森のかけら | 大五木材


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数か月前にこのブログで「レジン」について書きましたが、その後もレジンで使う木が欲しいという問い合わせは増えています。弊社ではレジン加工はしていないので、あくまでも素材の供給だけなのですが、今までどういう売り方をすればいいのかよく分からなかった変形の耳付き材に「出口」が生まれたのはともかくもありがたく嬉しいことです。それで本日は、弊社の材を購入していただきレジン加工をされている方の中のおひとりをご紹介。東京の江東区で樹脂加工の専門店、『タルパ  talpa』さん。

木はもちろんのこと金属、ガラス、羽、などなど何でも独自の樹脂注型(ポッティング)技術で樹脂に封入されます。デザイナーのアート作品をはじめ店舗や商空間向けのオリジナリティ溢れるクリアーレジンのテーブルトップやテーブルなどを製作されています。私自身はレジンの加工について知識が無いのでよく分かりませんが、一般的には対象の隙間にレジンを流し込み形成していきますが、タルパさんは独自技術で全体をレジンで固めるので対象物が乾燥してない生材でも可能だということらしいです。

また、熱をかけずに硬化させるため封入物が変化しにくく、思い通りのレイアウトが可能とのこと。弊社のオンラインショップでは、200年生の耳付きのホルトノキクスノキなどをご購入いただいてレジン作品を作られていますが、その完成品がこちら。この写真に使われているのは耳付きのクスノキで、耳分部を向かい合わせて峡谷に見立てて、その中に青い河が流れているようなデザインになっています。この形状のものは、その形から『リバーウッド』とも呼ばれています。

こちらはホルトノキを使った枯山水のイメージ。タルパさんが発案されたレジンの新境地。オーダーも可能という事で、技術力の高さから沢山の注文を受けられているそうです。今後もますます弊社の「変わり者」たちを晴れ舞台に導いていただきたいです。丸太を挽けばこういう耳付の変形はいくらでも自然発生して売り口に困るぐらいですが、都会では定型にカットされたり加工されたモノが主流で、どこにもあるようで案外無い。山で産されたモノが都会で河に生まれ変わっていく新たな流れが生まれています。




グラインダーで表面を削って凸凹にして軽くサンダーで磨いたメタセコイアの一枚板の上に寝そべってみると、これが想像していた以上に気持ちがいい!粗目でスギのようにやわらかい質感とグラインダーによる凸凹感が相まってなんともいえない心地よさ。幅が650ほどある一枚板なので大人ひとり用の小ぶりなベッドとしては十分な大きさです。まさかメタセコイアアをそのままベッドに使おうなんて思いもつきませんでしたが、これは意外な出口になるかもしれません。

やわらかいという材質をついついネガティブに捉えがちなのですが、そのまままるごとベッドという使い方は目から鱗が落ちる思いでした。日頃からそれぞれの木の出口を考えるなんて偉そうなことを言っているくせに、私の思考が凝り固まっていて、過去の実績の枠を出られないでいたことを強く反省させられました。完成したのちに再び勇者来店。実際に寝てみて触感を確かめられてご満足の勇者。今までいろいろなお客様がご来店されましたが、いろいろな木に寝てみて感覚を確かめられる方は初めて!

これでOKとなったのですが、私としてはこれにもう一手加えて塗装までしたい。汚れを保護する意味があるのと、メザラザラした触感を特に好まれていたので、オイルを塗ることで針葉樹のメタセコイアは多少毛羽立ちます。それをサンダーで磨いて軽く押さえることで一層触感が増すという狙い。またメタセコイアの赤白の色のコントラストを鮮明にして、本来の木の色合いを堪能していただきたいという思い。それを勇者に伝えて目の前で実践したところ、色調の変化に更に驚き喜んでいただきました。

個体差もあると思うのですが、オイルを塗ると赤身部分はスギよりも濃い赤茶系に反応します。今回はグラインダーで削って意識的に凹凸をつけているので、カメラで撮ると見た目以上に陰影が出ていますが、スギとの違いが際立ちます。こうしてメタセコイアはまるごとベッドになって巣立っていきました。まあこれをベッドにしようと思う人が多いとは思えませんが、今まで欠点とすら思えたやわらかさも考え方次第で武器になる事を実感させられ、今後の出口方針の新たな指針となりました。




 

400種類の『森のかけら』を目指して多種多様な木を集めまくっていますが、集めてはみたもののどういう売り方をすればいいのか、その『出口』を決めかねている木も沢山あります。その中の1つが、メタセコイアです。名前だけ聞くと、外国の木と思われるでしょうが、産されたのは日本で、しかも森からではなく町からです。メタセコイアは街路樹や庭木として全国各地で植栽されています。1939年に日本の関西地方の第三紀層で、常緑種のセコイアに似た落葉種の化石が発見され、発見者の三木茂博士によりセコイアに『メタセコイア』と命名されました。 

その後1945年に中国の四川省で現存していた『水杉(スイサ)』と呼ばれていた木がメタセコイアと同種とされて、メタセコイアは『生きている化石』と呼ばれるようになったのです。かつては絶滅したと思われていた木が、今では全国各地で植栽されているというのは不思議な感じ。そのメタセコイアは板に挽くと、見た目は目の粗いスギといった趣きです。成長が早いため年輪幅が広くて材質としてはかなり軽軟で、印象としてスギよりもやわらかく感じます。街路樹や庭木に多いとはいえ、給は気まぐれなのでスギのように量で勝負できるわけではありません。

そのため、決して入手困難であるわけでもなければ貴重種で高額であるというわけでもないのですが、用途が定まらず、あるにはあるがどう売ればいいのか分からず困惑していました。ある日、そんなメタセコイアを求めて勇者がご来店!勇者は大きなサイズのメタセコイアの一枚板を見ると肌触りを確かめられて、「この木をベッドにしたい!」と申されました。メタセコイアを製材して板に加工してベッドを作るというわけではなくて、一枚板をそのまま使ってその上に寝たい、という事です。しかも削らなくてこのまま荒材の状態がいいと勇者は仰る!

最初は呆気にとられて、本当にいいんですか?と何度も何度も確認しましたが、勇者の決断に迷いなし!しかしさすがに表面に割れ止めのボンドがべったり塗ってあったので、表面と耳分部だけは表面を剥がしてもらうことにしました。しかし、メタセコイアのザラザラした木綿にような肌触りが気に入っているので、サンダー仕上げなどは望まないという事で。それでグラインダーで表面を削り軽くサンディングしてあえて凸凹感を残しました。これでベッドにして本当に大丈夫なのかと多少不安もあったので、実際に自分が寝てみることにしました。続く・・・




少し前の話になりますが、愛媛県大洲市にある『梶田商店』に行って来た時の話。梶田商店は知る人ぞ知る老舗の醤油醸造蔵元で創業は明治7年。梶田商店の屋号は『』で商品にもその名が冠されています。私の実家では、物心ついた頃から醤油のことを「みとせ」と呼んでいたので、醤油とは別に「みとせ」というものが存在すると思っていました。それが梶田商店で造られた天然醸造で醸した生(なま)醤油に再び醤油麹を仕込んで発酵・熟成させた醤油「巳登勢」であった事を知るのは大人になってから。

その巳登勢を作っている梶田商店の事を知ったのは今から10数年ぐらい前のこと。知人から「大洲に醤油馬鹿がいるので、会ってみたら」と教えてもらいました。相当にマニアックで醤油の事を喋らせたらいつまでも熱く喋り尽す等々、聞けば聞くほど興味が湧いてくる。職種は違えどもその道を究めようとする熱い人とは会って話を聞いてみたい。そしたらその後、たまたま醤油馬鹿こと梶田泰嗣君に出会うことになりました。会ってみると噂に違わず醤油が煮えたぎるほど熱い男でした!

ところで今回梶田商店を訪れたのは、昔の郷愁に誘われて家で使う醤油を求めて来たわけでも、木材と醤油の新たなコラボ商品の開発のために来たわけでもありません。ちょっと別に用事があって来たのですが、梶田商店の中に入れてもらい醤油造りの内側をいろいろと見せていただきました。実は醤油と木は深い関わりがあって、梶田商店でも昔は杉樽に醤油を入れて保存されていたそうです。今は使われなくなった杉樽が積み上げられていましたが、それはそれでオブジェとしてもオモシロイ!

醤油とスギの関係は、ウィスキーとホワイトオークのような関係で、それぞれの木樽に仕込むことで材から滲出する木質成分がまろやかさやコクを生み出すのだ思います。梶田商店でも昔は専用の杉樽屋さんがいてそれを使っていたそうですが、後継者問題もあって徐々に樽屋が減少。今では杉樽を製造するところは全国でもわずかしか残ってないそうです。究められたものづくりも一旦途絶えてしまうと復活するのは難しい。全国でも貴重な保存料なし・無添加の巽醤油醸造の伝統は真の醤油馬鹿ではなければ守れない!




兵庫県立美術館の屋外スペースに出ると、高さが2mを超える巨大なリンゴのオブジェがあります。これは同館を設計した建築家安藤忠雄氏のデザインによるもの。傍らの解説文には作品のモチーフとなったアメリカの詩人サミュエル・ウルマンの「青春とは人生のある期間ではない。心のありようなのだ。」という言葉と共に安藤忠雄氏の言葉も添えられていました。『いつまでも輝きを失わない、永遠の青春へ。目指すは甘く実った赤いリンゴではない、未熟で酸っぱくとも明日への希望に満ち溢れた青りんごの精神です。』

この青いりんごは、繊維強化プラスチックで出来ていて、高さ・幅・奥行きはいずれも2.5m。「海のデッキ」と呼ばれる同館3階の屋外部分に設置されています。直径およそ60㎜の『森のりんご』と比べるとおよそ40倍以上。誰もが皆やってみたくなることでしょうが、巨大青りんごを掌の中へ。これでも『森のりんご』と比べるとまだまだ大きい(笑)。よく実物大の『森のりんご』を作ってみたらなんて言われますが、面白さはあるでしょうが、素材の問題も含めてかなり高額になってしまうので実際に売るとなると難しそう。

私的にはリアルな大きさへの追求よりも沢山の種類を作りたいという志向が強いので、今後も大きさにはこだわりませんが樹種数にはこだわっていきたい。掌に収まるサイズとはいえ、それなりの広葉樹で作っているため価格も相応で、飛ぶように売れるようなものではありません。在庫も結構溜まっているので、しばらくは作るの控えようかなと思っていたのですが、安藤さんの言葉でまた火がついてしまいそうです!やっぱり『森のかけら』も400種類になるなら、りんごもせめてその1/4の100種ぐらいは欲しいよね(^^♪

ところで、青いリンゴと言っているが実際には緑のリンゴじゃないかと思われる人がいるかもしれません。『日本人の青と緑の混用』についてはこのブログでも何度か書いてきましたが、平安時代以前の日本人は青と緑を混用していたため、若い竹を青竹と呼んだり、未成熟のリンゴを青いリンゴと表現して今もそれが残ってます。残念ながら木材の中には削って材面が青い木が無いので『青と緑の混用りんご』は出来ません。しかしこの『青春の青りんご』には背中を押されたような気持になりました。

 




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