何の木が分かるぐらいにはなりました。これ、欅(ケヤキ)の無塗装の濡縁です。白太の部分がわずかに朽ちている程度で、赤味はまだまだ元気です。水洗いした後は、よく拭いて風通しのよい所に立てかけて乾かします㊨。最後に植物性油を塗装してメンテナンス終了です。画像は塗装する前です。
こうして木が退色することを『白銀化』と呼んだりしますが、私はあえてロマンスグレーになるので、それを楽しんでくださいと説明しています。本物ではない精巧な張り物や木もどきの商品がたくさん溢れ、どれが本物でどこまでが本物なのか見まがうぐらいに「木質商品」が出回っています。それは「経年変化によっても変わらない品質の良さ」を謳ったものですが、天然素材にそれを求めること自体が間違いで本末転倒だと思います。変化していくからこそ木なのであり、それを否定して何を求めるのでしょうか。それを受け入れられない方は、「木もどき」でも満足なのでしょうから、それはそれで否定はしません。木の良さはデータで計れるものばかりではありません。個人の嗜好もあるでしょうが、日々うつろい変わっていく人間の生活と同調するものはやはり自然素材だと思うのです。
私はどうしても金属やアルミなどに一定の距離感を抱いてしまうのですが、それは同じ歩調で年月を刻みこめない無機質ゆえの感覚だと思います。さて、初めて夏を迎えるウッドデッキも紫外線の洗礼を受けて、すっかり退色が進んでいることでしょう。およそ半年前に完成したパルスデザインの大内さんのオフィスのデッキもすっかりロマンスグレーに染まっていました。木はマニルカラです。上の画像が施工直後で、右が先日撮った画像です。違う場所ですか?と見まがうほどの変貌ですがほぼ同じアングルです。紫外線によって表面の退色が進んだだけで劣化したわけではありません。初めから、半年もすればロマンスグレーの渋いデッキになりますと説明しておりましたので、何も問題はありませんが、施工前に説明がないと施主さんは驚かれるかもしれません。すっかり太陽に歓待されたこのデッキ上で、パルスビアガーデンの開幕が待ち遠しいです!チケットの予約1枚お願いしま~す!
ウッドデッキの重たい思い
2010年 7月 30日 金曜日 at 11:24 PM 3. 木の仕事
開放的な気分になるからでしょうか、冬場よりも圧倒的に増えるのがこの時期のウッドデッキのお問い合わせです。雨や雪などの施工上の問題や、冬期に作ってもわざわざ寒い外でバーべキューもないでしょうから当然と言えば当然ですが、この酷暑の中で硬木を相手に格闘される大工さんは大変です。汗だくだくになって施工されている大工さんの元に、追加材を納品などする時は、何だか「こんな硬い木で申し訳ありません・・・」というような気分になんるのですが、長い目でみればやはりこれで間違っていないと自分を奮い立たせ、元気に「追加のデッキ材お持ちしました~!」と爽やかに納品させていただきます。最近はイペやマニルカラ、ウリンなどの硬い高耐久木材も認知度が出てきて、広く一般の方にも浸透してきましたが、このあたりに入ってきた当初は材の特性をなかなか理解してもらえずに苦労しました。
さて、本日もウッドデッキのお問い合わせとご注文が入り、材料をご用意させていただきました。弊社では取り扱い商社の傾向から現在はイペとマニルカラ(アマゾンジャラ)を中心に品揃えしていますが、少量であればイタウバ、サッチーネ、ムイラカチアラなどの硬木も在庫があります。デッキ材は結構な値段もするうえに、他への転用が効きにくいので、小刻みなサイズがあります。例えば2m、2.1m、2.4m、2.7m、3mという具合。これに厚みと幅が加わって、掛け算式に樹種が加わると膨大なアイテムになってしまうので、現在はサイズと樹種を絞り込んでいます。
お買い求めいただく方にとっては、サイズのバリエーションがあった方がいいのは分かるのですが、現実的にはデッキの専門店でなければ多品種多寸法の在庫管理は難しいです。在庫段階でもロスの発生が出ますし、あるゆるさサイズが常時国内に入荷しているとも限りません。大型の公共工事などが出ると一過性の欠品状態も発生しますし、こういう物はタイミングで大きく左右します。今回のご注文はイペ㊨でしたが、色々な事情で価格が上がってきております。
当然価格も重要ですが、最近は発注から納材までの時間が短い傾向があるので、すぐに間に合うという要素もとても重要です。少量であれば宅急便でも送れるのですが、この重さです。当然運賃も安くはありません!量がまとまれば、4トン車とか10トン車での運搬となるのですが、そうなると宅急便のように即日配車は難しくなります。東京にあるけど、松山に届くのは1週間後、では間に合わない事もしばしば・・・。先方にも色々な事情がありますので、致し方ありません。そうなるとやはり樹種とサイズを絞り込んで、集中的に在庫していくしかありません。
これがまた皮肉な物で、絞り込んだサイズ以外の注文が増えたりするのです!選ばれなかったサイズの怨念?いやいや、世の中そううまくはいかない事になっているのでしょう。これからはマニルカラ1本に絞ろうかなと思っていたところへのイペの注文です。ああ、イペの怒りを買ったか~!1年も経てば何の木を使ってもすっかり退色してどれでも一緒じゃないか・・・などと言ってはいけません!確かにそれは現実ですが、その裏で何を提案すればいいのか真剣に悩みながら関わっている多数の関係者がいるのも事実です。ウッドデッキが重たいのはみんなのそんな思いのせいかも?
高耐久ウッドデッキのへ礎
2011年 5月 25日 水曜日 at 9:22 PM 2. 木のはなし
「トランジスタハウス」で、もうひとつどうしても触れておきたいのが、高耐久木材であるマニルカラで埋め尽くされたウッドデッキ!こちらの施工をされたもみじ建築の越智棟梁から、本数を訊いた時、敷地の割りに結構数量が多いと思っていたのですが、こういう事だったのですね。隣との境界のブロックの壁までめいっぱいマニルカラで貼り尽くされていました。まるで庭ステージ!庭先に植栽された庭木の緑が、奥のマニルカラの赤褐色によく映えています。これは綺麗でした~!自分のところの商品だから言っているのではなく、ここまで徹底して張る尽くされると存在感も格別です。束、大引には70x70㎜、座面には105x20㎜のマニルカラを使っていただきました。派手な色合いですが、これで無塗装状態。雨に塗るれと更に赤身が濃くなります。最初の雨で「マニルカラ・ソープ」の洗礼を受ける事となりますが、どうぞお楽しみに!
我が社でも7、8年前までは防腐剤など塗装を伴わないウッドデッキ材としては、「オーストラリアン・ハードサイプレス」が主流でした。ハードサイプレスも重硬な材なのですが、そもそも丸太がそれほど大きくないので、芯持ち材を利用していて、大きな節を含んだ商品になります。芯材と辺材のコントラスト、そこに大きな節材が絡んだ表情は、絵面としてはとても面白いのですが、経年変化で節が抜けたり、辺材が脆(もろ)くなって欠損したりする事例が発生したので、代替材を検討していました。
決してサイプレスが弱いというわけではなく費用対効果の問題だと思います。どれぐらいの費用を掛けて、どのぐらいの期間楽しむか、あるいは保たせれるかという事だと思います。価格的には、ハードサイプレスに比べてマニルカラの方が3倍ぐらい高額なのですが、その耐久性は価格以上のものがあります。一般的に流通しているハードサイプレスのデッキ材は20㎜前後が主流なのですが、もう少し厚くすれば更に強度は高まると思います。しかしこれも価格との兼ね合いです。値段次第と言っては身も蓋もありませんが、市場の「見えざる手」は的確に商品の価値を価格付けしています。松山周辺でも、以前は価格がネックだったマニルカラやイペ、ウリン、イタウバといった高耐久木材が普通に流通するようになりましたが、それもハードサイプレスがデッキ材として一時代を築いたという礎があったからこそだと思うのです。
ハードサイプレスに関わらず、例えばイエローシーダー(米ヒバ)とか桧でも、要は手入れ次第ではあると思うのです。木材界においては、『メンテナンス・フリー』という言葉が、本来の意味とは別の解釈として用いられる事があります。手入れの必要が不要という意味では無く、簡単に自由に手入れが出来るとう意味です。このマニルカラは、防腐剤や専用塗料を塗らなくても、高い耐久性を有しているものの、決してメンテナンスはフリー(不要)という風には解釈しないで下さい。ただ、他の材に比べるとそのお手入れはかなり簡素化出来ます。年に1、2回デッキブラシで強く磨いてやれば、表面の汚れはある程度落とせます。ただ紫外線の影響は避けられませんので、退色が気になる方は専用の塗料もありますが、この木の魅力としては数年後の灰褐色のロマンスグレーとの出会いだと思うので、私としては無塗装で、デッキブラシでの楽しいフリー(自由)なメンテナンスをお薦めします!
★今日のかけらプレミアム005 【カステロ】 Castello boxwood イイギリ科・広葉樹・パラグアイ産
2010年 2月 24日 水曜日 at 9:30 PM 1. 今日のかけら
すっかりネタが古くなってしまいましたが、『森のかけら』の育ての親お二人が揃って事務所の移転です。一足先に移転したのは、パルス・デザインの大内さん。詳しくは以前にこのブログでもご紹介させていただきましたが、事務所が少し近付いたせいで頻繁に伺わせていただいております。それに遅れること数週間、エス・デザインスタジオの佐野さんも市内宮西町に事務所を移されました。とにかくお忙しいお方で、片付けもままならないほど仕事やら講義やら出張やら、いろいろな物が山積しています。 当日は、何かに憑かれたように一心不乱に作業に打ち込まれていました。この正体は後日!
その佐野さんは、先月仕事でロンドン、パリに出張されていました。出張先の話は、佐野さんご自身のブログで詳しく報告されていますので、是非そちらもご覧下さい。宇和島の真珠関係のお仕事で視察に行かれていたようですが、そこから話がどんどん膨らんでいきそうなので、我が事のように楽しみです。教え子が師匠の仕事に口を挟んで出過ぎた真似をしてしまいましたが、ご活躍を祈念しております。なによりも体を壊さないようにお気をつけ下さい。
前振りが長くなりましたが、本題はここからです。佐野さんから、現地のノミの市で戯れにこんな物を買ったんですと、ある物を見せていただいきました。右画像のアンティークのスケール、折りたたみ式の定規です。不思議な構造ですが、デザインがシンプルで洗練されています。下のようにパチン、パチンと折ったり畳んだりして使うようです。何より味わいがあります。精度?そんな不粋な事を言っちゃいけません! 真鍮と木を組み合わせて作られています。




黄色くくすんでいるが何の木に塗装しているのだろうと眺めていたら・・・!こういうのを本当に僥倖と言うのでしょう!まあ、それをこんなに喜ぶのは私ぐらいでしょうが。佐野さんは私の驚きの意味が分からず、不思議そうに苦笑いをされていました。それはそうでしょう。この古びたスケールに刻まれた消えかけの文字が幾つか彫ってあります。その中に、少しかすれてはいるものの、しっかりと〔BOX WOOD〕と英語のスペルがあるではありませんか!黄色く塗っていたのではなかったのです。こ、これは・・・!この運命的な邂逅(かいこう)の結末は・・・
たっぷりともったいをつけて明日に続きます。
その名前に心をときめかせるのも私だけなのでしょうが・・・。実は、これこそ【森のかけら・プレミアム】に加えるかどうかで悩みに悩んだ木・ボックスウッドなのです。かなり使い込まれたアンティークなので、傷も汚れもありますが、こんな所で(失礼!)巡り合うとは感激です!人間、強く望み続けていれば大概のことは叶うと信じていますが、本当です。正直、私もこれがボックスウッドなのか別の木なのか、はっきりと断定はできないのですが、こういうものは一種の推理のようなものですから、購入した地域とかも手掛かりにしながら、可能性を探っていきます。
さて、その前に本来は『ボックスウッド』という俗称は、文字通り箱細工など緻密な加工物に適しているところからきていて、きめが細かく強度もあることから織物の芯材や滑車、ボーリングのピン、木槌また、測定器具や定規、版木やチェスの駒などに使われてきました。その木は、イギリス、ヨーロッパ、北アフリカなどに分布するツゲ科の常緑広葉樹で、各地の地名がついて『ヨーロピアン・ボックスウッド』とか『ペルシアン・ボックスウッド』とも呼ばれます。しかしこの木は非常に小さなものしかなく、乾燥に伴って激しく割れます。そのためとても高価で貴重なものなのです。
そのため、特徴が似ていて同じような用途に適した木も同様に『ボックスウッド』の名前を冠して流通されるようになり、本来のツゲ科ではないものも『OOボックスウッド』と呼ばれています。【森のかけらプレミア36】に入れてあるのは、俗に『カステロ・ボックスウッド』と呼ばれて流通しているイイギリ科の木です。こちらは、購入先から中南米のパラグアイ産という事を聞いていましたので、『ボックスウッド』としてではなく、『カステロ』として加えさせていただきました。こちらの木も非常に緻密で、今では入荷が困難になったツゲやボックスウッドの代用として、彫刻やリコーダーなどの楽器にも広く使われています。小さなかけらからもその重みが伝わってきます。特に楽器としては共鳴効果も優れているようで、とても重用されています。
このカステロの他にも、色目が黄色くて緻密で滑らかな材は『OOボックスウッド』の名前が付いていて、かなりややこしい事になっています。これはカステロや木材資源に限ったことではなくて、本来の貴重な物が減ってくると、それそのものではないがかなり似ていますよという事で、OOダイヤとかOO真珠とかよくありがちな話です。話を元に戻しますと、佐野さんの定規はロンドンで購入されたという事から、中南米産のイイギリ科のカステロではなくツゲ科のヨーロピアン・ボックスウッドの可能性が高いのです。しかもヨーロッパでは安定性が良い事から測定器具や定規に長らく使われてきたという伝統があり、その事からも、このアンティークな定規が本物のボックスウッドであると考えられるのです。今では貴重になった木といえども、かつては適材適所に使われ我々の身近な所にさり気なくあったのだとつくづく感じたボックスウッドとの邂逅でした!

