森のかけら | 大五木材


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本日も針葉樹スプルース』の話。北米大陸を代表する木材のひとつで、木の素性がよくて軽軟なことから建具材として重宝される木ですが、愛媛では昔から建具材と建築材は供給ルートはきっちり分かれていて、弊社ではほとんど取り扱いがありませんでした。それでも時々はスプルース指定の注文もあったりして、携わってきたのですが、少し前にたまたまご縁があって少量のスプルースの板を在庫することになりました。家具や造作では声がかからなかったものの、別の用途から声がかかり久し振りにスプルースを加工しました。

柾目が緻密過ぎて写真では照明の当たり具合ではテカってしまって分かりづらいと思うのですが、接写するとこんな感じです。硬めの広葉樹の加工が続いていたので、スプルースだとサクサク加工出来て張り合いがないぐらい。むしろ仕上げ磨きしている時に、何気にサンダーとかをその上に置いてしまったりすると、それだけで傷がついたりしてしまって針葉樹の繊細さに自分のガサツさが際立つことも。ホワイトオークなどの感覚で作業をしていたらとんでもない事になってしまいます。

針葉樹は作業そのものはやりやすいものの、折角仕上げたものを運んでいる時に落として駄目にしてしまったり、夏だと日焼けさせてしまったりするので、自分の性格から考えれば針葉樹よりも広葉樹向きなのかと思います。特にスプルースはすぐに日焼けするので、迂闊に夏場に日の当たる場所に板ものを置いておくと、きちんと重ねとかないと速攻でうっすらと褐色に日焼けしてしまうので、そそっかしい私には本質的に向いていません。だからといって広葉樹は適当に扱っていいというわけではありませんが。

ホワイトオークホワイトアッシュなどやや硬めの広葉樹を磨く力加減でスプルースにサンダーをかけると、ザクッと表面を削り取ってしまうので体感スイッチを切り替えるつもりでやらないと、何度も加工直しになります。頭では分かっているものの、つい力の制御が乱れてパワー全開で磨いてしまい、今回も何度も加工直しをしてしまいました。年輪が詰まって整然と並んだ柾目の様子がまるで「細い糸を垂らした」ように見えることから糸柾』と表現することがありますが、綺麗な言葉だと思います、ただし上品な糸柾とガサツな材木屋との相性悪し・・・




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