竜が血を吐くドラゴン・ツリー*
★今日のかけら番外篇・E004【ドラゴンツリー】Dragon tree リュウゼツラン科・和名/竜血樹(リュウケツジュ)
昨晩のテレビ番組「素敵な宇宙船地球号」を観ました。2008年の世界遺産登録され、 シンドバッドが立ち寄ったという伝説の島・ソコトラ島の不思議な木の話しでした。何の資源もないインド洋の小さな島が、なぜ世界遺産になったかというと、この島が大地変動に取り残され特異な進化を遂げた島で、貴重な植生物が生息しているからだそうです。「植物のガラパゴス」とも呼ばれるこの島にしか育たない奇妙な木、それが竜血樹です。もうこのネーミングからして惹きつけられます。観るのにも思わず力が入りました。 |
でも全てが分かりすぎる事は、なんだか危険な気もします。やっぱり、クスノキやタブノキの巨木には神が棲んでいるし、竜血樹にもドラゴンが棲んでいるのではないでしょうか。でなければ、あんな姿になるはずがありません。そして竜血樹の血は、この地球の行く末を憂う竜の嘆きの血なのではないのでしょうか。そうであってはほしくないと願うばかりです。関連ブログ「竜血樹・ドラゴンツリー、ふたたび!」も是非ご覧下さい。 |
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竜血樹・ドラゴンツリー、ふたたび!
昨晩何気にテレビを見ていると、「世界ふしぎ発見!」のTVCMで『ソコトラ島』の名前が!ソコトラ島といえば、かつて「素敵な宇宙船地球号」という番組で『竜血樹・ドラゴンツリー』を取り上げていましたが、番組25周年記念、スポンサーの日立の100周年とかで、3週連続のスペシャル番組として驚異の島・ソコトラ島を取り上げるとの事でした。これは見逃してはならない!TVCMにも私の大好きなドラゴンツリーの姿が映っていました。実は以前ドラゴンツリーを観てから、その異様な姿に惹かれっぱなしなのです。
さすがは『この木なんの木』(モンキーポッド)を企業のイメージツリーに掲げる天下の日立!より動植物の生態も詳しく取り上げていただきありがたい。この島は「地球でもっとも地球らしくない島」と呼ばれるほど独自の進化を遂げた島で、前回もその個性溢れる動植物の姿には魅せられました。島独特の地形の影響で強烈な風が吹き、枝の風下から新緑が出たりと生命力のたくましさを感じます。世界中のザクロの原種はわずかに4本しか残っておらず、そのうちの貴重な1本・ソコトラザクロも紹介されていましたが、果実樹の幹には食指が動きます。まずは蜜柑の木から活かさねばならんでしょう。ドラゴンツリーと呼ばれる由来は以前にもブログで紹介しましたが、モンスーンの霧が山にぶつかった水分をより多く吸収するために椎茸のような形になったという事です。その樹液が赤く、止血剤としての用途も高く、かつては剣闘士たちにも重宝されたようです。
立派な傘を広げた状態になったもので樹齢500年以上という事ですが(年輪がないので推定ということらしいです)、幼木は山羊などに食べられ、その成長過程が謎のベールに包まれていて、近年になって種から育てるプロジェクトが進められているとの事です。何年ぐらいすればその姿になるのかを探るという壮大な計画です。どの苗がそうかという事が問題になっていて、答えは草のようなものでしたが、苗も販売されています。500年先に夢をつないで育ててみようかな~。
実は以前に高知県の牧野植物園に行った時に温室で、このドラゴンツリーの幼樹に出会いました。その時点でデジカメのバッテリーランプが点滅しているというとても危険な状態ですが、なんとか撮影に成功、余裕があればもっと別アングルでも撮影したかったのですが。展示してあったのはカナリア諸島のドラゴンツリーでした。クイズの答えはまさにこの画像の幹の無い姿でした。そこから葉っぱをグングン押し上げて成長していくのでしょうか。
あの奇妙な姿になるまで500年から1000年、この木はどんなドラマを目撃するのでしょうか。もしも将来、木から過去の記憶を取り出し映像化する技術が確立したとしたら、そこには多くの歴史書を塗り替えるような大発見があることでしょう。しかし、その真実は100数年しか生きることの出来ない人間には知ってはならないし、知れば耐えられない事なのだと思います。その耐え難き苦しみにドラゴンツリーは血を吐くのでしょうか。1000年も生き続ける事の意味など人間に計り知ることなどで起用はずがありません。忘れる事の出来る生き物・人間のなんと素晴らしいことか。忘れっぽい私はつくづく思うのです。ドラゴンツリーの他にも『キュウリの木』と呼ばれる木や『乳香の木』など面白い木も取り上げられていましたが、ああっ、こんな所で端材が手に入れば【ソコトラのかけら】が出来るのに!何らかの理由で伐採する木や倒木のあるはず、その結末が気になる~!