森のかけら | 大五木材

★今日のかけら・#238 【レッドオーク】 Red oak  ブナ・広葉樹・北米産

20110407 赤い御身のオーク①

 

 

 

 

 

 

20110407 赤い御身のオーク②色の名前を頭に冠する木はたくさんあります。イエローシーダーパープルハートブラック・ウォールナット、黒檀、赤樫、等々。その多くは、材の肌目がその色調を帯びているというところが命名の由来ですが、中にはアカマツなどのように樹皮の色が由来となっている例もあります。ホワイトオークもその1つで、名前から純白を想像する方が多く、現物を見ると皆一同に「白くない!」。またブラック・チェリーは、その果実の黒味がかった色合いから命名されているので、名前はブラックでも材はレッドです。こちらも名前と実際の色合いのギャップに「?」となる方も多数いらっしゃいます。

20110407 赤い御身のオーク③片やホワイトオークには誤解がつきまといます。ホワイトオークの学名は、クエルクス・アルバといって、アルバには「白い」という意味があります。樹皮の色がやや淡い白身を帯びていることからきているとされています。材そのものは生地のままであればギリギリ淡黄~灰白色と呼べるかもしれませんが、オイルなどで塗装すると白とは程遠い表情に変わります。色合いを言葉で説明するのは非常に難しいのですがこんな色調。左がオイル塗装、右が無塗装です。

 

20110407 赤い御身のオーク④個人的には、材そのものも赤いレッドオーク』との対比として、ホワイトの冠が付けられたのではないかと思うのです。レッドオークはその名前通り、材も赤身を帯びています。荒材で見るよりも削った方がより赤身がはっきりと認識できます。右の画像は未塗装なので、いまひとつ赤身が伝わりにくいと思いますが、オイルを塗れば更に濡れ色になって一層赤身が増します。画像からも木目の詰まり具合が確認出来ると思いますが、今弊社にある在庫はかなりの良材です。倉庫の材を見ても、何故これほど良い材が売れないか不思議でたまりません。価格が特別高いというわけでもなく、ホワイトオークよりも安価なのですが、ひとえに私のPR下手が原因かと猛省しております・・・。これを契機にレッドオークの魅力を少しでもお伝えできればと思っております。

 

20110407 赤い御身のオーク⑤気乾比重0.75のホワイトオークに比べると、レッドオークは0.70で、実際に担いでみてもやや軽く感じられます。ホワイトオークとの最大の違いは、導管がチロースによって塞がれていないという事で、液体を入れる樽や桶などの用途には不適です。その主な用途は家具材や造作材、フローリングなどです。収縮が激しく乾燥管理が難しいというのが一般的な評価のようですが、弊社ではしっかり乾燥させた材を仕入れしているので正直そこまでの意識はありません。

 

20110407 赤い御身のオーク⑥むしろ私の感覚としては、硬さはホワイトオークと同程度かやや硬め、個体差はあるでしょうが素性はレッドオークの方が良くて癖が少ないという印象です。オーク独特の虎斑(トラフ)や変化のある杢はあまり望めませんが、その分材質はかなり均質で全体的に似たような雰囲気に仕上がります。主な産地は北アメリカの東海岸で、持続可能な森林資源として公の機関(FSCなど)で認証された材が豊富に生育しており、今後も安定的な入荷が見込まれています。この項、明日に続きます。

 

 

木の家具のある暮らし〔学習机篇〕

3. 木の仕事

20110408 木の家具のある暮らし〔学習机〕①昨日に引き続いてレッドオークホワイトオークの比較についての話ですが、一般的な特徴としては、ホワイトオークの方が耐久性があるが虫の害を受けやすく、レッドオークは腐朽に対する抵抗性は低いものの虫の害を受けにくいとされています。材木屋の経験則としても、実際に虫害を受けやすいのはホワイトオークです。そう言うと、ホワイトオークのフローリング㊨を使われた施主さんが心配されるかもしれませんが、それはあくまで立ち木や原木レベルでの話。フローリングなどに加工されて製品においては、それから後に虫の害を受けるという事はまずありません。それよりも考えられるのは、それ以前に虫が卵を産みつけていた箇所が含まれていた場合です。製品となった後に孵化して穿孔する場合が稀にあります。その多くは白太部分です。木の粉が小さく盛り上がっていたら、そこに小さな虫穴があります。それこそが、虫が材を食い破って抜け出た穿孔穴です。

 

20110408 木の家具のある暮らし〔学習机〕②別に心配させるつもりはありませんが、木はもともと森に在って、鳥や昆虫達の住処でもあったものです。それを人間が勝手に伐って、製材して、彼らの生活痕(虫穴)があるから価値が劣るなどと評価付けをしているに過ぎません。そもそもミカンナシ、リンゴなどの甘い果実がなる木や、クルミクリ、ドングリなど調理して人間でも食べようと思う森のめぐみは、虫達にだってその恩恵を受ける資格は平等にあるのです。つい話が脱線してしまいましたが、私の周辺でもレッドオークに対して全幅の信頼を寄せて、昔から造作材などによく利用されている工務店さんもいらっしゃいます。ただ他の木と同様に、レッドオークも赤身は虫害に強くとも、白太はその限りではありませんので、なるべく赤身を使うことをお勧めしたいところです。現在弊社で在庫しているレッドオークは、耳を断った平板ですが、ほとんど赤身のみで揃っています。

 

20110408 木の家具のある暮らし〔学習机〕③そのレッドオークの赤身を使った家具が先日完成して、本日納品させていただきました。子供さんの学習机という事で随分前にご注文をいただいていたのですが、3月末に仕事が集中していて、入学式当日にギリギリで納品させていただく事態に!弊社で家具をご注文いただく方は、ただ機能性を求められるのではなく、木に対するひとかたならぬ思い入れをお持ちの方が多く、単に商品を購入する以上の気持ちで家具が届くのを楽しみにされている方ばかり。納品が遅くなるのは本当に申し訳ない事です。

 

20110408 木の家具のある暮らし〔学習机〕④何とかお子さんが入学式から帰ってくる前にお届け出来てホッとひと安心。お子さんの喜ぶ顔も見たかったところですが、そこから先はご両親の特権です。存分に楽しんでいただければと思います。画面では机に収納していますが、引き出しはワゴンタイプで、すっぽり引き出す事が出来ます。余計な装飾を一切排して、シンプルな造りに徹しました。緻密な木目が生み出す上品で力強い表情は、美しさと安心感が同居しています。木に力がある場合は下手な小細工をせずに、木を信じてその力を引き出すお手伝いをするだけで充分です。引き出しの内部には、調湿性の高いキリを使わせていただきました。それ以外は全てレッドオークを使用。総無垢なので、重量を心配されるかもしれませんが、しっかり乾燥している材を使わせていただいていますので、私独りで充分持ち運び出来ます。

 

20110408 木の家具のある暮らし〔学習机〕⑤ (2)仕上げの塗装は、いつもの植物性油に蜜蝋ワックスを使用しているので、その肌触りも充分に楽しめます。ガッチリした造りにして、机の脚元にはアジャスターを仕込んであるので、お子さんの成長に合わせて、ある程度の高さの調整も可能です。木の好きな両親のDNAは必ず子どもにも受け継がれると思っています。遺伝だけではなく、これからの暮らしに取り込まれていくさまざまなモノからも、そういう考え方は育まれていくのだと思います。健やかなお子さんの成長を祈念しております。本当にありがとうございました。

今日のかけら136

ウエスタンレッドシーダー

Western redcedar

ヒノキ科クロベ属・針葉樹・北米産

学名:Thuja plicata

別名:カヌーシダー、ジャイアントシダー

 シングルウッドアーボルビタ

 和名:ベイスギ(米杉)、 アメリカネズコ(亜米利加鼠子)

気乾比重:0.39

 

 

美しい色やねん中ノ島線*

今日のかけら・136【ウエスタンレッドシーダー/米杉Western redcedar ヒノキ科・針葉樹・北米産

2時間後キャンセル待ちのお知らせがあり、「1番から3番の方~」。ガックリ・・・キャンセル番号4、5番の哀れな二人は仕方なく陸路へ向かおうかと力なく立ち上がりました。その時、折れかかった二人の心を繋ぎとめたのは、「キャンセル番号4番5番の方~」という救いの神の声。神様はいる~!嬉々として飛行機に乗り込んだ隣の席には、偶然にも愛媛木青協OBの鶴居秀夫社長(鶴居産業)の姿が!「天候によっては引き返すかも」という不安を残しながらもどうにかこうにか飛行機は飛び立ちました。いやはや前途多難な船(空)出となりました。

心配も杞憂に終わり相当に揺れながらも無事に到着。久し振りの大阪で、久し振りに地下鉄に乗ってみると、美しい地下鉄の内装に出会って驚きました!改札を抜けた内装は渋い赤褐色の『ウエスタンレッドシーダー(ベイスギ)』が一面に貼られていました。かつては防災上の理由で地下にこれだけの無垢材を使用できませんでしたが、『不燃処理』をする事で可能となりました。チャネルオリジナルさんの『不燃木材・ウイルウォール』を使用されていましたが、圧巻!

これだけの圧倒的なボリュームも、いつもこの路線を利用されている地元の方にすれば、すっかり見慣れた光景で特別な感情もないかもしれませんが、今そこに在る木の存在感は気持ちを優しくしてくれるのではないでしょうか。さすがは「世界でもっとも美しい木」と形容されるウエスタンレッドシーダーだけの事はあります。ワインレッドの濃い紅褐色と淡い白身が混じり合って、重層的で深みのある中にも趣きのある空間となっていました。決して硬い木ではないのですが、この色合いとボリュームからどっしりと落ち着いたある種の安心感のような物が感じられました。全体的には柾目が多く目に付きましたが、所々に顔を見せる板目とのバランスも絶妙です。米杉で彩られた巨大な柱は、こういう場所でも木は使えてたっぷりと自己主張できるんだぞと語っているように感じられ、私にはとても美しく眩しく映りました。

この画像は中ノ島線の大江橋駅のものですが、中ノ島線の開通そのものが2008年10月という事ですから、綺麗なのも当然かも知れませんが、見る限り悪戯書きや傷や汚れも見当たらなかったです。触るとかなり硬さを感じましたので、何か特別な塗装をれているのかどうか分かりませんが、実に綺麗な状態が維持できていたように感じました。立ち止まってじっと壁を見つめ、カメラを向ける背広姿のおっさんの横を怪訝そうな顔をした人達が通り過ぎていきます。いいんです、どう思われても!

ずーっと眺めていたいほど、惚れ惚れする美しさ。木材の良さは個人の家に使ってこそ(なるべく身近な所で触れたり体感できるから)分かるというのが私の持論ではありますが、これだけのボリュームを見せられると公共施設における「使用量」という意義を肌で感じます。公共施設における木の使用量は今後ますます増加していくでしょう。当然そこには不燃や準不燃、難燃などの条件が付いていくでしょうが。どういう経緯で中ノ島線の駅構内の内装に米杉が決まったかは知りませんが、私はそれが『外材』であることに何の違和感も感じませんでした。県産材や地域材を使う意義や意図は充分理解できますが、ただ闇雲に県産材を使うことよりも、いかに木を美しくデザインし町に溶け込ませるかということが重要だと思うのです。そこに木が在る事に違和感を感じさせないのもデザインの力だと思います。

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世界でもっとも美しい木の裏側*

世界でもっとも美しい木」の1つとも称される『ウエスタン・レッドシーダー(米杉)』ですが、その魅力のひとつは、いい意味での『色むら』ではなかろうかと私は思っています。よく言えば『色のバリエーションが豊富』とか、『表情が多彩』ということでしょうが、その差がかなり顕著ですので好みの分かれるところかもしれません。赤みの深みによって、ワインレッドダークレッドなど呼び名が変わるほど色の幅が広く、一見すると違う種類の木を貼っているのではなかろうかと見紛うほどです。

こちらは、ジューサンケンチクセッケイさん設計、もみじ建築さん施工の住宅で玄関の壁面にお使いいただいた『ウエスタンレッドシーダー(以下WRCのパネリング』。色むらの究極、【モザイクボード】を作るような人間ですから私はこういう色のバラつきは大好きですし、ジューサンケンチクさんも「大好物」なので、施主さんともども喜々として楽しんで選ばれたのですが、中には「あまり色むらが激しいと困るので、なるべく色合いの揃ったものにしてもらえませんか」なんて無粋な事を仰る方もいらっしゃって驚かされます。

集成材や突板に馴れてしまっていて、無垢といえども色は揃っているべきなんて思いこまれているのかもしれませんが、それでは折角のWRCの魅力が台無し・・・。一応説明はするものの、とにかくサンプル、サンプルと、サンプル信者の設計士さん、工務店さんにはなかなか伝わりません。特にWRCのように色ムラの激しい木は、梱包によってもその差が顕著なので、小さなサンプルを数枚並べて見たぐらいでは、貼り上がりのイメージが掴みにくいと思われるので、ぜひ実物を自分の目でご覧いただきたいところです。

〇〇のメーカーのモノは前回はああだったから、とか言われることもありますが、人工の印刷物ではなくあくまで自然素材ですので、前回がそうだったから今回もそうだなんてあり得ないこと。とりわけWRCやブラック・ウォールナットなど色の濃淡が強い木の場合、図面には書き込んだもののイメージと違ったなんてこともよく聞く話。こちらも設計士さんの癖とか分かっている場合は何とか対応することも出来ますが、それも長い付き合いでお互いの根本的な理解があってのうえでのこと。

折角の個性がマイナスな方向に作用してしまってはモッタイナイというよりも逆効果ですので、こちらとしてももっとしっかり説明をせねばと気をつけています。今回みたいに、設計士さんや工務店さんに理解があれば、使い方の幅が広がったり、「遊び」も出来るのでこちらとしても施工後の写真を撮りに行くのも楽しくなります。そんな『世界一美しい木』ですが、馴染みだった専門製材工場が昨年店を閉められ、あの独特の匂いを嗅ぐ機会がかなり減ったしまったのはとっても残念です。という事で久々のWRCの話でした。

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サーモアッシュとアグレッシブな設計士①*

愛媛ではまだまだ認知度が低いサーモアッシュ。それはお前のPR不足だろうが、と言われれば仰る通りなのですが、言い訳がましく釈明させていただくならば、むやみやたらに広がる事への怖さもあります。外部に木を貼りたい、壁面に木を使いたい、という需要は相当ありまして、私も相当相談を受けます。そのたびに耐朽性や施工性、コストなどの問題をひとつずつ検証しながら説明していくわけですが、最終的な要望としては防腐剤を使わないで雨風に耐えて長持ちして、そこそこの価格で意匠性のあるもの・・・。

正直言って、私の知る限りそれらすべてを満たす外壁材はありません。どれかの条件を満たせばどれかが足りず。耐朽性も意匠性もあれど高価とか、価格はリーズナブルだけど供給量が不安定とか、防腐剤は使う必要があるとか、それぞれに一長一短。まあ、条件を完璧に満たすものがないから設計士さんも悩んでおられるところなんだと思います。材木屋としては木を使っていただけるというのはありがたい話なんですが、外部に使っていただく際に一番気になる部分は、『経年変化』に対する理解というところです。

例えば外部に適性のある木として知られる『ウエスタン・レッドシーダー(米杉)』ですが、油分も多くて耐湿性に優れ、高い意匠性を持っています。ワインレッドと称される濃い赤紫色は魅力的ですが、経年変化によって銀灰色になります。それを私は「ロマンスグレー」と呼んで愛でております。このウエスタン・レッドシーダーぐらいになれば施工実績も豊富で、ロマンスグレーに成長した生の現場やその姿は雑誌やSNSでもよく見受けられるので、施主さんへの説明もしやすいのだと思われます。

じゃあ外部はウエスタン・レッドシーダーでいいじゃないかというと、そこは人間の業というか、探求心というか・・・どんなに美味しい料理でもいつもいつも同じ料理ばかりでは飽きてしまうというやつで、ちょっと毛色の違ったテイストを、ということで偏屈材木屋にはそんな変な木もあるであろうと訪ねて来られるのです。うちだってウエスタン・レッドシーダーぐらい扱っているんです、いるんですが、そんな期待に応えるのも偏屈の腕の見せ所!ということで徐々にハードルは上がっていくことになるのです。明日に続く・・・

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