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【ブビンガ】
Bubinga
カキノキ科・ジャケツイバラ亜科・広葉樹・アフリカ産
学名:G.tessmannii J.
別名:エシンガン (Essingang/カメルーン)、ワカ (Waka/コンゴ民主共和国)
オベン (Oveng/赤道ギニア)、エバナ (Ebana/ガボン)
ケバジンゴ (Kevazingo/ガボン)、アクーム (Akume/アメリカ)
アフリカンローズウッド
気乾比重:0.94
大いなるブビンガ
2010年 7月 19日 月曜日 at 11:20 PM 1. 今日のかけら
★今日のかけら・199【ブビンガ】Bubinga マメ科・広葉樹・アフリカ産
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上の画像は、電動サンダーで軽く削った状態で、塗装はしていません。それに植物性油を塗ってみると、こういう感じになります。赤褐色の下地の中に黒い縞が浮かび上がってきて、重厚な雰囲気になります。この複雑な表情がブビンガの面白さのひとつでもあります。見ただけでも重さが伝わってくると思いますが、このサイズでも乾燥してないと結構な重さがあります。それが私一人で楽に持てる軽さ、あまり軽さに「これがブビンガ?」とまで言うと言い過ぎでしょうが、それぐらい乾燥は進んでいます。その分、赤味の艶やかさと光沢はやや弱いような印象はあります。これぐらいのサイズで軽いと、あれほど手こずったブビンガでさえ妙に愛おしく思えます。この一連のブビンガ、いろいろありますのでカットした物やら端材を『ちょこっと端材』にもアップしていきますので、ご興味のある方是非どうぞ! | ![]() |
節こそ個性、キャラクターマーク!
2010年 12月 19日 日曜日 at 11:28 PM 3. 木の仕事
昨日は、いつもお世話になっているワンズ㈱さんの現場見学会にお邪魔しました。今回の見学会は伊予市のM様邸。12月とは思えないほどの温かなお日和でした。M様低は敷地が150坪もあり、駐車場もたっぷり確保でき、仮設テントも3、4梁も張れるほど広さですが、こんな現場滅多にありません。今回は、薪ストーブも設置されている関係でサンシン暖炉さんもテントを貼って商品PRされています。当日は他の2会場でも出展されているようで、薪ストーブのPRには打ってつけの季節となってきたようです。 | ![]() |
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続いてキッチンには、こちらもアフリカ産のマメ科の『エコップ』の600㎜幅の1枚板。以前のブログで、市内の労研饅頭さんのカウンターをご紹介させていただきましたが、こちらのエコップは、縞柄がギャザーに入った個性のある1品です。お施主さんご夫婦がご来店いただき、数ある板の中からお気に入りの木を選んでいただきました。無垢材を使う場合、たたサイズさえを満たせば良いというのではあまりに勿体ない。折角ですから、充分に楽しんで材を選んでもらいたいところです。 |
その奥には、節や白身を取り込んだラスティック調のワイルドなブラック・ウオールナットのテーブルが、ド~ンと鎮座ましましています。通常よりも広めの長さ2m、幅1mサイズのビッグサイズです。なるべく木の質感が全面に現れるようなイメージがご希望でしたので、そういう木柄のモノを集めて幅剥ぎしました。今回も製作していただいたのは、ウッドワークかずとよさん。いつもながらこちらの要望に忠実に、いやそれ以上のクオリティで仕上げてくれます。以前は拒否感の強かった「節あり」が、急速に受け入れていただきやすくなったのを実感します。 | ![]() |
ブビンガに汗、滴りて・・・
2011年 8月 3日 水曜日 at 11:19 PM 3. 木の仕事
本日も暑い一日でしたが、張り切って仕事に励んでおります!今日は長期在庫のブビンガの板を荒削りしました。いくら乾燥した材でも、倉庫の隅で埃を被って汚れていては、なかなか「明るい場所」には出してもらえません。しっかりと誰かの役に立つモノに変わるためにも、まずは素顔を見ていただかねばなりません。当然、最終的には削って仕上げるわけですが、ここでザックリ汚れを落とす荒加工をしておきます。上品な柾目のブビンガです。
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プレーナーでひと削りすると、長年倉庫の中で積もりに積もった埃が一気に吹っ飛び、何十年ぶりに元の顔が現われます。この状態でサイズ取りをして、番号を付けて倉庫に陳列するわけですが、生地のままでは最終的な塗装後(あくまで植物性油)の具合が分かりにくいモノ、敢えてそこを見せておきたい材については、ここで試し塗りする事もあります。その際には、塗料をしっかり浸透させるためにも部分的にサンダーで磨きます。 |
木屑から「森の粘土」誕生?!
2012年 1月 16日 月曜日 at 10:57 PM 2. 木のはなし
年明けから弊社倉庫にZEN FURNITURE(ゼン・ファニチャー)の善家雅智君を招いて加工してもらっているのは、アフリカ産の『ブビンガ』。弊社の倉庫の奥不覚に眠る事10有余年!数人居た兄弟達も次々と独立して行ったのですが、後に残った内の1枚がこのたびようやく旅立つ事に!木にも流行のようなものがあって、このブビンガも松山周辺では10数年前ぐらいにブームのように使われた時代があって、その頃は猫も杓子もブビンガ!という雰囲気がありました。
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耳付きブビンガの調理方法
数日前にアップした巨大な『ブビンガ』の座卓の話、途中で「木屑」の方に脱線して尻切れトンボに終わっていましたが、その結末です。たっぷりと深紅の木屑を出した後、ブビンガの板は綺麗に仕上がりました。長さ2100X幅1000超X厚み70mmの巨大な1枚板は大迫力ですが、重さもスーパーヘビー級!さすがの私でもこれは独りでは担ぐことは出来ません・・・。加工が仕上がると次の工程は塗装です。基本的に弊社で取り扱う家具は植物性油塗装です(水廻りは一部プレポリマーを使いますが)。 |
アイアン+ウッド=スーパーブビンガ!
さあ無事塗装も終わり完成まであと一歩。幅広の1枚板でテーブルなどを作る場合は、裏面に反り止めの桟を入れるのですが、さすがにこの厚み(約70mm)で、幅が1000mmを超える巨大な1枚板ともなると、木の桟では効果がありません。天板以上に硬く強い木を使わなければ桟の意味がないので、今回は鉄の桟を特注!⊥型のアイアンを裏面に埋め込み反り防止に備えます。このブビンガ、弊社にやって来てゆうに10年は越えているのですが、それでも念には念を入れて、備えあれば憂いなし! | ![]() |
さあ、アイアンの桟を取り付けてようやく完成!片方は壁に飲み込む掘りごたつ用の座卓なので、片足だけの変形ですが、片足が付いた分だけでも更に重量は増しました!どうやって納品しようかという心配もこの表情を見れば吹き飛んでしまいます。植物性油をしっかり吸い込んで、緻密な年輪の生み出す優雅な気品と妖しげな色気に磨きがかかりました。納品の事は後で考えるとして、今はこのブビンガの美しさに酔いしれよう~!製作してもらった善家雅智君(ZEN FURNITURE)、お疲れ様でした! | ![]() |
★このブビンガの座卓のあるお家の見学会が、今週末開催されます。フローリングは幅広のブラック・ウォールナット!2大巨頭の嬉しいコラボを実際にその目でご覧下さい。㈱ジョー・コーポレーション今治支店様 日時:1月28日(土)・29日(日)10:00~17:00 場所:愛媛県今治市玉川町八幡
※お客様のご厚意により2日間限り開催となります。(雨天決行) |
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赤き惑星ミズウガーツ
2012年 4月 12日 木曜日 at 11:34 PM 2. 木のはなし
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こういうコンディションのブビンガはいくらかあって、以前に【森のかけら】に加工したものがこちら。元の材は4m以上もありましたので、随分と小さな姿になってしまいましたが、それでもどっこい生きている!大きなモノはなるべく大きく使う事が大原則ではありますが、あまり鉄則にこだわりすぎるとその利用価値を高める事の足かせになる場合もあります。何事も適度のバランスが大切です。いろいろな引き出し(出口)があればこそ、このブビンガが生かせたわけですが、そんな出会いになにやら因縁めいたものすら感じてしまうのです。
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メッセンジャーウッドありき
2012年 2月 5日 日曜日 at 10:19 PM 3. 木の仕事
以前紹介させていただいていた『スーパーブビンガ』の続篇です。加工については、善家雅智君(ZEN FURNITURE)に全幅の信頼を置いていますので当初から何の心配も無かったのですが、問題は無事に納品出来るかどうかという事。かつてこれよりも更に大きな1枚板のカウンターの店舗の2階に納品する時、7,8人がかりでもどうにもこうにも出来なくなり、急遽レッカーを呼んで吊ってもらった苦い経験がありました。今回もその重さから納品時の心配していましたがそれも杞憂に終わりました。 | ![]() |
水滴、木を穿つ
2012年 10月 26日 金曜日 at 8:54 PM 3. 木の仕事
綺麗に削って仕上げればその木の美しさが分かるのは当然の事ですが、長年倉庫の主を務め上げたような材になると、その身の上にも塵や埃が積み重なり、晴れの舞台の化粧姿が想像できないようなものもあります。例えばこちらの全身が白化したように見える木ですが、その正体は『ブビンガ』です。これはただ倉庫で埃をかぶったというレベルではなく、在庫管理がずさんで、雨に穿(うが)たれて、端の方は朽ちてしまった極端な例です。ある事情があってこの状態で弊社にやって来ました。
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一見すれば、こんなもの使い物になるか!と思われるかもしれませんが、表面がここまで汚れ朽ち果てているように見えたとて、ひと削りすれば白銀の世界の下から別人の顔が現れます。以前に、同じ梱包のブビンガの含水率を測定した事があったのですが、その数値は驚異の10%台!人工乾燥させていないそうですが、さすがに20年近くも寝かせばそれぐらい乾くのでしょう。ひと昔前は、ちょっと大きなサイズで値段もそこそこの赤系の木といえば、ブビンガがすぐに思い浮かぶ名前でした。
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幅1mサイズの大物も普通に出回っていたものですが、近年ブビンガいえども1m級の大物はめっきり数が少なくなってきました。住宅産業における特殊木材の需要低迷から、店を畳む材木商も多く、その倉庫の名残としてときどき大物のブビンガが市場に出回って来る事もありますが、いかんせんその需要が細く、昔のように「持っておけば価値が増す」我慢比べにも限界があります。今では入手困難なサイズなので高価~という商品よりも、現場に合わせるフレキシブルな対応が必要になります。 | ![]() |
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こういうダメージのあるブビンガであれば、さすがの私もカットするのにやぶさかではありません。これぐらいしっかり朽ちていてくれれば踏ん切りもつくというもの。長さをカットして、この割れを避けた部分で【森のかけら】やら、『森のたまご』、『森のこだま』、『モザイクボード』を取っていきます。それでも木取りが難しいものは『ちょこっと端材』に・・・わずかな端材も極力燃やしたくありません。どこかに活かす道はあるはず。まあ、なるべく端材は人様に預けず、自社で何とか出口を見つけてやりたいものですが・・・。 |
ジャックとマメ科の木①
2013年 2月 19日 火曜日 at 9:55 PM 2. 木のはなし, 5. 木と映画と舞台とテレビ
先日のブログでパドックのロングカウンターをご紹介しましたが、このパドックをはじめここ数日取り扱わせていただいている木にはある共通項があります。パドック、ブビンガ、ゼブラウッド、パープルハート、モンキーポッド。用途は、カウンターからテーブル、森のかけらや森のたまごなどのクラフト製品までそれぞれですが、何か目的があってこれらの樹種を数日間意図的に出してきたわけではありません。後から見渡してみて気がついたのですが、揃いも揃って『マメ科』の広葉樹ばかり! | ![]() |
さて、そのマメ科の木と聞いて思い浮かぶのは、先日観に行った映画『ライフ・オブ・パイ』の時に予告編を観た3月公開の映画『ジャックと天空の巨人』の事。もしかして以前にも取り上げた事があったかもしれないのですが、ずっと昔からこの童話に出てくる『豆の木』の事が気になっていました。ひと晩で雲にまで届く豆の木ってどんな木なんだろうか?!材木屋となった今、尚更その疑問は高まる中、童話『ジャックと豆の木』をベースにした巨人族と少年のバトルを最新の3D映像で描くって・・?! | ![]() |
ダメージ・ブビンガに歴史あり
今までにも何度かご紹介させていただきましたが、アフリカを代表するマメ科の巨木・ブビンガについて。20年以上天然化乾燥させた長期在庫のブビンガが入手したのは今から数年前の話。保管状況が悪く、とことどころに雨に穿たれた形跡や朽ちている部分があるものの、天然乾燥によってじっくり乾かせた事で、艶と光沢が失われていません。そのブビンガにもあちこちからお声がかかり、結構な量が旅立っていきました。今は原材料そのままではなく、加工して納品がほとんどです。 | ![]() |
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原材料となる板から、必要なサイズに切り分ける作業を『木取(きど)り』と言いますが、その結果、不要となった端材が大量に発生することになります。これが貴重な【森のかけら】の原料となるわけですが、回転率のいい材からは大量のかけら予備軍が生まれる事になり、ブビンガなどもその1つで、既に大量のかけらストックがあります。それで、『森のたまご』や『森のこだま』など新商品も開発したわけですが、それらの在庫量も充分なほどにブビンガの端材が発生しております。 |
それで、今回その端材たちを、小さな商品に刻む前の姿で販売させていただく事にしました。ある程度の幅のある板のまま加工すると、どうしても全体の厚みを揃えるためにかなり薄いものになってしまいます。以前は、加工もしていないラフ材(製材しただけの本当の荒材)でもそえなりに売れていたのですあ、ネットで販売するようになると質感や色合いを伝えるために、最低限の加工をして、仕上がりの雰囲気を和かってもらわねばなりません。数日掛けて大量のブビンガの端材を一斉加工。 | ![]() |
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サイズが長いのでカットしたという場合は、立派な端材が残りますが、ねじれや割れ、反り、虫穴などのよんどころない事情によって出来た端材の場合、それを削って仕上げるのもそれなりに労力のいる作業となります。今回加工した多くが300mm幅前後のものでしたが、ねじれが強いと加工機に通らないため端をカット。なるべく大きな方が用途が広がるのではと、極力使える部分は残したつもりですが、削ってみると結構割れが深く入っていたり、腐りが進行していたりと皆満身創痍。 |
日本に輸入され、私の手元に届くまでだけでも20年以上経過しているわけですから、このブビンガがアフリカの大地から切り離されたのはいつの日のことでしょうか・・・。恐らく30年以上昔の話ではないかと思います。それが何の因果か、愛媛の地でテーブルや棚板として第二の人(樹)生を歩む事となるわけですから、その端材にもそれなりの敬意を払って、無駄なく骨までしゃぶらせていただかねばなりません。30数年漬け込まれ、たっぷり味の染み込んだブビンガ端材、ご堪能下さい! | ![]() |
ジューサンケンチク+カフェ・バレル②
2013年 5月 1日 水曜日 at 1:09 AM 8. 気になるお店
『バレルコーヒー』さんのコーヒーの味が美味しいというのは詰め掛けるお客さんの数が証明しておりますので、味の表現が下手な私がわざわざ触れる間でもありません。材木屋としては、お使いいただいた店内の無垢材をご紹介させていただきます。まずお店に入って目につくのが、大きな一枚板の『ブビンガ』のテーブルカウンター。長さ4m超、幅は600mmの耳付板で存在感抜群です!真っ赤なエスプレッソマシーンとともに、店内に鮮やかな赤色を灯します。 | ![]() |
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『ブビンガ』については、以前にも『今日のかけら』で詳しくご紹介させていただきましたが、アフリカ産のマメ科の木です。大太鼓の胴材として有名なブビンガは大径木が取れる木として、ダイニングテーブルや長尺のカウンター材などに重宝されてきました。以前から何度かご紹介させていただいていますが、弊社にもかつて潤沢に流通していた頃の大きなサイズのブビンガが幾つかあります。今回、バレルコーヒーさんでは、オーナーご夫婦が弊社に足を運んでいただきこのブビンガを選んでいただきました。 |
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独りでいくら声高に無垢の良さを叫んでみても理解者・共感者がいないとただの独りよがりになってしまいますが、同じベクトルに向いた設計士・施主・職人・材木屋がひとつのチームにいると非常に心強く、結束感もパワーも半端ではありません!納品時には私は立ち会えなかったので、施工後にその御姿を拝むのは初めてでしたが、今回はカウンターを仕上げてもらった善家雅智君(ZEN FURNITURE)』家族と同行。長男杢太郎(ウッドネーム)をモデルとしてカウンターに座らせて写真撮影。ブビンガの大きさが一層際立ちます。このカウンター席以外にもテーブル席やソファ席がゆったりしたバランスで配置されていて、元倉庫の高い天井と合わせて開放感があります。このブビンガすらも決して大きく感じないほど。弊社の倉庫で見た印象とほぼ変わらぬ大きさに感じる事は珍しいのですが、それほどこのお店が「ゆとり」のある空間という事。 |
ジューサンケンチク+カフェ・バレル③
2013年 5月 2日 木曜日 at 11:27 PM 8. 気になるお店
昨日の画像にも少し写り込んでいましたが、『バレルコーヒー』さんのカウンター席の足元の床には、『ブラック・ウォールナット』のラスティック・グレードがガッチリ自己主張!ウォールナット独特のこげ茶のグラデーション溢れる黒味と白身が大胆に混在し、大きな節や入り皮まで豪快に取り入れたグレードで、かなりインパクトのある商品です。一般的なウォールナットよりもかなり濃い目の色合いで、こういう店舗には実によく似合います。 | ![]() |
「黒てんぐ」のなぐりブビンガ
先月末に、松山市の繁華街二番町にオープンしたのが、松山で大人気の焼き鳥店『TENGU GROUP』の姉妹店『黒てんぐ』さん。「てんぐの隠れ家」さん、「てんぐ屋敷 桃太楼」さんでも木材を使っていただきましたが、今回も内装にたっぷりと木材をご利用いただきました。前の2店舗に続いて今回も、設計・バツフォ計画工房さん施工・田中工務店さんという、木が大好きでその扱いを熟知されたおふたりが手を結ばれたので、当然店内は木の魅力満載! | ![]() |
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かといって、床・壁・天井全面にこれでもかと木を使いまくっているわけではなく、たっぷりと木を使いながらも木が出過ぎないほどほどの心地いい抑制とバランスの効いた空間になっています。弊社で材料を選んでいただいている時には、素材の強さが勝ってしまい、私の頭の中では仕上がった空間の中でその木がどれぐらいのポジションを占めるのか想像も妄想もとぼけてしまうのですが、おふたりの頭の中の設計図には未来予想図がカラーで明確に見えていらっしゃるのでしょう。 |
「てんぐの隠れ家」ではオニグルミをテーブルに、「てんぐの隠れ家・桃太楼」ではモンキーポッドをカウンターに、土佐栂をフローリングなどにと、店ごとにテーマを持って臨まれ、素材選びも楽しいのですが、今回はビッグサイズのアフリカ産『ブビンガ』の幅広板が俎上に上がりました。選ばれるサイズや量が半端ではないので、提案させていただく側としても相当の覚悟がいります。安易な気持ちで迂闊な事を口走ってしまっては、材木屋の沽券に関わる事になってしまいかねません!緊張感があります! | ![]() |
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何とか必要枚数ギリギリで材料は足りたものの、相手も生き物。こちらの思う通りにはいきません。角度や耳の具合等々、思惑に足りないところは田中社長が長年の経験と工夫で、見事に足りぬを足りるに変身させていただいておりました!まだ表面に埃をかぶっていた頃からは想像も出来ない仕上がりの見事さ!今回は、表面を浅く『なぐる』+漆拭き仕上げする事で、いつも見慣れたブビンガとはひと味もふた味も違った表情です。焼き鳥の格も上がるような渋くてスマートな店内、早く客としても行かねば!! |
かけ算、わり算のレシピ
2013年 7月 27日 土曜日 at 11:08 PM 3. 木の仕事, 8. 気になるお店
先日このブログでご紹介させていただいた焼き鳥屋『黒てんぐ』さんに、改めて「客」としてお邪魔させていただきました。最近少し商業店舗に関わらせていただく仕事が少なくなっていたので、こうして完成後にそのお店で飲食させていただくのも久し振りのこと。こうして完成後に、気の置けない仲間たちと美味しい酒を飲めば、納品、加工時のいろいろな苦労も、酒の肴の思い出話として盛り上がります。オープン直後にも関わらず店内はお客さんで溢れ大繁盛!さすがは人気店。 | ![]() |
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こちらの店舗は全て椅子席となっているので、店内中央にあるカウンター席に陣取り、客としての立場から、自慢の焼き鳥と無垢材の質感を味合わせていただくことに。今回収めさせていただいたブビンガの1枚板のカウンターは、弊社では荒割りまでの段階を担当させていただきましたので、表面のなぐり加工は別の方がされました。少し浅いなぐり風の程よい凹凸が掌に心地よく、いつものブビンガの堅牢な冷たい触感とはひと味もふた味も違って感じられます。 |
銀座のブビンガの物語
「森のかけら」などの商品の場合、県外や世界へ売る事に何の抵抗もないどころかむしろ積極的に進めているのですが、無垢材の家具や内装材、造作材などについては、遠くに送り出すことに少しの不安もあります。いくら乾燥や加工に気を配っていても、わずかな環境の変化や取り扱いの油断で反りや歪みが発生する事は避けられません。特に大物になるとわずかなそれが命取りになる事もあるので、遠方へ送る場合はついつい過剰に心配してしまいます。 | ![]() |
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近くであれば直接行くことも出来るのですが、遠方になれば現場の方にお任せするしかないので、いつも一抹の不安を抱きながら送り出すことになるのですが、それは受け取る現場の方とて同じ事でしょう。それなりの覚悟を持ったうえで、あえて遠方からわざわざ特殊材のご注文をいただくという事ですから、非常にありがたく感じるのと同時に強く責任も感じます。先日もご縁があって東京の銀座の店舗のL型カウンターを作らせていただく事になりました。 |
素材はアフリカ産のブビンガ。困った時はブビンガで、相当このブビンガには助けてもらいましたが、いよいよブビンガも底が見えてきました。今回は長さが3100X450と2100X450の2枚がL型に繋がるカウンターで、ブビンガ以外の材でも対応は可能でしたが、店内の雰囲気などから美しい赤味の杢を持つブビンガが選ばれました。相当乾燥は進んでいるものの、遠方の事ですから念には念を入れて裏側から6箇所T型プレーとで反り止め加工を施しました。 | ![]() |
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L型の接合部分はボルトを入れて完成。この後、塗装屋さんが塗装して東京に送られます。今回はここまでが弊社の仕事で、現地での仕上がった様子は見ることは出来ませんが、是非完成の暁には、東京出張の際にお店に立ち寄って、こっそりとその姿を見てこようと思います。子供の旅立ちに例えるのは大袈裟ですが、弊社から全国へ旅立って行ったいろいろな木材たち、反ったり暴れたりせずに施主さんに可愛がっていただいているだろうかと親馬鹿は思いは尽きまじ秋の空・・・。 |
昭和のブビンガ母艦
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その中でも特に分厚いものの最後の一枚がこちら。表面には歴史を物語る塵や埃が積み上がり、ちょっとその表情を拝むことが出来ませんが、この下にはブビンガ独特の深い赤身が眠っています。重さを計る道具が無いのでどれぐらいの重さなのかは分かりませんが、いくら乾燥しているとはいえ4m近い長さで、900㎜幅、厚みが135㎜ともなると大人4人でも持ち上げられるものではありません。机上計算だと350〜400キロ! |
両端から少し入ったところが帯状に朽ちていますが、これこそが長期在庫の動かざる証拠。重ねて積み上げていたため、その桟の後がこうなったのだそうですが、この硬いブビンガを穿つためにどれだけの時間が要されたものなのか。以前に厚みを半分に割って使いたいという要望があり、製材所に持って行ったのですがあまりの硬さに鋸が耐えれず断念した経緯もあるいわくつきの1枚です。このまま使える舞台が巡って来ればいいのですが・・・ | ![]() |