森のかけら | 大五木材


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先日、弊社の木材置き場の中でクマバチがわがもの顔で巣穴を作っている事をアップしました。その後もしばらくは見て見ぬふりをしていたのですが、先日の夕方にあまりにも巨大なピラミッドを見つけてしまいました!まさしくこれはクフの大ピラミッド。前日には存在していなかったと思うのですが、気づかなかっただけかもしれません。これに比べると今までのピラミッドは可愛いレベル。さすがにここまでの傍若無人ぶりは看過できません。その日は既にクマバチは活動を終えていたようでしたので、翌日強制退去を実行することを決意。

ところが翌日になってみると、前日まであれほどせわしく飛び回ってクマバチの姿が見当たりません。どうしたものかと巣穴のある木材のところに近づいてみると、その材の桟木の小口にピタリと張り付いて動かない1匹のクマバチを発見。どうせすぐ逃げるだろうとカメラを近づけてみたのですが全然動かない。それで調子に乗って携帯カメラではピントが合わないほど超接写してみたのですがそれでも動かない。お陰でいい写真が撮れたモノの元気が無い様子でこちらも拍子抜け。どうしたものかと思ってその下の方を見たら、絶命している2匹の姿が!

その様子から誰かに抹殺されたというよりも、そこで静かに息絶えたという感じ。クマバチの生態については素人ですが、先日は雨でしたがその日は松山市でも30度を超える真夏日で外に出ているだけでも汗ばむほどの猛暑だったので、もしかしてこの急激な温度差にやられてしまったのかも?!桟木にへばりついて動かない1匹も体力を温存させているのかもと思う少し不憫に思えてきました。しかし強制退去は免ずるとしても、この暑さで何匹も命を落としてしまっているので巣の存続は難しく、このまま自動消滅してしまうのかもしれません。

こうなると先日までの怒りもどこへやら。一気に気持ちがトーンダウン。そういえばいつもならば耳が痛くなるほど大合唱をしていたセミたちも今のところはまだ姿を現わしていません。四国は梅雨明けが遅かったので本格的な猛暑はこれからだと思うのですが、何かいつもとは違う感じの夏の始まり。まあそのうち、あの時の淡い感傷はなんだったのだろと後悔するような、強烈な暑さがやって来ると思いますが・・・。今はまだ蝉の抜け殻にも季節の変わり目を感じる日々。




この季節に弊社を訪れるのは人間ばかりではありません。春先に賑やかし勝った鶺鴒野鳩の声が聞こえなくなったかなと思ったら、次に現れるのは蜂たち。小さなミツバチならばこちらも慌てず騒がずスルーしますが、困るのは大きなススメバチ。会社の裏の小屋では日々近所の幼い子供たちが遊びに来ているので、もしもの事があれば大変。気まぐれに飛んできただけならいいのですが、どこかに巣でも作っていたら危険なので、その姿を見たら目を皿のようにしてその行き先を追うのですが巣の発見には至らず。

既に巣を作っているのかこれから作るのか分かりませんが、近所の農家の人の話だと時期的に言うともう作っているはずとのこと。スズメバチの姿を倉庫の内外で見るのですが、倉庫は毎日扉を閉めるので出入りしにくくなるので、巣があるとすれば倉庫の外だと思うのですが・・・。倉庫の外には丸太などが積みあがっていて、雨風も凌げるような隙間があちこちにあって、蜂たちにとっては絶好の巣作りの環境なのだと思います。時には事務所の中にまで飛び込んで来るツワモノもいて文字通り蜂の巣をつついたような大騒ぎになることも。

そんなスズメバチ以上によく姿を見かけるのがクマバチ。丸っこいフォルムにモフモフした毛をまとい、スズメバチが戦闘機なら、クマバチはヘリコプターのような趣きがあります。木材をフォークリフトで動かしていると、どこからか現れて木材の周辺をブンブン飛び回ります。人を刺すことは無いらしいので危険はないのですが、クマバチを見つけると別の心配があります。それはクマバチの巣!スズメバチなどと違って、木の内部に巣を作るのですが、やたらとどこにでも穴を開けて不法占拠してしまうので困ったもの。

以前から、竹の節のように仕切られた巣跡の事が気になっていたのですが、もともと最初から内部に卵でも産みつけられていたのだろうぐらいにしか思っていませんでした。そしたら先日たまたま犯行現場を目撃!クマバチがやわらかい木の裏側に穴を開けて、羽を折り畳み穴に侵入していくその場面に遭遇したのです。既に穴は開いていましたが、その下には大量の木くずと黄色い糞(?)のようなものが散乱していました。しばらくすると穴から出てきてホバリングして器用に木くずなどを払いのけます。面白いのでしばらく観察していました。

しかし、周囲をよく見れば足元にはクマバチが払いのけた大量の木くずが散乱。以前から掃除したはずなのに同じところに何度も木くずが散らかっていると思っていたら、こやつが犯人だったか!しかもその巣穴の近くには親指大の巣穴が無数に開けられているではないですか!てっきり立木の頃に虫害に遭ったものだと思っていたらここが犯行現場だったとは。よし、ここは後から言い逃れ出来ないように証拠を押さえておこうと、巣穴に入る様子を動画撮影してYouTubeにアップしてやりました。これであのクマバチも社会的制裁を受け少しは懲りるだろう。




サルの話が出たら避けるわけにはいかないのが、サルの名前がつく木『モンキーポッド』について。最近テレビを観る機会が少なくなって、例の日立のCM「この木何の木、気になる木~♪」を観ないのですが、まだ放送はされているのでしょうか。相変わらずテーブルには人気のある木なのですが、やはり「あのCMの木」という事で知名度は圧倒的です。見た目にも辺材の白身と心材の黒茶のコントラスト人気で、ほとんど説明も不要。サイズさえ条件にあえば必ずと言っていいほど候補の1つにあがる木です。

ただし偏屈材木屋としましては、そこまで知名度があって人気があると、ちょっと複雑な心境になってくるのです。読売ジャイアンツが大嫌いで、そこに挑む阪神タイガースが好きなように、そこまで人気があって説明も要らないような木ならわざわざウチが扱うのもどうかなと、ひねくり曲がった性根が顔を覗かせます。私としてはもっとマイナーでスポットライトの当たらないような木を自分の手で彫り出して世に知らしめたいようなところがあって、マイナーな木ほど応援したくなるのです。

木には何の罪も無いのですが、昔からそういう性格なのでメジャーな木については勉強不足なところが多くて、それで更に距離を感じてしまっているのですが。まあそれぐらいモンキーポッドは世間に知られている木という事です。耳の具合とかもそれほど癖が無いわりにナチュルな雰囲気があってとにか分かりやすく、一枚板のテーブルとしては最適な素材なのです。そうするとほとんど欠点の無い木のように思われるかもしれませんが、心配な点もあります。それが辺材(白太)の虫による食害。

モンキーポッドの心材部分は虫害を受ける事は少ないのですが、辺材の白太部分に多数の虫穴がある事は珍しくありません。虫穴があっても既に穿孔して材中に居なくなっていてくれればいいのですが、時々まだ中に潜んでいる事があるのが怖いのです。あまりに虫穴が多い場合は、耳を落としたり、虫穴が無くなるまで削ったりしますが、正直どこまでがゴールなのか分らない事もあります。特にモンキーポッドにはその傾向が強いのですが、これほど虫にも好かれるという事は虫界でもあのCMが流れているのかも!?




ビニールハウスなどの部材をいつもご購入いただいている近くの果樹園の社長が来店されたのですが、いつもとは違う足場板サイズの杉板を購入されたので何に使われるのか訊いてみたら、果樹をネットで囲む作業の足場にされるとの事。実はこの数年前から、野生のサルの被害が激しくなって、植えている果樹が食い荒らされて大変なのだそうです。特にの被害が酷いのでネットで囲い込むことになったのだとか。会社の前は交通量の多い県道ですがその東には蜜柑山が広がっています。

結構以前から北条の方からサルたちがこの辺りにもやって来て、奥の方の山では蜜柑の被害も出ているそうです。少し前には会社から数百m先の民家の屋根に昇っている猿が目撃されました。サルたちはどこかに定住せずにあちこちの山をグルグル移動しているそうですが、獲物に狙いを定めるとまずは2~3匹の斥候がやって来て、その後いけると判断したら軍団が一気に攻め込んでくるそうです。賢いので罠をしかけても餌だけ取られてほとんど効果が無いとか。

年々手口も大胆になり、態度もふてぶてしく完全に人をなめてしまっているのだとか。農家の方たちにとっては精魂込めて作った作物を食い荒らされて憎っくきサルですが、野生のニホンザルは国の天然記念物に指定されていて、狩猟目的では獲ってはいけない事になっています。農作物を荒らしたりした場合は捕獲や駆除してもよいのですが、その際も捕獲の許可や狩猟免許が必要な場合があるなど、法律の規制を受けるそうでなかなか難しいようです。天敵もおらず自由にやりたい放題なのだとか。

もう駆除するよりもネットなどで防御する方が手っ取り早いという事で、桃園をネットで囲われることにされたのだそうです。最近、北海道や東北ではクマが食糧を求めて市街地にまで現われるようになったというニュースを多く見かけますが、この辺りでもイノシシに加えてサルと獣による被害は拡大。二ホンザルって日本におよそ20万頭近くもいるのに、イノシシのように仕留めた肉が食べられるわけでもなく駆除も進まないのだとか。小売りをしていると木材を通じていろいろな世界が見えてきます。




昨日に続いてイチョウの話ですが、小枝の輪切りに群がる光景を見て感じたのは、メスと思ったいたが最近はギンナンがつかなくなったらしいから、もしかしたらメスからオスに性転換途中のイチョウだったのかもという事。それで匂いが薄く感じたけど虫には充分に大好物な匂いだったのかも・・・あれ?そういえばイチョウは11の誕生木にしているのですが、その出口として作った鴨を模して作った『ダックエンド』は、古書とかを喰ってしまう紙魚(しみ)がイチョウの匂いを嫌うという事がモチーフでした

なので、自分の中ではすっかり「イチョウの匂い=紙魚が嫌う➡イチョウの匂い=虫が嫌う」の構図が出来上がってしまっていました。しかし考えてみれば伐採直後の、メスのイチョウの鼻をつまみたくなるような強烈な匂いは、生ゴミなどに群がる虫にとっては大好物なのは理解できます。紙魚が嫌いうからすべての虫が苦手というわけではなく、単に「蓼食う虫も好き好き」パターンなのか、あるいは生材の匂いと乾燥後の匂いが科学的に変異するのか?

その辺りはよく分りませんが、小枝の輪切りも3,4日経って乾燥が進むと羽虫はすっかりいなくなってしました。わずかに感じられていたイチョウ臭もすっかり消え失せてしまいました。磨くと多少は匂いありましたが、いつものメス確定のイチョウに比べたら雲泥の差。生材から乾燥する際に発せられる時に小虫たちが好む刺激臭が出るのかも。それでイチョウの匂いの事が少し気になっていたのですが、そしたらまた衝撃の光景が!カウンターに使えるサイズのよく乾燥した4mのイチョウの4mの耳付きの板があるのですが、

耳の部分は一部樹皮が剥がれたりしてて、見たらかなり脆くなっていたのでバリッと剥がしてみたらそこから1匹の紙魚が飛び出してきたのです!樹皮の隙間に潜んでいたみたいなのですが・・・えっ、イチョウの匂いが苦手なはずでは?!たまたまかもしれませんし、木の匂いっていつまでも継続するわけではないので乾燥が進むと効果無くなるのかもしれませんが、百聞は一見にしかず。木の生態って分らないことだらけ(私が無知なだけですが)。モノの本には書いてないような事に日々巡り合える楽しい材木屋の仕事




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