森のかけら | 大五木材


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20130206 1昨日に続いて、映画『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』の話。この映画を3Dなのですが(2D版もあり)、比喩や暗喩の受け止め方はひとそれぞれですが、映像として『見せる説得力』というものも大切で、読書や音楽では味わえない感覚表現として、最新技術をうまく取り込むということもひとつの道かと考えます。それに対してあありに過剰に拒否反応を持ってしまうと、ただの言い訳、愚痴にしかならない事もありますので、「見極め」という事が大切になると思います。

 

20130206 2木材業界においても、今から20年ほど前に初めて「プレカット」が愛媛県でも本格的に入ってきました。それまでも部分的に機械加工する設備はありましたが、フルオートメーションでわずか1日で家一軒分を加工してしまうシステムには目から鱗が落ちる思いでした。それに対して、年配の大工さんたちは「あんなものは家じゃない!」などとあからさまな拒否反応を示しました。自分達の仕事が奪われるという危機感もあったでしょうし、それまでのすべてを否定されるような気持ちもあったでしょう。

 

20130206 3当時はまだ、それなりに新築の着工数もありましたし、大工さんたちも元気な方が多かったので、プレカットが広く県域に浸透するまでにはいくらかタイムラグもありました。当初はいろいろトラブルもありましたが、それも乗り越え、地元の大手、中堅ハウスメーカーが取り入れるようになると加速度的にプレカット率は上がり、ほどなく業界を席巻。あれほど拒んでいた昔気質の棟梁たちも、流れには抗えませんでした。それでも一部の方は時代に取り残される形で廃業されていきました。

 

20130206 4プレカットというシステムがどうこういうつもりはありませんが、映画産業における技術革新(3D)も同様に、何か新しい技術が生まれると、それまで使われていた技術が不用になってしまいます。すべての産業がそういう淘汰を繰り返し技術の進歩をはかってきました。伝統的な技術には、システマティクではない手間隙かかるものが多く、その修得にも時間がかかるものが多くあります。個人的にはそういうものが大好きですし、最新モノにはアレルギーのあるアナログ世代です。

 

20130206 55,6年前まではメールも使えませんでしたし(不信感もありました)、パソコンなんてほとんど使えませんでした。今だって、ブログなどの形式の決まったルーティーンをこなしているだけで、ちょっとトラブルがあると大慌てになります。それでも毎日4年も続けていると、指が動きを覚えるもので何とか出来ている状態。古きものの伝統や意義は継承しつつも、時代に合わせて対応する鷹揚さも持ち合わせないと、ただの遠吠えや遺産になってしまう気がします。新しきものもいつかは古きものになる身。それを考えれば、伝統的と呼ばれるものとて、それが生まれたとき、世に出たときは、眩しいほどの輝きを放つ革新的な技術であったのかもしれません。それが長い時間かけて継承され伝統に姿をかえていく。目先の新しさに心を奪われていると本質をも誤ってしまいかねません。一緒にボートに乗っているのは虎ばかりではないのかもしれません。その時、どう対応するのか?!




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