森のかけら | 大五木材


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20101205 松山の味・労研饅頭の「金」看板①松山の老舗「労研饅頭(ろうけんまんとう」さんが、このたび本店を改装オープンされました。労研饅頭さんは、来年2011年には創業80年を迎えられます。その歴史は古く名前の由来は、昭和初期に倉敷の労働科学研究所で、中国の饅頭(まんとう)を日本人向きにアレンジしたのが始まりで、松山では「夜学生に学資を」ということで松山夜学校奨学会で製造を始め、各学校の売店などで販売をされてきたという事です。松山人なら誰もが一度は口にした事のある懐かしい味です。

 

20101205 松山の味・労研饅頭の「金」看板②その新本店の建物の設計をされたのが㈱バツフォ計画工房山下勝美社長)さんなのですが、玄関の大きな看板の材料に無垢材を使っていただきました。その看板がまた巨大な物で、比較が無いので大きさが分かりにくいかもしれませんが、高さ(長さ)4000㎜、幅600㎜サイズの1枚板を2枚繋げてで幅剥にしたビッグサイズの看板です。最初にお話をいただいた時に、外看板と聞いたので正直不安もあったのですが、最終的には雨風の当たらない外看板という事になったので、提案させていただいたのがアフリカ産の『エコップ』です。エコップは、以前にもこのブログでも『適材適所』でも取り上げましたが、比較的重量感のあるマメ科の中にあっても、そもそも床の間材用という想定でしっかり乾燥してあったので、完璧な乾燥が出来ていて、かなり軽く感じられます。また、厚みは33㎜程度なのですが、ほとんど直しが要らない状態だったので、幅剥ぎするにも問題がありませんでした。

 

20101205 松山の味・労研饅頭の「金」看板③この看板の埋め込まれた壁そのものが、高さおよそ7000㎜、幅3000㎜もある巨大なサイズなので、中の看板が小さく感じられるかもしれませんが遠くからもその存在感が際立つビッグなものです。「労研饅頭」の文字が浮き彫りの金箔仕上げで立体的にデザインされています。店舗などの看板の板という注文もよくお受けするのですが、材木屋という立場上、どうしてもついつい素材の方ばかりに気がいってしまいます。店名や商品名を際立たせるための下地であって、板ばかりが目立っても仕方がないのですが、そこは親馬鹿ならぬ我が材可愛さ、ついつい贔屓目で考えてしまいます。しかし、最近はさすがにデザイナーさんとの付き合いなども増えて、少しは客観的に判断が出来るようになりました、いや出来るように努めることが出来るようになりました。むしろ控えめの中にある美学のようなものの良さが理解出来る年齢になってきたのかもしれません。

 

20101205 松山の味・労研饅頭の「金」看板④この看板もついサイズに目が捉われがちですが、よく近付いてみると、細やかな細工が施されています。剥ぎ合わせた板の周辺を残して、全体を浅めになぐり彫りされているではありませんか!なんと根気のいる作業でしょうか。びっしりと丁寧に手作業でなぐり彫りが施されています。素材のエコップが色合いの均質な材だったので、シンプルな「労研饅頭」の4文字とで、全体的に地味な印象になるのではと思っていましたが、まったくの杞憂に終わりました。いつも良い意味で期待を裏切っていただきます。

20101205 松山の味・労研饅頭の「金」看板⑤看板の素材選び同様、材を最大限にどう活かすかという工夫をもっともっと勉強せねば、材にも使っていただく施主さんにも申し訳ないと痛感させられました。これがあの癖のない上品なエコップとは思えない別人のようなお姿・・・。こういう手もあったのかと思い知らされますが、なかなか自分には真似できません。こっそり触らせていただきましたが、上品なたたずまいの中に、彫りの凹凸による力強さが感じられました。それは、これからもこの地で長い歴史を刻まれていくであろう労研饅頭さんの力強い意思の表れのようにも感じられるのでした。

20101205 松山の味・労研饅頭の「金」看板⑥松山の歴史あるお店の改装工事にわずかながらでも関わらせていただいた事に喜びを感じています。文字通りの大きな大きな「金」看板!市内の配達などでこの道路をほぼ毎日通るのですが、オープン以来気になって気に名tt、そちらにばかり目がいって仕方がありません。会社の車でしたので、いつもは素通りでしたがこれからは配達に帰り堂々と(?)立ち寄らせていただいて、甘さ控えめな労研饅頭を食して、その伝統と歴史にあやかりたいと思っているところです。益々のご商売繁盛を祈念しております。




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