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昨日に続いて『オフセット・クレジット』についての話です。昨日の最後に、この制度はある種の『ふるさと納税』のように考えていると書きましたが、一昨年購入させていただいた久万高原町のオフセット・クレジット分がすべて使い終わりました(弊社の場合シール1枚100g相当に換算して商品に付加しています)ので、今回は私の故郷である西予市野村町から購入させていただく事にしまいた。といっても恥ずかしいぐらいの微々たる量ですが・・・。
まあこういう事は言うよりも実行する事が大切ですので、これを足掛かりに少しずつ買い増していきたいと思っています。ちょうど西予市でその担当をしていたのが、中学・高校の同級生の酒井康次君だったという事もあって、すぐに話が繋がりました。大学から松山に出てきましたのでもう故郷で暮らした年数の倍近くを松山で過ごした事になりますが、生まれ故郷に対する感謝の念は当然あり、わずかながらでも御恩返しはせねばなりません。
日頃から西予市森林組合さんから材を分けていただいている事もあり、来年度には西予市の木を使った商品にこのオフセット・クレジットのシールを貼った商品を制作したいと考えているところです。先日その酒井君と水口君がわざわざ、その購入証を届けに来てくれたのですが、これがまた立派なもので、わずかしか購入してない私としては恐縮するばかり・・・。その素敵な購入証をデザインしたのは宇和町在住の上田球乃さんでした。
また西予市は平成25年に「四国西予ジオパーク」に選ばれました。ジオパークとは、地層構造や地形など大地に関わる自然遺産を主な見どころとする自然の中の公園で、国際的には、世界ジオパークネットワークが世界ジオパークを認定するもので、日本国内では6カ所(四国では室戸が選定)が選定されています。その国内版が日本ジオパークで、今まで25地域でしたが新たに7地域が認定され、その中に愛媛県西予市も選ばれたのです。
東西に長い西予市は、四国カルスト・大野ヶ原から宇和海のリアス式海岸まで多彩な地形が独自の景観を形成し、多彩な自然遺産の宝庫です。平成の大合併で5町が合併して生まれた市ですが、その5町の特産品などを象形文字のようなデザインでジオパークのマークを描いたのは『おとなの部活動』のメンバーである宇和町在住の井上真季さん。何だか恐ろしいまでに繋がります。この連鎖はオフセット(相殺)ではなく相乗させていかねば!!
『オフセット・クレジット』、現在この考え方が一般的にどれぐらい浸透しているのでしょうか。環境省がこの考え方を提唱したのが2008年で、その後オフセット・クレジット(J−VER)は国内クレジット制度と統合され2013年に制度の運用が開始されました。初めてこの話を聞いた時、すぐには理解できずに何度も何度も聞き直しました。説明されている方自身も実感が乏しく何だか雲を掴むような話だった印象がありますが、もうあれから数年。
まだまだ市民権を持っているような実感はないのですが・・・。今さらですがザックリ説明するとオフセット(offset)というのは「相殺」という意味で、経済活動などによって排出したCO2を、植林や森林保護活動などによって固定化あるいは吸収されたCO2で相殺したと考え、トータルでCO2の排出量を減らしたとみなす考え方です。具体的には、山で木を伐採すると木の中に含まれるCO2は固定化されます。それをクレジット化させて売買させるのです。
それを都会の企業が買う事で、その企業は間接的にCO2の排出量を削減させたとみなすというもの。つまり従来の山の仕事が劇的に変わって何かをするというモノではなく、今まで通りの山での仕事(伐採や植林)を数値化して取引しているだけなので、実質的に形のあるものを売買しているわけではありません。世界市場を相手にして日本に経済活動の根幹を担うような大企業ならいざ知らず、町の小さな会社にとってはちょっと縁遠く感じる制度かもしれません。
いまひとつこの考え方が浸透しないのはその分かりにくさにあるのだと思います。町の小さな会社が購入してどうするの?というのが本音だと思います。弊社も微々たる量ですが、昨年久万高原町で購入させていただきました。購入後の利用方法はそれぞれの企業に任されており、弊社では1枚のシールで約100g相当のCO2の排出量を削減したものとみなして『森のしるし』や『誕生木ストラップ』などの商品にそのシールを貼り付けています。
購入者は商品だけでなく、イベントや経済活動で排出されるCO2とオフセットさせることも出来るし、温暖化防止に取り組んでいるという事で企業のイメージアップや、地域貢献・地域活性化も含めたCSR活動に応用することも出来ます。現状はむしろ木に関する企業よりも、異業種の企業の方が沢山かつ有意義に利用されているように感じます。この制度については賛否もありますが、私はある種の『ふるさと納税』のような感覚で考えています。
『誕生木』をなるべく身近なところで楽しんでもらいたいという思いで作り始めた『12ヶ月の誕生木ストラップ』ですが、その後加工工程の見直しやストラップ紐の一括購入などによってコストが抑えられることになりましたので、本日より大幅に価格を改定させていただきます。今まで1個800円(税別)にて販売しておりましたが、思い切って300円値下げをして、今後は1個500円(税別)にて販売させていただく事としました。
これは、同仕様でオリジナルのノベルティ商品にしたいという要望を受けての改定でもあります。片面に誕生木や木言葉、片面に企業やイベントのロゴなどをレーザーで入れて欲しいという問い合わせを多数いただいた事で、今後ある程度の受注のボリュームが見込めそうな事から、作業工程を簡略化したりストラップ紐の一括購入をするなどして対応に備えるのと同時に、レギュラー商品の価格も下げさせていただく事にしたものです。
端材に高い価値を付加させ深い物語性を構築してマニアックな商品開発をする、というのも弊社の1つのテーマですが、一方で今まであまり森や木の事に興味や関心の薄かった人たちにも目をむけてもらうきっかけ作りをするという事も大切なテーマの1つです。そちらの入口(弊社にとっては出口)のツールとして、『森のしるし』や『誕生木ストラップ』という廉価商品もあるわけで、こちらは出来る限りハードルを下げておく必要があります。
ですので常に低価格で商品を開発するということは必須命題なのではあるのですが、ある程度量が見込めないとどうしても値段を下げられないジレンマがあります。特に木製品の特性として、大量に作れば作るほど集材コストが増加するという自然素材ならではの課題がありますので、分不相応の大量受注というのは歓迎されないという特殊事情があって、そこが大量生産大歓迎の工業化商品とは一線を画するところです。何事もバランスが大事!
まあ、そういう裏事情もありまして『誕生木ストラップ』の既製品につきましては、1個500円(540円/税込)での販売という事にさせていただきます。この商品にもカーボンオフセットを付加しておりますので、『森のしるし』同様に1個お買い上げいただくごとに、100g相当の二酸化炭素の削減にも貢献できるという事になっています。是非企業やイベント等でのノベルティとしてのお問い合わせもお待ちしています!
【森のかけら】はじめ、『森のしるし』や『木言葉書』、『森のたまご』など弊社オリジナル商品については、今後すべてについてこの『つながって丸』のロゴマーク・シールを貼る予定です。弊社の場合、この小さなシール1枚でおよそ100グラムの二酸化炭素吸収に貢献出来る計算です。この制度、まだまだ愛媛県では浸透していません。小さな小さな取り組みですが、森や山の事に対する意識づけのきっかけとしても、小さな『森への入口』としても、うまく活用させていただこうと考えています。
中には、これを免罪符としてはいけないという考え方もあるようですが、これをゴールとするか入口と捉えるかによって変わってくると思います。クレジットをいくら購入したから終わり、というのでは単なる机上の空論・数字合わせに終わるおそれもあります。こういう活動に関わる事で、それから先に進む足がかりになればいいのではないでしょうか。制度も運用次第。まだまだこれからその使い方を探っていかねばならないシステムだと思います。マークのPRに関わらせていただいたのも何かの縁。
昨年も『森のこだま』、『森のたまご』の商品開発の一部(県産材の活用)について愛媛県森林環境税を活用させていただきましたが、県では木材活用について、川上のハード面だけでなく、川下のソフト面までバックアップしてもらっています。いわば骨太の骨格と全身に張りめぐらされた毛細血管の両面に対する支援。ヒノキの生産量日本一を謳いながらも、他の産地に比べて不思議と非建築分野(家具や木工クラフト等)での木材産業が極めて少ないのが愛媛県です。
それは住宅資材向けの、しかも柱や土台などの角材中心の製材工場が多かったという物理的な事情によるものかもしれませんが、住宅着工数が劇的に減少していく中、新築・リフォームとは無縁の一般の方がより身近で手軽に木に触れる分野での、木材利用を進めていかねばならないと思います。このオフセット・クレジットのマークを貼った商品の目指す先はそこにあります。先日もそんな取り組みの1つとして、愛媛県農林水産部森林局の浅野局長が林野庁の沼田林野庁長官に商品をお渡しいただきました。
森や山や川や海や自然の事、あまり複雑に難しく考えるとますます遠ざかってしまいます。こんな商品が生み出される久万の森に行ってみようか、折角買うのならプラスティックや石油製品よりは自然素材の商品のしようかしら、自然に負担を与えないような暮らしをしようかしら、そんな事を少しでも考えたり、行動したりすれば、少しはこの社会も変わってくると思います。頭で理屈を考えてばかりじゃ何も変わらない。『いいね!』の一歩先へ、そうしてもっともっと『森の奥へ』!
『カーボンオフセット』、この言葉が世間でどれぐらい認知されているのでしょうか?言葉の解説としては、「日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方」と環境省は謳っています。う~ん、これだけで理解できる方は多くないでしょう・・・
私自身も初めてこの話を聞いた時には、理念としては理解できるものの具体的な形として想像できませんでした。「カーボンオフセット」という用語は、「二酸化炭素(カーボンダイオキサイド:carbon dioxide)を相殺する(オフセット:offset)」に由来しているそうで、要するに社会全体で排出された二酸化炭素を、植林や間伐などの森林整備活動を通じて二酸化炭素を固定化させた量で相殺するという事です。それを市場で流通させるためにクレジット化したのが、『オフセット・クレジット』という制度。
頭で考えるよりは、具体的な形で見た方が理解しやすいと思います。弊社では先日、久万高原町が間伐の促進による二酸化炭素の吸収量をクレジット化したものの一部を購入しました。愛媛県の場合は、昨年県が作成したオフセット・クレジットのロゴマーク『つながって丸』を商品などに表示しています。そのPRとして、『つながって丸』のノベルティ商品(森のしるし)を作らせていただいたのですが、恥ずかしながらその時にもまだその実像がよく理解できてはいませんでした。
環境省、林野庁をはじめ多くの組織や団体・企業で、この制度について説明や解説がされていますが、言葉で読むとなかなか分かりづらいものがあります。私なりの解釈としては、実際に山や森で木の管理(植林・伐採)に関われない人でも、このマークのついた商品を購入することで、間接的にそういう活動に協力・支援できる制度だと考えています。弊社の場合、零細企業ゆえ大量にクレジットを購入する事は出来ませんが、少しずつ身の丈に合った範囲で購入量を増やしていくつもりです。明日、後半戦!
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