森のかけら | 大五木材


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こちらが全面に塗装を施して仕上がってパートリッジウッドあるいは、アンゲリンまたはダリナの完成した状態。アップで見るとあれほど緻密でのこうな杢がややかすんで見えてしまいますが、どっしりした重量感とくどすぎない上品さがあります。今までこの木の端材や小さなモノとしてしか販売したことがなかったので、なかなかご紹介も出来ませんでしたがようやく念願が叶いました。この後、この天板は大阪まで運ばれて現地でアイアンのフレームと鉄脚が取り付けられてテーブルとなりました。

まだ現地に行って完成した雄姿を見れていないので、いつか訪ねさせていただくつもりですが、今回このパートリッジウッドのテーブルに決めていただいたのは、今年の4月に立ち上がった『LLP-SAL 空間芸術研究所』さん。いつもお世話になっている松山市の㈱グローブコンペティションの代表の山田徹さんと、高木智悌さん、城野康信のさんの才人3人が集結して新たに立ち上げた組織です。大阪・京都、東京、松山の3拠点で本格的な活動を展開されるために、まずは大阪の拠点となるオフィス建設にあたり、この材を選んでいただきました。

私はまだ山田さんしか存じ上げませんが、こういう木を選ばれるということからも組織の柔軟性が感じられます。今後いろいろとおとなのあそび心に溢れた仕事をされていくと思うので、非常に楽しみである反面、そういう人たちを納得させられるような『個性的な木、変わった木、癖の強い木、到底常人では使いこなせそうにない木』などを仕入れて来ないといけないぞというプレッシャーもあります。もう普通の仕事には戻っていけそうになくなるつつありますが、そういう人間たちもいないと、マイナーの木の出口がなくなってしまいます。

そういう人たちって木選びも非常にアグレッシブで怖いもの知らず、いや何かあっても受け止める寛容さと乗り切れるだけの知見があるので、こちらの選択肢の幅も広がります。実際このパートリッジウッドをテーブルにしたのは今回初めてですが、こうして誰かが足を踏み出さないと新しい材の出口は生まれません。これで私も自信を持ってこの木を今後お勧めできますし、用途も広げていけそうです。あくまで私の感覚ですが、触感はニヤトーのような蝋のようなヌルッとした冷たい感覚です

こういうあまり知られていないマイナーな木って、知られていないなりの理由があります。物理的には供給量の問題や流通システムの問題の他に、材の性質の問題もあります。例えば乾燥すると極端にねじれるとか、後から後からダラダラとヤニが出るとか、虫が潜んでいて後から虫が出てくるとか。利用頻度が少なすぎてどういう特徴があるのかよく分かりませんが、こういう木こそ寛容で勇気ある大人の方に、従来とは違う物差しで、違う価値観で見定めていただきたい。木の多様性って、作る側にではなく使う側にこそあると思うのです

 




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