森のかけら | 大五木材


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また、弊社の小さな小さなものづくりにもご協力とご理解をいただき、弊社で製作している『森のしるし』のスタンプは、すべてハン六さんで製作していただいています。わずか数個の注文にも温かく対応していただける事に甘えているわけですが、それでもお願いさせていただくのは、弊社のものづくりの根幹をご理解いただいているから。ただ安いものをつりたいのではなく、誰にでも頼みたいのではなく、理解と信頼の出来る「仲間」(僭越ですが)と価値観を共有できる仕事がしたいのです。

その仕事の中で、平井常務から今回の宗教サミットの記念品の話をいただきました。大震災の復興を祈願し、岩手県の『カツラ』の木を使い、復興と祈りのメッセージを折り込んだ『宗教サミットのしるし』を6000個製作していただきました。それらは、延暦寺に集われた世界中の宗教指導者の皆さんの手に配られました。そもそもの『森のしるし』の本懐であった「メッセージツール」としての役割を存分に発揮させていただく機会を得たことは本当にありがたいことです。私は敬虔な信者でもありませんし、宗教の何たるかも理解してない信仰心薄き不届き者ですが、一介の材木屋として「木」という商売道具を使って、ささやかでもお手伝いが出来た事は材木屋冥利に尽きます。しかも日頃から仕事でよくお世話になっている「東北地方の森のめぐみ・カツラの木」がこういう形で、世界へその意を伝えるメッセージツールとなったのも嬉しい限りです。

カツラは英語名も「カツラツリー」で、日本固有の木です。 カツラの木は、『人間の体温にもっとも近い木』とも言われるぐらいに温かみを感じる事の出来る木です。その触感についてはよく『木綿の肌触り』とも称されるほど素朴で味わい深さがあります。まな板や将棋盤、家具などに利用されてきましたが、その触感を楽しめる使い方を模索していました。特に岩手県には良質なカツラが多く、ただのマテリアル(素材)以上の価値観を付加できないかということは常に考えているところでした。

今回はカラー印刷という事で色彩豊かに印刷されたのですが、塗料との相性でかなりご苦労されたようです。ただうまく印刷するのが目的であえばカツラにこだわる事はありません。しかし今回は東北の事を考えるというサミットのテーマを体言できる樹種として、東北・岩手産のカツラの木は大きな使命を帯びておりました。品質・機能・性能・納期・価格が優先されがちな建築分野とは別の次元で、『木』が求められる!ここにこれらからの材木屋と木の生きる道、求められる道があります。

澄んだ水と肥沃な大地を求めるカツラにとっても震災の影響は甚大なものであったことでしょう。これからの無垢材の販売において懐刀ともなる、木の『物語性』に対する期待感が膨らむ中で、実際にどういう形でその思いが結実していくのか、私自身もいまだ手探り状態ですが、こうして具体的にカツラの木がその役割を与えていただいたという事で、これから『森のしるし』の進むべき道筋に大きな灯りがともった気分です。豊饒の東北の森がたくましく復活し、再び美しいカツラを育ててくれる事を願ってやみません。

 




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