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海外では大きな原木から化粧ベニヤの突板なども採られていうようですが、日本に輸入されるのは基本L.M.Hなので、そこまで装飾的な価値のある出口に導くのは難しそうです。耐久性はあると思われるのですがキクイムシによる食害が多く、強度を求められるパレットやダネンージ材(荷物を固定する荷敷材)などに利用されてきたのも頷けます。この木ならではの出口を見つけるのは簡単ではなさそうですが、一族の仲間がクローブ(丁子)だったなど知らなかった関係性が分かっただけでも大きな収穫。私にとってM.L.Hは心楽しき未開の世界! |
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さてご縁を感じたのはここからで、そのクローブは江戸時代に胡椒と共に伝来し、香料として匂い袋などに入れられ人気を博したそうですが、日本では「丁子(ちょうじ)」と呼ばれました。この丁子が仏教では瑞祥的な意味が込められた宝物とされていたため、公家や武士たちが競って家紋に取り入れました。家紋のマグネット『森のしるし』を作った際にこの「丁子紋」が出てきたのですが、大根のデザインだとばかり思っていて丁子と知ってもピンときませんでした。それが今回ウォーターガムとつながり、ここでも繋がるか~!(無知だっただけですが)と独り興奮を隠しきれません。 |
『ウォーターガム』の話の続き・・・今から5,6年ぐらい前に瀬村製材さんの土場でたまたまウォーターガムの材を見つけました。樹種の指定をしたわけではなかったけれど、重硬な材を頼んだらたまたまM.L.Hの中に混ざっていたそうで、丸太は挽かれた後でしたがその一部が残っていたので分けてもらいました。既に『森のかけら』の240種の解説書は完成した後でしたが、いずれ樹種を増やすときのため、あるいはリストのレギュラー選手たちに不測の事態があった際のスーパーサブになればと考えたのでした。 | ![]() |
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それでしばらくは40㎜の角材にして乾燥させておいたのですが、実物のウォーターガムを手にしたのはその時が初めてだったので、どうしても完全に乾燥するのが待ちきれなくて、いつもより早めの乾燥期間で35㎜角のキューブに加工してしまいました。初めて掌の上で眺めた『ウォーターガムのかけら』は眩しく輝いて見えたものでした。チークやブラックウォールナットなどのように高価だから輝いて見えるのではなく、その人にとってどれだけその木が大切であるかによって木は輝きを放つのだと実感。 |
世間一般では、「その他大勢」などと十把一絡げにされ固有の名前ですら呼んでもらえない木だって、それを必要としている人のところへ導ければ宝物になるのだと強く感じた瞬間でした。ところがそんな私の甘い感傷を引き裂くような現実が起こります。早く完成品を見たい、触りたいと、急いたため乾燥が甘かったため、その後しばらく経って並べてみると他のかけらよりもひと回り小さくなっているではないですか!乾燥しきっていなかったので加工後に収縮してしまったのです。手に入った材をすべて一気に加工してしまったためウォーターガムは全て『夢のかけら』行きに・・・。 | ![]() |
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これはウォーターガムに限ったことではなくて、ほとんど情報も無い樹種を加工する場合はトライ&エラーの繰り返し。今までもさまざまな失敗をしてきました。しかしそのお陰で普通の樹木図鑑には載っていないようなマニアックな材の性質や特徴を得ることが出来ました。文字通り肌感覚で得た実用的な情報です。かけらの1ピースとしては非常に重要な木でしたが、材としてはキクイムシによる虫害が多いのと木が小さなため割れが出やすいので用途は限定されるかもしれません。現地での利用も主に造船や車両、橋梁などの重構造材、農機具などが多いようです。続く・・・ |
★今日のかけら番外篇・E051【ウォーターガム】Water gum フトモモ科・広葉樹
本日はパプアニューギニア(PNG)産のM.L.Hシリーズ第2弾。このシリーズは今後不定期長期化していく予定です。数あるM.K.Hの中でも比較的知名度があって、もうM.L.Hというよりも個別の名前で流通していることも多いようですが、こういう事を書くと「普通のまともな材木屋さん」からは「聞いたこともないわっ!」と総突っ込みが入りそうですが・・・。ご紹介するのはフトモモ科の広葉樹『ウォーターガム(Water gum)』です。世界の熱帯地方に分布しその仲間は1,000種を越えるとも言われています。 | ![]() |
当時の大五木材まだ普通のまともな材木屋だったので、そういう材を扱う土壌が無かったのです(笑)。瀬村さんのところでは主に梱包材用にウォーターガムを挽かれていました。いつもあったというわけでなく、時々入ってきていたという程度だったと思います。それで漠然とその名前を記憶していましたが、その後10数年経ってまさかウォーターガムも探すようになるとは思ってもみませんでした。『森のかけら』を作るようになった頃に思い出して瀬村さんに聞いたら、今は無くていつ入るかも分からないということだったので240版には加えれませんでした。 | ![]() |
★今日のかけら番外篇・E050【アムーラ】Amoora センダン科・広葉樹
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それだけで食べても酒のつまみになるので私は大好きなのですが、そんな「けずりかまぼこ」を思い起こさせるのが、パプアニューギニア(以下PNG産)の『アムーラ』!こちらも以前に紹介したM.L.Hの中の1つで、余程の南洋材の専門書でもその名前を見つけるのは困難なほどマイナーな木です。『森のかけら240』を作る際には出会えてなかったのですが、数年前にたまたまその存在を知りました。柘榴(ザクロ)色をしたエキゾチックで妖しい木肌にすっかり虜になってしまったのです。 |


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