森のかけら | 大五木材


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7月の末がご自身のお誕生日なので、それに間に合えば・・・というご要望の家具のご注文をいただいていたのですが、何とか無事に誕生日に間に合って納品させていただく事が出来ました。それがこのブラック・ウォールナットのダイニング・テーブルです。プロの仕事において、「納期を守る」というのは必要最低限のルールなのですが、多くの人間の手が関わり作られていく家造りや家具の場合、いろいろな大人の事情でどうしても納期が守れない事もあります。お約束したことをきちんと守りたいと思うのは、誰しも皆同じことでしょう。どうしても間に合わない旨のお断りを連絡するのは、とても心苦しく申し訳ないのですが、今回のように予定日よりも早く納品できるとこちらも嬉しく、先方にも喜んでいただき、プラスの連鎖が広がります。製作はいつものウッドワークかずとよ池内一豊君、毎回いい仕事をしてくれます!

このブラック・ウォールナット、100数種の木をを取り扱う弊社においても、圧倒的人気を誇る木です。一見すると物凄く癖の強い木に見えるかもしれませんが、実際に見るとさにあらず。『個性』という言葉が決して逃げ口上にならないほど、1枚1枚の杢のキャラクターが立っています。取り扱い樹種が多いので、興味があるのかもしれませんが、一般の方からよく、一番好きな木は何ですか?という質問を受けます。正直、どの木もそれぞれに好きですし、日々気分によって好みも変わってはきますので絶対的王者は決めにくいのですが、和材で『山桜』、洋材で『ブラック・ウォールナット』というのは揺るがず上位にいます。この組み合わせに共感する方って、きっとたくさんいると思いますが、どちらの木もそれぞれに『木に力と存在感』があり、単独でそれだけで眩しい輝きを放ちます。

独立性が強いというのも好きな要因かもしれません。また、いずれの木にも『色気』が漂います。甘え容赦のない、『大人の木』という部分も惹かれるところです。今回は天板の角もエッジを立てて、脚もテーパーに絞り込んで、貫もなしの4本脚ですっきりとシャープに仕上げました。杢の激しい材を選んで幅剥してもらったので、天板にも力が溢れ、受け止めるシャープな脚とのコントラストもうまく取れたのではないかと思います。エッジがついてなおこのボリューム感があるのは、38㎜の素材を削りだしているためです。

天板の剥ぎ合わせ方でかなりイメージも変わってきますが、そこは『あ・うんの呼吸』で、毎回こちらの狙い通り、いやそれ以上のベストの組み合わせに仕上げてくれます。長く付き合っているとお互いの癖や好みも分かってくるので、細かな図面がなくとも簡単な打ち合わせでほとんどブレがなくなってきました。今回も簡単な私が書いた漫画のようなデザインだけです(それしか書けないのですが・・・)。モノクロで撮っても絵になるほど存在感があります。

弊社は家具の専門店というわけではありませんので、デザインも使用も我流で、いろいろな木を使って家具を作れるのですが、自然に特定の木に人気が偏ってきます。このブラック・ウォールナットなどはその最たる物で、ご自分でこの材を指定して来られる方もたくさんいらっしゃいます。雑誌などでもかなり取り上げられていますが、無垢ではなく薄い突き板を張った物も多く、本物の無垢に触れられとその魅力から抜け出せなくなる方も多いようです。時間が経つほどに落ち着き、色合いが深まって光沢と艶が生まれる無垢の「生命力」は、実際に触れてみて、使ってみてこそ分かるものです。事務所の2階にも、ブラック・ウォールナットで作った家具が幾つかありますが、チョコレート色のグラデーションにもますます磨きがかかったように見えるのは贔屓目でしょうか?既に私がブラック・ウォールナットの虜になってしまっているから?




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