森のかけら | 大五木材


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グラインダーで表面を削って凸凹にして軽くサンダーで磨いたメタセコイアの一枚板の上に寝そべってみると、これが想像していた以上に気持ちがいい!粗目でスギのようにやわらかい質感とグラインダーによる凸凹感が相まってなんともいえない心地よさ。幅が650ほどある一枚板なので大人ひとり用の小ぶりなベッドとしては十分な大きさです。まさかメタセコイアアをそのままベッドに使おうなんて思いもつきませんでしたが、これは意外な出口になるかもしれません。

やわらかいという材質をついついネガティブに捉えがちなのですが、そのまままるごとベッドという使い方は目から鱗が落ちる思いでした。日頃からそれぞれの木の出口を考えるなんて偉そうなことを言っているくせに、私の思考が凝り固まっていて、過去の実績の枠を出られないでいたことを強く反省させられました。完成したのちに再び勇者来店。実際に寝てみて触感を確かめられてご満足の勇者。今までいろいろなお客様がご来店されましたが、いろいろな木に寝てみて感覚を確かめられる方は初めて!

これでOKとなったのですが、私としてはこれにもう一手加えて塗装までしたい。汚れを保護する意味があるのと、メザラザラした触感を特に好まれていたので、オイルを塗ることで針葉樹のメタセコイアは多少毛羽立ちます。それをサンダーで磨いて軽く押さえることで一層触感が増すという狙い。またメタセコイアの赤白の色のコントラストを鮮明にして、本来の木の色合いを堪能していただきたいという思い。それを勇者に伝えて目の前で実践したところ、色調の変化に更に驚き喜んでいただきました。

個体差もあると思うのですが、オイルを塗ると赤身部分はスギよりも濃い赤茶系に反応します。今回はグラインダーで削って意識的に凹凸をつけているので、カメラで撮ると見た目以上に陰影が出ていますが、スギとの違いが際立ちます。こうしてメタセコイアはまるごとベッドになって巣立っていきました。まあこれをベッドにしようと思う人が多いとは思えませんが、今まで欠点とすら思えたやわらかさも考え方次第で武器になる事を実感させられ、今後の出口方針の新たな指針となりました。




以前に『都市林業』で手に入れたイヌマキ(犬槙)。地元の民家の庭に植えられていたもので、それほど大きなサイズではありませんでしたが、表面の凸凹が特徴的だったので、丸太を半分に割って皮を剥き剥きしました。伐採直後だったので面白いようにツルンと剥けるものですから、楽しくなって次々に剥いていたら結局全部剥いてしまいました。樹皮の下から小さくて鋭利な棘が沢山現れてなんともいえない趣きがあって独り悦に入っていました。他人がどう思うかではなく私がいかに楽しむか(笑)。

それが1年半ぐらい前の話で、イヌマキもすっかり乾いて軽くなりましたが相変わらずあれからずっと棚の中。オブジェとかにでも使っていただけるもの好きでも現れないかと思っていたら、遂にもの好き登場!船の模型を飾りたいので、海の波に見立てた木を探されているというお方。実際に模型を見せてもらったのですが、ご自分が所有されている船を友人が手作りしてくれたというものですが、これが緻密で精巧な出来栄えでディティールまで忠実に再現されています。

なるほどこれだけのクオリティであれば、波を模して飾りたくなる気持ちも分かります。という事で、それから小一時間ほど「雰囲気のある波の木」探しが始まりました。耳付きの板やら流木のような木、小枝の丸太、いろいろ出しては並べてみるもどれもなかなかシックリいかず。その中で波っぽさがあったのが、皮剥きのイヌマキ。端の薄いところでしたが凸凹感が面白かったので丁寧に剥いていたもの。船を置いてみると、荒れる波を乗り越えて走航しているかのような趣き。

今まで海とか波という見立てはしていませんでしたが、こうやって船を飾れば、今まで見えていなかった海感・波感が出現!飾られる船に相当引っ張られていますが、それまで迷走していたイヌマキに舞台背景としての役目を与えていただきました。見方によっては波のようにも海底のようにも見えますが、すっかり日も落ちて携帯のライトで照らせば更に雰囲気が高まったとご満悦の我々。この後、大工さんの手により微妙な調整がなされることになるのですが、イヌマキはこうして濤(なみ)になりました。




いかにも怪しそうな粉ですが、決していかがわしいものではありません。究極のケチ根性から生まれた、木粉商品『森の砂』です!赤いのは南米はブラジル産のサッチーネ、黄色いのは日本のニガキ(苦木)です。何に使うの?なんて無粋な質問は無しです。削った際の大鋸屑の色鮮やかさに惹かれて、どうしてもそのまま燃やしてしまうのは惜しくて集め始めたのがきっかけで、どうせ集めるのなら限りなく純度の高いものを目指そうと思って出来上がったのが『森の砂』。定まった出口はありません。

それでもきっと世の中には、これを面白いと感じてもらえる「同族」もいるはず!そしてその中には、なんかよく分からんけど買ってみようとノリで底なし沼にダイブするお調子者もいるだろうと思って商品化。オンラインショップで販売を始めました。世間の反応は、色味の鮮やかさともの珍しさから沢山の「いいね!」はいただけるものの、底なし沼に飛ぶ込む勇者はなかなか現れませんでした。オンラインショップにアップする前から店頭では陳列していましたが、誰も商品だとは思っていない様子。

それにも関わらず、私の中のリトルタカハシは「もっといっぱい作っちゃえ!」と囁きます。これは種類が揃う事で魅力が増すタイプの商品なのだから、売れないのは種類が少ないからなので、もっと種類を増やせば売れるに違いない。だっていろいろな種類があれば楽しいじゃん!私の作り出したほとんどすべての商品の根底にはこの発想に立脚しています。そしてそれは今も変わりません。なぜなら、それが好きだから。いろいろな種類があるってもうそれだけで楽しい。これは木材に限ったことではありません。

そして次第に種類が増えていき、事務所の棚には置ききれなくなった頃、ようやく遅れてきた勇者が登場!しかも私の思いつかなかった出口を携えて!まだトライアルの段階で、その出口がうまく開くか、あるいは無慈悲に閉ざされるか分かりませんが、その挑戦は応援したい。他にもポツポツとお声がかかるようになってきて、素材が不足してこのために木材をカットすることも。まあまだ「売れてる」なんて呼べる段階ではありませんが、商品の性質上、広く売れるよりは深く売れるモノになってくれれば嬉しい。




 

今回の広葉樹丸太の探索には別のミッションもありまして、それが装飾用の柱に使うための木を探すというもの。あえて広葉樹という事ですから、寸胴で通直ではなくそこそこの変化も必要。これだけあればより取り見取りですぐに見つかるだろう思うのは広葉樹をなめているというか、植林木に馴らされている感覚。ここにある木だって、この後に割ったり加工が控えているので極端に曲がりくねっている木は除外されています。それでも植林木に比べれば形はてんでばらばらで個性的。ここではひとが木に合わせるのです。

だいだいのサイズ感から数本の木を並べてもらい、その中から何本かを分けてもらいました。ここには、四国の森から集められたクヌギシイ、サクラ、カシ、ミズナラ、シデ等々の広葉樹がところ狭しと山積みされていますが、それは銘木市場に並ぶような立派な丸太とはまったく別の世界。製材して建築の板や柱が取れるような「ひとに都合のいい丸太」はほとんどありませんが、使い方次第では宝石に化けるようなモノばかり。しかし宝石にするためには相応のノウハウと汗をかく必要があります。今はまだ汗をかくばかり・・・

こういう非建築材としての広葉樹に触れるようになって数年経ちますが、少しずつその取扱い方や出口への繋ぎ方が分かってきました。とはいえまだまだ未体験の樹種も多くて失敗もあるのですが、これは痛い目をして覚えていくしかありません。今回も予定よりも多くの丸太を分けてもらいましたが、これはご依頼の柱に、これは『森のかけら』に、これは『愛媛県産モザイクボード』に、これはシンプルに丸太での販売に、へと細かく用途を区切っていってこそ広葉樹が生かせれるし、広葉樹を使う意味が生まれるというもの。

ご依頼の柱に使われるクヌギは、職人さんの手によってこういう形に加工されすっかりアートの趣き。伐り出された時期、その後の保管等々がよかったこともあり、虫も入ってなくて最高の仕上がりとなったようです。ここから弊社でおよそ1ヶ月間お預かりすることになったのですが、折角なのでこうして皮を剥いで加工して1ヶ月間置いていてらどれぐらい乾くものか調べたくなって、それから1週間ごとに重さを測って、乾燥の推移を追ってみることにしました。元は長さ3m、直径およそ150~180㎜の丸太でした。




そんなもの材木屋なんだから分かるだろうと思われるかもしれませんが、恥ずかしながら丸太の見分けがつきません!通常は板に挽かれたモノを仕入れるため、丸太に触れる機会がほとんどありません。最近になってようやく『都市林業』やパプアニューギニア産の丸太に接するようになって、樹皮を見る機会も増えてきましたがそれらはある特定の木で、もともと樹種が分かっている木。ここに運ばれてくる丸太は、その段階で枝払いされていて唯一の手掛かりである葉っぱも付いていません。

サクラやクヌギぐらい特徴あれば私だって分かりますが・・・。詳しく分類する必要はないとはいえ、そこは出材される山側の人たちもベテランばかりですから、ある程度の見立ては出来ていておおよその見当はついています。ハッキリ分からないものは持ち帰って加工して材面などから類推していきます。山にある木は、街路樹みたいに1本ずつ名前の札がぶら下げてあるわけではないので、葉っぱでもついてなければ樹種の特定はそう簡単なものではないのです。

そんな中で探し求めていた木に出会った時の喜びといったら格別です。今回もいくつかの収穫がありました。こういうとこと繋がりがあると非常にありがたいのですが、弊社の場合わずか35㎜角の『森のかけら』をいくらか作るというのが目的なので、小ぶりな丸太が1,2本もあれば十分なのです。しかしここでは次々にトラックに山積みされた丸太が運ばれてきていて、段取りよく出口である薪製造に回していかないとすぐに土場が丸太で溢れてしまいます。

最近、ノベルティグッズなどの分野では『県産材の広葉樹』という指定がつくケースが増えていますが、そのあたりの出口とうまく連携することが出来ればいいなと考えています。他にも現在取り組んでいる『愛媛県産広葉樹モザイクボード』など県産広葉樹の出口は今後ますます広がっていくとは思うのですが、問題は流通ルートがまだ未整備であるという事。だからこそ弊社のような零細材木屋が絡んでいける隙間があるわけで、今のうちにどれだけこの流れを整備できるかが肝。




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