森のかけら | 大五木材


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20130203 1節分に関わるもうひとつの木が『槐(えんじゅ』です。鬼を退散させる節分のイベントには外せない木です。木偏に鬼のつくりから、悪いイメージがあるかもしれませんが、非常に縁起の良い木なのです。平安時代から鎌倉時代に書かれたわが国最古の造園書といわれる『作庭記』の中で、「槐は門(かど)の辺に植ふべし、大臣の門に槐を植えて槐門と名づくること、大臣は人を懐(なづ)けて、帝王に仕うまつらしむべきのつかさとか」と記されています。

 

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それは、中国の古い故事に由来しているそうです。中国は周の時代に大師、太傅(たいふ)、太保(たいほう)という三公が、朝廷の庭に植えられた三本のえんじゅに向かって座し、執務にあたったという風習に習ったもので、この三公を「三槐」とも称して、後世になると、大臣の位を「槐位」、「台槐」、「槐座」と読んだそうです。更に三公の居室を「槐門」、その地位にのぼる事を「」、「任槐」、朝廷の事を「槐庭」、大学の異名を「槐市」とするなど、非常に高貴で位の高いものの象徴とされてきました。

 

20130203 3その故事から分かるように、エンジュは中国北部原産の落葉高木で、日本には仏教伝来の頃に伝わったとされています。木と共に、そのまま槐という漢字で伝わりましたが、つくりの鬼は音を表わしているだけで、実は深い意味はないそうです。槐は秋になると、数珠玉をいくつも重ねたような実を垂らしますが、この実の事を槐子とか槐実と称して、熱病や破傷風などの薬に用いられています。それを中国で「えす」と呼んでいたのですが、それがエンジュの古名「えにす」になり、「えんじゅ」に転じたのだとか。

 

20130203 3その槐ですが、材としては高さ20m以上、直径も400~500㎜ぐらいには成長するといわれています。心材と辺材のコントラストを生かして、クラフト細工などでは珍重されているようですが、住宅部材としては、床柱や落とし掛け、床框などの床まわりに使われることがほとんどだと思います。昔は本格的な和室の床の間には、立派なエンジュの大黒柱が貫禄たっぷりに鎮座ましましたものですが、最近は和室の減少でエンジュ床柱もすっかり出番がなくなってしまいました。

 

20130203 5その代わりといっては何ですが、よく声がかかるようになったのが「大黒柱」など、独立して意匠的に見せる柱としてのポジション。風、洋風の隔てなく、色合いの濃い木で、変化があり存在感のある木として、提案がよく受け入れていただいています。径がそれほど大きいものはないのですが、5寸、6寸あたりの大きさが昨今の住宅事情ともマッチするようで、節や耳のナチュラルな変化の具合も世代を越えて人気があります。由緒ある縁起のいいエンジュの大黒柱、おひとついかがでしょうか?!

 




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