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先日、相当久し振りに映画館へ!いろいろ慌しい日が続いていたので、どうにか時間を作ってでも暗闇で充電をしなければと駆け込んだのは、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』。ほとんど前情報を入れることも無く(その余裕すらなく、テレビCM程度の印象だけで)観たので新鮮でした。嗚呼、今時分は映画館で「映画」を観ている~と強く実感させられました。私の場合、やっぱり1月に最低でも1、2本は映画館で映画を観ないと感性が鈍ってしまいます。リフレッシュ出来ました!
この作品の原作が、カナダ人作家のモノで大層な賞を受賞した事も、その監督がオスカー受賞暦のある監督である事も知らず、ただ少年がトラと一緒に漂流するというシュチエーションに純粋に惹かれました。しかもそれが手なずけられたペットのようなトラではなく、人を食料として襲い掛かる凶暴なトラであるというのがいい!逃げ場の無い大海原で、出会ってはいけない2人(ひとりと一匹)が出会うという設定は、深海の石油探索吉から宇宙ステーションまで、古くから映画の定番中の定番。
1月25日から公開されていて、情報もかなり流失しているので今回は内容にも触れますが、動物園を営んでいたインド人家族が、カナダを目指す航路の途中で遭難。救命ボートで命からがら生き延びたのは、骨折したシマウマ、ハイエナ、オラウータン、腹を空かした獰猛なベンガルトラ、そして16歳の少年。その組み合わせが、宗教的、哲学的な意味を帯びると解釈する向きもあるようですが、私は「弱きものは命を失う自然淘汰の縮図」とシンプルに受け止めました。
その「箱舟」の中ですらも、命の重さはすべての生き物に共通であるという人間の理性と恐怖、空腹、孤独と葛藤する少年は姿は感動的でした。CGを多用したことでネガティブな意見もあるようですが、その技法を目的にしてしまう傾向がある中、御伽噺のような本作には不可欠な要素だったと思いますし、個人的には何の嫌味も無く受け入れられました。CGがなければここまでのトラとの競演も猛り狂う激しい嵐も幻想的なシーンの数々も表現できなかった事でしょう。
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