森のかけら | 大五木材


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弊社の南隣にあった会社が昨年末、香川にある支店に統合されたことで、ずっと空き事務所&空き倉庫になっていましたが、先日工事関係者の方がいらして、「解体工事をすることになりまして」とご挨拶に来られました。私が大五木材に入社した時からそこに在った会社だったこともあり、事務所を閉められると聞いた時も、まったく寝耳に水の話だったので驚いたのですが、その建物そのものが無くなってしまうとなると、他人のものであるにも関わらず、一抹の寂寥感に襲われます。

私が入社する前からおよそ30年近く見慣れた光景が変わっていくというのは不思議な感覚。その建物があったお陰で、その西側にある自宅は国道から四角になっていて、騒音もかなり遮っていてくれたのだと思いますが、解体されたる国道から見える光景も随分と違ってくると思います。今はその後どうなるのか分かりませんが、まあいずれ何かの建物が建つのだろうと思われます。そこだけではなくて、会社と自宅の周辺の光景は、私がここで住むようになった30年前とはかなり変わりました。

その頃は周囲にほとんど家もなくて、夜も更けるとここは本当に松山市かと思うほどに漆黒の闇が広がるほど、周辺には田んぼしか見えないような牧歌的な田舎の風景でした。雉の鳴き声が響いたり、水路にはスッポンがいたりと、田舎出身の私にとっては馴染みやすい場所でしたが、それから20数年で周辺環境は一変。バイパスは抜けるわ、周りの畑が埋め立てられてドンドン家が建ってご近所さんが増えるわ、イオンやホームセンターはできるわ、隣の会社は次々に取り壊されるわ・・・。

材木屋の仕事の中身自体も大きく様変わりしましたが、取引先の顔ぶれも世代交代や廃業、転業などがあってすっかり入れ替わりました。そしてそれまで他地域からの転入がほとんどなかったこの地に20数件以上の世帯が移り住み、私がすっかり古株になってしまいました。見慣れた風景が次第になくなりつつあるのは寂しいことであるものの、新しい友人も沢山増えそれに伴い子供の数も急増。長女と近所の友達3人で通っていた小学校の通学班は、いまや人数が増えすぎて2班に分かれるほどに。

日々の仕事に追われていると、時間の経過を改めて振り返る暇もありませんが、今までそこにあることが当然と思われた建物の屋根がなくなり、壁が壊されていくと、嗚呼もうこんなに時間が経過したんだなあとしみじみ感じさせられます。商売が下手でなかなか儲けられませんが、『商売は牛の涎(よだれ)』とも言いまして、ダラダラとでも長く続けることにもそれなりの価値はあると思っています。解体工事の音を聞きながら、いっそこの地の歴史の生き証人となってやろうと闘志湧く・・・




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